2007.3.12

 一昨日の日本経済新聞は『日興株式を5.74%保有する(1月12日時点)マッケンジー・グループがTOB価格引上げ要求』と報じている。今日は『6.9%保有のオービス・インベストメント・マネジメントもTOB反対の方針表明』とある。海外投資ファンドで反対の意向を示したのは4社全て・・・益々外国人株主の圧力が強まっているが、態度を明らかにしていない日本人株主はどうするのだろうか?ここぞとばかりに強欲な”ハゲタカ”と”ハイエナ”が日興CGに群がってボロボロに食い潰す事態にならなければ良いが・・・?そして上場廃止の有無TOBの行方が気になる。もしシティグループ手を引けばどうなるのだろうか?とここまで記述している時点で
事態を一変させる大Newsが飛び込んで来た。

 東証、大証、名証は『
日興CGの上場維持』を正式決定した。同時に監理ポストの割当解除も発表した。上場廃止基準の一つ「証券報告書などに虚偽記載を行ない、かつ影響が重大だと取引所が認めるケース」に該当しないと確認とある。(決定の詳細はまだ分からないが)
投資家保護の観点、有価証券報告書の訂正や経営陣の刷新などが考慮されたものと見られる。一連の報道からは上場廃止が濃厚かと思っていたが・・・。LDの場合とは異なり諸方面への影響の大きさを考慮しての政治的判断が加味されたのだろうか?真相は分からない。とにもかくにも上場維持の決定を受けTOBの行方は如何に・・・?

 日興CGの今日の終値は1404円・・・シティグループのTOB(予定)価格1350円を上回っている。上場維持の決定を受け明日以降上昇する可能性が高いと見ている。それに25.8%保有の海外投資ファンド4社、更には他の株主も容易に手離すとは益々考え難い。となれば1350円でのTOBは到底不可能・・・。TOB成功を目論むのであればかなり高い価格を提示する必要がある。シティグループにとりこれ以上の負担増に果たしてMeritはあるのだろうか?恐らく
シティグループは上場廃止を前提にシナリオを考えていたのに違いない。その前提が崩れた今どの様に対応するのか注目される。

 『
大丸と松坂屋HDが経営統合に基本合意』と日本経済新聞が報じている。3月14日にも両社の臨時取締役会で正式決定とある。両社が経営統合すれば百貨店業界では高島屋を抜き売上高首位(2006年2月期売上高単純:1兆1664億円)となる。これで益々業界再編の流れに弾みが付く。この報道に対し松坂屋HDは「何ら決定して事実は無い」との型通りのコメントを出している。何にせよ事実関係は近々明らかになる。

 2007.3.13

 予想通り
日興CGの株価は上場廃止決定を受け大きく上昇した。終値は前日比86円高の1490円で取引を終えている。海外投資ファンドがTOB反対を表明しているところに上場維持となったのだから思惑買いが先行して当然・・・。現時点でシティグループのTOB価格を140円も上回っていてはシティグループのTOBに応じる株主がいる訳がない。3月7日にTOB発表後1週間以内に詳細を明らかにするとしているが・・・。TOB成立の鍵は唯1点、TOB価格の設定にある。明日も日興CGの株価は上昇する可能性が高い。30%程度のプレミアとなれば海外投資ファンドが主張する2000円以上の設定が現実味を帯びて来る。仮に2000円を超える設定となればシティグループの負担は2兆円程度に膨れ上がる。シティグループは何が何でも日興CGが欲しいのだろうか?さて、どうする?

 
不二家は『業績予想の修正、及び配当予想の修正に関するお知らせ』を開示した。開示によると2007年3月期の売上高(連結):633億円(前回予想:850億円)、経常損失:72億円(同利益:10億円)、当期純損失:67億円(同純利益:8億円)と大幅下方修正(赤字決算)、配当:無しとある。稼ぎ時に全く製造/営業出来なかったのだから当然の結果と言える。品質をないがしろにした代償はあまりにも大きい。今日一連の不祥事発覚の発端となった埼玉工場の操業を約2ヶ月ぶりに再開した。他の工場も皮質管理体制が確認され次第順次再開するとしている。店頭販売は3月23日の再開を予定している。これで再生に向け徐々に体制が整いつつあるが・・・。消費者の信用を取り戻すのは容易ではない。恐らく関係者はまだまだ不安が一杯と思われる。地道に一歩一歩努力を続けて行くしか手は無い。

