2005.03.28

 今日予定されていた北尾氏と堀江氏が突然中止された。堀江氏の都合がつかないとの理由でcancelされたとのことだが、ライブドア内には「何故今会うのか?」との反対の声が強く素直には信用できない。確かに今会っても恐らく堀江氏は準備不足で、北尾氏に良いようにあしらわれる可能性がある。北尾氏にあまり介入されることがライブドアにとって得策ではないと考えているのではないか?M&Aのプロ北尾氏への強い警戒心がライブドア内部には広がっているものと見られる。

 
フジテレビとライブドアは昨日夜全く同時刻に同じ文面で「継続協議中」との声明を出した。いったいこれは何だろうか?フジテレビは北尾氏に”切り札”を渡したものの、提携交渉よりも先にあまり動かれて意図しない解決策を出されても困る。一方ライブドアもとりあえずフジテレビが提携交渉のテーブルについてきた状況を大事にして、北尾氏の動きを牽制する狙いがあると見られる。

 
提携交渉がすんなりまとまるとは思えない。フジテレビは背後にSBIと言う切り札をちらつかせながら強い態度で提携交渉に臨んで来ると思われる。一方ライブドアはニッポン放送の経営権を掌中にしていることとフジテレビ本体へのTOBをちらつかせながら、フジテレビに業務提携、経営への参画を迫ってくるだろう。依然として両者の主張には隔たりがあり難しい局面が予想される。

 
ライブドアが提携交渉を長引かせて”時間稼ぎ”に出るかもしれない。時間稼ぎをする一方で”貸し株”への訴訟の可能性、TOB資金調達の可能性を探るなど様々な選択枝を検討することも考えられる。また6月末のニッポン放送株主総会で実際に経営権を取得すれば、それを背景にフジテレビに譲歩を迫ってくることもある。またフジテレビとしては「ニッポン放送を見捨てられない」としているので、ライブドアがそこをついてくることも考えられる。

 しかしながら
北尾氏がキャスティングボートを握っていることには間違いない。今までの経緯からしてフジテレビ、ライブドアがそう簡単に歩み寄るとは考えにくい。どこかで提携交渉が行き詰まり、北尾氏が言う「大人の解決方法」に頼ることになるのだろうか?

 ところで
堀江氏はフジテレビの貸し株を”想定の範囲内”と相変らず強気の姿勢を崩していない。しかしながらSBIに北尾氏が登場することまで想定していたのだろうか?もしかしたら最も出てきて欲しくなかった人物では?それと”想定の範囲内”とすれば事前に何らかの手(法的な手段)を打つことができたはず・・・。意周到な堀江氏にしては”上手の手から水が漏れた”様に思われるが・・・?

 2005.03.29

 
堀江氏は今朝のTVで北尾氏の登場が”想定外”と認めた。だからこそ一時的にせよかなり動揺して北尾氏との接触を図ったのだろう。冷静になった堀江氏は思い直して”ドタキャン”したのでは・・・。言外に北尾氏の存在を恐れているのではとも考えられる。

 ニッポン放送とSBIとの契約内容が依然として不明のまま・・・賃借料、解約料などの条件はどうなっているのか?賃借料が不当に安かったり解約料が不当に高ければ、会社に損害を与えたとして(特別)背任、株主代表訴訟、あるいは”貸し株”返還要求訴訟などの手段がライブドアには考える余地が残っている。一部の専門家はこの可能性を指摘している。またライブドアも当然情報収集、並びに対抗手段を検討していると思われる。

 そう言えば近頃堀江氏本人がマスコミの前で話さなくなった。代わりに広報担当の女性乙部氏が頻繁にTV出演などをこなしている。北尾氏から「M&Aをやっているにしては喋りすぎ」と言われたから?それとも形勢不利と見て陰で作戦を練っているのだろうか?それはともかくとして乙部氏が堀江氏のスポークスウーマンとして懸命に職責をこなしているのが良く分かる。


 2005.03.30

 ライブドアの子会社ライブドア証券が初の主幹事案件として、名証セントレックスに上場したエフェクター細胞研究所を手掛けた。昨日の初日は公募価格38万円では買い手がつかず売り1色で、ようやく今日初めて24万円で取引が成立した。その後も売り気配が強く、終値は21万円で取引を終えた。抽選で同社株式を手に入れた株主は大損の危険性に晒されている。既に1株あたり17万2000円の損が生じている。株式取引は基本的には投資家が自己責任で行なうべきものだが、証券会社がいとも簡単に顧客に損をさせてよいものだろうか?堀江氏はこの問題に関してどう考えているのだろうか?(この話題に関しては随筆風味『ぺんぺん草』第75段を参照されたい。)

 水面下での激しい動きが伝えらるが表面にはなかなか見えてこない。暫くこの様な状況が続くのではないだろうか?昨日午後に堀江氏と亀淵氏が2月8日以来久しぶりに会談したと報じられている。北尾氏の影響を排除すべく会っていると思われるが、両者の議論は噛み合わず平行線を辿ったと言われる。今後も交渉は継続するとしているが・・・さて?

 ライブドアの株価の終値は前日比17円安の318円で取引を終えた。ライブドア有利で進んできた展開が一変、北尾氏の登場でライブドア内部で混乱が起きているとか資金調達が逼迫してきたなどの推測が市場に流れた為と見られる。堀江氏は既に手詰まりと市場では見られている。果たして実際はどうなのだろうか?

