2005.05.23
今日付けでフジテレビ、ライブドアの連名で『株式会社ライブドア・パートナーズ株式譲渡および株式会社ライブドアへの第三者割当増資払込完了のお知らせ』が出された。これで払込み予定の約1470億円の内1110億円がライブドアの懐に入ったことになる。フジテレビはニッポン放送の発行済み株式の68.87%を保有する筆頭株主、ライブドアは17.60%を保有する第2位株主となった。ここまでは予定通りの進行で両社の和解内容が忠実に実行されている。今後5月下旬に予定されているニッポン放送の自社株式のTOBにライブドアが応じ、17.60%全て6300円で買い取られる予定になっている。この段階でライブドアはニッポン放送株式を全て手放すことになる。
今日フジテレビからライブドアに1110億円払い込まれ、本来であればライブドアの株価にとって好材料となり上昇すると思われるが・・・。ところがライブドアの株価は前場寄り付きで321円をつけたがその後ダラダラと下げ、終値は前日比5円安の310円で取引を終えた。それだけ市場(世間)のライブドアに対する信用がないことを示している。巨額のキャッシュを手にするもののその運用への不安、それに約10億4900万株に膨れ上がったライブドア株式の極端な希薄化などが要因ではないか。ライブドアの中間決算説明会での約1470億円の使途が具体的に説明された訳けではない。株主総会でライブドアは資金の使途、及び利益抽出の可能性を株主に対して明確にして、将来的に発行株式数に見合う利益確保の見通しを示す必要がある。
フジテレビのライブドアに対するデューディリジェンスがどうなるのかと思っていたが、ライブドアの株価の下落にも関わらず予定通り発行価格329円となりどうやら形式的だったと推測される。今日の時点で1株当たり19円の損失なので、1億3374万株を取得したフジテレビは早くも25億4106万円の含み損は抱えることになった。しかも両者の合意でフジテレビは2007年9月末まではライブドアの同意がなければ第三者への譲渡、貸し株ができない。つまりそれだけ拘束された、言い換えれば不自由な株式を大量に保有することになる。今後ライブドア株価の下落幅が拡大しフジテレビの含み損が大きくなれば、6月の株主総会で厳しく追求されることは必至。それでなくてもフジテレビが当初予定した金額をはるかに上回る金額をライブドアに支払う羽目に陥った経営陣への責任追及が予想される。それに加えて先行き不透明な業務提携についても株主総会でかなり突っ込まれるかもしれない。とにもかくにもフジテレビ、ライブドア、更にはニッポン放送いずれも株主総会では株主への説明責任を果たさなければならない。
2005.05.24
<NO.1 : 0時30分記>
昨日ライブドアグループのバリュークリックジャパン(以下バリュクリックJ)と記すが100億円の転換社債型新株予約権付社債(MSCB)を発行すると発表した(詳細は こちら 参照)。引受け先は日興シティグループ証券とライブドア証券で50億づつずつ割り当てる。今回調達した資金の用途は30億円を子会社の借入金の返済、10億円を運転資金、残りをM&A資金としている。企業規模からすれば100億円のMSCBは過大との見方がある。何やら胡散臭い香りが漂っている。
バリュークリックJの昨日現在の時価総額が約273億円・・・「MSCB」100億円全て権利行使されたらどれだけ株式数が増えるか容易に分かる。転換価額は昨日の終値に5%上乗せして当初5492円と定めている。しかしながら転換価額は毎月第3金曜日の翌取引日以降決定日までの5連続取引日の売買高加重平均値の90%に修正される。下限転換価額は2746円、上限転換価額が8238円と設定されていてこの範囲で変動する。株価下落すればそれだけ(潜在)株式数が増える。これではライブドアがリーマン・ブラザーズに「MSCB」を発行した時と類似しているではないか。
時価総額273億円に対して100億円の「MSCB」とは・・・。それに株価が下落すれば更に株式数が増える仕組みとは・・・。またまたライブドアグループが平気な顔をして株主軽視の所業をやってくれたと呆れてしまう。堀江氏はよほどMSCBがお好きと見える。ライブドアは「新株予約権」と第三者割当増資で自社株式をあっと言う間に増殖して10億株を超えた。今度は子会社が同じ手法で自社株式を増殖しようとしている。恐らくバリュークリックJの株価はライブドア同様下落が進むと思われる。堀江氏は既存株主に不利益を与えるのを何とも思わないのだろうか?
