2005.05.16

 今日のライブドアの株価は前場で一時308円をつけたが、結局後場の最後の30分でジリ貧となり終値は前日比2円高の303円で取引を終えた。ライブドアの子会社バリュー クリック ジャパンの第一四半期の決算で1.07億円の利益を上げたことを歓迎したのか、前場10時過ぎにバリュー クリック ジャパン株価はストップ高の前日比1000円高の6100円で取引を終えている。ライブドアの株価がバリュー クリック ジャパンの好業績に引っ張られたのか、あるいは意図的な買い支えがあったのかは分からない。ともかく午後2時30分頃までは305〜306円だった株価が最後の30分で303円に落ち着いた。株価上昇の材料がないのだから収まるところに収まったと言うことか?

 フジテレビを引受け手とする第三者割当て増資の払込期日は5月23日であと1週間に迫ってきた。デューディリジェンスはどうなっているのだろうか?結果次第で波乱の要素をはらんでいるが・・・。6月の株主総会の前の一つの大きなヤマ場・・・暫くは目が離せない。

 2005.05.17

 日経平均株価が前日比121円83銭安の10825円39銭と今年の最安値を更新するほどの厳しい状況にも関わらず、ライブドアの株価はしぶとい動きで何とか凌ぎきった。後場の1時前後に一時300円まで落ち込み300円割れかと見えたが、その後引けにかけて上昇し終値は前日比1円高の304円で取引を終えた。どこぞの誰かがこれ以上下落しては大変と必死の買い支えをしているのではないだろうか?そう言えば5月19日にライブドアの中間決算が出るが、特に好材料があるとは思えず恐らく株価上昇には繋がらないのではないか?

 バリュー クリック ジャパンの株価は始値でいきなり前日比1000円高の7100円をつけたが、直後真っ逆さまに急降下し5170円まで一気に下落した。その差1930円!高値で売って差益を得た人と、高値で買って大損した人がいることを考えると何とも恐ろしい。その後盛り返したが終値は前日比280円安の5820円で取引を終えた。ライブドア本体の株式も怖いが、グループ企業のバリュー クリック ジャパンも何やら怪しい雰囲気に満ちている。仕手株の様な危険性をはらんでいるので、当面一般投資家はあまり手を出さない方が賢明かもしれない。

 一方フジテレビは3月15日に約4倍もの増配を発表した直後に一時株価は32万円台まで急上昇したが、4月半ばには約10万円も下落し22万円に戻った。今日の終値は前日比1000円安の219000円で取引を終えている。フジテレビの信用もガタ落ち・・・ライブドアとの抗争での様々な醜い対応、それに加えて和解の為にニッポン放送株式のTOBに予定していた額をはるかに上回る約1470億円もの巨額の出費などに投資家が嫌気を指していると考えられる。70日抗争の後遺症は先々長期に亘り尾を引くかもしれない。

 ところで
テレビ東京が民放キー局として初めて敵対的買収への防衛策を発表した。防衛策を盛り込んだ定款変更の議案を6月24日の株主総会に提案する。株式の発行可能枠(授権株式数)を800万株拡大し、敵対的買収を仕掛けられた場合友好的企業に第三者割当増資して買収者の持ち株比率を下げる様にするなどいくつかの施策が盛り込まれている。更に今日の記者会見で菅谷社長は「2006年の株主総会以降、新株式発行など”ポイズンピル”の導入を検討する。」との考えを示した。これらの施策は今回のライブドアvsフジテレビの騒動を受けて策定された。今後多くの企業に於ける敵対的買収防衛策を導入の動きがより一層加速するのは明白。

 2005.05.18

 ライブドアの株価は相変らず低迷を続けている。後場では302円と303円を行ったり来たりしていたが、引け直前に前日比3円安の301円をつけて取引を終えた。300円割れ寸前でギリギリ踏み留まってはいるが、どこまで支えきれるかどうかが焦点になる。明日ライブドアの中間決算が発表されるが、果たして明日の株価はどうなるだろうか?


 昨日のテレビ東京に引続きTBSが敵対的買収への防衛策を発表した。日興コーディアルグループの投資会社の日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)を引受け先として、TBS株式を2000万株取得できる新株予約権を発行するとしている。同時に新株予約権の発動や株式分割の実施などの敵対的買収対策を発表した。既に大手電機メーカーの松下電器産業やNECなども敵対的買収への備えを着々と固めている。日本企業の間に敵対的買収への危機感が高まり、予想通り6月の株主総会に向けて多くの企業が対策案を提出/承認を求めるものと見られる。

 今後堀江氏は益々M&Aがやりにくくなると考えられるが、今回の『時間外取引』の様な法の盲点を衝く”奇策”があるのだろうか?それに今更堀江氏が友好的にM&Aをやりたいと申し出ても、どれほどの企業がその言を素直に信ずるだろうか?


