2006.9.18

 ニッポン放送株式を巡る証券取引法違反(インサイダー取引)の罪で起訴された「
村上氏は逮捕前会見や捜査段階の供述から一転して起訴事実を否認する方針」と報じられている。9月15日村上氏側弁護団、東京地裁、東京地検の三者協議の場にて弁護団は全面否認の方針を伝えると共に、争点や証拠整理の為の公判前整理手続きの適用を申立てた。逮捕後の村上氏が自らの非を認めあまりにも神妙だったことに訝しさを覚えていた。村上氏が態度を一変したところで別に驚きも感じない。取り敢えず容疑を認めて一刻も早く拘置所から出たかったと思われる。その後弁護団と綿密に相談を重ね公判対策を練っていることは間違いない。難しい裁判になると思うが・・・さて?

 2006.9.19

 
TBSはJASDAQに上場したばかりのビックカメラと番組宣伝や、グッズ販売、ネットサイトのリンク、共同商品開発などの4分野を柱とした業務提携を行なうことで合意した(こちら 参照)。TBSは昨年8月買収防衛を意識した第三者割当増資を実施しているが、その際ビックカメラなど4社に対し第三者割当増資、及び自己株式処分を実施している。今回更に資本関係に加えて業務提携を結ぶことでより強固な協力関係を結ぶ狙いがあると思われる。無論乗っ取りを図って暗礁に乗り上げている”●●”を牽制する狙いがあることは言うまでもない。

 
楽天の株価は9月14日のストップ安から少々戻しているものの、今日の終値は前日比3500円高の4万9850円と5万円を割り込んで取引を終えている。TBSの株価が今日時点で2655円では三木谷氏も売るに売れない状況に陥っている。TBSとの提携交渉は既に4度の延長を繰り返しているが、両者の主張の隔たりは一向に埋まる気配は無くいたずらに時が過ぎて行く。TBSの条件はただ一点、楽天保有のTBS株式の売却と言っても過言ではない。当然三木谷氏は堀江氏の惨敗を見ているのでTBS株式を保有したまま業務提携に持ち込みたい。手離すにしても損失を出してまで売りたくはない。恐らくTBSの株価動向を横目で睨みつつ長期戦になる可能性が高い。TBSの”兵糧攻め”に三木谷氏がどこまで持ち応えられるかが勝負の分かれ目になると見ている。

 9月15日に初値をつけたミクシィの株価は乱高下の末、終値はストップ安(30万円安)の282万円で取引を終えている。ミクシィの事業規模からするとどう考えても
現在の株価は過大評価・・・。それでなくても新規上場直後にはお祭り騒ぎで株価が実力以上に跳ね上がり、その後に沈静化して適当なところに収束して行く。今回も暫くは下がり続けると見ている。そんなことは百も承知で短期決戦を挑んでいる方々により荒っぽい相場が形成されている考えてよい。

 2006.9.20

 昨日の大引け後
サンライズ・テクノロジーは『2006年9月期業績予想(単体・連結)の修正に関するお知らせ』を開示した。売上高、経常利益に変わりはないが、当期純利益が4億8000万円→8億円に増加している。同日『固定資産の譲渡及び特別利益発生に関するお知らせ』が開示されている。保有する一部遊休地を売却による譲渡益7億5000万円を特別利益として計上するとある。と言うことは特別利益がなければ当期純利益僅か5000万円!とは下方修正でしかない。業績の上方修正とはおこがましい。つまり本業の業績が不振ではいかにもまずく固定資産を処分して何とか帳尻を合わせるとの小細工にしか見えない。まやかしもいいところ・・・。

 昨日のIRにサンテクの株価がどの様な動きを示すのか注目していた(こちら 参照)。”●●”な方々が多いと見えてコマセに見事に喰らいついた。前場9時30分過ぎには前日比14円高の49円まで一気に急上昇したが、その後は下落に転じ終値は前日比5円高の40円で取引を終えている。
株価低迷のこの時期に意図的にまやかしの情報を流した悪い輩の存在が背後に見え隠れする。”上方修正”の甘い言葉に踊らされてお祭り騒ぎに首を突っ込み高値掴みをした方もいる筈・・・。サンテクの様な三流、かつ”★”株式に手を出すのは禁物・・・。