それにしても”打ち出の小槌”を振って同じことを繰り返す堀江氏のやり方には嫌悪感を覚える。口では株主の利益とは言いながら、実際には企業を私物化している様にさえ思える。ついでにもう一言・・・『ライブドア、及びライブドアグループ、それにライブドア証券が絡んだ企業の株式に手を出すと大怪我する可能性が非常に高い。ついては一切手を出さないことが肝要。』
あるサイトの記述に「株式投資で知っておいて欲しいことは『MSCBを大量発行している会社は危険だ!』と言うことです。」とある。ライブドアとリーマンブラザーズ間で行なわれたMSCB、貸し株、それにリーマン・ブラザーズの空売りを絡めて考えるとその意味するところが理解できる。
<NO.2 : 18時30分記>
予想通りバリュークリックJの株価は大幅に下落し、終値はストップ安の前日比1000円安4230円で取引を終えた。前場の取引開始から値がつかず売り気配4230円のままだったが、大引けの間際にようやく取引が成立(出来高は9万4526株)した。明日以降更に下落する可能性がある株式をいったい誰が買っているのだろうか?昨日段階で時価総額273億円に対して100億円もの「MSCB」を発行すれば、誰が考えても株価が下落して当たり前・・・。今日段階では時価総額は220億円にまで減少している。それにしてもライブドアグループは既存株主をないがしろにする罪作りな企業としか言い様がない。M&Aの繰り返しで成長していかなければならないライブドアグループは、自前の株式をMSCB、あるいは第三者割当増資の様な形で株式操作しないと存続できないのか。堀江氏が何を考えてこの様なことをやっているのか全く理解できない。
ライブドアはニッポン放送のMSCBに対して差止め訴訟を起こして勝訴している。今回は逆の立場をライブドアが演じている。もしバリュークリックJの株主がMSCB差止め訴訟を起こしたらどうなるだろうか?どう考えてもバリュークリックJにMSCBの正当な理由があるとは考えにくい。堀江氏は他者の時には声を大にして異議を唱えたが、いざ自分のこととなると盲目になるらしい。”呆れるほど自分中心で身勝手な人間”のレッテルを堀江氏が張られても当然・・・。
”グループの本家”ライブドアの株価も相変らず低迷を続けている。フジテレビからの1100億円の入金効果も決め手にはならず、加えてライブドア証券の失態(エフェクター細胞研究所の上場)、バリュークリックJの株価の暴落と悪材料続きで、堀江氏への市場(世間)の信用が薄らいでいるのだろうか?最早堀江氏は”旬の過ぎた食材”の取るに足らない存在でしかない。プロ野球参入問題で颯爽と登場した頃とはまるで状況が変わってしまっている。出来高は約536万株と低調で、終値は前日比1円安の309円で取引を終えた。さて明日は如何に?
ところでフジテレビへの第三者割当増資が完了したのでライブドアの株式は10億株を超え、株価下落しているにも関わらず時価総額は約3240億円に膨れ上がった。時価総額=株価×発行株式数で表わされるので、ライブドアの様に大量に発行株式数を増やしていけば株価が下落しても時価総額は増えることになる。時価総額が増えたからと言って必ずしも既存株主の利益には繋がるものではない。”時価総額増加=株価上昇”と勘違いされる方がいるかもしれない。何度も言うが基本的には株式投資は自己責任で行なうものであり、正しい判断ができる様に普段から正しい知識で理論武装しておく必要がある。
2005.05.25
ニッポン放送の上位10位までの大株主と役員・自社保有分を加えた少数特定者持株比率が90%を超えて、いよいよ東証の監理ポストに割り当てられることになった。ニッポン放送は7月末までに上場廃止となり、予定では9月1日にフジテレビの完全子会社になる。この様な状況下でも昨日の出来高は2650と少ないがそれでも売買されている。株価は6270円前後とTOB予定価格6300円を僅かに下回る程度で1ヶ月推移している。誰が買っているのだろうか?今買っておけば確実に1株20〜30円の利ザヤを稼げるので誰かが買い集めているのだろうか?尤も慌てて売却しなくてもいずれは確実に6300円でニッポン放送が買取ることになっているが・・・それまで待てない事情のある保有者がいるのかもしれない。
