2005.06.20

 
久しぶりにライブドアの株価を見たら先週末に370円まで上昇し、今日の終値は9円安の361円で取引を終えている。6月10日の前場331円だったので30円上げている。ここはちょっとした材料(もどき)ですぐに反応する。ちょこまかと材料をf出してきてはいるがどれもさほど効果があるとは思えないが・・・?やはり約10億4900万株に膨れ上がった株式数が足枷になっている。このまま上昇を続けるとは考えにくく、中長期で見ると恐らく浮いたり沈んだりの繰り返しではないだろうか?ちょっと先が読みにくい展開になっていると言える。

 先週末ライブドアマーケティングの1回目の修正転換価額が3588円70銭と決まった。今日の終値が3950円で、仮にライブドア証券と日興シティグループ証券が現時点で株式転換すればかなりの利益を確保できる。10%下方修正条項付きのMSCB・・・よほどへまをしない限り引受け先が損をすることなど考えられない。引受け先への一種の”利益供与”と看做せる。結局割を喰うのは既存株主・・・いくら考えてもMSCBの存在理由が理解できない。

 
エフェクターの株価は15万7000円で相変らずどうしようもない水準で推移している。業績向上が期待できないのに加えて無茶苦茶なストックオプションの存在が暗い未来を象徴している。本来であれば上場できない企業を無理やり上場させて暴利を貪ろうとする輩は許せない。証券取引所はIPOの審査基準を厳しくして安易な上場の防止に務めるべきではないだろうか?

 2005.06.21

 ライブドアの株価は14時45分過ぎから一気に上昇し、終値は前日比7円高の368円で取引を終えている。出来高が急激に増えると共に株価も高騰したが、この動きには不自然さを感じる。何か裏がある様にも思える。ここは一寸先は闇・・・明日のことは明日になってみなければ分からない。

 
フジテレビの株価は6月7日に21万1000円まで下げたが、終値は前日比2000円高の22万4000円と一息ついている。あまり株価が下がると株主総会での追求が更に厳しくなるので、フジテレビとしては少しでも株価を戻したいところだが・・・。ところで主総会での役員人事提案はどうなるのだろうか?日枝氏は今回の騒動の責任を亀淵氏に押し付けて本人は居直るつもりなのだろうか?”猫の首に鈴”をつけることが出来る”鼠”がいるかどうか注目される。

 ニッポン放送の株価はTOB価格6300円を下回り、終値は前日比30円安の6250円で取引を終えている。考えて見れば可笑しな話で、何故わざわざTOB価格より安い値で売るのだろうか?ニッポン放送に引き取ってもらえば6300円・・・何故損してまで安く市場で売るのか理解できない。一方6月9日には6530円まで上昇しているが、TOB価格を上回る値での取引もまた理解できない。いったいこの株価の妙な動きは何だろうか?

 
ライブドアマーケティングの終値は前日比70円安の3880円で取引を終えた。初回の転換価額が3588円70銭に修正され昨日から適用されている。果たしてライブドア証券と日興シティグループ証券による株式転換が始まっているのだろうか?両証券の出方次第では株価が更に下落する可能性がある。5月23日(MSCB公表日)株価5230円を基準とすると、既存株主は今日現在1株あたり1350円(下落率:25.8%)の損失を被っている。MSCBは現行法制上合法ではあっても”罪作りな手法と言わざるを得ない。後日の参考として今日現在の株式数522万3177株を記録に留める。

 
ACCESSの株価は前日比11万円高の191万円で取引を終えている。ここも14時15分頃から急激に出来高が増加し株価が一気に高騰したが、ライブドア同様この動きにも不自然さを感じる。6月1日に前日比13万円高の198万円をつけたが、その後5営業日かけて176万円まで下落している。今回もまた同様に下落する可能性がある。ところで初回の転換価額の修正が目前に迫っている。初回転換価額は6月24日の翌取引日からの3連続取引日(6月27、28、29日)の終値の平均値の90%に設定される。引受け先の野村證券としてはとしては少しでも低い方が都合が良い。来週月、火、水曜日の株価が注目される。まずはそこを過ぎないと先が読めない。

 2005.06.22

 
ライブドア、ライブドアマーケティング、フジテレビ、ニッポン放送の株価はそれほど上下動もなく、最近にしては平穏無事に1日の取引が終了した。エフェクターの株価は前日比3000円高の15万6000円で取引を終えたが、これも調整の範囲内で特に目立つ値動きではない。それにしてもこんなどうにもならないエフェクターの株式をいったい誰が購入しているのか不思議な感じがする。

