2005.06.06

 
ライブドアの株価は3日続けて上昇し、終値は前日比21円高の340円で取引を終えた。「会社更生手続き中のDPE大手55ステーションの支援企業としてライブドアが名乗りを上げている。」報じられたことが市場での材料となったと思われる。これに対して今日の午前、型どおりライブドアは「当社として機関決定するに至っておりません。」と東証適時開示に出している。今の段階で支援企業がライブドアに決定した訳けではなく、また殊更有力となっている訳けではない。それでも過剰反応とさえ思えるこの株価の動きには訝しさを感じる。ちょっとした情報で乱高下する可能性があり、何やら”仕手株”の如き危険な香りが漂っている。いとも簡単に流された情報に飛び付く方が多いとすれば、情報操作を仕掛けて利を得ようとする者の思う壺・・・。

 一方
フジテレビの株価は相変らずの苦しい展開で、終値は前日比1000円安の21万5000円で取引を終えている。これだけ低迷期間が長いと、いずれ20万円割れも現実味を帯びてくるのではないか?株価を引き上げる要因を見つけにくい状況にある。取り敢えずライブドア株価の上昇で今日段階で含み損は解消したが、これとてまだまだ先々どうなるか予断を許さない。

 相変らず
ッポン放送の株価は不可思議な上昇を続けている。後場に一時6490円をつけたが大引け間際に大きく売られ、終値は前日比40円高の6440円で取引を終えた。大引け間際の大量の売りとは何やら怪しい。株価の上昇/下降を使い利鞘を稼ぐ投資家も参戦していているのだろうか?それとも株価をできるだけ高く吊り上げてTOB価格6300円は不当と高値買取要求を狙っているのだろうか?明確には分からないが、背後に意図的な動きが感じられる。

 それはともかくTOB価格より140円も高い終値は私の理解範囲外・・・。一つ言えることはフジテレビ経営陣としては『ニッポン放送子会社化の為に仕掛けたごく普通のTOBが、予期せぬ乱入者により”想定外”の展開を強いられたことに無念の想いがある』ことは間違いない。尤もフジテレビ経営陣の油断から生じた”身から出た錆”でもあるが・・・。


 2005.06.07

 ライブドアの株価は後場午後2時すぎに一気に347円まで上昇したが、その後下げに転じ終値は前日比1円安の339円で取引を終えた。昨日のすごい勢いで「このまま一気に上昇」と息巻いていた方もいたが、何せ確実な材料に乏しくては株価が簡単に上がるものではない。今のところ思惑と情報が先行し”仕手株”の様相を呈しており、明日以降乱高下を繰り返す荒っぽい相場になる可能性がある。329円で1億3374万株も背負い込んだフジテレビとしては買い値を下回ったのではたまらない。もしフジテレビの株主総会の時点で含み損を抱えていたらどうなることやら・・・まさか裏でフジテレビが総会対策の為に買い支えているとか???

 フジテレビの株価の下落傾向に歯止めがかからず、終値は前日比4000円安の21万1000円で取引を終えた。フジテレビ経営陣は何らかの対策を講じて株価上昇を狙いたいところだが、さて”隠し玉”のありや無きや?それにしても苦しい展開、いよいよ株価20万円がすぐそこに見えて来た。フジサンケイグループを束ねている日枝会長の首筋が涼しいのでは・・・?それでなくてもニッポン放送の亀淵氏にのみ責任を押し付けて自分だけ知らん顔して生き残ろうとするのは、昔風に言えば”武士の風上にも置けぬ不埒な奴”・・・出処進退は綺麗にしないといけない。

 MSCBを発行する2銘柄は揃って株価を下げた。2社共にMSCBの払い込みはまだこれから・・・ボディーブローの様に徐々に効いてくるかもしれない。ライブドアマーケティングの株価は大きく下落しMSCB発表翌日の水準付近まで戻し、終値は前日比370円安の4250円で取引を終えた。堀江氏を信じたいが、一方でMSCBが怖い。ライブドアのMSCBの一件で”MSCBの恐ろしさ”を世間に周知することになった結果がここにも反映している。ここの引受け先はライブドア証券と日興シティーグループ証券、両者共に利益を出す為に6月14日の払い込み以降どう動くか注目される。

