2005.07.04

 ライブドアの株価は400円の壁が厚く立ちはだかり一時404円まで上昇したものの、その後押し戻され終値は前日比1円安の396円で取引を終えている。上値が重い展開で、暫くは400円を超えては押し戻しが繰り返されるかもしれない。その先はどうなるか?堀江氏の提供する材料次第・・・。

 
ニッポン放送の株価は大引け前30分から急に出来高が増え、終値は前日比20円高の6310円で取引を終えている。6310円?まもなく上場廃止にも関わらず取引があり、それも買取価格6300円を上回っているとは?ニッポン放送の株式は既に過去のもので取引の価値がないと思うのだが・・・?何とも不可思議な取引だが、いったい誰が何の為にとの疑問を感じる。

 
ライブドアマーケティングとACCESSの株価は先週から変化が小さい。今月の転換価額修正は両社共に第3金曜日(7月15日)、今週いっぱい小さい範囲での動きに終始すると思われる。ライブドアマーケティングはMSCB発表直前の株価から1130円の下落、一方ACCESSの株価は10万円の回復と今のところ好対照の結果を示している。これが両社のMSCB引受け先の差によるものかどうかは先になってからいずれ検証する。さて来週の両社の株価の動きは如何に?そして2回目の修正転換価額がいくらになるのだろうか?

 
プラネックスの株価は22万1000円に始まり20万6000円まで下げ、その後22万円に戻し終値は前日比3000円安の21万7000円で取引を終えている。高低差1万5000円は投資家のプラネックスを信じたいが一方では不安を持っていることの表われと見るべきか・・・。不安の要因とは・・・株式分割とMSCBがセット、それにMSCB引受け先がライブドア証券・・・相当心理的に揺れ動いていると思われる。

 株式新聞ダイジェストでこんな記事を見た。どこの企業もよくぞやってくれるものと開いた口が塞がらない。殊にエス・サイエンスの場合は取締役会決議のみで何と発行済み株式の48%にも相当する新株式発行を決めるなんて・・・こんなことが許されるとは日本の法律はまさに”ザル”と言わざるを得ない。

ぴあが3日続落、新株予約権とCB発行で需給悪化懸念が台頭、東海リース、トヨタ紡織等も安い

 ぴあが3日続落。1日、新株予約権と転換価額2331円のMSCB(無担保転換社債型新株予約権付社債)を発行し、約33億円を調達すると発表。同日、転換価額289円でMSCBを発行、9億7000万円の発行を発表した東海リースも3日続落したほか、トヨタ自動車 など6社が保有する発行済み株式数の約11%に当たる2000万株を7月中に売り出すと発表したトヨタ紡織も続落。また、1日に第三者割当による発行済み株式数の48%に相当する2億9000万株の新株発行(発行価格19円)を発表したエス・サイエンスも急落。いずれも需給悪化や目先上値の重さを嫌気した売りが先行している。

 2005.07.05

 昨日ライブドアは自社の」ポータルサイトで共産党の機関紙「赤旗」、韓国の日刊紙「朝鮮日報」から配信を受けて記事を掲載すると発表した。ライブドアでは「今後も政治的立場や地域的視点にとらわれず、読者に多角的な視点からニュースを提供する。」としている。伸び悩んでいるアクセス数を増やす為に共産党系、朝鮮系の方を取り込もうとする狙いと見られるが、果たして思惑通りになるかどうか?ちなみに現在ライブドアに記事を提供しているのは32社あるが、国内の大手新聞社では毎日新聞のみ。

 堀江氏は自社株式を4000万株を1株357円20銭売却し、保有比率が24.14%から17.25%に低下した。依然として堀江氏が筆頭株主には変わりない。ライブドアが関東財務局に提出した大量保有報告書により明らかになった。ライブドアでは売却方法、売却先は明らかにしてはいないが、恐らく機関投資家に売却したと見られている。何の為に堀江氏が自社株式を売却したのか物議を醸している。一部報道によれば(ロシアでの)個人で手掛ける計画のロケット打ち上げ事業の資金にすると見られる。事実とすれば
多くの投資家から掠め取った巨額の資金での道楽とは・・・143億円もの資金を個人で手に入れてまあ実にいい気なものだ。

 堀江氏所有の自社株式を安く買った法人X社はどこなのだろうか?リーマン・ブラザーズ?村上ファンド?それとも他のどこか・・・?今日の終値が384円、X社の取得価格は357円20銭、X社の市場売却はもう始まっているのだろうか?恐らく短期で利益確保を目論んでいるのに違いない。とすれば4000万株は市場にて強烈な売り圧力になって襲いかかってくる可能性がある。