 
アドテックスの再生計画案に関する情報が全く見当たらない。いったいどうなっているのだろうか?果たして生きているのか?それとも死んでいるのか?9月1日の提出期限から20日経過してもアドテックスから何の発表もないのはやはり上手く行っていない証拠に違いない。どなたかこの件に関して何か知っている方がいれば教えて頂きたい。

 2006.9.21

 昨日
日本証券業協会の安東会長は記者会見にて『誤発注で売買が成立した株式取引を事後に無効とする「約定取り消し」は法的に可能』との見解を示した。昨年12月のみずほ証券による誤発注問題発生後に再発防止策、及び約定取り消し措置の導入を検討していた。今回法律の専門家より「約定取り消しは法的に可能」との結論を得たとしている。日本証券業協会は11月までに約定取り消し措置の具体策を取り纏め国内の証券取引所に対し導入を要請する。さてこの様に誤発注対策は着々と進んでいるが、昨年12月の誤発注の落とし前はまだついていない。最終的な決着が何時になるか皆目検討がつかない。

 
村上ファンドが関東財務局に提出した5通の大量保有報告書により手仕舞いが進んでいる状況が明らかになりつつある。松坂屋HD:7.05%→3.66%、ホシデン:8.10%→3.73%、住友倉庫:16.42%→8.17%、GMOインターネット:6.45%→1.26%、サークルKサンクス:5.07%→2.18%とそれぞれ保有比率が減少している。恐らく投資元からの資金引上げ要求に対応している為と見られる。これからもこの様な形の処分が続くと思われる。カリスマ的存在の村上氏が輝きを失ってしまった現状では撤退も致し方がない。村上氏に関しては捜査段階から一転して全面否認した裁判の行方が注目される。余談ながらUSENの様に大きく値を下げている銘柄はどうするつもりなのだろうか?特に村上氏逮捕時点では1785円だったUSENの株価が今日時点の終値は901円になっている。当面大きく戻す様な状況は考え難いとあれば損切りしかない筈・・・。

 2006.9.22

 10月1日の経営統合を目前にして阪急HDと阪神は具体的な方策について協議を進めている。阪神電鉄は『阪神百貨店と阪急百貨店の包括的な業務提携を行なうことで合意し基本契約締結』と発表した(こちら 参照)。両者は「業務提携委員会を速やかに立ち上げ、提携内容の協議検討を行い、来年3月を目処に具体的なプランを策定、4月より順次実施、実現をする予定」としている。阪急としては今回の経営統合に際し莫大な投資をしている。株主からは当然投資に対する効果を求められる。村上氏による”乗っ取り未遂”事件の負担が重く圧し掛かる。
経営統合の評価はまだ暫く先の話・・・果たしてその頃にはいったいどうなっているのだろうか?

 2006.9.23

 本日休載。

 2006.9.2

 
松坂屋は『銀座店をMax190mの超高層ビルに建て替える再開発計画を大きく見直す方針』を明らかにした。松坂屋は創業400年にあたる2011年に向けて銀座店の活性化を目指し近隣の地権者や森ビルなどと共同でホテルやオフィス、住宅なども入った超高層ビルとする再開発計画を立案していた。そこに待ったをかける形で東京都中央区が建物の高さを56mに制限する方針を打ち出した。現在開会中の区議会で条例改正案が成立する見込みとなっては再開発計画の見直しは致し方がない。単純に考えれば高さ制限が190m→56mとなれば当初の計画よりは規模を大幅に縮小せざるを得ない。投資対効果の観点からすればどの程度の成果が期待出来るのか・・・。ところで同じく超高層ビルに建て替える再開発計画を進めている歌舞伎座は規制区域より道路1本外側にあり規制対象外・・・。この僅かの差は運、不運?それとも意図的?そこまで考えると勘繰り過ぎ・・・?

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