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 8時半ザルツカンマーグート地方へ向けてバスでホテルを出発。古くから岩塩が採掘されている地域で、ハプスブルク家の塩の御料地として繁栄した。ザルツカンマーグートとは塩(ザルツ)の御料地(カンマーグート)の意。山には厚い雲がかかり小雨が降ったりやんだり、どうも今日1日はっきりしない天気のようだ。バスはアルプスの山麓を走り、次々と湖が現われる。そう言えばウイーンからミュンヘンへ向かう飛行機から山岳地帯が見え多くの湖が見えた。今思えばおそらくこの付近なのだろう。

 1時間20分位して美しい町
世界遺産ハルシュタットへ到着。ハルシュタット湖畔の山と湖に挟まれて細長く開けた町ハルシュタットは、かつて塩の交易で大いに栄えた。昔は塩は貴重品で高値で取引され、岩塩の産地は巨万の富を得て大いに潤ったと言う。ここで岩塩が採掘される様になったのは紀元前3000年頃。特に紀元前1000年から500年にかけてこの地にケルト人が高度な文化を築き、”ハルシュタット時代”と呼ばれた。ところでザルツブルクで塩を買い忘れたので、ここでお土産として綺麗な化粧瓶に入った塩を買った。

 駐車場から湖畔に沿って歩いて行くと、ガイドブックに載っている様な美しい風景が見えてくる。
美しい自然は見る者の心を癒してくれるハルシュタット湖はザルツカンマーグートの真珠”と言わている。今日は雲が出ているので控えめに透明な湖面が輝いている。高台に上がって見下ろす風景は何処から見ても素晴らしい。今日の様な曇りの時も風情があるが、晴天であればコントラストが強く、おそらく異なる風情を感じるのではないだろうか?その様な時にもう一度訪れてみたい。

 街中に入ると山がすぐそこまで迫ってきており急斜面に家が建っている。地盤がしっかりしていないとこの様な所に家は建てられない。集落の中心には
マルクト広場があり、ここには噴水や彫像があり町の人々の憩いの場になっている。マルクト広場の近くには教会が2つある。何故こんな狭い所に2つ、しかもそんなに離れていない所にあるのか?高台に立つのがカトリック教会、湖畔近くの高い尖塔のあるのがプロテスタント教会である。オーストリアはハプスブルク家支配と言う歴史的な経緯から圧倒的にカトリック教徒が多い。この様に同じ所にプロテスタント教会があるのはとても珍しいそうだ。宗教改革の嵐が吹き荒れた時代、プロテスタント教徒が相当な覚悟を持ってこの地に移り住んだと伝えられている。

 急な階段の上にあるカトリック教会では日曜日のミサを行なっている。邪魔にならない様にそっと覗いて一礼してその場を去った。この教会の裏手には墓地があり、更にその後方にはパインハウスという納骨堂がある。ハルシュタットは狭く辺境の地の為墓地の確保がままならなかったので、一旦埋葬し後に墓を掘り起こしあらためてお堂に納骨したそうだ。

 ここにはハルシュタットの歴史を伝える
ハルシュタット文化遺産博物館がある。また遊覧船で湖を渡ることができる。今回は時間の関係で行ってないが、「ハルシュタットを時間をかけてじっくり見たい」と言う気持ちが更に強くなった。

 バスで移動し午前11時20分
ザンクト・ヴォルフガングに到着。ザンクト・ヴォルフガング湖の北岸にある町で、町の名はレーゲンスブルクの司教で後に聖人に列せられた聖ヴォルフガングに由来する。

 昼食までまだ少し間があるので周辺を散策することにした。街の中心には1477年に建てられた後期ゴシック様式のザンクト・ヴォルフガング巡礼教会がある。ここには聖母マリアの戴冠を描いた彫刻のある
高さ12mの主祭壇がある。チロルの彫刻家ミヒャエル・バッハーにより10年かけて1481年に製作された。近くで見ると重厚感があり圧倒される。言い伝えによると・・・ヴォルフガングが当時アバー湖と呼ばれたこの湖のほとりで修行していると、「汝の手にする斧を投げよ。落ちた所に教会を建てよ。」との神のお告げが・・・。そこでヴォルフガングはそのお告げに従い教会を建てた。

 壁のフレスコ画が目立つ建物がある。前回の南ドイツでも今回もあちらこちらに壁にフレスコ画を描いた建物が目につく。前回オーバーアマガウで現地ガイドさんが、「このフレスコ画は各家で描くのですよ。」と言っていたことを思い出した。ここのフレスコ画もやはりそうなのだろうか?

