2005.10.03

 新興市場への資金流入していると見えて、幅広い銘柄で株価を上げている。株価推移表のIPO Data1〜4にある直近IPO銘柄にもその傾向が現れている。中でもジャパンベストレスキュー、オプテックス・エフエー、日本住宅サービス、陽光都市開発、オールアバウトなどが大きく上げている。日銀企業短期経済観測調査(短観、9月調査)が市場予想をやや下回り日経平均株価が弱含みな状況と、先週末の流れ(値ごろ感による押し目買い)の継続が理由とされる。但しこの流れが長く続くとは思えず、早ければ明日にも利益確定売りが優勢となり新興市場の株価は下落すると推察している。

 ACCESSの株価は前場で236万円をつけ復調の兆しかと思わせたが、その後は230万円前後で揉み合いを続けた。ところが大引け直前の15分ほどで一気に5万円下げ、終値は前日比3万円安の225万円で取引を終えている。最後の急激な下落は明らかに不自然・・・加えて9月半ば以降のここの動きは明らかにおかしい。大型M&A発表後に下落を始め、更にはMSCB転換価額の修正が済んでも依然として下がり続けている。しかも直近の転換価額235万2000円を下回っている。これではMACB残高200億円の引受け先の野村證券としてはどうしようもない。近々何か仕掛けてくる可能性がある。それはともかくとして今後怪しげな動きもあり得るので、当面注意深く監視する必要がある。

 MSCB15億円に続き49億円の第三者割当増資を発表したアドテックスの株価は何とか4万円を少々上回る水準を維持している。ちなみに終値は前日比1750円安の4万1700円と大きく下げて取引を終えている。ドリーム・テクノロジーと平成電電の共同出資会社のジャパンワイヤレスにアドテックスも出資している。今日平成電電が約1200億円の負債を抱えて東京地裁に民事再生法適用を申請、つまり事実上倒産した。出資金額は1000万円と軽微だが、これに嫌気を指して売り込まれたと思われる。またこの売り先行の陰にはやはり無茶苦茶な増資に対する根強い不信感が見て取れる。

 更にEDINETに開示されている2005年度半期報告書(9月29日提出)には下記の記述があり、投資家に不安を抱かせる一つの要因となっている。『3期続けての営業CFのマイナス継続』とはまさしく企業存続の危機に直面していることを示している。それで資金繰り悪化回避の為に恥も外聞もなく、MSCB、引き続きとんでもない第三者割当増資を実施したと考えられる。極めて危険な状況にあるとの疑念が生じる。某掲示板の書き込みにより2005年半期報告書の存在が明らかになり、今後投資家がアドテックスに対してどの様に判断するのか注目される。

 当社グループは、前々期3,388,550千円、前期1,360,558千円の営業キャッシュ・フローのマイナスが継続しており、当中間連結会計期間におきましても1,013,683千円の営業キャッシュ・フローのマイナスとなっております。当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を抱かせる状況が存在しております。

 三流以下の下らないライブドア・グループ株式よりも阪神電鉄の方がはるかに面白いので急遽株価推移表に追加した。何と驚いたことに大方の予想を覆し、終値はストップ高(100円高)の967円で取引を終えている。今夕村上ファンドが関東財務局に大量保有報告書を提出し、阪神電鉄株式を38.13%(4億2165万2422株)を保有していることが明らかになった(こちら 参照)。これを受けて当面明日以降様々な思惑が交錯して株価が推移すると思われる。また外野席からの観戦の楽しみが増えた。

 証券取引法改正で『時間外取引』で1/3超を獲得する取引の場合は規制対象となり、堀江氏が用いた悪辣な手法は使えなくなった。然るに村上氏は巧みに法の盲点を突いて1/3超取得することに成功した。それにしても新株予約権、株式交換を活用するとは・・・恐らくいずれ規制対象になると思われる。さて保有比率が1/3を超えたことは大きな意味を持つ。阪神グループの経営に大きく関与できる。村上氏はこの先どこまで買い進めるつもりなのだろうか?1/2超を取得して経営権を取得するのだろうか?投資ファンドの性格からして巨額の資金を投じて長期保有は考え難い。