 同日不二家は『
固定資産譲渡のお知らせ』を開示した。以前から囁かれていた銀座の本社ビルをコリドー・ストリートへ135億5000万円で譲渡する。2007年3月期決算に約125億円を特別利益として計上する。これを計上しても経常損失が67億円とは製造/販売中止によるダメージが如何に大きかったかを示している。損失穴埋めの為に銀座の一等地の本社ビルを泣く泣く手離す破目に陥った。次年度も順調に業績回復の保証は無く新たな補填策が必要になるかもしれない。とにもかくにも不二家関係者は今回の如き不祥事を2度と起こさぬ様に”ゼロからの出発”の覚悟で再生に臨む必要がある。

 2007.3.14

 昨日日興CGとシティグループは『TOB価格:1700円での公開買付け実施』を発表した。全株式取得の場合の負担は1兆5800億円に増加する。引上げの理由について「東証、大証、名証の監理ポスト割当が解除され、将来の見通しが改善した」としている。日興CGは何としてもシティグループに寄りかかって急場を凌ぎたい。一方シティグループは今後の日本国内での事業展開の為には日興CGを手に入れたいと言うことか・・・。さてこれで海外投資ファンド4社の対応が注目される。あくまで2000円以上を主張するのか、それとも1700円で手を打つのか?ちなみに日興CGの株価はストップ高(200円高)比例配分の1690円と予想通りOB価格に鞘寄せする形で取引を終えている。

 SPJは3月29日のサッポロHD株主総会に向けて株主からの委任状獲得を開始すると発表した。サッポロHDは買収防衛策の導入を目指している。SPJは「株主価値の向上につながるものではない」などと主張して全株主3万5000人に対して委任状を送付する。さて新しい買収防衛策は過半数超の賛成で承認が得られる。SPJが阻止する為には現行保有株式に加えて更に32%ほどの議決権が必要となる。どの程度の同調が得られるのか注目される。直近の委任状争奪戦(プロキシファイト)としては東京鋼鐵へのいちごアセットマネジメントが委任状獲得成功が記憶に新しい。決戦の行方は如何に・・・?

 
松坂屋HDと大丸は『経営統合に関する基本合意について』を開示した。8月28日に両社上場廃止、9月3日共同持ち株会社上場の予定となっている。共同持ち株会社への株式移転比率は大丸:1.4、松坂屋HD:1とある。両社は競合する地域が無く、また関西以西シェアNo.1の大丸と中部地区シェアNo.1の手を携えて売上げ規模縮小傾向で競争激化の状況に挑む。

 今日の
日経平均は昨日のアメリカ株式の急落に急激な円高進行が加わり2月28日以降3度目の500円超の下落となった。持ち直したと思ったが・・・。ここに来てまたもや世界同時株安の再燃の懸念が出て来た。それだけは止めて欲しいが・・・。果たしてどうなることやら・・・。

 2007.3.15

 昨日不二家と森永製菓は『業務提携解除のお知らせ』を開示した。またお互いに持ち合っている500万株については各々今後処分(詳細未定)するとしている。2005年4月以降両社は提携関係にあったが、昨今の状況から更なる成果が見出し難いとして解除合意に至ったとしている。早い話が「不二家の不祥事発覚により今後お付き合いしたところで森永製菓としてはMeritが無いと判断」したと見られる。それに不二家への支援に山崎製パンが積極的に関与している現状では森永製菓の出る幕は無い。「両社で築き上げてきた信頼関係を基に友好関係は維持しながら従来からの業務関係を含め通常的に行なわれる取引は引き続き継続していく予定」と開示にはあるが・・・。何やら綺麗事を言っている様にしか聞こえて来ないのはへそ曲がり・・・かな?