ニッポン放送の亀淵氏はフジテレビの完全子会社化が終了する9月1日まで続投する意向を示していたが、6月の株主総会で社長を退任し取締役相談役に就く見通しで今日の取締役会で内定する。フジサンケイグループ内では今回の混乱を招いた経営責任を問う声が強まったと見られる。親子関係が逆転していたとは言え実質的にはフジテレビはニッポン放送より上位にいた。亀淵氏の経営責任を問うのであれば、当然フジテレビの日枝会長と村上社長の責任も問われるべきであろう。もし特に日枝氏が知らん顔して居座ることがあれば、6月の株主総会で厚顔無恥と弾劾されなければ理に合わない。
バリュークリックJの株価は前場で一時4620円まで上昇したが後場には下落を続け、終値は前日比360円安の3870円で取引を終えた。ストップ安(500円安)までは行かなかったが大幅に下落した。昨日の安値で仕込んで前場の高値をつけていた時に売り抜けた方がいると思われる。2日で1360円の下落(5月23日終値に対する下落率:26.0%)とは・・・まさに”泣きっ面に蜂”、これでは既存株主の損失が大きくたまったものではない。恐らく明日以降も下落するものと思われる。
株式投資は自己責任が基本だが、この場合MSCBは既存株主の知らないところでのバリュークりックJによる騙まし討ちでライブドアグループの悪行と断ずる。ライブドア、バリュークリックJのMSCBはいずれも既存株主の利益を大きく棄損している。またその正当性には疑念がある。この様にMSCBの悪用が続くのであれば何らかの法規制が必要になると考える。
2005.05.26
ライブドア、バリュークリックJ、エフェクター細胞研究所の株価がいずれも悲惨の状態にある。 ライブドアの株価は連日ダラダラと下落を続け、終値は前日比3円安の305円で取引を終えた。300円割れ寸前でギリギリ持ちこたえている様にも見える。ライブドアは多額のキャッシュを手にしたものの、以前として苦しい展開であることには違いない。誰かが必死に買い支えているのだろうか?フジテレビの含み損は更に拡大し32億1600万円となっている。日枝会長もこの件については頭が痛いのではないか?何せこのまま含み損が拡大すれば6月の株主総会で追求されるのは必至。
バリュークリックJの株価もMSCB発表後連日の続落で、終値は前日比210円安の3660円で取引を終えた。下落幅は3日間で1570円と急降下中で、既存株主の損失拡大があまりにも大きく悲鳴を上げていることだろう。堀江氏の株主軽視のツケは既存株主に重く圧し掛かっている。あまりの無責任さには呆れ果ててしまう。さて当面下限転換価額の2746円に向かって一直線に下落して行くのだろうか?
ライブドア証券がIPO初の主幹事を務めたエフェクター細胞研究所の株価も大きく下落し、終値は前日比1万円安の15万1000円で取引を終えた。新規上場後の最安値を記録する有様・・・株価上昇の材料が全く見当たらずどこまで落ち込むのか想像がつかない。公募価格38万円への復活は夢のまた夢・・・下落幅は22万9000円(下落率:60.3%)と悲惨な状況に陥っている。そもそも上場が無理な企業に38万円の公募価格を設定して投資家を煽った結果がこの有様で、ライブドア証券の無能力さを如実に示している。エフェクターの株価を少なくとも公募価格まで復活させることができなければ、ライブドア証券の信用回復は到底あり得ない。信用回復できなければライブドア証券がIPOを手掛け様としても誰も相手にしないだろう。
これほどライブドアグループに悪材料が揃えば市場(世間)の信用を失っても何ら不思議はない。堀江氏以下ライブドアグループ幹部のやり方はあまりにも阿漕でひどすぎる。他人の迷惑なんぞ何ら顧みない全く身勝手な行動を糾弾しなければ”世も末”としか言い様がない。村上ファンドの村上氏が何か一言あっても良いと思うが・・・尤もライブドアの「時間外取引」の片棒を担いだ村上氏が大きな顔をして言える立場にはない。
東証マザーズに上場しているソフトウエア企業ACCESSが今日500億円のMSCBを発行すると発表した(詳細は こちら 参照)。ACCESSの2005年1月期の売上高113億4700万円、経常利益15億6700万円、今日現在の時価総額は約2338億円とある。ライブドアだけでなく他の企業にもMSCBが波及している。この様に次から次とMSCBを実施する企業が出現することになれば・・・考えただけで背筋が寒くなる。
「転換価額は今日の終値に5%上乗せして当初235万円に設定」、「転換価額は毎月第3金曜日の翌取引日以降決定日までの3連続取引日の売買高加重平均値の90%に修正」、「下限転換価額は118万円、上限転換価額は353万円に設定」などライブドアとと全く同じ形態のMSCBになっている。恐らく明日以降株価が下落すると考えられる。今日の終値は223万円、当面株価の推移を観察を続けて行く。それにしても天下の野村證券が片棒を担ぐとは・・・。