 ところが証券取引法には第164条の『役員等の不当利益返還』の規定がある。議決権10%以上所有の主要株主も規制の対象となる。上場企業の役員、主要株主等が取得した株式を6ヶ月以内に売買して利益を得た場合、企業側は全ての利益返還を求めることが出来る。上場企業の役員、主要株主等が内部情報を不当に利用して利益を得る可能性があり、防止策として短期間の売買を規制している。フジテレビがライブドアからニッポン放送株式を取得した時は、譲渡価格などについてフジテレビ、ライブドア、ニッポン放送間で合意があり問題にはならなかった。仮に村上氏が阪神電鉄株式を短期で第三者に売却しようとした場合、阪神電鉄との合意がすんなり得られるとは思えない。とすると少なくとも6ヶ月間は保有することになり売却は容易に出来ないが・・・。

 2005.10.04

 
昨日「早ければ明日にも利益確定売りが優勢」と記述したが、早速新興市場の一部にその動きが出ている。昨日大きく上げた直近IPO銘柄ジャパンベストレスキュー、オプテックス・エフエー、日本住宅サービス、、オールアバウト、アイフィスジャパン、ノエルなどが大きく下げている。中でもジャパンベストレスキューは昨日のストップ高(10万円高)、そして今日は9万円安と大波が押し寄せている。この様に直近IPOでは株価の変動が大きく安定していない銘柄が多くもろに余波を受けやすい。もともとIPO銘柄は株価が安定するまではRiskが大きく充分な注意が必要だが、大きなRiskは逆に大きな利益を産む可能性がありそこに魅力がある。逆に大怪我をする可能性もあるので陰に潜む魔物には要注意・・・。

 
グローバリーの株価は今のところ期待?したほどの大暴れをしていない。安値286円、高値306円と値幅はそれほどでもなく、終値は前日比5円高の301円でで取引を終えている。上場廃止に向けてのバトルがまだ始まったばかりで、どうも今のところ様子見で鳴りを潜めている方が多いと見える。過去の上場廃止銘柄はどこかで必ず噴火(乱高下)しているので、ここもいずれドカンと火を噴くはず・・・。

 昨日村上ファンドが
阪神電鉄株式を38.13%保有することが明らかになったことを受けて期待感が高まり、終値はストップ高(100円高)の1067円で取引を終えている。基準値が1000円を超えたので値幅制限は±200円となり、明日は最大で867円〜1267円のRangeで株価が変動する。現時点では天井がどこかは予測がつかない。9月半ばには400円前後をウロウロしていたことを考えると凄いことになっている。幾ら村上ファンドが仕掛けたからと言っても、現在の株価はあまりにも高過ぎる様に思える。それに村上ファンドが利益追求集団であることを考えれば、(今までに)投資した約1000億円を黙って眠らせておくとは思えない。やはりどこかで高値売り抜けを仕掛けて来るに違いない。そして売り抜けて抜け殻になった時に株価はどうなっているか・・・それを考えただけで恐ろしい感じがするのは私だけだろうか?

 村上ファンドが阪神電鉄株式を短期で売り抜けて利益を得た場合、証券取引法の第164条の『役員等の不当利益返還』の規定に抵触しないかどうか詳しい方に問い合わせた。以下の様な回答を頂いたので(原文のまま)掲載する。投資ファンドについては適用対象外との考え方が一般的とのこと・・・とすれば村上ファンドは堂々と短期で売り抜けが出来る。法律解釈、あるいは運用は難しい点が多く、この件に関してもまだ理解が不充分なので自分なりに別途調べることにする。