 2005.05.19

 ライブドアの連結中間決算(速報値)が発表され、売上高300億3500万円(271.2%増)、経常利益30億7400万円(45.0%増)とのこと。これを見ると順調に業績を伸ばしているが、現状でも既に株式数は増えており加えてフジテレビへの第三者割当増資が実行されれば更に株式数が増えることになる。つまりライブドアの場合増収増益にも関わらず、1株利益(正式には1株当たり税引き後利益)は明らかに低下(2004年9月期 6.40円→2005年3月期 2.86円)する。これは企業にとって、また株主にとっても決して好ましいことではない。結果的に巨額の増資を行なったライブドアは投資に見合う利益を確保する義務がある。ライブドアは増収増益と浮かれている様な陽気ではない。

 無配当を続けているライブドアに配当を期待する方も多くいるが、フジテレビへの第三者割当増資が実行されれば発行済み株式は10億を軽く超える。1株1円の配当を出すだけで利益が軽く10億円吹っ飛んでしまう。ライブドアの経常利益ではとても配当を出せるものではない。それに約15万人いると言われる株主への配当の振込み、あるいは郵送の手間を考えると、ライブドアが株主に配当を出すとは到底思えない。しかしながら株価が下落し配当も無いのでは株主はたまったものではないが・・・?

 一部の人はライブドアは約1470億円儲けたと勘違いしている。リーマン・ブラザーズからの融資は「MSCB」で代替え、フジテレビからは第三者割当増資で440億円・・・確かにライブドアは直接の出費はない。しかしながら
総額でライブドアに入ってくる約1470億円の見返りとしてしっかりと大量の株式が発行され、その重圧が企業、株主にずっしりと圧し掛かってくる。つまり今回手にする約1470億円は投資で得た金額で決して利益ではない。前述の様に約1470億円を有効に活用し利益を上げ株価上昇に結び付けなければ、堀江氏以下ライブドア経営陣は背信行為をしていることになる。

 東京株式市場の日経平均株価は大幅に上がり、終値は前日比2411円75銭高の11077円16銭で上げ幅は今年最大を記録した。市場全体の活況に加えてライブドアの中間決算の好業績が歓迎され、ライブドアの株価は弾ける様に一気に急上昇した。久しぶりの株価上昇に飛びついた一般投資家、あるいは利益確定を目論む機関投資家の思惑が交錯した売買が行なわれていると思われる。もしかしたら329円を意識しての動きがあるかもしれない。終値は前日比31円高の332円で取引を終えた。

 ライブドア中間決算の好業績に過剰な反応を示している様にも見え、投機的な匂いがプンプン漂う怪しい展開(怖い相場)になっている。先週末に300円近くまで株価が下落していたので、中間決算を受けてある程度反発するとは思ったが・・・。明日もこのままの勢いで上向きなのか、あるいは利益確定売りが集中して下向きなのか?明日の前場の寄り付き、それに後場の引けでどうなるか楽しみにしている。

 2005.05.20

 マスコミ各社はライブドアの中間決算が好業績を報じている。しかしながら考えてみればたかだか売上高300億円、経常利益45億円程度の普通の企業で特に取り上げるほどのものではない。たまたま昨年から世間を賑わせている所謂”お騒がせ人間”堀江氏がいろいろとやってくれるので話題性が高い。少しでも注目を集めていると見るとすぐ餌に喰らいつく・・・マスコミとは所詮そんなものと思ってしまう。そう言えばNHK全国Newsにまで登場しあれほど注目されていた「ハルウララ」は今ではすっかり影を潜めている。”時代の寵児”の如くもてはやされたが、ブームが去ると周辺に纏わりついていた輩はさっさと消えてしまう。それでいいのではないか?今は那須で静かに暮らしているが、もうこのままそっとしておくのが「ハルウララ」の為になると思うのだが・・・。

 ライブドア中間決算説明会が開催されたが何にも目新しい材料はなく、ライブドアの株価へは全くインパクトを与えなかった。昨日の株価急上昇は過剰反応ではと思えたが、やはり予想通り利益確定売りに押されて下落が進んだ。それでも午後2時頃までは324円前後で何とか持ち応えていたが、大引けに向けて一気に下落し終値は前日比17円安の315円で取引を終えている。5月23日に約1110億円(最終的に約1470億円)がライブドアに払込まれる予定になっているが、それは”想定内”であり株価上昇の要因になるとは考えられない。