ところで6300円でTOBが実施され上場廃止が決まっているニッポン放送の株式が6300円を超えて取引されている。今日のニッポン放送の株価は何とも不可思議な動きを示した。終値は前日比30円高の6300円・・・しかしながら後場で6310円、6320円で売買が成立している。最終的に6300円で買取られる予定なのに、誰が何の為にわざわざ6300円以上で購入しているのだろうか?6300円を超えて購入すれば明らかに損するのが分かっているはず・・・そこには何らかの思惑があるのでは?6月の株主総会に乗り込んでニッポン放送に”モノ言う株主”として経営陣の追求を目論んでいる方がいるのだろうか?
2005.05.27
昨日MSCB実施を発表したACCESSの株価は前場の終わり直前に値をつけ、予想通り終値はストップ安の40万円安の183万円で取引を終えた。出来高は2188株で取引が成立したのは僅か15分ほどだけであっと言う間の出来事(一発でのストップ安)だった。推測するにMSCBとセットで貸し株が行なわれているはずで、ライブドアの時にリーマン・ブラザーズが空売りを仕掛けて株価を下げたのと同じ状況が来週以降出現すると見ている。とすれば当面下落傾向が続くと見ている。
エフェクター細胞研究所の株価は後場の午後2時を過ぎた頃に非常に怪しげな動きを示した。それまで昨日の終値15万1000円近辺を推移していたが、突然一気に16万6000円に跳ね上がった。これは尋常な動きではない。何も株価上昇に繋がる理由が見当たらない。あまりにも下落しすぎてまずいと考えた何者かが損失覚悟で高値で買い付けたのだろうか?まさかもっと臭い理由があるのでは・・・?結局終値は前日比8000円高の15万9000円で取引を終えたが、引き続き週明けの株価推移を監視する必要がある。
MSCB発表後昨日まで3日間続落していたバリュークリックJの株価は取り敢えず一息つき、終値は前日比50円高の3710円で取引を終えた。下限転換価額2746円まではまだ差があり、週明けは暫くはここを目指して下落するのではないだろうか?どう考えてもここの株価にも明るい未来が見えてこない。
ライブドアの取引は相変らず冴えない展開で、終値は前日比2円高の307円で取引を終えた。ここはMSCB、第三者割当増資で約10億4900万株に膨れ上がった株式数が如何にも重い足枷になっており、株価の上への展開がなかなか見えてこない状況に陥っている。昨年の公募価格640円への復活なんて”夢のまた夢”、それどころか300円を割る展開の可能性すらある厳しい展開が続くと思われる。ところで公募価格640円で買った人で今もホールドしている人がいるだろうか?もしいたら株価は半値以下であまりにも損失が大きすぎる。
ライブドアのファイナンス事業本部担当の羽田上級副社長は、バイオ投資を専門とする「ロングライフ・バイオ事業投資組合」を5月31日に設立することを明らかにした。ライブドアが今回手にした巨額資金の投資案件第一号となる。しかしながらグループのライブドア証券のバイオ分野での失態からすると果たしてどうなるだろうか?専門的な分野だけにどれだけの人材を集められるのかが成否の鍵を握る。
2005.05.28
西京銀行のサイトに5月23日付けで以下のプレス・リリースが出ている。(原文のまま記載)
ライブドアの中間決算説明会における堀江社長の発言および新聞報道について
平成17年5月20日に開催された株式会社ライブドアの中間決算の説明会における
堀江社長の西京ライブドア銀行(仮称)に対して100億から200億円規模の投資を
検討している旨の発言を受け、翌21日の各紙朝刊に当該発言内容と同様の報道が
なされております。
しかし、西京ライブドア銀行(仮称)の設立準備にあたり、当行ではこのような検討を
全く行っておりませんので、お知らせいたします。
これにはさすがに驚いた。両者で何の合意もなされていないのに(話合いがなされたかどうかは不明)、堀江氏がさも合意しているかの如く公式の場で堂々と発言するとは・・・非常識の極みで堀江氏の無神経さには呆れてしまう。堀江氏の発言は”事実無根”と全面的に否定されている。西京銀行はいい加減な堀江氏率いるライブドアと業務提携して大丈夫だろうか?西京銀行はこんな信頼のおけない相手との業務提携を全面的に白紙に戻してなかったことにした方が良さそうに思える。それとも何か業務提携をしなければならない切実な理由があるのだろうか?