 ACCESSもMSCB発表翌日の水準より更に下落し、終値は前日比5万円安の179万円で取引を終えた。ここにもやはりMSCBの影が見え隠れしている。野村證券を信じつつ500億円の巨大なMSCBの影に怯える投資家の心理がよく表われている。野村證券が初期設定5492円で株式に転換することなんぞあり得ない。当然利益を出す為には株価は低ければ低いほど良い。ここも6月8日の払い込み以降野村證券がどう出るかが興味の焦点となる。野村證券とて所詮証券会社、信用に値するかどうか・・・?


 ニッポン放送の一部の株主が”6300円での買取りは不当”、”株主代表訴訟”など不満の声を上げている。当初のフジテレビのTOBに堀江氏が乱入してこなければこんな騒ぎにはならなかった。当初の既定路線通りすんなりTOB成立、上場廃止、子会社化、残株式の買取となったはず・・・。堀江氏は「メディアとネットの融合」を歌い文句に登場しながら多額のCashを手にして退場してしまった。ライブドアとフジテレビの間では一応業務提携が検討されているが、果たして有効な施策が出てくるのだろうか?結局堀江氏は脇から手を突っ込んで引っ掻き回した挙句に美味しいところだけを浚って逃げた”お騒がせ人間”と言えるのではないだろうか?

 2005.06.08

 ライブドアの株価は前場で上げて後場14時頃から下げて、終値は前日比3円安の336円で取引を終えた。特に強い上げ材料も見当たらないがライブドアに熱心な投資家が買い支えている様で、恐らく当面はこの付近で上がったり下がったりの揉み合う展開になると思われる。

 ライブドアマーケティングの株価は今日も大きく下落し、終値は前日比220円安の4030円で取引を終えた。仮に今日の終値の90%が転換価額とすると、100億÷(4030*0.9)≒275万7100株もの大量発行になる。恐らくもっと低い価額で転換すると思われるから更に増える。ちなみに今日現在の発行済み株式数は522万3177株・・・。凄まじい希薄化が生じる。こんなことが許されて良いのだろうか?MSCBによる100億の投資からよほどの利益を産まなければとんでもない背信行為になる。この状況ではここへ投資している方はさぞや大変な思いをしていることだろう。突然のMSCBで不意打ちを喰らい”寝首を掻かれた”様なもの・・・。

 ACCESSの株価も5日連続の下落で、終値は前日比3万円安の176万円で取引を終えた。仮に今日の終値の90%が転換価額とすると、500億÷(176万*0.9)≒3万1566株もの大量発行になる。ちなみにACCESSの発行済み株式数は10万4831株。ところで今日野村證券に500億円の払い込みがなされ、いよいよ明日からの野村證券の出方が注目される。利益を多く出す為には当然株価は安い方が良い。そうすれば転換株式数が更に増えてライブドアマーケティングと同じ状況になる。果たして野村證券は如何に・・・6月13日の払い込みは目前に迫っている。

 2005.06.09

 ライブドアの株価は3日続けての下落で、終値は前日比5円安の331円で取引を終えた。前場寄り付きから少しづつ下げ、その後329円の少し上でほとんど動きを見せない。4日前に340円まで上昇し、その後少しづつ戻してきている。フジテレビの6月の株主総会に向けて329円(フジテレビへの第三者割当価格)付近に収束させようととする動きがあるのだろうか?今後この”329円”が一つの目安になる可能性がある。6月に入ってから今日までの株価の動きに極めて意図的な何かを感じるが・・・?

