2006.5.1

 昨年9月末には約22万人いた
ライブドアの株主が3月末には2/3の15万人程度に減少していることが明らかになった。今年1月の”ライブドア事件”発覚後上場廃止となり、その間に個人投資家の多くが手離したと見られる。それでも15万人も残っていることにはある意味感心する。あくまでも堀江氏を信じているのか?ライブドアの再上場でも夢見ているのか?あるいは売るに売れなかったのか?一部には永久保存版(記念品)としてごく少数保有している方もいる。さてライブドアは将来的にはどこぞにに吸収合併、あるいは解体/売却、もしくは消滅のいずれの道を歩むと見ている。ライブドアでの堀江氏の復活はあり得ない。またライブドアとしての再上場の可能性はない。もしUSENによる吸収合併があれば株式交換でUSEN株式に化ける可能性もある。もしもの最悪のパターンすらあり得る。とにもかくにも
ライブドアの将来にはまだまだ不確定要素が多くどうなるのか予測がつけ難い

 
JASDAQは準大手のパチンコ店チェーンからの上場申請を却下した。業績面ではなく”景品買い”による出玉の景品を換金するパチンコ業界独自の方式を問題視した。パチンコについては客に直接現金や有価証券を渡すことは賭博行為に当たるとして禁止している。ところが現実には客の90%強が換金している。『客が店内で景品を受け取る→客は店外の景品買い取り所で換金→景品は問屋を経由して再びホールに戻る』との所謂”三店方式”なるからくりの存在により可能となる。

 JASDAQは換金方式の合法性の曖昧さを指摘して投資家保護との重要な命題を保証出来ないとした。警察庁は「ホール、買い取り所、問屋が別経営であれば直ちに違法とは言えない」としているものの「合法」とは認めていない。
警察庁の何ともいい加減な態度と呆れ果てる。本来グレーゾーンが存在することが可笑しい。非合法であれば取り締まるべきだが実際には黙認されている。曖昧なまま放置している行政/立法の怠慢と言える。シロ、クロをはっきりさせるべきにも関わらず何をためらっているのだろうか?まさか業界との癒着があるのでは・・・?ところでパチンコ産業ではパチンコ機器メーカー、プリペイドカードシステムなど周辺業界の上場が相次いでいる。一方ではJASDAQの決定に他の証券取引所も追随すると見られ、ホール業界の今後の見通しは非常に厳しい。

 3月20日に
ペイントハウスが最高裁に特別抗告してから1ヶ月以上経過したが、もうそろそろ最終判断が出ても良い頃と思われる。上場廃止を引き伸ばす為に法廷闘争との必死の抵抗を試みている。どう考えてもペイントハウスには勝ち目の無い戦にしか見えない。最高裁が棄却決定を下した場合には何か次の策略を用意しているのだろうか?どうせ顧問弁護士と経営陣が頭を捻って考えているのに違いない。 こんな見苦しいところには早く止めを刺した方が”世の為人の為”になる

 2006.5.

 大方の予想通り
村上ファンドは阪神電鉄への株主提案にて乗っ取りをチラつかせて来たこちら 参照)。阪神電鉄の16名の取締役の内村上氏を含む9名を選出する様要求している。阪急電鉄が高値買取りに応じなければ村上氏自ら阪神電鉄の経営に乗り出すとの意思表示と受け取れる。はっきり言えば恐喝行為以外の何者でもない。阪神電鉄株式の買占めの過程、及び今回の株主提案内容を見れば村上ファンドが如何に醜悪な組織であるかは一目瞭然・・・。”モノ言う株主”などと綺麗事を言う資格は全く無い。単に拝金主義の権化・・・金儲け以外の目的なんぞ何も無い。

 村上ファンドは投資目的を『純投資』として阪神電鉄株式の買い増しを進めて来た。経営権取得が目的の場合はTOBによらなければならない。然るに村上氏は市場内外の取引を巧妙に組み合わせ、更にはCB取得など法の盲点をすり抜けてTOBを行なわずして実質経営権取得可能とした。何が『純投資』とその悪質さには憤りを感じる。脱法行為に他ならないが残念ながら現在の法の下では取り締まることが出来ない。「法に触れなければ何をやっても良い」とは堀江氏と全く同じ次元の”極悪人”そのもの・・・。違うのはずる賢い村上氏が堀江氏の様に露骨に違法行為を犯すほど間抜けではないこと・・・。それにしても
この様な”極悪人”がのさばっていることには強烈な嫌悪感を抱く。何とかして世の中から葬り去ることは出来ないものだろうか