 証取法164条の8では「売付け等の態様その他の事情を勘案して適用しないこともある」としていますがこの解釈を最高裁判例では以下のようになってます。
 「類型的にみて取引の態様自体から役員若しくは主要株主がその職務若しくは地位により取得した秘密を不当に利用することが認められないときは除く。」
 MSCBやCBの多くは10%以上の保有が多いですが証券会社やファンドが短期売買の返還請求に発展していないのは証券会社やファンドの所有株はこの164-8にあてはまっているのだと思われます。ファンドは背後の投資家単位でみる為、短期売買の返還請求の対象にはならないと言う考えも有るようです。

 
9月29日に名証セントレックスにランドコムがデビュー(公開価格3万円)し、初日こそストップ高の5万6500円をつけたがその後は惨憺たる結果になっている。9月30日から3営業日連続のストップ安で、今日の終値は4万2500円で取引を終えている。セントレックスのIPO銘柄はどうも人気がない。セントレックスだから人気がないのか、あるいは人気のない銘柄がセントレックスに吸い寄せられて来るのか・・・そんなことを考えていると何だか寝られなくなってしまいそう・・・(笑)。

 2005.10.05

 
村上ファンドが阪神電鉄に対しプロ野球の阪神タイガースの上場を提案していることが明らかになった。村上氏は38.13%所有する阪神電鉄株式を通じて、球団の上場益獲得を狙っていると考えられる。但し現時点では過半数を超えていない為、臨時株主総会を招集したところで可決される見通しはない。然るに球団の上場ネタで(結果がどうなろうが)市場が盛り上がり、阪神電鉄の株価が上昇すれば村上ファンドの含み益が膨らむ。ある証券専門家は「投資ファンドとして活動する以上、経営云々が目的ではない。株主総会で自分の議案を提出して株価を上げ、株式を売り抜けて売却益を上げるのが目的だろう。」との見方を示している。私も全く同じ見方であり、その筋ではこの様な見方が大勢を占めている。一方で共同通信が「経営権を掌握する為株式の過半数取得を視野に買い増しを続けていることが5日、関係者の話で分かった。」と報じている。この類の報道は時として信憑性に欠けることがあり素直には信用できない。とにもかくにも情報が錯綜していて今のところ実態がよく分からない

 今日の
阪神電鉄の株価は期待と不安が入り混じった波乱の展開となったが、終値は前日比28円安の1039円で取引を終えている。前場開始早々1200円をつけたが一転して下落に転じ、後場開始早々1200円近くまで上げたが大引けにかけてまたもや大きく下げた。流石に現状の株価レベルに高過ぎるかもとの不安感があると見えて、どこが天井か探りながら上げたり下げたりの複雑な展開になっていると思われる。但しもうそんなに上を向く展開になるとは考えられず、今日の様な複雑な展開を繰り返しつつ下へ向かって行くと推察している。

 
グローバリーの陸上部は既に廃止が決まり野口みづきを含む陸上部全体の移籍先を募集している。陸上部の藤田信之監督の希望は選手10人、スタッフ6人に、京都市右京区にある事務所と選手寮などの一括購入・・・〆て10億円と言われているが既に引き合いが来ている。さて移籍先はどこになるのだろうか?ところで今日は300円で寄り付き9時半頃には一気に329円まで上昇し、終値は前日比24円高の325円で取引を終えている。これから徐々にマネーゲームの様相が色濃くなり、いずれ近々荒っぽい値動きが見られると推察している。

 2005.10.06

 
阪神電鉄の株価は前場取引開始直後に1120円をつけ直後1040円まで急落といきなり荒っぽい動きを示したが、その後は揉み合いが続き終値は前日比6円高の1045円で取引を終えている。先の展開が読み難い状況では必然的に手探り状態で、投資家としてはなかなか動き難くくなっていると考えられる。恐らく明日もこんな感じで進行し、何かあるとすれば連休明けだろうか?