 主幹事野村證券のMSCB実施企業としてフォローしている
ACCESSの株価は、後場になり出来高が急増しそれに伴い株価も高騰した。終値は前日比20万円高の211万円で取引を終えた。ある掲示板では「野村證券が事前にM&A情報を掴んで買い進めているのでは?」との書き込みがあるが、主幹事の野村證券がその様な取引を行なえばインサイダー取引で後ろに手が回る。また「野村引き受けのMSCB銘柄で、転換価格を下げるために売り叩かれた銘柄を私は知らない。」との書き込みもあり、野村證券は随分と信用されていると見える。

 昨日財務省が受け付けたACCESSの株式大量保有報告書(詳細は こちら 参照)に”野村證券など22851株(18.12%)”とある。株式大量保有報告書には”500億円を初期転換価格で割った潜在株式数(21276株)と取得株式(1575株)”が表示されている。”野村證券など22851株(18.12%)”を見て野村證券が既にMSCBを株式に転換したと勘違いされた方がいると思われる。もしかしたら意図的にこの情報を流した方がいるかもしれない。どうも(個人)投資家でこの情報に飛び付いて購入した方がいるのではないか?ある掲示板にはその様な方々の書き込みが見られる。尚、財務省のサイトに「
株券等の大量保有の状況等に関する開示制度(5%ルール)の概要について(詳細は こちら 参照)」が記載されているので、興味のある方は参照して頂きたい。

 MSCB引受け先がいきなり初期設定価額で株式転換するとは考えられない。昨日も触れたが
来週月、火、水曜日の終値平均の90%に転換価額が修正される。まずは今週末にかけての値動きも気になるところだが、むしろ週明け3日間の株価動向(特に終値)に注目が集まる。野村證券の考え方次第でACCESSの株価はどうにでもなる。いくら”善良な?”野村證券でも高値で株式転換するとは思えないが・・・?何やら”危険な香り”が漂うが、もう暫く様子を見ないとその実体は分からない。


 ところで今日の参院本会議で上場株式の『時間外取引』を規制強化する改正証券取引法が可決成立した。上場企業の経営権取得を目的として発行済み株式総数の1/3以上を買い付ける場合には『時間外取引』でもTOBが義務付けられる。これでライブドアが法の不備をついて『時間外取引』でニッポン放送株式の大量取得したケースが防止される。今回の堀江氏のとった行動の中で『時間外取引』の悪用が最も不愉快な行為であり、当然早く規制されるべきと考えていた。堀江氏はまた法の不備を突く様なことを考えているのだろうか?確信犯的な所業は決して許されるものではない。

 2005.06.23

 
ライブドアの株価は前日比15円安の353円と大きく下落して取引を終えた。小出しに材料を出してはいるが特に評価できるものはなく近頃の株価上昇は奇異に感じている。更にライブドアが訴訟を起こされると言うマイナス材料が出ている。あれこれとトラブルを引き起こして来たライブドアなので、今後もいろいろと争いが起きることは充分に考えられる。

 トランスウエアはWebブラウザ「Opera」の販売権を巡り、開発元のOpera Software、日本の販売代理店のライブドアに対して損害賠償と謝罪広告を求めて東京地裁に提訴した。トランスウエアによると2002年2月Opera Softwareと日本国内の販売代理店の契約を結び販売していたが、Opera Softwareは契約終了手続を行なわないまま2004年5月ライブドアと独占販売契約を結んだとしている。これに伴い「Opera」の国内での販売ができなくなると共に、事実と異なるプレスリリースなどにより損害を被ったとしている。一方ライブドアとOpera Softwareはトランスウエアとは合意済みとしている。両者の言い分が食い違っていてどろどろした醜い争いになることは必至・・・。

 
フジテレビの株価は低迷が続き、終値は前日比3000円安の22万円で取引を終えている。6月29日の株主総会前には少しでも株価をあげておきたいところだが・・・明るい材料がなく上昇が見込めず経営陣は苦しい状況で株主総会を迎えるのではないだろうか?それに日枝氏の責任問題などもあり波乱の株主総会になる可能性が高い。

 
ACCESSのお知らせの原文の転換価額について改めて読んで勘違いに気付いた。当初6月29日に6月27日、28日、29日の終値から算出されると思っていた。しかしながらこれを良く読むと、初回は6月27日に6月22日、23日、24日の終値から算出されることが分かる。つまり明日までの3日間の終値で初回転換価額が決定される。ちなみにACCESSのお知らせの中の『転換価額の修正』を読むと以下の既述がある(原文のまま)。何とも分かりにくい紛らわしい表現ではないか?

