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4月15日(金)

 大阪市で支給されていた福利厚生やヤミ手当などの一件で大阪市職員労組が抵抗していたが、世論に押し切られる形で渋々削減を認めた。いつまでもぐたぐた言って見苦しい醜態を晒していたが、ようやく当たり前のことが当たり前の形で収まることになる。2005年度予算ではこれらの悪しき慣行は一掃された。税金の無駄遣いも甚だしい。京都市にヤミ手当などがないかどうか国税庁の査察が入っている。どんな結果になるかは分からないが、この際だから全国全ての自治体対象の総ざらいしたらどうだろうか?恐らく膿が一杯でるかもしれないが・・・。襟を正す絶好の機会ではないか?

 昨日の午後大阪市の監査委員会は市長に対して、1年分のスーツ購入費約3億8000万円を返還する様に勧告した。市民グループが過去10年分35億円の返還を現市長、前市長に住民監査請求を起こしていた。またこれに関しては国税庁が「給与所得」と判断して過去1年分の所得税を3億円と認定している。市側は”制服”の名目で支給したが、国税庁では「他でも着用できるものは制服とは認められない」との見解を示している。当たり前の様に支給していた市側、当たり前に受け取っていた職員側のいずれも一般世間の常識からかけ離れた感覚の持ち主と断じる。

 更に呆れたことに大阪市が支給していたスーツの納入について談合疑惑が持ち上がっている。市民団体が公正取引委員会に調査を申し入れていたが、既に先週から公取委は調査を開始している。事実とすればまさに”恥の上塗り”もいいところ、お役所体質もここまで行けばただただ絶句するばかり・・・。

 大阪市の入札記録によると2004年4月の男性職員用のスーツ入札には14業者が参加したが、第1回入札では全て予定価格オーバーでやり直しになった。再入札の結果第1回入札で最も低い価格を示した業者以外の業者全てが辞退した。1999年度から2004年度にかけてスーツの入札が31回行なわれているが、内10回強ほど同様な過程で最初に最も低い価格を提示した業者が落札している。また毎年同じ業者が落札したり、特定の2社が交互に落札するとのおかしな状況もある。この様な事実を踏まえると、どう考えても不自然で裏取引が行なわれていたと言わざるを得ない。

 カラ残業問題では何と6331人もの職員が処分された。全大阪市職員の7.5人に1人が処分対象になったが、いまだかつてこの様な大量処分は例がないと言う。ところが処分が甘く、地方公務員法上昇給・昇格に影響のある”戒告”は僅か135名で、残りは人事記録に残るだけの”文書戒告”、”口頭注意”とほとんど名目だけの処分と言える。これでは「他人に厳しく身内には甘い」と言われても仕方がない。私の所属する会社の人事規則の懲戒規定では”不正な出退勤申請”を行なうと最悪懲戒免職とある。勤怠は社会人としての基本と新入社員教育で教え込まれている。

 会計監理検討委員会は2003〜2004年度の残業手当計8648万円分の残業について、「残業の実態が認定できない」と指摘している。これについては該当する市職員が不正受給分を返還している。遡ってに2001〜2002年度分の調査を進めているが、調査終了次第随時返済されることになる。不正な手段で取得した金額に利子をつけて返還させたいところだが・・・。

 かつて大阪市では1998年に係長クラス以下全員に月5時間分の残業手当を支給していたことが発覚したことがある。当時の市長は「今後不適切な給与や手当の支給は行わない。」と約束していた。政治家の約束など”あてにならないものの代名詞”の典型だが、このこともそのいい加減さを実証している。


 ところで大阪市がカラ残業問題で記者会見を行なった時、その場には市長はおらず人事課長が説明をしていた。人事課長は「何故この場で市長が釈明しないのか?」と突っ込まれて立ち往生していた。後に市長はこのことを記者団に問い質されて「忙しくて出ることができなかった。」と言い訳けをしている。人事課長が市長がいない理由を説明できなくて当たり前・・・この時何と市長、助役などのお偉方は公用車で繁華街に繰り出して”送別会”に出席して遊び呆けていた。

 民間の企業だったら不祥事のお詫び会見に最高責任者が出席しないなんて全く考えられない。そんなんことをしたらその企業は袋叩きに会い信用を失いひどいことになる。担当に任せておいてそれで幕引きをしようとは、全くお役所とはいい気なもの・・・。市長にとって何ほど”送別会”が重大事項だったのか?不祥事のお詫び会見なんぞ取るに足らぬつまらぬ事項だったのか?

 こんな市長の姿勢では本気で不正を正そうとしている様には到底思えない。不正が発覚したので仕方なしに指摘された部分を廃止したのだろう。「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」の例えがある。上層部がこんな有様ではほとぼりが冷めた頃にまた同じような不祥事が起きても何ら不思議はない。
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