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8月19日(金)

 ”★もおだてりゃ木に登る”の例えがあるが、堀江氏は自民党の誘い(おだて)に乗って衆議院選挙に出馬の意向を固めていると報じられた。フジテレビvsライブドアの抗争の時にはあれほど堀江氏をこき下ろしていた自民党がなりふり構わず出馬要請とは・・・この他に上智大学教授の猪口邦子、某女性官僚などの名も挙がっている。国政選挙は人気投票ではないのだが、自民党も分裂選挙は必至の為なりふり構わず顔になる人物にアプローチしている。そこで良くも悪くも知名度抜群の堀江氏に”白羽の矢”を立てた。人気があると見れば誰でも良い・・・選挙に勝つ為の広告塔として使えればそれで良く個人の中身など必要としていない。いやはや政権政党としては呆れ果てた醜態と言わざるを得ない。ところで堀江氏を誰もが支持している訳けではなく、評価は真っ二つに分かれている。堀江氏が自民党から出馬してもプラスに働くかマイナスに働くかは分からない。

 堀江氏が大言壮語して政界に乗り込んだとしても、One of them、つまり自民党の大勢の中の1人にしかすぎない。個人でできることはたかが知れている。恐らく自民党の中には堀江氏を快く思っていない方々が多くいると思われる。現在の様に経済界で自分の好き勝手に行動することなんぞ政治の世界では出来るはずがない。尤も”堀江新党”でも設立すれば話は別だが・・・。いずれにせよ政治の世界に首を突っ込んでもロクなことにはならない。堀江氏が何を言おうが個人の意見が通る世界ではない。今まで好き勝手にやって来た堀江氏が耐えられるのだろうか?仮に堀江氏が衆議院議員になったとしても政治の世界に失望するのが関の山・・・。それとも周りから『先生』と持ち上げられて有頂天・・・あとは野となれ山となれ???


 8月18日の読売新聞に次の記事が掲載されている。

 
小泉首相は18日夕、自民党が衆院選出馬を打診しているライブドア社長の堀江氏が、国民新党の亀井静香・前議員の対抗馬として衆院広島6区への立候補を希望していることを明らかにした。

 
首相は「『広島の選挙区を希望している』と聞いている。まだどうなるか決まっていない。本人の希望をよく聞いた方がいい。決して押しつけはいけない。」と語った。

 この話が広島県議会に伝わると亀井氏を支持する県議の1人は「地元になじむ訳がない。」と不快感をあらわにしたと言う。また亀井氏の事務所では「竹中さんよりも手ごわいかも」と警戒を強めている。広島6区の民主党候補者も「なぜここから出馬するのか、有権者にしっかり説明する責任がある。」とけん制している。堀江氏への好き嫌いがはっきり分かれるにしても、何しろ堀江氏の知名度は抜群で有権者の投票行動が読めない。もしここから堀江氏が出馬することになった場合、対抗する各陣営は戦々恐々として不安と警戒は凄まじいものであることは容易に想像できる。

 小泉首相が堀江氏にいたくご執心で、堀江氏の『既存体制の破壊者』というイメージを小泉改革に重ねたい意向と見られる。しかしながら自民党内部には堀江氏の『異端者ぶり』への抵抗感も強く、『両刃の剣』との懸念も出ている。どうやら必ずしも自民党の広告塔として歓迎されて迎えられる状況にはない。事実小泉首相の盟友山崎 拓氏からも「公認反対」の意見が出ている。

 その様な自民党内の状況を察知したのだろうか?自民党公認でない方が得と判断したのだろうか?堀江氏が自民党からの公認と引替えの『社長辞任』を拒否したと報じられている。堀江氏は8月19日午後小泉首相と会談し、
自民党からの出馬要請を固辞し無所属での広島6区への出馬を伝えた。見方を変えれば恋人候補に擦り寄った自民党執行部が見事に振られる結果に終わったとも看做せる。自民党は広島6区には公認候補を擁立せず、また堀江氏を推薦しない。自民党としては堀江氏を公認候補にはできなかったものの、亀井氏の強力な対抗馬の出現を良しとしていると思われる。堀江氏が亀井氏を破って当選すれば郵政改革法案に賛成票を投じるが、一方で共倒れになっても反小泉の急先鋒亀井氏が国会から消えればそれでも良い。尤も亀井氏が当選すれば全て無に帰すことになるが・・・。