 ところで昨日阪神電鉄が大和証券SMBCとアドバイザリー契約を締結して買収対抗策の導入に着手したと報じられている。大和SMBCと協力して第三者割当増資の引き受けや村上ファンドの保有株式を買い取る「ホワイトナイト」探しを本格化させると見られる。「何を今頃寝ぼけたことを」と阪神電鉄の対応の遅さには呆れ果てる。ライブドアのニッポン放送乗っ取り騒動の教訓として多くの企業が対応の必要性を学んでいる。阪神電鉄経営陣は”自分のところは大丈夫とタカを括っていた”としか思えない。

 ところで大和証券SMBC・・・?ライブドアのニッポン放送乗っ取り騒動の時には大和証券SMBCがフジサンケイグループについていた。しかしながら繰り出す手段は後手を踏んでほとんどうまく行かなかった。特にフジテレビを引受け先として発行済み株式を上回る新株式発行の奇策を打ち出したが、(元々無理があり)訴訟に持ち込まれ”経営陣の保身目的”として差し止められた。村上ファンドが1/3超の株式を保有している現状ではある意味手遅れで打つ手は限られている。第三者割当増資にしても訴訟を起こされた時に『正当な理由』があることを証明できるのだろうか?過去にライブドアに完敗している大和証券SMBCが果たして村上ファンドに対抗できるかどうか・・・。現状の阪神電鉄と村上ファンドの置かれている立場は、以前のフジテレビとライブドアの置かれていた立場によく似ている。とすれば現状では圧倒的に阪神電鉄が不利と思われるが・・・?

 
エフェクターの株価は5月25日追跡開始後初めて終値が15万円を割り込み、前日比2000円安の14万8000円で取引を終えている。公開価格(38万円)に対する下落率61%の惨状だが、ここの企業価値を考えればまだ高いとの印象を持つ。どこぞの誰かの買い支えの効果なのか、よくぞ渋太く現状のレベルを保っていると妙なところで感心する。ところで覚書の締結が4月7日・・・すると明日はロックアップ解除第一弾と言うことになる。その多くが1万円で権利行使できるのだから、SO保有者は出来るだけ早く、そして出来るだけ株価が高い段階で売却して儲けを確保したいと考えているに違いない。ただでさえ株価が低迷している状況なのに、そこにロックアップ解除で新株式が登場したら需給悪化は必定・・・。 そうなれば更に酷い状況になるのは目に見えている。尤も上場益目当てのエフェクター関係者は何とも思わないかもしれないが・・・。

 
昨日アドテックスの臨時株主総会で『第三者割当増資49億円の有利発行』が特別決議された。 どうせ内輪の主要株主で2/3以上押さえているので、反対の声が出ようが出まいがお構いなしに予定通りの進行に決まっている。法律で規定されているので臨時株主総会を開催したが、この場合は事実上単なる儀式にすぎないと言える。割当先のリズデールから明日49億円(発行価額が3万5000円/1株で14万株)が払い込まれる。これで発行済み株式数が一挙に25万5990株に増加する。10月3日に記述したがここには資金繰り悪化の懸念があり、緊急に資金調達の必要性に迫られて経営陣が非常識な行動に出たものと思われる。

 
アドテックスの株価は今のところ思ったほどは下がらず、終値は前日比100円高の4万300円で取引を終えている。尤も追跡を始めた8月4日には5万6600円で、その時点と比較すれば大きく下落している。今回の第三者割当増資で希薄化進行は必至・・・普通に考えれば明日から株価が下降線を辿っても何ら不思議はない。第三者割当価額は3万5000円・・・もし下落が続いて今後3万5000円を下回ることになれば引受け先のリズデールは損失を被ることになる。然るに早期に大量の株式を売却しようとすれば株価が下落してやはり損失を被る可能性がある。さてリズデールはどの様に考えているのだろうか?