 今日の株価は現在監視中の7銘柄の内6銘柄が値を下げた。
ライブドアの株価は利益確定売りに押されたのか、上記2つに嫌気が指されたのか大幅に下落し、終値は前日比12円安の384円で取引を終えた。明日からこのまま下落傾向が続くのだろうか?特に堀江氏の自社株式約4000万株の売却は何やら怪しげで「売り逃げでは?」との印象すら与えている。当初は世間に歓迎されていた堀江氏だが、果たして現在はどれほどの人が快く思っているのだろうか?上滑りして地に足が着いていないかの如き堀江氏はやはり信用できない

 MSCB発行で監視している
ライブドア・マーケティング、ACCESS共に株価が下落した。ACCESSの終値は8万円安の225万円で取引を終えている。ACCESSは緊急に資金調達が必要でMSCBを発行したと言っているにも関わらず、依然としてその使途を明らかにしない(出来ない)のは何故?いい加減に明らかにしないと野村證券とACCESSが吊るんだ性悪な”猿芝居”との疑念を抱く。

 一方
ライブドア・マーケティングの終値は前日比80円安の4020円で取引を終えている。資金の使途は借金返済に30億円、運転資金に10億円、M&Aに60億円としてはいるが、ここも怪しさ一杯で胡散臭さが充満している。”台所が火の車”で自転車操業と公言している様なもの・・・。借金返済の為に借金しているのと同じで、どこぞの国の借金まみれの政府、地方自治体がやっていることと何ら変わりない。昨日も記したが、この両社は来週末にMSCBの第2回転換価額修正が控えているので目が離せない。来週を目指して株価を下げて行くのかどうか注目される。

 2005.07.06

 堀江氏の『お仕事相談Blog』で次の様なQ&Aが記載されている。

 【Question・・・?】 
100億を目指す44歳の会社役員ですが、いろいろな事業をし10億まではたどり着いたのですが、事業では売上100億は可能でも現金100億は税制上なかなか難しいとおもいます。これからは金融市場での展開を考えているのですが?10億の使い方アドバイスをお願い致します。

 【Answer・・・!】 
キャピタルゲインに対する課税はインカムゲインに対する課税よりも税率が低いので断然キャピタルゲイン狙いで行くべきです。つまり、会社を上場させるのが近道です。

 これを見れば
堀江氏がまずは上場し、次に株価上昇で大幅な利益を得るのが得策と考えているのがよく分かる。キャピタルゲインの方がインカムゲインよりあらゆる面ではるかに有利・・・。そう言っているわりには自社の株価は低迷し配当もない。ところが堀江氏は創業者の特権を活かし自社株式を売却して約143億円を得ている・・・これぞまさしくキャピタルゲイン。ところが投資家から見れば株価は下落、それに配当もなしではキャピタルゲインもインカムゲインもあったものではない。堀江氏のやっていることはまさに自己中心(ジコチュー)そのものではないか?

 ライブドア広報でTVに出まくっていた乙部女史がフォトエッセー集「ライブドア広報 乙部綾子」を出版、昨日東京・六本木ヒルズの書店で初めてのサイン会を開いた。すっかり芸能人気取りで全くいい気なもの・・・。まともな企業だったら美人広報がちょっと有名になったからと言ってこんなことをするとは思えないが・・・?すっかりのぼせ上がっている本人も本人だが、それに飛びつくマスコミもどうしようもない阿呆としか言い様がない。ちなみに約100人の取材陣が集まったが、フジテレビの姿はなかったそうな・・・。フジテレビとしては阿呆らしくてこんなもの不愉快で取材する気にもなれなかったのだろう。もしかしたらフジテレビとライブドアの業務提携交渉もうまく行ってないのでは・・・?

 
ライブドアの株価は昨日の堀江氏の自社株式売却報道ショックの為か前場で371円まで下落したが、後場になって持ち直し終値は前日比4円安の380円で取引を終えている。そのまま一気に下へ向かうかと思えたがよくぞ持ちこたえたと妙に感心する。熱心な堀江氏の支持者が懸命に買い支えているのだろうか?今までに散々投資家をコケにして来た(裏切って来た)堀江氏を性懲りもなく支持する方はどの様な人達なのだろう。