 さてこれから6月29日の阪神電鉄株主総会に向けて阪神・阪急連合軍vs村上ファンドの壮絶なBattleが続く。焦点は唯一つ、阪急HDの買取り価格。村上ファンドは「社外取締役として経営を監視する立場であり、阪神を支配するつもりはない。阪急との経営統合案は意義があると思うが、阪神の企業価値がどう高まるのか説明が聞きたい。TOBの交渉には応じる用意があるが、適正な価格が条件」としている。”極悪人”の言うことなど素直に信用出来る訳がない。ところで村上アfンドの指す”適正な価格”とは何だろうか?無論村上ファンドの言い値、企業価値とははるかに懸け離れた非常識な価格としか考えられない。

 村上ファンドは今回の株主提案を武器に高値買取りを迫って来る。対して阪急HDとしてはバブル価格で買取るのでは株主代訴訟を起こされる可能性がある。村上ファンドが強硬姿勢を貫き妥協しなければ交渉決裂もあり得る。さりとて現状では阪急HD以外に買取りを申し出るところがあるとは考え難い。そうなれば村上ファンドが経営の実権を握ることになる。しかしながら1200億円もの巨額投資に対して短期的な見返りが必要と思われる。つまり村上ファンドへの出資者に対する配当を確保しなければならない。果たして強気の姿勢の村上氏にはどれほどの余裕があるのだろうか?それとも他の投資で利益を確保しているので慌てて妥協する必要がないのだろうか?

 楽天の株価は下げ止まらない展開となり年初来の安値を更新している。今日の終値は前日比1700円安の8万5300円で取引を終えている。3月に行なった新株式公募(115万株)、三木谷夫妻の保有株式売却(20万株)による売り圧力が高まっていると考えられる。元々有利子負債が多いところに”TBS乗っ取り”を仕掛けて負担が更に大きくなった。そこで借金返済の為の(明らかに不健全な)フィナンスを行なったが、ここに来て株価下落との形でツケが回って来ている。三木谷氏も(堀江氏同様)企業規模拡大の為に無理気味とも思える仕掛けを繰り返している。あまりに身分不相応なことばかりやっているといずれ墓穴を掘る可能性がある。尤も”極悪人”には消えて貰った方が有難いが・・・。

 昨日ドリームテクノロジーズは『2006年12月期 第1四半期財務・業績の概要(連結)』を開示した。通期業績予想は売上高は173億円と変わらないが、経常利益:8億3000万円(前回予想:11億5900万円)、当期純利益:7億円(前回予想:9億6600万円)と下方修正している。経常利益は対前年度比49.2%減と大幅な減少となっているがそれでもプラスになっている。2005年12月期決算で当期純損失として244億4800万円を計上しているのと比較すれば(見掛け上)まだマシに見える。しかしながら幾つかの不確定要素を抱え業績が更に下方へ変動する可能性がある。不安だらけの業績予想と言える。

 不確定要素の一つとして3月23日に基本合意した日本テレコムへのマイライン業務譲渡がある。営業権は既に償却しているので譲渡代金75億円は特別利益として計上する予定になっている。4月中には譲渡契約を締結する予定になっていたが現時点では完了していない。但し書きには「承継するマイライン契約の回線数等による調整を行なう予定」とあるが何か大揉めしているのだろうか?これは一時的にせよ利益計上されるのでプラス要素だが、もし破談になった場合の影響は大きい

 4月16日にはドリテクは平成電電への再生スポンサー支援中止を決定し、翌日平成電電は東京地裁より民事再生手続き廃止、及び保全管理命令を受け事実上倒産した。平成電電への機器販売による今後の売上げが消滅しただけでなく、売掛金などの多額の債権が回収が不可能になる恐れがある。(正確な金額は分からないが)債権回収不能が確定すれば多額の特別損失計上となり業績の足を引っ張ることは必至・・・。とにもかくにもこれらの不確定要素について注意深くWatchして行く必要がある。

 2006.5.

