2005.06.27

 今日ニッポン放送の7月28日の上場廃止が正式に決定した(詳細は こちら 参照)。東証に提出した有価証券報告書により3月31日時点での上位10名の株主の保有比率が96.1%占めることが確認された。残りの株式も9月1日までに現金交換の形で買取られる予定になっている。これでニッポン放送はフジテレビの完全子会社となり、今回の騒動の当事者の一つが表舞台から姿を消すことになる。

 ライブドアの株価は前場には勢いがあり一時384円まで伸ばしたが、後場14時20分頃から少々失速気味で終値は前日比10円高の376円で取引を終えている。小出しながら約1470億円の使途を明らかにしているのが歓迎されていると見える。しかしながら巨額の投資を受けたライブドアはそれに見合う投資を行なっていかないとそんなに容易に収益が上がるものではない。下手するとただ資金を回転させているだけでいずれ破綻することにもなりかねない。大型のM&Aで業績を上げるのが効率的ではあろうが、なかなかそんなに美味しい案件が見つかるとは思えないが・・・?このまますんなり株価が一気に上昇して行くとは考えにくい。

 
フジテレビの株価は相変らず冴えない動きで、終値は前日比2000円安の21万9000円で取引を終えた。ライブドアへの440億円の投資は当初含み損を抱えていたが、近頃の上昇で大幅な含み益となり経営陣も取り敢えずは胸を撫で下ろしていると推察される。しかしながらライブドアとの抗争での経営陣の失態及び責任問題、自社株価の大幅下落/低迷などの状況下では、6月29日の株主総会での厳しい追求は免れないであろう。

 ライブドアマーケティングは次回の転換価額修正まで1株あたり3588円70銭でライブドア証券、日興シティグループ証券は何時でも好きなだけ株式に転換/売却できる。今日の終値は前日比10円安の3920円で取引を終えている。現時点でも既に利益を出せる状況にあるが、証券会社2社の考え方次第ではまだまだ利益が不足と看做せば次回の転換価額修正時に株価を下方誘導する可能性も考えられる。株価の変動と共に発行済み株式数も監視して行くことにする。

 ACCESSの株価はMSCB発表前日の水準近くまで戻し、終値は前日比5万円高の220万円で取引を終えている。次回の転換価額修正まで1株あたり189万3000円で野村證券は何時でも好きなだけ株式に転換できる。野村證券は「時期を分散して転換した普通株式を売却する等、株価への影響を極力抑制するように配慮する。」としているが、次回転換価額修正までにどの位株式に転換してどれだけの利益を確保するのだろうか?今日時点での1株あたりの差益は30万7000円、当面の株価上昇は野村證券に更に大きな利益をもたらす。株価の変動と共に発行済み株式数も監視して行くことにする。そうすれば野村證券の考え方が次第に浮き彫りになって来ると思われる。

 ところでプラネックス・コミュニケーションズ(以降プラネックスと記す)がライブドア証券を引受け先とする総額20億円のMSCBを発行する(詳細は こちら 参照)。20億円とそれほど規模の大きいMSCBではないが、何せエフェクターで恥を晒しているライブドア証券が1枚絡んでいるのでしばし様子を眺めたい。リーマン・ブラザーズに大儲けをさせたライブドアグループが今度は自分達も同じ甘い蜜を吸おうとの魂胆が見て取れる。

 2005.06.28

 ソフトバンク・インベストメント(SBI)はニッポン放送から借り受けていたフジテレビ株式(発行済み株式の13.88%)を6月30日にもニッポン放送に返還することなった。断然ライブドアが有利と見られた抗争が一転してフジテレビ側に傾く原因となったこの一件は、北尾氏の強烈な個性と合わせて当時衝撃的に感じられた。北尾氏はこの借株を何も活用しなかったが、フジテレビにファンド立上げの為の資金を拠出させしっかりと実を取っている。北尾氏はソフトバンクの取締役を退任し孫氏と袂を別ったが、今後どの様な動きをしてどの様な場面に登場して来るのだろうか?

 ニッポン放送はあと1ヶ月で証券市場から消えて行く。今日も細々と取引が行なわれ(出来高:6570株)、終値は6300円で取引を終えている。ライブドアとフジテレビの紛争の狭間で玩具の如く弄ばれた。鹿内家排除の為に上場の必要のない企業を上場したフジサンケイグループが資本関係の歪みを放置していた責任は大きい。目的を達成した後に速やかに歪んだ資本関係を解消しておけば今回の騒動には至らなかった。その意味でも日枝氏の経営責任は問われるべきと考える。

 
フジテレビの株価は明日の株主総会を目前にして大きく下落し、終値は前日比5000円安の21万5000円で取引を終えている。それにしてもまた微妙なタイミングで株価が下落したもの・・・明日の株主総会は先週のニッポン放送同様長時間かつ大荒れになる可能性がある。