 ライブドアを見ていると何故か「ヤオハン」倒産が思い出される。熱海の小さな商店が世界各地に進出する大企業まで昇り詰め、結局は1997年9月
転換社債大量発行による安易な資金調達を利用した過剰投資と非効率な経営”が原因で破綻したこの1件は当時かなり話題になった。勢いのあるヤオハンはハイリスクな拡大路線を推し進め、コトある毎に銀行と対立していた。具体的には国内外での百貨店事業はそのハイリスクが故に銀行融資が受けられず、転換社債、ワラント債で資金調達してひたすら拡大路線を突っ走った。転換社債、ワラント債は株式に転換されれば返済しなくて良いが、ヤオハンの資金繰悪化・経営難が表面化し大半は株式転換されることなかった。結果的にヤオハンには大借金が残り倒産に追い込まれた。大半の転換社債、ワラント債は償還されることなく、株式ともどもただの紙切れ同然になってしまった。債権者・株主に多大な犠牲を強いる最悪の結果になった。

 ヤオハンは転換社債の魅力(魔力)に魅入られて大量発行して自らの首を絞める結果になっている。現在のライブドアにそのまま当てはめることはできないが、勢いで突っ走っているライブドアを見ると「どこかで転げ落ちるのでは?」との危惧を抱く。ライブドアが調達した約1470億円は既に全額株式なので、ヤオハンとは異なり返済する必要はない。しかしながら巨額の資金調達したことは変わりなく、資金を有効活用し投資対効果に見合う利益を上げなければ将来の破綻に繋がる。くどい様だがこの約1470億円はライブドアの儲けではない。ライブドアはニッポン放送買収の為に800億円+αを必要としたが、その企業規模からすれば銀行から巨額融資を受けることができずにMSCBで調達した。現在ライブドアは資金豊富だが、将来資金調達が必要になった時にMSCB(場合によっては+株式分割)を発行する可能性は充分に考えられる。間違いなくライブドアは更に拡大路線を突っ走って行く。しかしながら無限増殖なんぞあり得ない。そこに怖さを感じるのは私だけだろうか?

 
フジテレビの株価は21万5000円前後でほとんど動かず、終値は前日比2000円安の21万4000円で取引を終えている。さて株価を上げる薬はないものだろうか?何か有効な材料が出てくるのも待つのも一つの手立て・・・。それよりも”城に巣食う物の怪”を退治するのが最も効果的な施策かもしれない。

 
エフェクターの株価は昨日から再び下落に転じ、終値は前日比3000円安の15万8000円(下落率:58.4%)で取引を終えている。ふと気がついたのだが6月28日からの株価の動きが5月27日から6月10日頃までの動きによく似ている。5月27日から6月10日頃と言えば、5月31日大引け後に2回目の業績予想の修正を公表している。その時のインサイダー取引を思わせる不自然な株価の値上がりとその後の下落は、6月28日からの株価の動きにそっくりではないか?今のところエフェクターからは何も開示されていない。胡散臭さがプンプン漂っているので監視を続けて行く。

 2005.07.07

 東証2部上場のプリヴェチューリッヒ企業再生グループが提出した大量保有報告書により、京成電鉄の発行済み株式の6%近くを保有していることが昨日明らかになった。松村社長は株価次第では更に買い増すとしている。京成電鉄は言わずと知れたオリエンタルランド(OLC)の株式約20%を保有する筆頭株主、プリヴェチューリッヒの狙いがOLCであることは明白。それとも株価を吊り上げて高値で売り抜け様との魂胆・・・?この報道を受けて様々な思惑が錯綜し、京成電鉄の株価は一時ストップ高をつけるほど急騰したが終値は前日比51円高の620円で取引を終えている。

 京成電鉄とOLCの関係はかつてのニッポン放送とフジテレビの関係同様逆転している。今日現在の親会社京成電鉄の時価総額は約1883億円、一方子会社OLCの時価総額は約6838億円となっている。両社の資本関係の問題点は既に指摘されていて、ライブドアが同様の狙いで京成電鉄を標的にしているなどと取り沙汰されたことがある。噂されたライブドアの代わりにプリヴェチューリッヒが出現したが、今のところどこまで本気に経営権を狙ってくるかは分からない。攻めるプリヴェチューリッヒ、守る京成電鉄の今後の対応が注目される。

 堀江氏がフジテレビの「FNS ALLSTARS 25時間テレビ」に出演することが決まった。堀江氏のフジテレビ出演は騒動勃発以来5ヶ月ぶりとか・・・。フジテレビも今まで散々コケにされて来た堀江氏をよく出演させる気になったものだが・・・。視聴率獲得の為に背に腹は代えられないのか、それとも両社の提携交渉の歩み寄りの兆しなのか?いずれにせよ私はあの不愉快な顔なんぞ見たくないので、堀江氏の出演するTV番組を見ることはない。

 ところで今日堀江氏は『愛・地球博』会場で講演を行なうことになっている。テーマは「稼ぐが勝ち」、拝金主義の権化堀江氏らしいテーマと言えばテーマだが・・・?『愛・地球博』のテーマは「自然との共生」、そこでの「稼ぐが勝ち」がテーマの講演は何やら場違いに思える。自然環境、その保護に関心がありそうにもない堀江氏はいったい何を話すのだろうか?