 昨夜村上ファンドは阪神電鉄のプレスリリースを受けコメントを発表した。開示の中で『阪神電鉄の経営支配を目的としていない。本株主提案は社外取締役として経営を監視させていただくことを目的としており、業務執行等実際の経営は現経営陣にお任せしたい』としている。目的はあくまでも経営支配ではなく経営監視と言い張っているが実際はどうなのだろうか?株式買占め以降阪神電鉄経営陣との話合いは遅々として進まない。助っ人として名乗りを上げた阪急HDとの売買交渉も価格面での折り合いが付かず難航している。そうこうしている内に6月の阪神電鉄定時株主総会への株主提案提出期限が迫り最後の一手”を繰り出したと考えられる。村上ファンドの本音は経営支配ではなくあくまでも阪神電鉄株式の高値売却と見ている。然るに交渉を有利に運ぶ為の”脅迫手段”として阪神・阪急経営陣に突きつけ早期の決断を促している。

 投資ファンドの目的はあくまでも「資金を運用して最大の利益を得る」ことにあり企業の経営支配などではない。出資者への配当等を考えれば企業を経営して中長期的な視点から資金回収などと流暢なことは言っていられない。つまり資金を有効に転がして利鞘を稼ぐことが出来なければ投資ファンドとしては失格と言える。短期的に利鞘を稼ぎ投資資金の回収を図り新たな投資に向かう必要がある。その意味でも阪神電鉄に投資した巨額資金が”塩漬け”なることは村上ファンドとしては是が非でも避けたい筈・・・。

 阪急HDとの交渉が破談になり結果として村上ファンドが経営権を握る事態になればどうなるだろうか?村上ファンドの株主提案によると村上氏側から9人送り込むが、いずれも鉄道経営に関しては”ど素人”であり阪神電鉄の経営に役に立つとは到底思えない。そんな(無能な)人材を送り込まれたところで阪神電鉄にとっては”百害あって一利無し”・・・結局は取締役会の過半数超を制するための数合わせ用の名目のみの登用でしかない。それに”金の論理”だけで人を動かすことは出来ない。力づくで乗っ取ったとしても社内(グループ内)からの協力は期待出来ず、いずれ経営が立ち行かなくなり解体/売却の道を歩む可能性がある。状況によっては村上ファンドは投資資金の”塩漬け”を余儀なくされ、挙句の果てには安値で買い叩かれ損失を蒙る可能性すら出て来る。さて現時点では村上氏が強気な攻勢に出ている様にも見えるが、もしかしたら実態は結構苦しいかもしれない。果たして如何に・・・?

 ところで村上ファンド提示の取締役候補9名の中に現・阪神電鉄社外取締役の玉井氏の名がある。これはいったい何だろうか?はっきり言えば”味方の筈の武将がいつの間にか敵の陣営に内通”していた様なもの・・・。玉井氏は阪神と阪急の経営統合には反対の立場にあり、村上氏から誘われて今回の取締役選任案に名を連ねた。「村上氏が阪神の資産を切り売りするようなことになれば争うことになるが、現段階でそんなことはしないと言っているので今は信用するしかない」とヌケヌケと話している。(村上ファンドが実権を握れば再び取締役に選任されることになるが)村井氏は阪神電鉄に敵対する組織に組しているからには速やかに社外取締役を退任しなければならない。阪神電鉄取締役会に於ける経営の意思決定に加わる資格は全く無い。現状のまま居座るのであれば厚顔無恥と言わざるを得ない。

 玉井氏は社外取締役として阪神電鉄の内部事情を知り得る立場にある。阪神電鉄側の情報の多くは村上氏側に筒抜けになっていた可能性がある。事実4月25日に両者が連絡を取り合っていたことを玉井氏は認めている。住友銀行副頭取まで勤めた玉井氏の”スパイ”とも看做せる行動は到底容認出来ない。それにしてもスパイと気づかなかった阪神電鉄経営陣の”脇の甘さ”には呆れるばかり・・・。まさか信じて登用した財界人の玉井氏がいとも簡単に裏切るとは”想定外”だったに違いない。

