2007.8.6

 
ソリッド・グループHDは『当社資金調達の進捗状況に関するお知らせ(第2回)』を開示した。担保不動産売却、新たなFinance等で今年9月迄に49億1800万円調達を予定している。現時点では9億5100万円と捗らずかなり苦しい状況にある。何せ”継続企業の前提に関する重要な疑義”を解消するにはまずは資金繰りに目処をつけなければならない。さて資金繰り悪化の最大の理由は前の親会社ソリッド・アコースティックス(SA)との間で結んだCMS契約に基づく約120億円の焦げ付きにある。この件に関して訴訟を起こしているがどの程度回収出来るかは定かではない(こちら 参照)。

 2007.8.7

 最高裁は
ブルドックソースの買収防衛策を巡る差し止め仮処分申請についてSPJの特別抗告と許可抗告を棄却する決定を下した。最高裁が適法と判断したことでSPJの完全敗北となった。東京高裁ではSPJを「濫用的買収者」と認定された。SPJは汚名を晴らせないままの屈辱にどう巻き返しを図るのだろうか?日本での活動が極めてやりにくいと思うが・・・。リヒテンシュタイン代表のコメントは如何に・・・。

 昨日締め切られた
HOYAのペンタックスへのTOBが成立した(こちら 参照)。応募株式1億2270万3867株全てを買い付ける(取得金額:944億8200万円)。取得後には保有比率:90.58%となり上場廃止となる。更に残りの株式を全て取得して完全子会社化を予定している。さてここに至る迄にはペンタックスの内紛(合併推進派の社長解任、合併反対派のHOYAへの合併破棄宣言等)の紆余曲折を経て最終的にはHOYAの軍門に下った。
 2007.8.8

 SPJは
ブルドックソースへの条件変更によるTOB継続を発表した(こちら 参照)。TOB価格を1700円→425円に引き下げ買い付け期間を8月10日→8月23日に変更する。あくまでもTOB成立を目指して抵抗の構えを示してはいるが・・・。この期に及んで「濫用的買収者」と認定されたSPJへの協力者が大勢出現するとは考え難い。ちなみにブルドックソースの株価は昨日の最高裁決定を受けストップ安(100円安)比例配分の530円で取引を終えている。更に今日のSPJのTOB価格変更を受け明日はストップ安の430円に近づくのだろうか?それとも無視・・・?

 2007.8.9

 今日
キトーが東証1部に再上場した。2003年7月カーライル・グループの支援を受け再建を図り業績を順調に伸ばしている。京樽、マルマン等再上場企業の株価はいずれも公開価格割れと苦戦しているだけに「ここは如何に?」と注目していたが・・・。(アメリカの投資会社支援のIPOへ抵抗感が強いのかどうかは分からないが)市場の初値予想:42万円を大きく下回る32万6000円(公開価格:40万円)の厳しいスタートとなった。結局終値は29万9000円と公開価格割れで取引を終えている。初日は再上場企業への厳しい洗礼を受けることとなった。明日以降公開超えを目指して動くのだろうか?

 一方昨日東証に上場した中国本土系企業
チャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューションズ(中国博奇)は公開価格(16万円)を73%上回る27万6000円の初値形成となった。昨日の終値は25万8000円で取引を終えている。久しぶりの外国企業の日本市場への上場、それも現在急成長中の中国で一躍注目を集めたと考えられる。しかしながら中国企業と言うことで(個人的には)少なからず心配な面がある。社会主義国家に私的企業とは何ぞや?社会主義国家の企業の上場に違和感を覚えるのは私だけだろうか?(そんな不安が市場にあるのかどうかは分からないが)今日の終値は前日比1万6000円安の24万2000円で取引を終えている。ここも株価推移表その9に追加して追跡を行なう。