 もともと堀江氏は郵政改革以外では自民党と相容れる部分が少なく、自民党から出馬するには無理があったとするのが妥当であろう。また自由人として生きている堀江氏が1政党に束縛されることを嫌ったとも考えられる。何はともあれ今回の出馬劇は堀江氏お得意のPerformanceで、ライブドア・グループの為の話題造りとも看做せる。はっきり言えば明らかに
公共のマスメディアを使った『売名行為』にしか過ぎない。ところでライブドアの株価は自民党からの出馬有力と報じられた8月18日は45円高、翌日無所属出馬と報じられると24円安・・・いったいこの市場の反応は何を意味するのだろうか?

 堀江氏の出馬表明の記者会見をTVで見たが奇異な感じを受けた。無所属で立候補すると言いながら自民党本部で武部幹事長同席で出馬表明を行なっている。これでは実質自民党公認と同義ではないだろうか?自民党公認でもないのに自民党本部で行なうのは明らかにおかしい。自民党と喧嘩別れしての立候補ではなく、もしかしたら両者間で何らかの裏取引があると考えられる。それに無所属で立てば無党派層を取り込み易くなると考えたのであろう。よくあるパターンで無所属で立候補/当選して直後に自民党にくっつくこともあり得る。自民党に入党しなくても同じ会派と言うことも考えられる。尤も堀江氏が当選したらの話ではあるが・・・。

 それにしても堀江氏が自ら亀井氏の選挙区に無所属で出馬するとは・・・よほど自分自身に自信があることの表われだろう。自民党から出れば小選挙区でダメでも比例区の重複立候補で確実に衆議院議員になれる。それを蹴ってまで小選挙区に無所属出馬するのは堀江氏にはそれなりの覚悟があるとも思える。反小泉の旗頭の亀井氏を倒し、実績をバックに意気揚々と国会に乗り込むつもりなのだろうか?若くして経済界で成功し”時代の寵児”と持て囃され昇り龍が如く階段を駆け上って来ている様に見える。何でも自分の思う通りになると過信してはいないだろうか?どこかで何かに足元を掬われることがないとも限らない。


 ところで誰がどこから立候補しても自由だが、たとえ堀江氏の様な有名人であっても全くのよそ者が乗り込んで来るのをどの位の有権者が歓迎するだろうか?もし自分の選挙区に堀江氏が乗り込んで来たら、何やら馬鹿にされた様な感じで気分が悪い。それに堀江氏は今までに1度も投票したことがない。加えて自身の著書では『ちょっと頭の良い人は政治には関わらない。』などと政治には関心がないと受け取れる記述がある。そんな人にいきなり来られて「今度立候補します。」と言われても素直には信用できないと思うが・・・?

 さて広島6区の有権者はどの様な判断を下すだろうか?前回広島6区は民主党の佐藤氏(比例区復活当選)と亀井氏(当選)が1万6992票差の接戦を繰り広げている。今回はそこに堀江氏が加わり三つ巴の激しい争いになることは間違いない。堀江氏には勝ち目がないと思うが、両者で票の食い合いがあり佐藤氏に利する可能性もある。もしかしたら堀江氏が佐藤氏の票を食うことで亀井氏が有利になるとの見方もある。さてどうなることやら・・・?ここだけではなく自民党は郵政改革法案に反対票を投じた前議員に”刺客”を繰り出すが、あまりにも露骨な小泉首相の対応が吉と出るか凶と出るか注目される。久しぶりにワクワクする選挙になりそう・・・9月11日の投票日、そして選挙結果が待ち遠しい。
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