 本新株予約権付社債の発行後、毎月第3金曜日(ただし、初回は平成17年6月24日とする。)(以下「決定日という。)の翌取引日以降、転換価額は決定日まで(当日を含む。)の3連続取引日の株式会社東京証券取引所における普通株式の普通取引の毎日の終値(気配表示含む。)の平均値の90%に相当する金額に修正される。

 ACCESSの株価は昨日、一昨日で一気に30万円上げたが、一息ついて終値は前日比6万円安の205万円で取引を終えている。明日も転換価額修正の対象日と考えると、明日もまた株価は下落すると思うが・・・?ある掲示板で昨日「明日はストップ高」、「250万超、その先もっと上」と威勢のよかった投資家もさすがに今日は元気がなかった。

 2005.06.24

 
ニッポン放送は6月15日までにTOBに対して189名の応募のあった964万1860株の内、630万株(発行済み株式数の19.20%)を1株6300円で買い付けを終了した。フジテレビは今までに68.87%を取得していて、残り11.93%を9月1日に1株6300円で買取り完全子会社化を予定している。既に産業活力再生特別措置法の認定を受け完全子会社への道筋が明確になっている。一時TOB価格を上回る不自然な取引がなされていたが、近頃は6300円以下と落ち着いて来ている。ところで今日の出来高は2140株だが、この期に及んで誰がいったい何の為に取引しているのか理解不能としか言えない。

 それにもともと今年1月にはフジテレビがニッポン放送の子会社化を目指してTOBを開始したところにとんだ”邪魔者”が乱入してこんな事態になったのだから、”邪魔者”が去った今周りでガタガタ騒ぐのは筋違いと言える。今日の株主総会で経営陣に対して株主からいろいろ厳しい批判が出ているが、堀江氏が登場しなかったら果たしてここまで紛糾しただろうか?堀江氏は単なる”お邪魔虫”、全く余計なことをしてくれたもの・・・とにもかくにも株主総会が終了し、ニッポン放送周辺のゴタゴタはようやく解消される方向に向かっていると見るべきか・・・。何はともあれ上場最後の株主総会は終了し、これで後は上場廃止を待つだけになっている。

 ところで村上ファンドの村上氏は株主総会に出席している。村上氏は株主総会で言いたいことは言ってはいるが、多くの利益を得て自社株主に対する責任を果たしているのだから結局ファンド代表としては充分と考えている様に見受けられる。株主総会後記者に尋ねられて「一番儲けたのはフジテレビ」と話している。しかしながら今回のニッポン放送乗っ取り騒動で巨額の利益を手にしたのはリーマン・ブラザーズと村上ファンド・・・フジテレビを”勝ち組”に加えることで村上氏への批判をかわす意図が見え見えではっきり言えば不愉快。

 今日の株主総会で取締役会が発行を決めた「新株予約権」発行について批判が相次いだが、亀淵氏は「行動には何ら恥じることはない」と自らを含む経営陣の責任を否定した。あくまでも責任を認めたくない姿勢を貫き通したが、この件は誰がひいき目に見ても正当性があるはずがない。フジサンケイグループの幹部諸氏は裁判になって勝ち目があると思っていたのだろうか?とすれば幾ら追い詰められていたとは言え、諸氏のあまりの非常識さにはただただ呆れるばかり・・・。

 
フジテレビの村上社長は定例記者会見で、業務提携を決めたライブドア以外のポータルサイトに対しても著作権などの処理が済んだTV番組などをInternet配信していく考えを明らかにしている。ライブドアには他サイトよりも早くコンテンツを提供する可能性があるとしているものの、考え様によっては”フジテレビのライブドアへの意趣返し”とは考え過ぎだろうか?ライブドアだけに独占的に供給するのではない・・・つまりライブドアにだけ美味しい思いをさせないとの意思表示とも看做せる。フジテレビはライブドアとの排他的独占契約を結んでいる訳けではないので当然と言えば当然・・・。