 
ライブドアの株価は3営業日連日10円以上上昇し、終値は前日比11円高の387円で取引を終えている。株価上昇と共にここの株主は元気が良い。明日一気に400円超えに行くのか、あるいは利益確定の売りがそろそろ出てきて反落するのか?このまま一本調子に上がり続けるとはどうしても思えないが・・・。約10億4900万株の重しが気になって仕方がない。

 
ACCESSの株価はMSCB発表前日の終値223万円を軽くクリアして、終値は前日比15万円高の235万円で取引を終えた。取引開始早々から威勢よく一本調子に上昇し、あたかもMSCBへの恐怖がどこかへ吹っ飛んでしまった様に思える。さて野村證券はどの様な方針で株式転換を行なうのだろうか?リーマン・ブラザーズの様な露骨でえげつないことを野村證券はしないと考えてよいのだろうか?今後更なる株価上昇が見込めるとして、初回転換価額189万3000円で全て株式転換するのだろうか?

 仮に野村證券が今回全て株式転換したとすれば2万6413株を手にする。平均235万円で売却できたとすればその利益は500億円の投資に対して約123億円となる。これからもっと上昇すれば利益が益々膨れ上がる。まさに引受け先のボロ儲け・・・野村證券がリーマン・ブラザーズの様に悪質でないとしても、低い価額で株式を入手し高く売却して巨額の利益を得ることには変わりはない。とにもかくにもMSCBは引受け先に有利な手法であり、投資家が引受け先に翻弄されるのは不愉快極まりない。

 2005.06.29

 
フジテレビの株主総会には昨年の倍以上の約1500人が出席した。村上社長は「ニッポン放送を子会社化するという当初の目的に添っており満足する内容だ。最善の方策として決断したことを理解して欲しい。」と釈明した。2時間34分の総会となったが、質問はライブドアとの抗争、株価低迷、日枝氏の責任問題が中心で厳しい追求があったとのこと。しかしながら結局は何事もなかったかの如く散会し、結果として日枝氏は無事株主総会を乗り切ってしまった。まあ”権力者”とはいい気なもので、ライブドアとの抗争、株価低迷に関する経営責任は一切取らず全て亀淵氏を悪者にして自分は涼しい顔をしている。”怒りの鉄拳”をお見舞いしたいが・・・敵は遠くにありて残念ながら力が及ばない。

 
ライブドアの株価は前場引け30分位前から急激に上げ392円をつけたが、後場は下落し終値は前日比4円安の383円で取引を終えている。利益確定売りによる下げと見られるが、明日はまたどう動くか予測がつかない。何せここの株価には”丁半博打”の如き危うさが満ち溢れている。どうもここには材料よりもムードで動く傾向が見受けられる。ところでフジテレビの株主総会の為に株価が高い必要があったと言うのは考えすぎ?株主総会が終了してここの株価が下落傾向に向かう・・・なんてことが果たして?

 
エフェクターの株価がまたまた怪しい動きを示している。近頃あまり動きがなかったが何も材料が無いのに昨日から2日続けて上昇し(2日で9000円高)、終値は前日比6000円高の16万3000円で取引を終えている。以前2度の業績修正、ストックオプションのロックアップ発表の前に同様の不自然な株価上昇があった。また陰で悪い輩が暗躍しているのではないか?キナ臭い香りが漂っていて監視が必要。

 
ACCESSの株価は前場248万円まで上昇し更に上を窺うかと思われたが、ここも利益確定売りに押されたのか後場はズルズルと値を下げ終値は前日比2万安の233万円で取引を終えている。野村證券の500億円のMSCBがどの様に効いて来るのかまだ分からない。上へ行くのか、下へ行くのか、明日から来週にかけての株価動向が注目される。

 2005.06.30

 ライブドアの株価は勢いがつき大引け近くには400円を窺ったが、終値は前日比14円高の397円で取引を終えている。仕手株の様相が一段と濃くなっていて、材料の有無には関係なく株価が乱舞しているかの如く見える。明日は400円を超えて更に上へ向かうのか、あるいは利益確定売りが入って下方へ向かうのだろうか?いったん400円を超えて喜ばせておいて大引けに向けて下落すると見ているが、さてどうなるか・・・? ”明日は明日の風が吹く”と言ったところか・・・。

 UBS証券は6月24日付でライブドアの投資判断を新規に強気の”Buy2”に格付けしている。更に株価についてはミスプライスであり、正しい認識がなされれば株価は急成長を反映した動きになる可能性が高いとしている。その上で目標株価を600円に設定している。どうやらこのUBS証券の評価もライブドア株価上昇に1枚噛んでいると思われる。UBS証券はライブドアお得意の外資系、もしかしたらライブドアとUBS証券が陰で結託して投資家を煽っているのでは?と勘繰りたくなるが・・・。

 ところで堀江氏は「フジテレビの株主総会に出席するのでは?」と見られていたが、6月28日にはロシアに赴いている。ロシアでいったい何をしようとしているのだろうか?今回手に入れた巨額の資金の使途の一部で、何か大きな海外投資でも考えているのだろうか?