 ところで村上氏は”裏切り者”の玉井氏を阪神電鉄側に含め「取締役会の人員構成は阪神電鉄、村上ファンド同数」と主張している。その上で現経営陣に経営を任せるので「経営監視」としている。そんな馬鹿げた屁理屈が通用すると思っているのだろうか?村上氏の息のかかった玉井氏を阪神電鉄側とは誰も見ない。敵対する組織に魂を売り渡した人間など全く信用に値しない。

 ところで村上ファンドの買占めが発覚してから半年以上経過したが、その間阪神電鉄経営陣はどの様な対策を講じたのだろうか?有体に言えば積極的に自ら解決に向けて動いたとは思えない。無為無策のままただいたずらに時が過ぎ、その間村上ファンドは着々と買い増して過半数近くまで達した。最早今となっては他力本願・・・阪急HDに縋るしか打つ手が無い。土壇場に追い詰められればもしかしたら自社株式買付けとの非常手段に出る可能性が無いとは言えない。何にせよここまで事態を深刻にしたのは阪神電鉄経営陣が凡庸、厳しく言えば無能と言わざるを得ない。

 2006.5.

 昨日
阪神電鉄は5月2日の村上ファンドのプレスリリースに対する反論を発表した。阪神電鉄は従来の主張に少々補足している程度で特に目新しい内容ではない。早速それに対して村上ファンドから再反論が出された。お互いに自らの見解の正当性を主張する為の泥沼の戦いの様相を呈しつつある。エスカレートして来ると手持ちの情報が少しずつ明らかにされコトの実態が徐々に垣間見えて来る。水面下でゴソゴソ動かれるよりは外野席で見ていても状況が分かり易くなる。

 村上ファンドは阪神電鉄が進めている阪急HDとの経営統合について『
当社が本年2月以前から提案したが阪神電鉄が拒絶』としている。更に『阪神電鉄は4月までは(阪急HD以外の)ある企業との経営統合を当社へ提案』していたことを暴露している。村上氏はこれらの状況から「阪神電鉄は拙速に阪急HDとの経営統合を進めているのでは?」との疑念を示し、今後取締役会議事録の謄写閲覧請求を行なう予定としている。事実とすればこの件に関しては阪神電鉄に対する印象は良くない。確かに慌てふためいた阪神電鉄経営陣が土壇場になって”窮余の一策”を出した感は否めない。恐らく何らかの反論を出すと思われるが、どの様なコメントを出すのか注目される。

 玉井氏の件については『過去4期8年に亘り阪神電鉄の社外取締役を務めた方を取締役会にて社内取締役と異なる意見を述べたことで当社の意見代弁者と決め付けるのは大変失礼』としている。取締役会にて反対意見を述べることは取締役の権利であり自由な論議が封殺されることがあってはならない。誰もそのことで玉井氏を非難しているのではない。今回は
現在阪神電鉄の社外取締役として経営の一端に携わっている玉井氏がコトもあろうに敵対する陣営に組し取締役候補に名を連ねていることを問題にしている。4期8年社外取締役を務めていたところで今回の様な”裏切り”と受け取れる不実な態度とは一切関係無い。4期8年の実績などはたった一つの悪行で全て吹き飛んでしまう。村上ファンドの玉井氏についての見解は甚だ筋違いであり話のすり替えに他ならない。

 玉井氏は『阪神を良い会社にするために引き受けた。村上氏とくっついたと勘繰る取締役もいるがそういう気はない』と述べている。更に『村上氏側が何かを提案し阪神が反対した時、私が反対に回れば実現しない。村上氏の暴走を防ぐ仕組みを村上氏自らが組み込んだ』としている。さてこの発言を額面通り受け取る方がどれほどいるのだろうか?”村上氏の暴走を防ぐ歯止めを組み込んだ”と本人は本気で思っているのだろうか?
財界人としては考えが甘過ぎる様にしか思えない。饒舌な村上氏に言葉巧みに丸め込まれてすっかり信用してしまったのでは・・・?結局玉井氏はただ単に”極悪人”村上氏の脅しのツールの一つとして表面に引っ張り出された哀れでちっぽけな存在かもしれない。

 2006.5.