 2005.03.31

 今日の日本経済新聞によると、「ライブドアがフジテレビに『休戦協定』の条件を提示していることが30日、明らかになった。ライブドアがフジテレビ株の買い増しに動かない代わりに、ニッポン放送の持つ優良資産を売却しないことなどが条件になると見られる」と報じている。フジテレビはそんな話は聞いていないとしている。”休戦”の意図するところは何か?6月末のニッポン放送株主総会までの時間稼ぎ・・・?今更何を言ってるのかと言う感もする。

 フジテレビは形勢はライブドア不利に傾いていると見ており、現状ではすんなりこの話に乗ってくるとは思えない。また堀江氏とフジテレビの村上氏が先週末に会談しているが、堀江氏の提案に村上氏は難色を示したと言われている。フジテレビは”諸刃の剣”SBI北尾氏の参入で局面が一変し、堀江氏が手詰まりになっているとの見方をしているのではないか?

 ライブドア証券が初めて主幹事を務めた
エフェクター細胞研究所 の株価が、公開後僅か3日で公開価格38万円を約50%も下回る18万8000円(今日の終値)に暴落している。果たしてこの企業は上場に値するだけの価値があるのだろうか?ライブドアの子会社の出来事ではあるが、やはりライブドアグループ全般の失態と受け止められている節がある。ライブドアの投資判断能力を疑問視する動きが出てきている。どうやら堀江氏への信頼感に影響を与えかねない状況になっている。

 2005.04.01

 
テレビ東京が敵対的買収への防衛策として、取締役の改選時期をずらす”期差選任”の導入を検討している。6月の株主で定款変更を提案すべく具体案を作成している。ニッポン放送の失態を教訓にしているが、全くノー天気な経営者が日本には多いことを露呈している。単に当たり前のことを実施していなかっただけで、同様な多くの企業がこの対策を導入すると思われる。

 北尾氏はSBIのサイトで「堀江氏とはこちらから面会を申込むことはない。もともと仲介する立場にないし、積極的に仲介するつもりはない。」と述べている。堀江氏から会談を申込んできたにもかかわらず、一方的にキャンセルされている。一方フジテレビは北尾氏に”貸し株”しているにもかかわらず強い警戒感を示している。何の為に”貸し株”したのか?堀江氏との交渉に北尾氏の存在を利用しようとしているだけなのか?それだけであれば”貸し株”はリスクが大きすぎる。いすれにせよ両者は北尾氏の面子を潰している様に思える。当面北尾氏は表立って動くことはないだろうが、将来的にどう出るかは見当がつかない。両者にとって北尾氏は怖い存在であることは言うまでもない。

 ニッポン放送がフジテレビ株式同様ポニーキャニオン株式を”貸し株”する可能性も考えられる。もしそうなった場合、堀江氏がニッポン放送経営権獲得で得るものは”Crown Jewel”のないニッポン放送本体だけになってしまう。当然堀江氏としてはそうさせたくはないが、もしもの備えとして提携交渉により少なくともフジテレビ株式を手に入れておきたいはず・・・。そうでないと800億円+αの大金を投じてニッポン放送を手に入れたことについて、堀江氏はライブドアの株主総会で説明がつかなくなる。恐らく堀江氏はフジテレビとの提携交渉を頑張り通して何とか実利を得る手立てを検討していると思われる。

 昨日付で「
朝日新聞がライブドアへのNews配信を打ち切った」と日本経済新聞が報じている。ライブドアは自社の記者約30人の原稿執筆に加えて約30社からNews配信を受けている。今回の朝日新聞は「3月末で契約が終了」としているが本当にそうだろうか?いったい何があったのだろうか?

 
ライブドアの株価は6日続けて下落し、終値は前日比6円安の311円で取引を終えた。フジテレビとの争いが膠着状態にあるのと前述の朝日新聞のNews配信停止がマイナス材料になっている。3月7日につけた上場以降の最安値300円に近づきつつある。市場では既に300円割れも囁かれている

 
エフェクター細胞研究所の株価は小幅な値動きで、終値は前日比2000円安の18万6000円で取引を終えた。出来高は3957株、不安が一杯の株式をいったい誰が売り買いしているのだろうか?証券会社は一生懸命買いに出て下支えをしようとしているのだろうか?それとも誰かが何らかの思惑で売り、買いに出ているのだろうか?いずれにせよ明るい材料は何一つ見当たらない。暫くは押したり引いたりで小幅な動きを続けるかもしれないが、次の分岐点はストック・オプション行使日の4月9日、そこでどうなるか注目される。

 2005.04.02

 マスコミ各社からライブドアに配信される記事は1日1000本で、朝日新聞の記事は約100本と高いウエイトを占めている。表向きは契約満了となっているが、もしかしたらライブドアへの牽制の意味があるかもしれない。堀江氏は記者会見で「一次情報は買えばよい。」と述べているが、それに対して朝日新聞が反発したとも考えられる。今のところマスコミ他社に同じ様な動きはない。もしマスコミ各社が契約満了を理由にライブドアへの配信停止したらどうなるだろうか?またまた裁判沙汰になるかもしれない・・・。
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