 
ライブドアはアルティオーラ・システムと業務提携し、営業代行や調査業務に特化したテレマーケティングシステム「StrataDial LITE」を昨日から提供開始した。機能の一つに『DoNotCallリスト(公共機関、委託元からの架電禁止リストやクレーマーリスト、電話営業拒否者などのリスト)を個別データベースとして内蔵し、発信時にそれらの相手先を自動的に除外する機能』がある。それにより商品や企業のイメージダウンやクレームを防ぎ、コンプライアンスを強化するとしている。何食わぬ顔して脱法行為を行ない、更にはコンプライアンス(法令遵守)精神が欠如している堀江氏が率いるライブドアにそんなことを言われても・・・。堀江氏は他人に対して大そうなことを言う前に、まずは自らを省みて姿勢を正す謙虚さが必要と考える。そうでないと何を言っても信用できない。

 
ライブドアの株価は先週末の終値より4円下げたが、今日の終値は前日比13円高の366円で取引を終えている。それにしてもここの株価はよく上下に動き回っているが、ちょっとした材料?に楽観的になったり悲観的になったりする(個人)投資家がいるらしい。デイトレーダーには格好の狙い目になっている。今日は安値350円、最高値368円と18円も幅がある。うまく売り買いして儲けたデイトレーダーがいると思われる。恐らく来週も株価は上がったり下がったりの忙しい展開を見せるのではないだろうか?

 
エフェクターの株式数が今週になり880株増えて10万8770株になっている。ロックアップされている以外のストックオプションが少しづつ目立たない様に行使されている。ロックアップが解除されたらどうなることか・・・不逞の輩が大勢いるこの企業は全く信用できない。そこでここにはストックオプションがまだまだ大量に残っており、当面株式数の監視を継続して行くことにする。今回の行使価格が幾らの分かは不明だが、昨日の終値15万4000円で売却しても相当額の利益を得ている。まさに”濡れ手に粟”のボロ儲けの悪行・・・業績らしい業績のない企業の株式をストックオプションを行使して高く売却しているは詐欺行為に等しい。そんな最悪な企業を上場させた主幹事ライブドア証券も同罪と言わざるを得ない。

 
ACCESSの株価は予想に反して大きく反発し、終値は前日比10万円高の215万円で取引を終えている。これで初回の転換価額が189万3000円(100円未満切捨て)に決定した。MSCB発表時の転換価額は235万円なので45万7000円下方修正された。野村證券が初回転換価額でどれだけ株式転換するか分からないが、次回転換価額修正(7月15日)まで少しづつ売却して利益を出すと考えられる。もしかしたら来週から株価は上昇傾向を示すかもしれない。そうすれば野村證券の利益が大きくなる。尚、今後の参考の為に今日現在の発行済み株式数10万4884株を記録に留める。

 初回の転換価額189万3000円が将来に亘って底値として保証されているわけではない。恐らく次回の転換価額決定日に合わせて野村證券が意図する株価に(下方)誘導して行く可能性も考えられる。途中で幾ら株価が高くても、決定日含む前3日間の終値が低ければ良い。もしかしたらその時の転換価額が189万3000円を下回っていることも充分にあり得る。野村證券がわざわざ高値で株式転換のリスクを背負い込むなどとは考え難い。いずれにせよ今後の株価動向には注意しなければならない。

 野村證券はMSCBと同種の資金調達方法をMPO(Multiple Private Offering)としてMSCBとは一線を画している。これを見るとライブドアグループが行なっている様な悪質なMSCBとは少し違う様にも受け取れる。しかしながら野村證券が幾ら綺麗事を言っても、結局MPOも引受け先がしっかりと儲かる仕組みには変わりない。投資家が利益を得るか損失を被るかはACCESSが手にした500億円の運用次第・・・ACCESSの経営陣が有能か無能かに投資家の運命はかかっている。そう言えば500億円の使途がなかなか出て来ないがどうなっているのだろうか?


 2005.06.25

 ニッポン放送株価の推移を5年レンジで眺めて見た。2003年3月頃に2000円台前半まで落ち込んでいたことを考えれば大きく戻している。今年1月にフジテレビがTOBを開始した頃の状況を考えれば、公開買い付け価格5950円は概ね適正であったと言える。ところが2月初めライブドアの突然の乱入で株価が8800円台にまで暴騰し、4月に一時5500円位まで下落しその後6300円近辺で推移している。一時の高値は明らかに異常としか言い様がない。

