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 ウイーンを朝早く出発し、ハンガリー国境を越えてヘレンドへ向かう。今回のツアーの目玉としては、世界的に有名な磁器生産地マイセンとヘレンドがある。私も楽しみにしている。帰国後調べるとヘレンドを含むコースは多いが、ヘレンドは比較的少ないようだ。国境の検問所を抜けてハンガリー側で日本円をフォリント(ft)に両替した。交換レートは1ft≒0.5円。 10000円両替したら20000ftになり、何やら金持ちになったような錯覚を起こしてしまう。金銭感覚が麻痺しそう。ハンガリー国外でのftの両替は困難なので充分に注意したい。

 
ヘレンド村はブダペストの南西110Kmにある人口3500人ほどの小さな牧歌的な村。 村人の大半が磁器生産に携わっている。1826年この地に小さな窯が築かれたのが磁器生産のはじまり。マイセンに比べると116年遅い。1851年のロンドン万国博覧会に出品した花と蝶の図柄が金メダルを受賞、更にヴィクトリア女王が大いに気に入り皇室御用達となったことから一躍世界的に有名になった。このデザインが”ヴィクトリア・ブーケ”と言われる。更にプロイセン王、ロスチャイルド家など各国の王侯貴族や大富豪は競ってヘレンドに磁器を注文するようになった。1862年のウイーン窯の閉鎖により、オーストリア=ハンガリー二重帝国の主ハプスブルク家はそのデザインの継承をヘレンド窯に許した。ロスチャイルド家が愛用した蝶と小枝にとまったつがいの小鳥のデザイン、”ロスチャイルド・バード”も有名。柿右衛門様式の写しと言われる”インドの華”、中国の影響を受けた”西安の赤”などオリエンタル調の図柄も多く見られる。

 
製造工程を見学。ここも多くの工程に分かれ、分業で多くの人が携わっている。むろん現在も全て手造り。熟練した技術は素晴らしい。
 売店でお目当ての“ウイーンのバラ”を2客、指貫を2つ購入。売店へ入るとガラスのショウケースがずらりと並んでいて、どこに何があるのかわからない。そこで、店員に「I would like to buy Herend rose tea cups. Where?」と尋ねるとすぐに案内してくれた。同じツアーの客で“ウイーンのバラ”を買いたい人がいて一緒についてきた。少々後から買おうとした人は売れ切れで買えなかったそうだ。

 ブダペストのホテルへは午後6時すぎ到着。ホテルはブダペストの中心街から少し離れた所にある。再びバスに乗り中心街にある
レストランへ。高級なレストランではなく、どちらかと言うと大衆食堂の様な雰囲気。やや薄暗い石造りの部屋に大勢の客であふれていた。ドリンクは個々に追加で頼むことになっているので、卓を囲んだ4人で有名なトカイワインを2本注文した。本場のトカイワインの味は、・・・むろん言うことなし。肉料理にトカイワイン、絶妙の取り合わせを堪能した。アコーディオン奏者とヴァイオリン奏者が各テーブルをまわって演奏している。ヴァイオリン奏者にだけチップを渡したら、アコーディオン奏者も何やら我々に催促しているように見えた。そこで気がついてアコーディオン奏者にもチップを渡した。彼らも生活がかかっているので一生懸命なのだ。すっかり良い気分になり帰途についた
9月24日(土) ヘレンド、ブダペスト 曇り 
中欧旅行記(2002.09)

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