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1月29日(土)

 NHK某ディレクターなどの経費不正流用問題で大揺れに揺れたが、海老澤会長の辞任で一応決着をみたかに思えた。ところが辞任会見の翌日橋本新会長が、前日辞任した前会長、前副会長、前放送総局長の3人の顧問就任を発表した。これには呆れ果てて開いた口が塞がらない。NHK幹部はいったいどういう感覚をしているのだろうか?海老澤前会長はこれで責任をとったつもりなのだろうか?辞めた翌日に厚顔無恥にも顧問就任とは・・・何も責任を感じていなかったとしか言えない。世間の圧力に屈して一応会長から降りたとでも言いたかったのだろうか?つまり自分は悪くないのに仕方なしに辞めさせられたと・・・。

 橋本新会長は記者会見で「海老澤前会長らの顧問就任の判断に誤りはなかった」と強調した。 役員の顧問就任は”慣行”、”自動的”、”慣習”だそうだ。新会長としては従来の流れに沿って顧問就任を要請したのだろうが、現在のNHKの置かれている状況を考えれば非常識な行為なことは一目瞭然・・・。付け加えれば確かに歴代会長は顧問に就任しているが、過去3人の辞任した会長は顧問には就任していない。都合の良いところだけ”慣行”と言って採用し、都合の悪いところは知らんぷりでは通用しない。世間の一般常識とは全くかけ離れていることを露呈した。こんな新会長の下では本当にNHKは再生できるかどうか極めて疑わしい。さすがにNHK内部でも良識派から相当反対の声があったはずだが、正論が無視されるとはNHK幹部には全く危機感が欠如している。”反省は猿でもできる”が、それもできないNHK幹部は猿以下・・・?

 前会長が顧問として居座ることにより世間から『院政』との疑惑を持たれるとは思わなかったのだろうか?新会長は前会長による『院政』批判については「前会長には経営にかかわる権限は何もない。私に対して影響を与えるものは何もない。私の判断で経営をやっていけばいい」と反論している。そんな言い訳けが通用するとでも思っているのだろうか?

 新会長が前会長らの顧問就任を発表してから、NHKへは抗議の電話が殺到した。1月27日には約10万件もの抗議電話が殺到しさすがに回線がもたなかった。それはそうだ。こんなことをやっていては腐りきったNHKの体質改善を本気で考えているなどとは誰も思わない。新会長は「クレームが来るのは覚悟していたがこれほど来るとは思わなかった」そうだが・・・何と愚かで馬鹿としか言い様がない。一般世間の感覚があればすぐに分かりそうなものだが・・・。こんな人材しかNHKにはいないのだろうか?”技術畑会長、女性副会長”などの小手先だけの手法で世間をごまかそうとしてもダメ・・・視聴者を完全になめている。新会長以下執行部の改革意欲は疑わざるをえない。旧来の膿んだ体質を引きずった勢力を一掃し、全く新しい人材を登用し心機一転謙虚に再生を誓わなければならない。

 NHK受信料の支払い拒否・保留問題が更に増え続けている。不祥事を重視した衆院総務委員会が前会長を参考人招致した時、NHKが生中継しなかったのは如何にもまずかった。”臭いものにはふた”との世間の強烈な反発を受けた。特番「NHKに言いたい」で何とか切り抜けようとしたが、窮余の一策もかえって火に油を注いだ形になってしまった。やること為すこと次々と裏目に出て、3月末には支払い拒否・保留が45万−50万件に達するとの見通しがある。民放と異なり受信料で経営しているNHKにとっては大きな痛手・・・身から出た錆とは言え存続にかかわる経営危機にも繋がりかねない。支払い拒否・保留の流れを止めるにはNHKが変わったことを世間に示さなければならない。

 それには一つにはNHKの「経営委員会」が大きな役目を果たさなければならない。会長の任命、罷免権まで握る「経営委員会」が最高意志決定機関だが、実際は名ばかりでほとんど機能していなかったと言われる。本来”お目付け役”としてNHKの動向を監視しなければならないはずが、単なるお飾りで祭り上げられていた。「経営委員会」もこれで目が覚めて本来の役割を本気で果たさなければならない。今度の一連の騒動できちんと機能してくれるとは思うが・・・。

 それにもう一つ・・・忘れてはならないのがNHKの番組改変問題。従軍慰安婦問題を扱った特集番組「ETV2001 戦争をどう裁くか」について朝日新聞が”政治介入があった”と報じた。番組放映前に自民党の中川経済産業相と安倍幹事長代理が見て放映内容の変更の政治的圧力をかけたとされている。政治家に放映前に見せるのは事実上の事前検閲ではないか?NHKか公共放送であり、予算/決算の承認は政治家に握られている。NHKの立場は弱く、政治家の発言の影響力は政治家本人が思うより相当に強い。

 この問題の成り行きによっては受信料の支払い拒否・保留問題が更に大きくなる可能性もある。またこの問題は関係者の証言に食い違いが甚だしく、もう暫く事態の推移を見守りたい。現時点ではこの問題についてこれ以上のコメントを差し控える。
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