2006.8.28

 
楽天とTBSの提携交渉は全くまとまる見込みがなく暗礁に乗り上げている。両社の取決めによりどちらからも交渉中止申入れがなければ交渉期限が自動的に1ヶ月延長される。これで4回目の延長となるが、楽天保有のTBS株式の扱いがネックとなり膠着状態から抜け出すことが出来ない。楽天がTBSとの業務提携を成立させる為にはTBS株式を手離す以外には方法はない。楽天が決断しない限りTBSが交渉に応ずるとは到底考えられない。不遜な態度でTBS乗っ取りを図った三木谷氏に対してTBSは妥協する必要はない。”兵糧攻め”の長期戦に構えればよい。

 
TBSの終値は前日比95円安の2580円で取引を終えている。これは楽天の平均取得価格を大きく下回っている。三木谷氏としては損してまでも売却する訳には行かない。さりとて株価上昇の目もさほど感じられない。増資で急場を凌いではいるが結構苦しいのでは・・・?そんな状況を反映しているのか、楽天の株価は低迷を続けている。今日の終値は前日比3300円安の5万5000円で取引を終えている。今年1月4日の終値の11万6000円と比較すると半分以下に下落している。三木谷氏の悪行からすれ下落は当然・・・しかしながら既存株主にはたまったものではない。

 2006.8.29

 昨日
インボイスは『2007年3月期 第1四半期財務・業績の概況(連結)』を開示した。開示によると売上高:280億300万円(前年度同期:264億8000万円)、営業損失:27億6600万円(同:2億4300万円の黒字)経常損失:27億2000万円(同:1億6700万円の黒字)、当期純損失:26億100万円(同:1億6800万円の赤字)となっている。第1四半期は赤字でも通期の業績予想では従来と変わりなく黒字になるとしている。

 8月25日インボイスはダイナシティとの資本・業務提携を発表した。昨日は歓迎ムードで株価は一時4410円まで上げたが、終値は前日比80円高の4110円で取引を終えている。この動きから推察すれば
インボイスに対する投資家の信用がイマイチとも看做せる。そこへ業績赤字が明らかになり株価は敏感に反応した。今日の終値は前日比260円安の3850円で取引を終えている。自らの足下が不如意なインボイスがダイナシティとの”お荷物”を背負い込んで大丈夫かどうか・・・?他人の世話を焼く前に自らの土台を固めた方がよい無理な背伸びは墓穴を掘る破目に陥る。どこぞの誰かの様に・・・。

 
王子製紙の篠田社長は記者会見にて「(北越製紙に対するTOBについて)限りなく不成立の方向と理解してよい」と述べている。TOB期間終了を待たずして敗北を認めたことになる。強引に仕掛けた敵対的TOBは見事に失敗に終わった。三菱商事、日本製紙、取引金融機関などの主要株主が王子製紙のTOBに反対では成立の可能性は皆無に等しい。株式の取得目標引き下げなど条件変更により成立を模索する道は残されているが、王子製紙は中途半端では意味がないと判断した(こちら 参照)。日本市場での敵対的TOBの難しさを改めて世の中に示した形になった。

 
北越製紙の株価は王子製紙のTOB価格800円、更には日本製紙が「対抗TOBにより高値をつけるのでは?」との思惑が蠢いた。8月8日には一時858円まで上昇したが、TOB不成立の公算大となり今日の終値は758円まで下落している。王子製紙のTOB発表前は600円台だったことからすると今後更に下落する可能性が高い。欲の皮が突っ張って高値購入で損した方もいる筈・・・。

 2006.8.30

 明日発売の週刊新潮に楽天、及び三木谷氏の特集記事が掲載されるとの情報が市場に広まった。三木谷氏へのXデーとはいったい何を書いているのだろうか?兎角何かとお騒がせな週刊新潮なので直ちに信用は出来ないが・・・。楽天の株価はこの程度の話にも過剰とも思える反応を示した。楽天に対する警戒感から終値はストップ安(5000円安)比例配分の5万3700円で取引を終えている。

 一昨日の東京株式市場での
TBS株式の2%を超える立会外取引の事実が明らかになり注目を集めている。TBSと楽天の提携交渉が暗礁に乗り上げている微妙な時期の売買だけに様々な推測を呼んでいる。楽天はTBS株式取得を否定、また市場で指摘された銀行等保有株式買取機構の売りについても可能性は低い。果たして誰が買いを入れたのだろうか?

 2006.8.31

 
楽天『8月31日発売(9月7日号)の週刊新潮の記事について』を開示した。楽天に関する掲載記事の内容は事実無根として「新潮社に対して厳重に抗議し記事の撤回と謝罪を求めると共に法的措置も講じる予定」とのコメントを出している。市場では記事には目新しいことは書かれていないとする見方が強い。一方週刊東洋経済(9月2日号)では「増資でカネを集めて収益を上げる会社・事業を買収する。買収による成長を売り物にして、また増資するという繰り返し。投資会社というよりも増資会社」としている。更に「楽天市場という本業がきちんと成長しているのにもかかわらず胡散臭い感じを拭えないのはこの部分」と断じている。結局楽天に対する評価は堀江氏の失策により墓穴を掘ったLDと大差ない危うい企業と言ったところが妥当・・・。

