4月8日(日)

 柔道の全日本選抜体重別選手権で出産を挟み2年ぶりの復帰戦となった女子48Kg級の谷亮子は決勝で福見友子に敗れた。5年前に敗れた相手に再び苦杯を舐めた。TVで見た感じではやはり2年のブランクは大きい。イマイチ動きにキレが感じられなかった。準決勝では延長戦の残り30秒ほどでポイントを取って辛うじて勝ったが、もし旗判定になったら微妙な判定になったかもしれない。それでも決勝まで残るところは流石第一人者・・・。

 ところで今回の全日本選抜体重別選手権は9月にリオデジャネイロで行なわれ世界選手権の代表選考会を兼ねていた。大会終了後に発表された代表には優勝者の福見友子は選ばれず
準優勝の谷が選ばれた。過去の実績を加味しての選考と思われるが・・・。優勝者が代表に選出されずに何の為の代表選考会なのか疑問がある。結果として谷が決勝進出して時点で代表に決まっていたことになる。あの決勝戦は世界選手権代表選考試合ではなくただ単に全日本選抜体重別選手権女子48Kg級の優勝者を決めるだけの”つまらない”試合と言うことになる。これでは折角決勝で谷を下した福見が浮かばれない。

 谷亮子の実績を否定するものではない。世界選手権代表に選ばれても当然の力は充分にある。しかしながら代表選考会と銘打ちながら優勝者を選出しない選考方法には納得出来ない。頑張って”打倒谷”を成し遂げた福見はどう思っているのだろうか?恐らく割り切れない気持ちで一杯に違いない。
情実の入った日本的なやり方に見えてしまうのは私だけだろうか?

 
ソウルオリンピックの男子マラソン代表選考の時にも後味の悪い出来事があった。当初代表選考レースはオリンピック前年12月に行なわれる福岡国際マラソンに一本化されていた。当時の第一人者の瀬古俊彦は怪我で欠場した。本来ならばこの時点で瀬古は代表から外れる筈だったが・・・。ところが実績のある瀬古を代表にしたい日本陸連は急遽3月に行なわれる琵琶湖マラソンを選考レースにした。これには激しい批判が巻き起こったが強引に押し切った。

 さて琵琶湖マラソンでは瀬古は日本陸連の”期待通り”勝つには勝ったが・・・。優勝タイムは2時間12分41秒と極めて平凡・・・福岡国際マラソン4位(日本人2位)の工藤一良のタイム2時間11分36秒にも劣っていた。瀬古が勝ったとは言えこれでは代表に選出されるかどうか雲行きは怪しかった。しかしながら”最初から結論ありき”の日本陸連は”予定通り”瀬古を代表に選出した。私も含めこの時の選考過程に憤りを感じた方が多くいたことを鮮明に覚えている。やはり
この時も情実の入った日本的選考と怒り心頭だった。

 その後マラソンの代表選考は改善され瀬古の時の様な可笑しなケースが無くなった。この時の汚点を踏まえて反省したものと見られる。アテネオリンピック代表選考レースの東京国際女子マラソンで急激に失速して平凡なタイムの2位に敗れた高橋尚子は結局代表に選ばれなかった。「日本陸連が可笑しな決定をするのでは?」との懸念は払拭されて安心したことを覚えている(ぺんぺん草 第40段参照)。
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