 昨日バーニーズ・ニューヨークの売却を巡りドバイの投資会社イスティスマルが買収額を9億4230万ドル(約1130億円)に引き上げた。同じく
バーニーズ買収に名乗りを上げているファーストリテイリングの対応が注目されていたが・・・。これ以上の買収価格引き上げはせずに辞退すると発表した(こちら 参照)。さてファーストリテーリングを率いるカリスマ経営者の柳川会長は2010年迄に売上高1兆円達成の目標を掲げている。柳川氏は「目標達成出来なければ身を引く」とのべている。目標達成には大型M&Aが不可欠だが・・・。今回の買収失敗は柳川氏の今後の戦略にどの様な影響を与えるのだろうか?残された時間は決して多くない。次なるM&AのTargetはどこなのだろうか?柳川氏の動向に目が離せない。

 
エフェクターの株価は5営業日連続の下落(下落幅:3680円)により1万円割れが視野に入って来た。今日の終値は前日比1300円安の1万1200円で取引を終えている。それにしてもよくもまあ見事に下げるものと呆れ果てる。この株価を見て公開価格38万円と聞けば誰もが驚く筈・・・。下落率:97.05%とは何とも凄まじい。さて1万円割れは時間の問題・・・果たして何時だろうか?

 2007.8.10

 昨日関東財務局に提出された大量保有報告書により買収防衛策を巡りブルドックソースに敗れたばかりの
SPJが日清食品株式を14.89%→16.95%に買い増したことが判明した。日本での投資活動継続をアピールする狙いがあるのだろうか?ところで日清食品は株主総会での承認を経て事前警告型の買収防衛策を導入している。20%以上の株式取得を目指す投資家が出現した場合には独立委員会に防衛策発動の是非を諮問する。ブルドックソースの防衛策に類似したパターンでSPJが強引に20%以上買い増そうとしても勝ち目は無い。SPJの買い増しの狙いはいったい何なのだろうか?純投資?それとも(無駄とは思うが)何か別の策略を巡らせているのだろうか?

 アメリカのサブプライムローン問題がEuropeに波及したことを受けEurope→USA→Asia世界同時株安の荒波が再燃した。昨日仏大手金融機関BNPパリバが傘下のファンドの営業を一時停止すると発表したのを機に信用に対する懸念が一気に拡大した。サブプライムローン問題の収束はいったい何時になるのだろうか?治まりかけてはどこかで火を噴いてPanic状態の繰り返しが続いている。

 それにしてもサブプライムローンとは迷惑な存在以外の何者でもない。上手く行けばHigh ReturnになるがとてつもないHigh Riskがあることは誰が考えても明らか・・・。欲の皮が突っ張ってはロクなことはない。無論こんな醜悪なシステムを構築したアメリカは”●●”だが・・・。こんな危険極まりない金融商品に手を出す機関投資家はプロとは思えない”●●”を晒している。日本でも新生銀行、あおぞら銀行、野村證券などで損失を出している。破滅に至るほどの致命的な損失ではないが・・・。それはともかく金融機関は顧客から預かっている大切な資金は慎重に運用する義務がある。

 2007.8.11

 昨日
ターボ・リナックスは『2007年12月期中間の業績予想の修正に関するお知らせ』を開示した。開示によると売上高(連結):3億9100万円(前回予想:3億8500万円)、経常損失:2億3500万円(同:1200万円)、当期純損失:2億6300万円(前回予想:1300万円)と大幅な下方修正となった。ちなみにターボ・リナックスの株価は6営業日連続の下落で5万8200円となっている。今回の業績下方修正を受け週明けには更なる下落が予想される。

 ターボ・リナックスの親会社はLD・・・だいぶ以前のことになるが売却検討開始した筈。その後売却話が進展したとの情報は全く伝わって来ない。Linaxはオープンソ−ス、加えて競合が厳しいとなればターボ・リナックスにどれほどの成長力があるかは甚だ疑問と言える。加えて業績不振となれば買収に積極的な企業が出現しないのかもしれない。
LDグループとの縁切りの道筋は容易に見えない

 2007.8.12

 本日休載。

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