 『昨年11月MBOを実施した
レックス・ホールディングスの個人株主約150名が「TOB価格は不当に安く抑えられた」として提訴する予定』と報じられている。レックスは全株式買取り、完全子会社化を目指したが・・・応募は議決権ベースで75.43%に留まった(こちら 参照)。レックスは3月28日の定時株主総会にて特別決議により全部取得条項を付することを予定している。これで売却に応じていない少数株主から強制的に買取ることが可能になる。少数株主は会社法の株式取得請求権に基づき(特別決議後)20日以内に裁判所に価格決定を申し立てる。基準はTOB価格23万円となる。

 少数株主側はTOB価格23万円の設定に至る経緯を問題視した。「
レックス経営陣はMBO実施前に業績下方修正を行ない意図的に株価を下げTOB価格を安く抑えようとした」と主張している。こちらを見ていただきたい。昨年8月の業績下方修正を受け株価は一気に20万円台前半に急落、その後MBOを発表した11月には10万円台後半に迄下落している。TOB価格は過去1ヶ月の終値単純平均にプレミア13.9%を上乗せして設定した。少数株主側は「通常のMBO価格は過去6ヶ月以上の平均を採用しており意図的に株価を下げた疑いがある」と主張している。確かに株価チャートを見ると株価操作のきな臭い感じがしないこともないが・・・。しかしながら裁判で実証するのはかなり難しい。

 3月9日に
フラクタリストのあまりにも酷い業績下方修正、それに業績予想精度の酷さを指摘した。3月9日からの3営業日続けて取引が成立せず、昨日8万円で寄り付き6万3500円で取引を終えている。 3月8日の終値が17万円から値幅制限拡大もあり一気に急落した。これでは株主はたまらない。この株価変動を目にした時「株式分割でもあったのか?」と目を疑うほどだった。ところでフラクタリストは昨年10月11日”悪名高き”名証セントレックスに公開価格:40万円で新規上場した。今日の終値は前日比3500円安の6万円で取引を終えている。公開価格に対する下落率:85.00%とはあまりにも酷い。「またもやセントレックスか!」との思いが強い。フラクタリストの経営陣の責任は当然問われるべきだが、こんな企業を上場させたセントレックスの責任も重い。

 2007.3.16

 東京地裁は証券取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)に問われた堀江氏に対し懲役2年6ヶ月の実刑判決を言い渡した。検察側は何としても実刑をとの意気込みからか懲役4年を求刑していた。捜査段階から一貫して否認を続けている堀江氏は即日控訴・・・最終決着はまだ先になる。保釈金5億円で再保釈が認められた。とにもかくにも堀江氏の言い逃れが通用する筈も無く、有罪、それも社会的影響の大きさからして実刑判決と予想していた。拝金主義を諫める意味でも意味のある判決と評価する。

 公判では元側近の宮内氏などは堀江氏の関与を認めている。これに対し堀江氏側は宮内氏などの証言は自己保身で責任を全てなすりつけたと主張した。つまり「自分は全く無関係で全て宮内主導で行なわれた」と勝手な論理を展開している。何か容疑をかけられた政治家や経営陣などが「秘書が」とか「部下が」勝手にやったことで自分は何も知らないと言い逃れをするのと同じ・・・。
堀江氏が単なる広告塔で裏で宮内氏は全て仕切っていたとの詭弁が通用する訳が無い。さてまだ第1Rが終わったに過ぎない。堀江氏側は第2Rはどの様な作戦で臨むのか注目している。

 「
みずほコーポレート銀行がシティグループのTOBに全株式応募の方針」と報じられている。保有する約4.8%の株式を提供することでシティグループとの関係強化の狙いがある。それにみずほCBとしては300億円ほどの売却益を計上出来るとあれば言うことは無い。また約1.4%保有の第一生命保険もTOBに応じる方針とある。やはり注目は2000円以上を主張する海外投資ファンド・・・妥協するのかしないのか?ここの去就が定まらないことにはTOBの成否は見えて来ない。

 今日
USJが東証マザーズに新規上場した。2006年3月期迄の5期連続の赤字決算に苦しんでいたが、2007年3月期決算(連結)では黒字転換を見込んでいる。開示によると通期売上高予想:693億円(前年同期:682億8700万円)、経常利益:24億5000万円(同損失:5億8200万円)、当期純利益:10億円()同純損失:46億3400万円)とある。今までかなり苦戦して来ただかに来期以降順調に業績が推移するかどうかは定かではない。現時点では規模、知名度の高さは言うまでもないが投資対象としては評価し難い

 さて注目の初値は4万6600円と公開価格(4万9000円)を4.90%下回った。その後は終日公開価格を少々上回る水準で推移し終値は5万600円で取引を終えている。ところで筆頭株主のゴールドマン・サックスグループがUSJ株式を(議決権ベースで)41.52%保有している。今後の保有方針によっては株価に影響を与える可能性がある。言い換えれば潜在的な(強烈な)売り圧力が懸念される。長期保有となれば「安定株主?」と言うことになるが・・・?果たして如何に・・・?