 5月3日の村上ファンドのコメントに対し昨日
阪神電鉄反論を発表した。村上ファンドが2月以前から阪急HDとの経営統合を提案したと主張しているのに対し『関西私鉄との業界再編に関しては(村上ファンドの)賛同を得ているが、(村上ファンドから)具体的な提案を受けた事実はない」と真っ向から否定している。また『4月以前から阪急HDとの経営統合について検討』として村上ファンドの主張を否定している。予想通りの展開だが、両者の主張が揃って真実と言うことはあり得ない。どちらかが明らかにウソをついている。今後村上ファンドは阪神電鉄に対し取締役会議事録の謄写・閲覧請求を行なうと見られる。商法260条第4項の規定により裁判所の許可を得る必要があるが、今回の場合権利行使の必要性が認められるのだろうか?もし認められた場合村上ファンドの主張を証明する事実が出て来るのだろうか?もしかしたら週明けにも村上ファンドが動いて来るかもしれない。果たして如何に・・・?

 昨日の阪神電鉄の反論に対し同夜
村上ファンドがまたもや反論を発表した。自らの主張をグタグタと並べているので詳しくはそちらをご覧頂きたい。開示の中で『今回の混乱は情報漏洩が原因』と阪神電鉄を一方的に非難している。「本来この様な交渉は水面下で行なわれるべきにも関わらず報道先行で交渉の事実が公になってしまった」と主張している。また「上場企業としては考えられない情報管理の拙さで阪神電鉄の株価を乱高下させた」としている。その上で「阪神電鉄は風説により損害を蒙った株主に対し責任をどう考えるのか?」とまで言い切っている。村上氏は混乱の原因の全ては阪神電鉄であり自らの責任は皆無と居直っている

 最初から最後まで村上氏は好き勝手に言いたい放題・・・
村上氏は自らの悪行を棚に上げてよくもまあこれだけふざけたことを言えるものと呆れ果てる。自らのサイドからの情報漏洩は全くないと断言出来るのだろうか?村上ファンドが意図的な情報操作を全くしていないとは考え難い。また株価の乱高下も阪神電鉄の責任としているが、むしろ元々400円前後で推移していた阪神電鉄の株価を企業価値を上回る1000円程度まで吊り上げた責任の方がはるかに大きい。どこの誰の仕業か村上氏は胸に手を当てて考えた方がよい。今回の株価の乱高下はその副産物として二次的に発生した現象と看做せる。

 昨日玉井氏は「中立的な立場から阪神電鉄の企業価値向上に協力する」意向を示した。しかしながら今更何を言ったところで全て白々しく聞こえる。中立的立場などと言われても”村上ファンド側の推薦名簿に記載されているとの厳然たる事実”が存在する。最早
村井氏がどの様な言い訳をしても”焼け石に水”でしかない。失われた信用を回復する術は無い。村井氏が「阪神電鉄側の反発が続くのであれば取締役就任を辞退」を示唆したのも当然と言える。一方阪神電鉄は村上ファンドに対抗して玉井氏を外した取締役選任案を定時株主総会へ提出する方向で検討開始と報じられている。確かに現在の阪神電鉄にとり不要な存在となっては玉井氏に居場所なんぞある筈がない。自ら進んで出処進退を明らかにして速やかに身を引く時期にある。

 昨日
阪神電鉄労働組合は『村上ファンドが阪神電鉄の経営参画に反対』とのコメントを発表した。村上ファンドを短期的に利益を追及する組織と位置付け、株主総会で村上ファンドの株主提案が通れば「株主利益のみが優先され、中長期的な観点からの健全経営に相反する結果を招く可能性が極めて高い」としている。”拝金主義の権化”村上氏が経営に乗り込んで来ればどの様な事態になるかは明白であり、労組が危機意識を持つのも当然と言える。労組の和田委員長は「株主総会後に(村上氏を中心とする)新経営陣が乗り込んで来た場合、出方次第ではストライキも辞さない」と述べている。これで労使共に村上ファンドとの対決姿勢を鮮明に打ち出した。堀江氏の”ニッポン放送乗っ取り騒動”の時も同様な事態となり結局は撤退した。村上氏も「人の心は金では買えない」ことを肝に銘じるべき・・・。

 2006.5.