 
ここにはベルト・シュトルツ作曲のオペレッタ「白馬亭にて」で有名になった白馬亭がある。話のネタにここで食事をしてみたいものだ。オペレッタのタイトルだけは知っているが、そのストーリーは全く知らない。また映画「Sound of music」では、街からシャーフベルク山に通じる1893年開通のシャーフベルク登山鉄道が登場する。

 昼食をレストラン 
ZIMMERBRAEU GASTHOF でとる。もう既に3組日本人ツアー客がいて我々で4組目、暫くするとまたまた40人を越す日本人の大集団が・・・。それだけ日本人が大勢オーストリアへ来ていると言うことか・・・。ここはどこ??? まるで日本のレストランで食事をしている様だ。少々興ざめの感が・・・。食事を済ませてぶらりと歩いていると、ある店を人形が外から覗いているのが目に入った。これも歩いている人の気を引く為のアイデアだろうか?これから開店する店の様だ。店内にはこれから陳列する品物が積んである。
 ザンクト・ヴォルフガング湖の周りをぐるっと回ってザンクト・ギルゲンへ向かう。ここから先ほど訪れたザンクト・ヴォルフガング方面への遊覧船が出ている。Mozartの母アンナ・マリアが1720年にこの地で生まれ4歳まで過ごしている。またMozartの姉ナンネルが1784年この地に嫁いできて17年間暮らした家の一室が、現在モーツアルト記念室として公開されている。6畳位の狭い部屋にMozartの書簡や自筆譜などが展示されている。建物の壁にはアンナ・マリアとナンネルのレリーフがあり、その下に花が飾られている。

 街の中央には可愛らしい
町役場(Rathaus)がある。町役場と言われなければおそらく何だか分からないだろう。それだけ周囲の環境に溶け込んだ自然な建築物なのだ。今日は日曜日だが選挙の投票があるので町役場が開いていた。日曜日なのでほとんど人は歩いておらず、開いているのはお土産屋くらい。町役場の前のモーツアルト広場には、ヴィオリンを弾く少年Mozartの像が建っている。Mozart自身はザンクト・ギルゲンを訪れたことは一度もない。Mozart家ゆかりの地と言うことで建てられた。
 モントゼー湖畔の町モントゼー(月の湖)へ向かう。映画「Sound of music」で、トラップ大佐とマリアの結婚式のシーンが撮影されたモントゼー教区教会がある。13もの祭壇があり、モントゼー出身の彫刻家Meinrad Gubbenbichlerの見事な彫刻が見る者を圧倒する。教会から戻る途中カフェに立ち寄る。CakeとCoffeeを全部並べて写真に収めた。ここはCakeとCoffeeの料金をまとめて支払う方式だった。
 1時間ほどバスに乗り、今日の宿泊地バート・イシュルへ向かう。バートと名がつくくらいだからここには温泉がある。17時40分にホテル THERMEN HOTEL へ到着。ここはイシュル川とトラウン川に挟まれた古くから王侯貴族や音楽家などに愛された避暑地。ヨハネス・ブラームスやヨハン・シュトラウスといった作曲家の別荘、それにイシュル川の対岸に皇帝フランツ・ヨーゼフT世の別荘カイザー・ヴィラなどがある。カイザー・ヴィラは皇帝と皇妃エリザベートの結婚を祝して建てられた。残念ながらここへ行くには到着が遅すぎた。

 夕食までまだ間があるので街中を散策することにした。まずはホテルのすぐ傍の教会を見てから駅の方面へ向かう。街中をぐるりと一回りしてホテルへ戻った。
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