 2007.3.17

 3月23日証券取引法違反に問われている法人としてのLDに判決が下される。昨日堀江氏の有罪判決に引き続きLDへも有罪判決が出る可能性が高い。昨夜フジテレビの日枝氏は「判決を見て直ちに損害賠償を請求する」と述べた。堀江氏個人への損害賠償請求は考えていないとのこと。昨年のLD、堀江氏の摘発後にフジテレビは損害賠償請求の意向を示している。今回の有罪判決を機に行動に移す。請求金額はUSENへのLD株式売却損約345億円に延滞利子などを含めた額になるものと見られる。ところでLDは業績不振で赤字を計上しているが、傘下の子会社売却により手持ち資金は約1000億円と今のところ潤沢にある。しかしながらLDの事業展開の先行き不透明、それに現在係争中の損害賠償請求もあり実情はかなり苦しい。果たしてLDがすんなり支払いに応ずるかどうか?

 昨日大証1部上場の
サンスターは「経営陣と従業員による自社株式買収(MEBO)に対し(議決権ベースで)52.63%の応募があった」ことを発表した(こちら 参照)。創業者の出資企業STARLECSの保有分30.90%を合わせると83.53%となる。早ければ7月にも上場廃止となる。今後サンスターはMEBOに応じていない株式を全て取得することを予定している。6月開催予定の定時株主総会に全部取得条項を付議する。ところで将来的にはスイスに経営機能の中核となる事業統括管理会社を設置し本社機能を移転するとある。開示にはいろいろと能書きが書いてあるが・・・。スイスと聞いて「まさか節税対策の一環では?」とは穿った見方かな・・・?

 2007.3.18

 2月22日のMSCB発表ターボ・リナックスの株価は予想通り下落傾向にある。先週末の終値は地合の悪さも加味され終値は前日比9000円安の11万7000円で取引を終えている。当初転換価額:16万650円、下限転換価額:8万325円、上限転換価額:24万975円となっている(こちら 参照)。ところで最初の転換価額修正は3月30日迄の5連続営業日の終値の単純平均の92%に修正される。計算上5連続営業日の単純平均が8万7310円を下回れば初回修正転換価額がイキナリ下限となるが・・・。ちなみに直近5連続営業日の終値で試算すると修正転換価額は11万8000円となる。さて・・・?

 不二家では現在のイメージキャラクター「ペコちゃん」とは別の新キャタラクター作りの構想が浮上している。外部有識者で構成する改革委員会が「新キャラクターを作るぐらいの気概を持て」と助言したのがきっかけとか・・・。不二家では社内に特別チームを立ち上げた。真面目に助言したとすればあまりにも馬鹿馬鹿しい。(前後関係が分からないので何とも言えないが)善意に解釈すれば一般的な”精神論”で奮起を促したのは?真に受ける方もどうかしている。改革委員会の助言だからと言って何でもやれば良いと言うものではない。

 今回の不祥事に「ペコちゃん」は全く関係ない。1950年に誕生して定着している「ペコちゃん」に替わる新キャラを作り出したところで世の中に受け入れられるとは思えない。まして不二家の新生に貢献するとは到底思えない。不二家と言えば「ぺこちゃん」、「ペコちゃん」と言えば不二家・・・それで良い。
新キャラ誕生など”新生”不二家には全く無意味。他に考えるべきこと、やるべきことは幾らでもある。

 昨日
中国人民銀行(中央銀行)は基準金利を0.27%(貸出期間1年以上)引き上げを発表した。週明けの3月18日から実施される。今回の世界同時株安の原因の主要因としてに「中国の金融引き締め(利上げ)観測」があったとされるだけに週明けの株式市場の動向が注目される。日本経済新聞の記事に「株価への影響等を心配して上げ幅を小さくした為、引き締め効果は限定的と見られる」との観測が出ているが・・・。無論そうなって欲しい。大波乱が度重なってはたまったものではない。しかしながら世界中が神経質になっている時期だけに懸念は大きい。まずは明日の展開が注目される。

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