 
株主提案が提出された場合には企業側は適法性を判断し、適法となれば株主総会開催通知、参考書類などに反映する必要がある。商法230条ノ10には「総会ハ本法又ハ定款ニ定ムル事項ニ限リ決議ヲ為スコトヲ得」とある。つまり株主総会での決議は商法、又は定款に定められた事項に限定される。阪神電鉄は村上ファンドの要求が法的に問題ありとして検討を開始したとされる。今月下旬の取締役会にて株主総会の議案を決定することにしているのでそれまでに結論を出すとしている。

 阪神電鉄は『
村上ファンドの株主提案が「経営支配が目的」と判断出来れば株主総会の決議案件から除外可能』と主張しているとされる。どの様な論理展開なのだろうか?阪神電鉄は「村上ファンドが取締役会の過半数超の9名を推薦とは経営支配に他ならない」としている。更に「阪神電鉄株式の過半数近くを保有する大株主が経営実績や具体的な方針もないままに経営支配すれば明らかに”乗っ取り”であり法的に問題ある」としている。も阪神電鉄が村上ファンドの提案を除外した場合、村上ファンドは間違いなく対抗措置として訴訟を起こす。果たして司法はどの様な判断を下すのだろうか?恐らく双方の顧問弁護士は訴訟に備えて対策を練っていると思われる。結末は如何に・・・?

 一昨日
阪急HDの角社長は村上ファンドとの阪神電気鉄道株式買取り交渉について『5月中旬の合意を目標』としていることを明らかにした。交渉成立の成否は”強欲な”村上氏がどの辺りで折り合いをつけるかにある。角氏も流石に無茶苦茶な要求を呑んでまで交渉をまとめることはない。残り少ない時間の中でピリピリした神経戦が展開される。もしかしたら休日返上で交渉が行なわれているかもしれない。

 さて1年前は堀江氏の”ニッポン放送乗っ取り”が世間を賑わせたが、今度は村上氏が”阪神電鉄乗っ取り”をちらつかせて世の中を騒がせている。
堀江氏が自滅して静かになったところに別の”極悪人”が姿を現わして暴れている。三悪人の内二人は未だに健在・・・”極悪人”がやりたい放題で世の中を跋扈しているのを目にするのは不愉快極まりない。ところでもう一人の”極悪人”は阪神電鉄騒動に隠れて目立たないが、こちらも6月のTBS株主総会に向けて陰で駆引きが行なわれている。保有比率が20%未満と阪神電鉄ほど事態は深刻ではないが、状況によっては”極悪人”が再び暴れ出す可能性があり先行き予断を許さない。

 『
村上ファンドが今年3月末時点でTBS株式の2.8%を取得。信託銀行に預託したまま名義書換えを行なっていない分を合わせると4%強保有』と報じられている。事実とすれば村上ファンドは事実上楽天に次ぐ第2位の大株主となる。筆頭、それに第2位の株主が三悪人の中の健在の二人とは・・・。 それにしても4%程度とは何とも微妙であり、明らかに5%ルールに触れない様に動いているとも受け取れる。大量報告書提出の義務がない為、村上氏が保有の事実を認めなければ真相が分からない。果たしてこのまま陰で暗躍を続けるのか?あるいは更に買い増しを続け表立ってキャスティングボードを握ろうとするのか?いずれにせよその”不愉快な行為”に注目が集まる。

 村上ファンドは楽天がTBS株式の買い増しを進めた昨年10月頃にほとんど処分している。
ここに来て再び大量取得した狙いは唯一つ・・・膠着状態にある楽天vsTBSの提携交渉を横目で睨みつつ悪さを企むこと”モノ言う株主”として「株主価値を高めるための株主提案を行なう」こともあるかもしれない。 しかしながらどうせ毎度お馴染みの欺瞞に満ちたポーズでしかない。”ニッポン放送乗っ取り騒動”の時にはライブドアとニッポン放送を天秤に載せて最終的に堀江氏に(高値)売却した。今回も楽天とTBSの駆引きを利用して巧みに両者の間に割り込み、どさくさ紛れに高値売り抜けを画策することは間違いない。ここで村上氏のTBS株式取得が報道されたことで週明けには思惑買いで株価が上昇するかもしれない。そうなれば益々村上ファンドの”思う壺”となるが・・・。

 2006.5.