基本合意では『資本金20億円、西京銀行51%、ライブドア49%、2月に銀行設立準備会社』を設立とある。そこにライブドアが100億から200億円程度の追加出資とは・・・これではライブドアが主導権を握る、言い換えれば乗っ取ると言っている様なものではないだろうか?ここにもライブドアの非常識さが如実に表われている。
これだけではない。既に5月2日付けで以下のプレス・リリースが出ている。(原文のまま記載)
西京ライブドア銀行(仮称)に関する新聞掲載記事について
平成17年5月1日の朝日新聞(朝刊)に掲載された「ライブドアの金融事業に対する
投資計画の検討」に関する記事において、「ライブドアが西京ライブドア銀行(仮称)に対して
200億円程度の追加出資を検討している」との表現がなされておりますが、
本日現在当行に関しては、当該記載の事実はございません。
ここでは堀江氏とは具体的には言ってないが、ライブドア関係者からのリークによる記事に間違いない。朝日新聞は西京銀行への事実確認を怠ったとしか思えない。いずれにせよこの2つのプレス・リリースからもライブドア、西京銀行の信頼関係には大いに疑念がある。2度に渡るライブドアの勇み足はあまりにもひどすぎる。こんなことでは西京ライブドア銀行がうまく行くとは思えない。
ところでMSCBの使い方によっては危険極まりない悪辣な手段になり得る。何故この様な危険なツールが導入され認められているのだろうか?企業経営者の錬金術として使われる可能性が高いMSCBの存在理由が理解できない。監督官庁、政治家が「MSCB」、「貸し株(借株)」、「空売り」の3点セットで使われている現状を放置(容認)しているのは明らかにおかしい。MSCBの乱発は株式市場を歪める恐れがあり、監督官庁、政治家は早急に対策を取る必要があると考える。
あるサイトでMSCBについて以下の記述を見つけた。(原文のまま掲載)
この債券の発行は、 どのような財務状態にあっても、資金を確保することができ、
さらに企業経営を圧迫するような利子負担もほとんどない、企業経営者にとっては
まさに夢のような資金調達手段です。
しかし、このMSCBは、いろんな意味で末期的な企業が、最後の資金調達手段として
用いることが多く、見方によっては、既存投資家を食い物にした、
極悪なる資金調達手段ともいえるのです。
ニッポン放送の株主で6300円以上で買った株主が、TOB価格6300円での買取りに対してどうしてくれると文句を言っている。1月の時点で既に完全子会社して上場廃止が分かっているのに、それにも関わらず堀江氏の”乗っ取り騒動”に踊らされて高値で掴まされた株主がいる。いずれ上場廃止になることがはっきりしていたのだから、高値で買ったのは哀れとも言うべきか?
2005.05.29
今回の一連の騒動を見ると証券会社が暗躍して投資家を愚弄している様に思えて気分が悪い。以前から証券会社は株価の動向に関係なく「他人の金を動かして手数料を稼ぐ」阿漕な商売と嫌っている。MSCBも結局は証券会社がおいしい想いをしている。証券会社が損な取引をするはずがない。誰かが儲かれば誰かが損する。MSCBでは既存株主が割を食うのは誰が見ても明らか。ライブドアの時は外資証券会社リーマン・ブラザーズが巨額の利益を得たが、国内証券会社とて同じでバリュークリックJの日興シティグループ証券とライブドア証券も既存株主に犠牲を強いて利益を得ることに変わりはない。野村證券は信用できるのでACCESSのMSCBは株価を下げないと信じる方がいるが、さて・・・?