 
三木谷氏への信用度の低さが楽天の株価にモロに反映されているとも看做せる。三木谷氏のやり方は堀江氏に同じく急激な成長を望むあまりに無理に背伸びしている様に見える。どこかでボロを出さないとも限らない。果たして東京地検特捜部が動いているのだろうか?楽天の株価は様々な不安を背景に今日も大きく値を下げている。今日の終値は前日比2800円安の5万900円で取引を終えている。ここの株式を保有している方々には背筋が寒くヒヤヒヤな日々が続くと思われる。

 今日大引け後
楽天は『連結子会社における会社分割によるクレジット事業部門の譲渡契約の締結及び特別損失発生のお知らせ』を開示した。連結子会社の楽天KCの会社分割によりクレジット部門を切り離しオリエント・コーポレーションに譲渡する。ところで今回の譲渡に伴い楽天KCには約186億円の譲渡損失及び譲渡付随費用が発生する。当然親会社の楽天の2006年12月期連結決算にて同額の特別損失を計上することになる。2005年12月期の当期純利益(連結)が194億4900万円だったことからすると約186億円のの特別損失発生はかなり手痛いと考えられる。さて楽天の株価はこの情報に明日どう様に反応するのだろうか?

 2006.9.1

 
楽天の株価は様々な悪条件が重なり下落の勢いが止まらない。今日の終値は前日比2050円安の4万8850円と5万円を割り込み取引を終えている。TBSにちょっかいを出して膠着状態になっているもの辛い。有利子負債を少しでも減らす為に、つまり借金返済の為に1000億円を超える増資を行なった。そんな増資が株価に良い影響を与える訳が無い。当時の公募価格は9万8100円・・・現時点の株価は約半分にまで下落している。LDの場合はMSCBで800億円ほど資金調達してやはり株価下落を招いた。少々事情は違うにしても楽天の場合も何やらLDに類似していて感じが悪い。

 株式推移その3を見て頂きたい。
3社共に苦し紛れの資金調達の為にMSCB発行しているが、いずれも希薄化による株価下落に陥っている。1月4日と今日の終値を比較してみる。プラネックス:18万4000円→5万3000円、Yozan:3万9050円→6630円、ダイナシティ:3万600円→1万4710円となっている。業績が改善されていない状況では株価下落は当然と言える。それにしてもこの様な状況を見るにつけ改めてMSCB”性悪説との見解を強く持つ。

 民事再生手続き中の
アドテックスは今日延長後の再生計画案提出期限を迎えた。7月12日の提出期限を「スポンサー選定、譲受候補会社のデューディリジェンス等に 時間を要している」との理由で延期したが・・・。果たして再生スポンサーに名乗りを上げる奇特な方が出現するのだろうか?喰らいついても美味しいところなんぞ残っている様には到底思えない。再生計画立案の目処すらないのでは・・・??何にせよ結果は暫くすれば明らかになる。

 2006.9.2

 8月29日
ペイントハウスが関東財務局に提出した臨時報告書により「ロ−タス投資事業組合の保有比率が20:49.39%(200万株)」の事実が判明した。ロータスが幾らで取得したかは大量保有報告書の提出を待たないと分からない。それにしてもロータスは毎度のことながら曰くつきの企業の背後に出没する。上場廃止となったペイントハウスに対し何を嗅ぎつけて手を出して来たのだろうか?ロータスに頼らなければならないのは明らかに末期症状・・・。ペイントハウスの一寸先は真っ暗闇に違いない。

 また9月2日
ペイントハウスが関東財務局に提出した臨時報告書により「
債権者より借入金に係る元本、並びに、各債務に付帯する利息金債務・遅延損害金債務等その余の一切の債務4億6200万円の債務免除を受けたことが判明した。債務免除となった4億6200万円は2006年8月期決算にて特別利益として計上される。債務免除とは聞こえがよいが、早い話が(合法的に)借金を踏み倒した様にしか見えないが・・・。。恐らく債権者の山田債権回収管理総合事務所がどこか他の債権者から債権を(安く)買取ったと思われるが、それにしても何故元本を含め一切合財をあっさりと放棄したのだろうか?何か裏があるのだろうか?

 2006.9.3

 明日証券取引法違反を問われた
堀江氏の初公判がある。堀江氏側は公判前整理手続きにて容疑を全面否認している。整理手続きにより争点が絞られるが、検察、弁護側の全面対決は必至・・・。審理冒頭から激しいやり取りが予想される。初公判で何が飛び出して来るのか楽しみにしている。さて明日傍聴希望者はいったいどの位集まるのだろうか?過去最高の傍聴希望者はオウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫(麻原彰晃)被告の初公判の1万2292人・・・。注目度の高さからするとかなり多数の希望者がいると思われる。また日本テレビ、TBS、テレビ朝日が報道特別番組を組み、NHKはニュース枠を拡大して放送する予定になっている。

 先週宮内庁は秋篠宮紀子様の出産予定が6日午前と発表した。どちらが生まれるのだろうか?もし女の子であれば(紀子様のご懐妊で一旦封印された)皇位継承問題が再び浮上する。ところで紀子様のご出産によりベビー関連の企業の株価が注目されている。果たしてどこがどの程度反応するのだろうか?

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