 5月23日にフジテレビを引受け先とした第三者割当増資が予定通り実施されれば、ライブドアの発行済み株式は1億3374万株も一挙に増加する。それにしても中間決算で売上高約300億円の企業の発行済み株式数が約10億5000万株とは・・・!あまりにも多過ぎないか?堀江氏はフジテレビとの抗争で「MSCB」発行で巨額の資金調達、それに和解では「第三者割当増資」を資金調達している。資金調達の代償が株式数の極端な増加となりライブドアの株式の希薄化は明白になった。それでも堀江氏は同じことを続けるつもりだろうか?とすれば堀江氏に経営者としてのモラルに疑念を持つことになるが・・・?

 堀江氏に限らず世の企業経営者が安易に「MSCB」、「第三者割当増資」を使う傾向があるのは如何なものだろうか?一般投資家に不利益になる可能性のある施策を平気で使っている様に思えて仕方がない。口では”株主の利益”とのたもう経営者が多く見受けられるが、果たして本当にどこまで本気で考えているか疑念がある。


 2005.05.21

 昨日堀江氏は都内で講演し、「自分の知識や資金が(新薬開発などを行う)創薬ベンチャーの支援などのお役に立てると思う。」と述べ今後バイオ分野に積極投資する方針を示した。世の中の役に立つ事業に対して投資/支援をするのは大いに結構・・・。湿りがちな日本経済の活性化に繋がるものであれば歓迎できる。

 しかしながらグループ企業のライブドア証券が主幹事として手がけたバイオベンチャー「エフェクター細胞研究所」は株式市場で多くの投資家に迷惑をかけている。(5月25日の)終値は16万1000円で、公募価格38万円に対して21万9000円下落(下落率57.6%)と相変らず悲惨な状況にある。目論見書をしっかりと読めばその実態は見抜けたはずで、投資家の”自己責任”と言えばそれまでだが・・・。但しエフェクターの場合は上場に疑問のあり、そんな企業を無理やり上場させたライブドア証券の責任が重大と断ずる。グループ企業の失態には堀江氏は未だに何も触れていない。”障らぬ神に祟りなし”を決め込んでいるのだろうか?この1件の落とし前もつけずに「自分の知識や資金が創薬ベンチャーの支援に役立つ。」などと堀江氏に言われても、ライブドア証券の失態を見ると資金が豊富でもその知識が確かなものかどうか疑念が湧いてくる。


 2005.05.22

 Internetで検索したら下記のデータ(『ライブドア の主なテクニカルポイント一覧 20日終値ベース』 : 出典テクノバーン)を見つけた。さてこのデータからライブドアの株価の動きをどう予測するか・・・とにもかくにも明日から当面興味津々と言ったところか。

 【
上値抵抗線一覧

   ・ 497円 2月8日に付けた今年の最高値
   ・ 450円 52週移動平均
   ・ 410円 200日移動平均
   ・ 364円 26週移動平均
   ・ 348円 75日移動平均
   ・ 345円 ボリンジャーバンド(第2標準偏差を25日移動平均に加えた水準)
   ・ 332円 ボリンジャーバンド(第1標準偏差を25日移動平均に加えた水準)
   ・ 328円 13週移動平均
   ・ 319円 25日移動平均

   ・ 315円 5月20日終値

 【
下値抵抗線一覧

   ・ 311円 5日移動平均
   ・ 306円 ボリンジャーバンド(第1標準偏差を25日移動平均から引いた水準)
   ・ 294円 ボリンジャーバンド(第2標準偏差を25日移動平均から引いた水準)
   ・ 292円 4月12日に付けた今年の最安値


 ところで”ほりえもん”、”ホリエモン”の2つが株式会社イオンド大学日本校により商標登録された。2005年4月21日に特許庁により公開されたが、一定期間以内に異議申立てしないと商標登録が確定する。そうなれば堀江氏がこの2つを使うことができなくなる。但し堀江氏が使いたいかどうかは分からない。自社の社名や商品名には全く無関係でもこの様に先願して押さえてあわよくば高値で売ろうとの魂胆が見える。いくら権利だからと言っても浅ましさ剥き出しのいやらしさを感じる。まあ私にとってはどうでも良いことではあるが・・・。
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