 ところで約54.7%を取得する
リズデールは日本に2004年12月に設立されたばかりの資本金1000万円の小さな会社でイギリスの教育財団リズデールの関連会社・・・。この会社の本社の住所は”東京都千代田区丸の内1‐1‐3 AIGビル 9階”となっている。この住所には丸の内ビルサーブコープなる会社があるが、どうやら高級レンタルオフィスが主たる業務と思われる。バーチャルオフィスも業務としているが、これってもしかして悪用すれば幽霊会社、あるいはトンネル会社として使えるのでは・・・?それはともかくとしてアドテックスの開示資料にはリズデールについて記述されているので参照されたい。そこにはリズデールの業務内容が細かく記載されているが果たして実態はどうなのだろうか?Internetで検索したがこの会社のサイトが見当たらない。今時普通の企業であれば自社サイトを開設しているはず・・・。然るに何もないとは怪しい臭いがプンプン漂っている。

 2005.10.07

 ライブドア、ライブドア・マーケティングの株価共に今週は弱含みで推移している。
ライブドアの株価は月曜日に457円まで上昇したものの、今日の終値は前日比7円安の439円で取引を終えている。一方ライブドア・マーケティングの株価は上昇する力が感じられず、今日の終値は前日比30円安の4480円で取引を終えている。繰り返すがインチキで上げた株価はしっかりと元に戻さないと道理に合わない。その意味では両者共にまだまだ下落幅が小さい。

 両者の上昇Energyは本来の業績ではなく単なる”お騒がせ男”が撒き散らす下らないネタでしかない。ところで村上ファンドが阪神電鉄に手を出して世間を騒がしているが、その渦中で阪神タイガースに絡み堀江氏の名前が取り沙汰されている。プロ野球球団経営に強い関心を持つ堀江氏だが、下手に阪神タイガースに手を出すと火傷しかねない状況では容易に首を突っ込むとは思えない。尤も逆に”お騒がせ男”の本領発揮で一発何かをやらかす可能性もある。果たして如何に・・・?

 
阪神電鉄の株価は村上ファンドとの不透明な情勢を反映して乱高下している。前場開始直後1079円をつけたがその後は小さな上下動を繰り返し徐々に下落し、終値は前日比71円安の974円と1000円を割り込んで取引を終えている。9月上旬と比較してこれだけ上がると流石に”腰が伸びきった”状態と看做せる。特に今回は村上ファンドの仕掛けが暴騰の理由であり、これだけ高い水準の株価が長期的に維持されるとは到底考え難い。

 村上ファンドが長期保有するか否かも分からず、もしかしたら何らかの方法で短期で売却する可能性もある。仕手戦を仕掛けてたっぷり利益を吸い上げた後には悲惨な状況が推測される。一方では村上ファンドの経営参画で阪神電鉄の企業価値が上がり株価も上昇し、更には阪神タイガースの上場で株式を手に入れて儲けることが出来るかもしれない。中にはその様な期待感を持っている方がいると思われる。 とにもかくにも様々な方の様々な思惑が錯綜して当面株価が形成される。個人的には中長期的な観点からは株価は下降線を辿ると見ている。特に株価上昇が始まってからここの株式を入手された方は売買のタイミングに難しい選択を迫られることになると思われる。

 週明けにも阪神電鉄の西川社長と村上氏のトップ会談が開かれる。現状両者の主張に大幅な差異がある状況では話の進展があるとは考え難い。お互いに自己の言い分を主張するだけで腹の探りあいになると思われる。サンケイスポーツが『
阪神電鉄が1000億円規模の新株予約権発行する方針』と報じている。加えてこの方針を週明けのトップ会談で村上氏に伝えるとある。これでは友好的な会談どころではなく即座に決裂する。報道が事実とすれば、今年春に大々的に繰り広げられたフジテレビvsライブドアの激闘と同じく全面戦争になることが予想される。

