トップ アイコン
次の記事へ

トップ アイコン
言いたい放題
トップヘ

トップ アイコン
前の記事へ

6月30日(木)

 またまた大規模な詐欺事件が世間を騒がせている。6月28日警視庁は健康食品販売会社「リッチランド」、グループ会社、販売代理店など北海道から沖縄までの全国30数ヵ所について、出資法違反の疑いで一斉に家宅捜索した。「出資すれば僅かな期間で倍になる。」などと言葉巧みに持ちかけて違法行為を行なっていたとされる。また会員が新たに新規会員を獲得すると紹介料を払い次々と会員を増やして行く形態、即ち”マルチ商法”の形態をとっていた。会員は全国で1万人、集めた金額は400億円を超えると見られる。「リッチランド」幹部は「会員には物品を購入してもらっており、投資、出資という形ではない。配当もしていない。海外投資で得た金を会員に支払っている。」と話している。

 それにしてもこの類の事件はいつまで経っても後を絶たない。最近では約4万8千人から約1600億円を集めた「全国八葉物流」の事件、古くは1985年(昭和60年)被害者数数万人、被害額約2000億円のペーパー商法「豊田商事」事件などなど・・・。如何に人が”儲け話”に弱いかを証明している。そんなに簡単に儲かる”うまい話”があるはずがない。きちんと効けば胡散臭い話であることは誰でも容易に分かるのだが・・・。楽して儲けようとする心理を巧みに突く”ずる賢い”詐欺師の手にかかれば、”赤子の手を捻る”が如くいとも簡単に騙されてしまう。

 「リッチランド」は全国のホテルで頻繁に説明会を開き会員を募っていたが、入会案内では健康食品の購入契約としていて表向きには”儲け話(投資)”は出て来ない。恐らく説明会の中で巧妙なタイミングで投資話を持ち出し、その時点で心理的に高揚させられていた方々はいとも簡単に他愛もない”儲け話”に引っ掛かってしまったものと思われる。

 それではその”儲け話”とは如何なるものなのか?1口60万円か150万円を入金すると半年ほどで約2倍になるとする『ショートプログラム・ミヤマズファンド』、1口60万〜750万円を払うと月1回、計30回に亘り金が支払われるとする『ゴールデンプログラム』など。それでは「リッチランド」は集めた資金をどの様に運用しているとしたのだろうか?不動産開発や沈没船の財宝引き揚げなど海外での”投資先”を次々と紹介している。約100億円を複数のヨーロッパの金融機関に送金している事実が確認されてはいるが、実際に運用されたかどうかは確認されてはいない。警視庁は大半が実態のない海外投資と見ており、詐欺容疑での立件も視野に入れて実態解明を進めている。

 1999年会社設立後に会員に配布したパンフレットには、投資先としてヨーロッパのIT企業を紹介している。2003年にはモスクワ郊外などにプール付き住宅など約50戸の建設計画、2004年にはルーマニアにマンションや別荘の建設計画を発表している。パンフレットには建設中の住宅写真や現地法人の設立証明書なども掲載されている。 また過去に沈没船を発見したとされるイギリス出身の冒険家に投資し、”引き上げた財宝から得られる利益の数十%を自社が取得する”と説明している。加えてこの冒険家を実際に説明会に招いている。ここまで手の込んだことをされれば、素直に信用する客が出てきても不思議ではない。

 恐らくその場に居れば如何にも尤もらしい話に聞こえたのではないか?何と言ってもプロの詐欺集団、巧妙な弁舌で参加者を丸め込んだに違いない。低金利時代に少しでも多くの利益を出そうとして”欲の皮が突っ張った”顔が雁首を揃え、詐欺集団には”葱を背負った”鴨がたくさん並んでいる様に見えたことであろう。。楽して儲かる様な美味しい話が転がっているはずがない。そんな”儲け話”が目の前にあったらまずは疑ってかかるのが常識・・・闇雲に飛び付けば大怪我するのは必定。それに簡単に儲かるのであれば他人になんぞ紹介せず自分で儲けを独占すれば良い。そうでないから他人を巻き込んで金を巻き上げる為に悪知恵を働かせる。最後に一句・・・。

                 気をつけよう 甘い言葉に 儲け話
言いたい放題