 
ライブドア・マーケティングとACCESSの株価は来週末の転換価額修正に向けて調整モードに入っている。株価推移表をご覧頂きたい。どう見ても株価がコントロールされている様にしか思えない。来週は引受け先が意図する株価(恐らく下方へ向かう)へ誘導して行くと考えられる。MSCB引受け先が一般投資家を弄んでいる如き状況は実に不愉快極まりない

 2005.07.08

 
ライブドアの株価は材料の有無よりもその時の成り行き(勢いの有無)でどちらにでも動く。まさに”丁半博打”もどきの様相で見ている分にはおもしろい。前場9時半過ぎから20分足らずで一気に395円まで上げたが、その後は一進一退を繰り返し終値は前日比11円高の394円で取引を終えている。ここの株価が上昇するととたんに支持者の元気が良くなり、「450円、500円、600円・・・1000円」などの声がまるで”山彦”の様に響き渡る。尤も逆に下落すると静寂の空間には何も聞こえて来ない。また来週は400円の壁に挑むことになるが、また跳ね返されそうに思えるが・・・?

 
ライブドアマーケティングの株価は来週に向けてしっかりと調整され、終値は前日比10円安の3940円で取引を終えている。初回転換価額修正対象期間直前(6月17日)の終値は4000円で今回とほとんど変わらない。ライブドア証券、日興シティグループ証券は前回よりも低いレベルの転換価額を狙って来るかもしれない。ここは5日間のVMAPから転換価額が算出される。月曜日(7月11日)からの株価変動に注目・・・。

 
ACCESSの株価もまた来週に向けてしっかりと調整され、終値は前日と変わらず228万円で取引を終えている。ここは水曜日からの”終値3日の単純平均”で算出されるので、VMAPよりもはるかに分かりやすい。分かりやすいと言うことはどの様にも簡単に操作できると言うこと。野村證券の考え方次第で大引け直前の売買で幾らでも調整できる。さて野村證券は2回目の転換価額の目標をどの位に設定しているのだろうか?水曜日(7月13日)からの終値に注目・・・。

 6月27日から監視を始めた
プラネックスの株価は実に派手に乱高下を繰り返し、外野席で無責任に眺めている分にはおもしろい。ここの株式を持っている人はハラハラドキドキでたまらないだろうが・・・。ストップ高(3万円高)が2回あるが、一方で今日は1万9000円安つけるなど下落幅も大きい。監視を始めた時と比べて今日時点で5万円高いが、この先どうなるか皆目見当がつかない。初回転換価額は8月1日からの5日間のVMAPで決定される。まだ暫く先なので派手な動きが続くと思われる。

 2005.07.09

 7月6日ライブドア・マーケティングは韓国の化粧品会社ABLE C&C社のブランド「MISSHA」の日本国内でオンライン独占販売を開始すると発表した。現在日本での韓国ブームに便乗して韓国の化粧品を売り込もうとの作戦・・・そう簡単にうまく行くとは思えない。ライブドア・マーケティングとしては業績拡大に向けて新規事業に手をつけたとの意思表示だが、MSCB100億円の使途としては大したことはない。  依然としてMSCBで集めた資金の使途は明らかになっていない。

 一方親会社のライブドアもフジテレビから巨額の資金をまんまとせしめたまでは良かったが、さてこれからが問題で巨額の増資を行なったのだから頑張って稼がなければならない。しかしながら今のところ出てくる材料は小物ばかり、まさか宇宙事業が大物と言うことはないだろうが・・・?M&Aとは言っても優良企業が応じるはずもない。敵対的買収をかけたところで成算はない。とするとM&Aで手に入れることができる企業は赤字企業、問題企業、規模の大きくない企業などに限られる。うまく行けば”大儲け”になるが、ライブドアに追い風が吹いている状況には見えず今までの様に成長できるかどうかには「?」がつく。

 ACCESSは500億円の多額の資金を調達しながら未だに使途を明らかにせず、ここの株主のイライラはかなりなものになっていると思われる。MSCBを発表してからもう既に1ヶ月半になるが何故発表しないのだろうか?かなりの大型案件で交渉が難航していて発表できないのだろうか?それとも適当な案件が存在しない?ここの企業規模からして500億円の資金調達は過大に思える。大手の(信用できる?)野村證券が1枚噛んだMSCBなのでまさかインチキはないと思うのだが・・・?ここの経営陣はいったい何を考えているのだろうか?
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