 堀江氏の仕掛けに踊らされて高値でニッポン放送株式を掴み損をされた方が多くいると見られる。それなのに6300円で強制的に株式を現金交換させられることになり怒っている。しかしながらもともとニッポン放送の上場廃止は既定路線であり、たまたま堀江氏の乱入で状況がおかしくなり時期が延びたに過ぎない。一連の騒動の渦中に手を出して一儲けを狙った方の損失はまさに自己責任と言わざるを得ない。

 一方村上ファンドは先を見越して以前からだいぶ安く仕込んでいて巨額の売却益を得ている。現在保有している残りの株式も6300円で買取らせるのだから文句があるはずがない。村上氏は堀江氏とは以前から付き合いがあり、今回の件でも何らかの話が二人の間でなされているとも聞く。もしかしたら更に大きな利益を得る為に裏で”暗躍したのでは?”とも囁かれている。村上氏が『闇の仕掛人』では?と言われるのもそのあたりから来ている。つくづく「村上氏はうまくやったなあ〜」と改めて感じる。


 2005.06.26

 MSCB発行企業に関して株価は発行直後下落しその後上昇する場合が多いとのデータがある。ここに2004年以降のMSCB発行企業一覧と株価推移が載っている。この表を見るとほとんどの場合MSCB発行額が小さいのが分かる。最も多いのがいすゞ自動車の1000億円、次いでフジテレビ、ライブドアの800億円・・・企業規模から見てライブドアの800億円が如何に大量発行か分かる。同様にACCESSの500億円も大量発行と言える。MSCBは2001年の商法改正で認められた資金調達の手法だが、近頃この手法を活用する企業が増えて来ている。借入金は返済しなければならないが、MSCBは株式に転換される前提でありそうなれば返済する必要がない。企業から見れば都合の良い資金調達方法と看做せる。裏返せば”錬金術”の如く安易に使われる可能性がある。

 MSCB発行企業の平均の(基準化した)株価推移を見て、MSCB発行には問題がないと論じるのは早計と言うべき。現実にMSCB発行後に株価が下落したままの企業があることは無視できない。分不相応の大量のMSCBを発行する企業は危険をはらんでいる。企業規模と比較して過大とも思える額のMSCB発行は、明確な資金調達目的と投資対効果(収益性)が大きなポイントになる。ライブドアはニッポン放送株式取得(経営権奪取)としていたが、その当初の目的は崩れ結果として大量の資金を手元に回収することになった。この大量の資金の活用による収益性向上が大きな課題となっているが、小出しに材料は出しているものの現時点では見通しは不明と言わざるを得ない。ライブドアマーケティングも100億円の使途が未だ不明確では心もとない。

 ライブドアの様にリーマン・ブラザーズへの大量の貸し株で株価を下落させ利益供与している。利益供与は同時に株価下落により既存株主の損失を招いている。自己の目的の為だけに他人の犠牲を強いるやり方は容認できない。MSCBは法的に認められた資金調達方法ではあるが、野放しで何でもありで堀江氏の様に法に触れないからと好き勝手にやられたのではたまったものではない。このままMSCBを放置しておけば、いずれ不正なMSCB発行で大問題が起きることが充分に予想される。堀江氏の様に”賢い”方がいて法の抜け道をついて何をしてくるか分かったものではない。『時間外取引』の場合の様に問題がが起きないと政治の世界は動けないのだろうか?


 ところで今月初めに「55ステーション再建にライブドアが名乗り」を挙げたとの報道があったがその後さっぱり何も聞こえてこない。名乗りを挙げただけで有力候補でも決定した訳けではないので別にどうと言うこともないが・・・。また5月23日に西京銀行からライブドア決算説明会での堀江氏発言に不快感を示すプレスリリースがなされて以降、全く何の音沙汰もない。西京ライブドア銀行(仮称)の設立も果たしてうまく交渉が進んでいるかどうかも疑わしい。

 ライブドアにとってはネット銀行事業参入は2003年にイーバンク銀行に出資した時からの念願・・・2003年10月にイーバンクとライブドアは提携し、ライブドアはイーバンクに出資して筆頭株主になっている。その後両社の方針の違いから対立が泥沼化し訴訟合戦にまで及んだ。結局両社は和解し、ライブドアは資本関係を解消しネット銀行事業から撤退せざるを得なかった。その様な苦い失敗があるのにも関わらず、堀江氏の”勇み足?”的な発言は解せない。ライブドアと西京銀行の間で不協和音が聞こえて来た様にも思える。私には両社の提携には暗雲が漂っている様にしか思えない。
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