 ところで巨額の新株予約権発行・・・?狙いは村上氏の保有比率を20%程度まで引き下げ、経営上の重要案件に関する特別決議を単独否決出来なくすることにある。かつて今回と同じ大和証券SMBCに指南を受け、フジテレビが同じことをやろうとして司法から経営陣の保身目的と断定されている。果たして阪神電鉄には成算があるのだろうか?経営陣の保身ではなく必要性のある投資であることを証明出来るのだろうか?阪神電鉄関係者は「阪神電鉄の場合は鉄道事業という公共性の為」として、以前から進めて来た『甲子園リニューアル計画』、『西大阪戦延伸』の2つの事業を週明け早々に公表するとしている。 その場合には間違いなく訴訟に持ち込まれるが、この時点での新株予約権発行の必要性が司法に認められるのだろうか?随筆風味『ぺんぺん草』第74段に東京高裁が示した『経営支配権維持を目的にした新株予約権発行が正当化される場合』の基準を掲載しているので参照されたい。少なくともこの基準をクリアしなければならないと考えている。

 2005.10.08

 エフェクターは昨日の15時に『2006年5月期第一四半期財務・業績の概要』を適時開示している。その内容はともかく
発表するタイミングに問題がある。エフェクターが上場している名証セントレックスの取引終了は15時15分・・・つまり大引け前に適時開示している。通常この手の情報開示は取引時間外に行なうべきもの・・・この辺りにもエフェクターと言う企業の無神経さが如実に表われている。こんなことをやっている様ではここには明るい未来など考えられない。

 
アドテックスに関して証券新報に注目すべき記事が掲載されている。それによると『リズデールに対する有利発行による第三者割当の49億円が払い込み期日の10月7日に払い込みがなかった』とのこと。期日までに払い込まれなければ当然中止と言うことになるが・・・。リズデールなる会社には怪しさが溢れていて、初めから何やら胡散臭さが充満していた。中止となれば苦し紛れの資金調達を図ったと見られるアドテックスは窮地に追い込まれるので、もしかしたら今頃必死になって引受け先を探しているかもしれない。ところでこの件に関してアドテックス自身からの開示は現時点では何も出ていない。また日本経済新聞や他の業界紙には記事が見当たらない。しかしながら証券新報と言えば業界専門誌・・・そこがガセネタを流すとは考え難い。とにもかくにもアドテックスからの開示があれば全ては明らかになる。

 
ACCESSの株価は依然として下げ止まりが見られず、昨日の終値は214万円と追跡を始めた5月26日の終値(223万円)を下回っている。このまま下落傾向が続いて200万円を割り込む展開になるかもしれない。それにしてもこの勢いの無さはいったいどこから来ているのだろうか?ところで野村證券が保有しているMSCB残高200億円の行方が気になる。現時点での転換価額235万2000円ではお話にならない。このまま株価低迷が続くと翌々週の転換価額修正時には大きく下方修正されることになる。転換価額が下がったところで株式転換するのか、あるいは一部が期待している繰り上げ償還?いずれにせよここは当面野村證券に首根っこを押さえ付けられた状況には変わりはない。

 昨日
阪神の星野シニア・ディレクターが村上氏と極秘会談したと報じられている。星野氏は村上ファンドによる阪神電鉄株式買占め報道がなされた直後「憤りを感じる。タイガースは私的ではなく公共のもの。ファンも許さない。」と怒りを顕にしている。その後急に態度が変わるとは思えず、何を話したか分からないが二人が会談したところで”火と油”には変わりない。どの程度進展があったかは甚だ疑問・・・。それよりも週明け11日に予定されているトップ会談の行方が注目される。もし交渉が順調に進めばトップ会談後に記者会見が予定されているそうだが、そんなにすんなりコトが運ぶとは到底思えない。