 ライブドアマーケティングの株価は午後1時頃まで3900円前後に低迷していたが、その後一気に4070円まで上昇し終値は前日比30円安の4000円で取引を終えた。また
ACCESSの株価は前場で181万円まで上昇したが、結局終値は前日に同じ176万円で取引を終えた。ここは昨日払い込みが行なわれたが、今日はライブドア証券、日興シティグループ証券共に目立った動きをしなかったと考えられる。この2社の株価の動きを見ると、投資家のMSCBに対する猜疑心が微妙に影を落としていると推察される。

 エフェクターの株価は再び15万円台まで下落し、終値は前日比2000円安の15万9000円で取引を終えた。ここには何の材料もなく更にストックオプションのおまけつきと、株価上昇への手がかりは全く見当たらない。新規上場時点より既に22万1000円の下落(下落率:58.2%)で、現段階ではIPOの失敗例と言わざるを得ない。無論株式投資は自己責任が原則だが、この場合は主幹事のライブドア証券の責任は極めて重い。然るに堀江氏はエフェクターで多くの投資家に迷惑をかけたにも関わらず一切この件触れてはいない。それどころかバイオファンドを立ち上げて一儲けを目論んでいる。バイオ企業のIPOに失敗しながらバイオファンド立ち上げとは・・・その無神経さ、無責任さには開いた口が塞がらない。

 
(株)ドットコムのサイトに「定款の一部変更についてのお知らせ」が載っている。それによると『下方修正条項付転換社債型新株予約権付社債の発行に関する制限条項の追加』とある。株主保護の観点から株主総会の決議なしにMSCB発行することを禁止している。株主の不利益を被る恐れのあるMSCBについて経営陣の判断のみで発行不可にしたことが大いに評価できる。

 そもそも株主の不利益になる可能性の高いMSCBが仕組みとして認められ、かつ取締役会の決議のみで発行できることには納得が行かない。MSCBを”打ち出の小槌”と勘違いして既に2度も降った御仁の姿を眺めればより一層その感を強める。「株主の利益」と言いつつ実際には逆の行為をされたのでは株主は一溜まりもない。どの様な経緯でMSCBが出現したかは分からないが、安易に使われる傾向のある現状を見ればやはり法的に制限、あるいは禁止を検討すべきと考える。

 2005.06.10 前場終了まで

 米経済誌フォーブスが日本の長者番付「日本の富豪40人」を初めて発表した。フォーブスは各々が保有する株式の時価などに基づき資産を推計している。それによると第1位はサントリーの佐治社長が総資産58億ドル(約6200億円)で、堀江氏は6億4500万ドル(約690億円)と40位と最年少のランクインとなった。上位には消費者金融の現、旧経営者が顔を揃えているが、ハッキリ言って愉快ではない。。

 ところで堀江氏が32歳でこれだけの資産保有とは・・・よほど錬金術に長けているのだろう。堀江氏の総資産額の多さを見て、ライブドアの株価大幅下落で損失を被った方がかなり頭に来ている。それはそうだろう。多くの人に迷惑をかけていながら、自分はぬくぬくと肥えているのだから・・・。


 ライブドアの株価は330円あたりでほとんど動かない。前場終了時点では前日と変わらず331円となっている。やはり329円が大きなTargetで、6月いっぱいはこんな感じなのだろうか?

 
ニッポン放送の株価は寄り付きから急落し一時6350円をつけたが、前場終了時点では前日比120円安の6410円となっている。この動きもさっぱり分からない。4日続けて上げた分をすっかり吐き出してしまった。ここがどうなるかは予測がつかない。

 
エフェクターは相変らずの低迷で、前場終了時点で前日比2000円安の15万7000円となっている。ここは明るい材料が見当たらず今のところ救い様がない。果たしてどうなるか?

 MSCBの2銘柄も気になるところ・・・。ライブドアマーケティングへの払い込みは既に6月8日に終了、
ACCESS6月13日の予定になっている。6月20日時点で株価がどうなっているか注目している。

 6月10日午後から19日まで不在につき休載とします。その間日本の事情に疎くさっぱり分からない状態になります。さて6月20日に帰国した時にどの様な状況になっているか楽しみです。
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