2005.05.09
信憑性がどれほどのものかは分からないが、堀江氏のM&Aの次の標的が「東京ディズニーランド(以降TDLと記す)」などと取り沙汰されている。TDLや東京ディズニーシーはオリエンタルランドが運営している。オリエンタルランドの筆頭株主は京成電鉄で発行済み株式の22.8%を保有している。このオリエンタルランドと京成電鉄に資本のねじれ関係がある。5月9日時点での京成電鉄の時価総額は約1570億円で、オリエンタルランドの時価総額約6740億円の1/4にも満たない。これはニッポン放送とフジテレビの関係と同じで、本丸(オリエンタルランド)を落とす為には出城(京成電鉄)に狙いをつければ良い。
堀江氏にその気があればフジテレビとの係争解決で手に入れるであろう資金を使い、京成電鉄の過半数の株式を取得し経営権を掌中にすることが可能になる。そして京成電鉄の保有する22.8%のオリエンタルランド株式を活用してオリエンタルの経営に深く関与することができる。しかしながら友好的にM&Aが行なわれるとは考えにくい。オリエンタルランド、京成電鉄が激しく抵抗しライブドアvsフジテレビ騒動と同じ様な推移を辿る可能性もある。さて堀江氏は京成電鉄、オリエンタルランドに手を出すのだろうか?
ライブドアは過去にM&Aを繰り返して大きくなり、これからもM&Aを成功させる以外に成長の道は考えにくい。しかしながら堀江氏がどこに手を出しても敵対的買収になると思われるので激しい抵抗を受けるのは必至。それに無限にM&Aで成長できる訳けではないが、堀江氏は長期的経営戦略としてライブドアの将来をどの様に考えているのだろうか?
2005.05.10
ライブドアとフジテレビの狭間で翻弄されたニッポン放送の亀淵氏は、今日の定例記者会見で3期目に向けて社長続投の意欲を示した。亀渕氏は「デジタル時代を迎えても孤立することなく愛されるラジオ局作りを目指したい。その目的のためにフジサンケイグループの一員になるという責任を果たしていきたい。フジテレビによるニッポン放送の株式交換が予定されている9月まではその責任を果たしたい。」と述べた。一時は辞任を覚悟した亀淵氏だが和解成立で状況は一変し、社長としてやり残したことをキチンと果たしたいとの意思表示をしたと思われる。予定通り進行すればライブドアはニッポン放送から撤退し”邪魔者”がいなくなる。フジテレビの完全子会社になれば亀淵氏も思う存分腕を揮える環境が整う。しかしながらライブドアとフジテレビの和解には危なっかしい要素があり、筋書き通り進行するかどうかは下駄を履くまで分からない。
今日フジテレビ、ライブドア、ニッポン放送の3社が業務提携推進委員会の初会合を開いた。週に一度のペースで会合を開き、6ヶ月以内に業務提携の内容をまとめることを予定している。しかしながらそれぞれの業務提携への考え方の相違、著作権の問題など障害が多く存在し、果たしてどれだけ実質のある業務提携が実現するのか現時点では疑問がある。
2005.05.11
フジテレビのライブドアに対するデューディリジェンスはどうなっているのだろうか?この結果次第では和解事項の一つ「フジテレビへのライブドア株式の第三者割当」の雲行きが怪しくなる。今日現在ライブドアの株価は320円と仮設定価格329円を大きく下回っている。もしこのまま329円を大きく下回る株価で推移した場合、フジテレビが単純に考えても329円で第三者割当増資に応じるのはおかしい。逆に329円を大きく上回った場合はどうなるのだろうか?
ライブドアに対するデューディリジェンスの結果の変動があった場合、発行総額、発行価格、発行価格の関係が合意内容からは読み取れない。発行総額440億円が優先するのか、割当株数1億3374万株が優先するのか?つまり仮に割当価格が300円となった場合、割当株数がそのままで発行総額が減少するのか、あるいは発行総額がそのままで割当株数が増加するのか?合意内容では”当該内容は変更または本資本参加は中止される可能性がある”となっている。何と微妙な、あるいは含みの多い表現だろうか?以前からここには注目している。予定されている5月23日まであと僅か・・・さて???
2005.05.12
オリエンタルランドの筆頭株主京成電鉄は、資本関係のねじれで敵対的買収を狙われやすくなっていることに対して防衛策を検討していることを明らかにしている。具体的にはまだ明らかになっていないが、恐らく6月の株主総会までには発表するものと思われる。又オリエンタルランドの加賀見社長は「増配を続けているし、自社株買いなども検討している。」と敵対的買収のリスクに速やかに対処する方針を示している。今回のフジテレビvsライブドアの騒動で資本関係のねじれによる敵対的買収のリスクが浮き彫りになり、京成電鉄、オリエンタルランドの話でも分かる様に敵対的買収への防衛策の検討/導入の動きが加速している。また”今まで敵対的買収に比較的鈍感だった日本企業に警鐘を鳴らした”と言う意味では堀江氏の功績が大きいと言える。
320円前後で揉み合っていたライブドアの株価が大きく値を下げた。終値は前日比9円安の311円で取引を終えた。後場のヒケ間際にに急激に取引が増えているが大量の売りが出たのだろうか?堀江氏は「株価が下がったと一々騒ぐのはおかしい。」と言っているが、ここまで自社の株価が下落しても何とも思わないのは如何にも解せない。普通の経営者は株価の変動に敏感で、下落している場合には何らかの手を打つと思うが・・・?堀江氏が何を考えているのか理解に苦しむ。
ライブドアのグループ企業ネットアンドセキュリティ総研がIR担当者、投資家、ベンチャー経営者、VCを対象としてセミナー「たった3ヶ月で株価を30%あげる!IR戦略による株価上昇セミナー」を6月28日に開催する。受講料52500円、定員30名で計157万5000円也。ライブドアのName
valueですぐに満員になるのだろうか?
他人に株価上昇のアドバイスをするのは結構だが、その前にまずは我が身を振り返るべきではないだろうか?まずはライブドア株価の大幅下落/低迷、それにライブドア証券が主幹事を務めたエフェクター細胞研究所の株価の惨状を何とかすべき。これだけ投資家に迷惑をかけておいて「たった3ヶ月で株価を30%あげる!」とはよくも言えたものといささか呆れてしまう。ライブドアは”口先だけのグループ企業”と言われない為には、何事にも身をもって実践しなければ誰からも信用されない。
2005.05.13
昨日に引き続きライブドアの株価が大きく下落した。終値は前日比10円安の301円で取引を終えた。さすがに2日で19円も下落するとこれは暴落と言ってもよい。それだけライブドアの信用が無くなっていると言うことだろうか?いったいどこまで下落するのだろうか?相変らず堀江氏はこの件に関して”黙して語らず”を決め込んでいる。