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3月29日(火)

 3月14日マラッカ海峡で、日本のタグボート「韋駄天」が武装した海賊に襲われ井上船長ら3人が連れ去られる事件が発生した。マレーシアとインドネシアに挟まれるこの地域は狭いが海運の要所で、非常に通航量が多く事故のが危険性が高いことで知られている。また同時に海賊が頻繁に出没し多くの船が被害に会っている。スマトラ沖大地震とインド洋津波が発生する以前は増加傾向にあったが、津波発生後2ヶ月あまり海賊は鳴りを潜めていた。しかしながら2月末に海賊による襲撃事件が発生し、海賊情報センターは警告を発していた。

 人質の安否が気遣われていたが、3月21日午前8時半頃に3人共に無事解放された。人質解放に際しては身代金が払われたが金額は明かされていない。今回の犯行はインドネシアの貧しい漁民の仕業、あるいは、反政府組織の資金稼ぎとの見方が強い。”貧困”を理由に犯罪に手を染めることは当然許されない。しかしながら全世界に貧困が蔓延し問題になっている所が多いのも事実・・・貧困対策は世界平和の為に早急に取り組まなければならない問題と言える。

 海賊と言うと冒険小説「宝島」のシルバー船長率いる一団を思い浮かべる。旧時代の遺物の様に感じるがところがどっこい現代でも横行している。最も有名なのがマラッカ海峡の海賊、何故ここに多いのだろうか?このあたりは小さな島が無数にあり、地理を熟知して小回りが効く海賊が活動するには立地条件が極めて良い。取り締まりたくてもなかなか取り締まれないのが現状・・・各国は頭を痛めている。

 ところでまたまたスマトラ島西方沖でマグニチュード8.5(アメリカ地質研究所発表では8.7)の大地震が発生した。昨年12月26日にマグニチュード9.0の巨大地震で30万人以上の犠牲者を出してから、僅か3ヶ月でこの様な大地震が起きては被害を受けた方々の恐怖心はいかばかりだろうか?

 前回の地震と今回の地震の発生域は僅か150Kmしか離れていない。前回の地震が今回の地震を誘発したことはほぼ間違いない。引き続き地震が起きる可能性は高い。更に今回の震源地の東南、スマトラ島沖合には300〜400年ほど地震が起きていない地域があり警戒が必要と専門家が述べている。日本でも近頃長期間地震がない所で発生している。地震がないからと言って安心してはいけない。災害は忘れた頃にやって来る。

 震源地に近いニアス島では1000〜2000人が亡くなったとの報道があるが、被害の全容はまだ明らかになっていない。一部地域では3mの津波が押し寄せたが、前回の地震の時の様な凄まじい津波は発生せず被害の拡大はなかったと思われる。震源域の水深100m位の浅い海域であった為、変動する水量が少なかった。ちなみに前回の地震では震源域の水深2000〜3000mと深く、更に地震の規模が今回の地震の5倍だったことが被害を大きくした。

 気象庁は午前1時36分(地震発生26分後)、「インド洋の広い地域に津波発生の可能性がある」と発表した。昨日海外でマグニチュード7.0以上の地震発生時にも津波情報を発表する体勢を構築したばかり・・・はからずも今回の情報が第1号となった。更に午前1時50分から、インドネシア、タイ、マレーシア、インド、スリランカ、モルディブなどインド洋周辺11カ国にFAXで地震の規模や震源などを伝えた。ある程度は情報伝達が機能したと言えるが、やはり速報性が重要であり一刻も早くリアルタイムに各国が情報共有できる体勢の構築が望まれる。
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