 2005.10.09

 日本経済新聞は『ライブドアの2005年9月期決算(連結)の売上高800億円前後、経常利益125億円程度になった模様』と伝えている。大幅な増収増益で売上高/経常利益共に対前年比2.5倍・・・これを見て某掲示板で”爆上げ”などと大騒ぎしている方が見受けられる。しかしながらここに来て突然分かったのでない。8月11日に発表した業績予想では売上高783億円、経常利益112億円で、今回の日本経済新聞の情報とは大差ない。つまり目新しい材料ではなく今更驚くべき情報でもない。然るに既に株価には織り込み済みだが、株価は上昇するどころか逆に大きく下落している。今回日経新聞にこのネタが掲載されたからと言って株価が反応するとは考え難い。上がるすればむしろお得意の”下らない”ネタに反応した時・・つまり忘れた頃にやって来る”●●”らしいネタに過剰反応して踊り狂うことはあり得る。

 ところでライブドアの増収増益の大きな要因はフィナンス事業の寄与、それも株式売却益など一時的な利益の寄与が大きい。子会社ターボ・リナックスの上場でライブドア本体は保有株式の一部を売却し7億9500万円の売却益を得ている。子会社ライブドア・マーケティングの株式の一部を売却し20億円程度の売却益を出したと見られる。またライブドア・ファイナンスが管理するLinux投資事業組合保有のターボリナックス全株式を9月30日までに売却し30億円程度を得たと見られる。こんな具合にファイナスで多く稼ぎ出しているが、これらは継続的に利益を生み出すものではなく単なる一時所得に過ぎない。言い換えれば次年度に利益を確保できる保証がなく、考え様によっては極めて不安定な収益構造との見方も出来る。常にM&A、上場、株式売却を繰り返して行かないといずれ立ち行かなくなると思われる。さてライブドアの2006年9月期に向けての次なる上場はどこだろうか?

 アドテックスに49億円の投資を予定している(いた?)リズデールに関して多くの怪しげな事実が浮かび上がって来ている。まずはリズデール教育財団のサイト・・・率直に言えば「これ何?」。事態を取り繕うために急遽作成されたのは明らかで中身が何もないのに等しい。もしかしたら(株)リズデールが本社所在地としている『バーチャルオフィス』のサービスかもしれない。まともな活動をしているのだったらもっと真面目に紹介しなければならない。それに取ってつけたかの如く(株)リズデールの概要が紹介されている。まともな事業をやっているのであれば自社サイトを立ち上げて活動しているはずだがその痕跡すらない。

 また
ridsdale.jpのドメイン取得が9月29日・・・これはリズデールへの第三者割当増資が発表された以降の取得と言うことになる。僅か10日ほど前で(必要に迫られて)慌てて動いたのは明らか。つまりこのサイトはボロがでない様に辻褄合わせで急ごしらえしたとしか考えられない。しかしながら元々無理があったので、どれほど体裁を整え様としても却って正体を暴露することになる。

 この他様々な疑惑が浮かび上がっている(こちら 参照)。実際にはイギリスのリズデール教育財団が何も関与していないのに勝手に名前を使っているのでは?との疑念が湧いて来る。更にアドテックス経営陣はどの程度リズデールのことを知っていたのだろうか?発行済み株式を上回る(無茶苦茶な)第三者割当増資の引受け先を何も調査しないことは到底あり得ない。さてこの先どの様に展開するのか興味津々・・・キナ臭いがプンプン漂い波乱の展開が予想される。

 ところでアドテックスはライブドア証券を引受け先として15億円のMSCBを発行している。近頃の株価低迷で転換価額が大幅に低く修正されている。ふと思ったがもし第三者割当増資中止が歓迎され株価が5万円台を回復する様なことがあればライブドア証券の利益幅は拡大する。「今回の第三者割当て増資話にライブドア証券が絡んでいるのでは?」などと勘繰るのは意地悪・・・?尤もMSCB発行額が15億円と多くはないので利益絶対額としてはそんなに大きくはならない。然るにライブドア証券がこんなヤバイ話に首を突っ込むとは考え難い。

 10月7日夕方にアドテックスより『リズデールから払い込みがなかった件』が開示されている。惨めな醜態を世間に晒したアドテックスはこの落とし前をどうつけるのだろうか?それとも自浄作用が働かず奈落の底に落ちて行くのだろうか?

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