 『USENによるライブドアの資産査定が資料不足で完了の目処が立たない』と報じられている。既に宇野氏個人がフジテレビからライブドア株式12.75%を取得している。2006年4月末までにライブドアの資産査定が完了し、問題が無ければ法人としてのUSENに譲渡を予定していた。更にはUSENによるライブドア買収まで視野に入れている。ところが資産査定が満足に出来ない状況ではそれどころではない。資産確定しなければ何も話が進まない。取り敢えずは様々な提携策を模索することになると思われる。

 ”ライブドア事件”発覚後東京地検特捜部に会計資料など多数の資料を押収され、ライブドアが正確な財務諸表を作れないとして期限までに提出出来なかった。その後押収された資料がどれほどライブドアに返還されたかは分からないが、本格的に資産査定が出来るほどの資料が手元に無い状況は容易に想像される。そんな状況下ではUSENも何も出来る筈がない。

 USENは株式交換によりライブドアを買収する考えとも伝えられる。USENもまさか”どんぶり勘定”でいい加減な資産確定で株式交換する訳には行かない。フジテレビ、個人投資家などによる損害賠償請求の行方も定かではない。また今後何が飛び出して来るのか分かったものではない。とても安易に資産確定出来る状況にはない。それに筆頭株主の堀江氏、それに外国系投資ファンド4社合算すると約50%との状況下ではライブドア買収とは言っても簡単ではない。この先USENの思惑通りにコトが運ぶかどうか予断を許さない

 昨日
阪神電鉄は村上ファンドに対し株主提案に関する照会状を送付した。5月10日の期限付きで回答を求めている。阪神電鉄は『当社の経営についての考え方、取締役候補者の経歴、就任承諾の有無等について詳細な説明を要求』した。阪神電鉄は村上ファンドの株主提案の適法性に疑義を抱いているが、村上ファンドからの回答も(内容次第では)株主総会での決議案件から除外する為の材料にしたいと見られる。質問の意図が明白なだけに村上氏がどの様な回答を出すのか注目される。

 村上ファンドの取締役候補者9名には村上氏、丸木M&Aコンサルティング副社長、玉井氏に加えてM&Aコンサルティングの社員6名が名を連ねている。6名の内3名は2005年入社、しかも1名は昨年10月入社しているが、村上ファンドでの実務経験、電鉄会社経営についての知識レベルが充分か否か不明としてれる。阪神電鉄は(一部の)取締役候補はキャリア面から見て不適格であり、過半数超を制する為にただ単に頭数を揃えただけと疑っていると思われる。

 昨夜
村上ファンドは(紹介状への回答ではないが)コメントを発表した。阪神電鉄が村上ファンドの株主提案を法的な問題で株主総会の議案から除外するのであれば速やかに正式開示する様に求めている。また玉井氏を阪神電鉄の取締役候補から外すことを取締役会で決定したのであれば速やかに正式開示する様に求めている。さもなければ阪神電鉄の取締役候補に玉井氏を加える様に要求している。その上で昨年秋以降続いている阪神電鉄の情報漏洩体質が混乱の原因と激しく非難している。また『株主や株主提案者に対して経営方針を尋ねる前に現経営陣が経営方針を明確にすべき』としている。結局は従来の主張を形を変えて繰り返しているのに過ぎない。

 さて
阪神電鉄からの紹介状に関しては必要に応じて回答するとしているが、ここまでの両者の攻防の経緯からして村上ファンドはかなり激しい調子で回答することが予想される。このまま阪神電鉄と村上ファンドの対立が激化の一途を辿れば、阪急HDと村上ファンド間の株式売買交渉に影響を与える恐れがある。状況によっては「株式売買交渉の破談→村上ファンド株主提案の除外→法廷闘争→・・・→・・・」との”底なし沼”の戦いに突入する可能性がある。とにもかくにも週明け以降の関係者の動きには緊迫の度が高まり目が離せない。

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