 ニッポン放送は再びフジテレビの筆頭株主に返り咲いた。ソフトバンク・インベストメント(SBI)が今年3月ニッポン放送から借り受けたフジテレビ株式を返還した為で、ニッポン放送の保有比率は議決権ベースで14.14%となる。一方ニッポン放送が大和証券SMBCに貸し出しているフジテレビ株式(発行済み株式数の8.40%)は継続して保有される。

 エフェクターの株価は連日不審な動きを見せ、終値は前日比1000円高で16万4000円で取引を終えている。何せ信用できないエフェクターのこと、何をして来るか分からない。週末の大引けの後にまたまた怪しげな発表をするかもしれない。出来高は連日少ないが(今日は251株)、その中で少しでも高値で売りぬけ様と画策している輩がいることも充分に予想できる。

 ACCESSの株価は昨日同様前場寄り付き直後に241万まで上昇したが、その後ダラダラと下げて終値は前日比5万円安の228万円で取引を終えている。ここに来て勢いが止まり2日続けての下落となったが、今後の上昇にに向けての調整、あるいは野村證券のMSCB転換株式の売りが入って来ているのだろうか?明日の株価の動きにも目が離せない。

 2005.07.01

 ライブドアの株価は後場14時30分頃に400円に届いたが、その後押し戻され前日と変わらず397円で取引を終えている。2004年6月25日の1:10分割直後には1000円を超え、その後の公募640円と比較すると随分と下がっている。フジテレビで巨額の資金を得たもののその見返りとして大量の増資をすることなり、株式数は約10億4900万株に膨れ上がっている。このツケはライブドアに重く圧し掛かっている。現在は勢いがついて400円手前まで戻してはいるが、今後株価を安定的に上昇させるのはなかなか容易なことではない。ニッポン放送買収、フジテレビへの経営参画の目論見が外れた代償に巨額の資金を得たが、失った信頼の回復には長い”茨の道”が立ちはだかっている。

 
プラネックスの株価はMSCB発表後一時下げたものの、6月30日の株式分割(1:5)を節目に大きく上げ終値は前日比2万6000円高の22万円で取引えお終えている。MSCB発表翌日から4営業日で6万1000円上げている。あのライブドア証券が引受け先とのショックが一時あった様だが、MSCBの初回転換価額修正はまだまだ先(8月1日)との安心感があると思われる。

 修正転換価額の下限は6万8000円、上限が20万4000円と定められている。ライブドア証券としては株価がいくら上昇しても転換価額が20万4000円を超えることがないので、もしかしたら株式分割の効果による株価上昇は大歓迎かもしれない。このまま上昇が続き更に株価が高くなれば投資家に文句があるはずがない。通例ではMSCB発行後に株価を下げるので投資家から不満の声が上がる。今後の株価の推移次第ではあるが、初回転換時に20万4000円をはるかに上回っていればライブドア証券は誰にも文句を言われることなく”濡れ手に粟”の大儲けとなるが・・・?そうなれば株式分割とMSCBを組み合わせた絶妙の戦略と言うことのなるが、果たしてそううまく行くかどうか・・・?

 
ACCESSの株価は3日ぶりに上昇に転じ、終値は前日比4万円高の232万円で取引を終えている。前場午前10時過ぎに237万円まで上昇したものの、その後勢いがなく尻つぼみに終わった。昨年5月26日の株式分割(1:5)後に最高値338万円をつけたが、今日時点では106万円も下落している。ここには500億円もの巨額のMSCBがある。発表後1ヶ月経過したが未だに500億円の使途が明らかになっていない。何故発表しないのだろうか?それでも投資家は何かあると信じて株価を押し上げている。

 2005.07.02

 プラネックスは6月30日に株式分割したばかりで子株拘束されている。子株拘束中は需給が逼迫し、株式分割後に株価上昇の可能性が極めて高い。実際プラネックスの株価は分割後急上昇モードに入っている。子株拘束期間中、即ち需給が逼迫している内にMSCBを株式転換し高値売却を目論むかもしれない。株式分割、そしてMSCBで暴利を貪る悪質な手口・・・何せあのライブドア証券が引受け先、この位のことなんぞ平気でやりかねない。その先には株式の希薄化、株価下落の罠が待っている・・・?

 子株拘束期間中にMSCBの転換株式の売りがあったとされる事例としては「シーマ」が挙げられる。この事例を見ると如何に悪質な行為がなされたかよく分かる。そのあまりのひどさに呆れ果ててしまう。2005年1月26日に株式分割(1:101)後に110円位まで上げたが、その後あっと言う間に10円台まで急落し昨日の終値は18円となっている。MSCBの引受け先から大量の売りを浴びせられて暴落したとのこと。特定の第三者への利益供与がはっきり見てとれる。

 今年2月4日JASDAQはシーマに対して適切な情報開示がなされていないとして監理ポストへの割当てが通告した。これは特異な例かもしれないが、不正行為がなされたら一般投資家はひとたまりもない。欲に目が眩んだ悪い輩が何をしでかすか分からずない。常に監視の目を光らせて不正行為を未然に防止しなければならない。株式分割、特にライブドアやシーマに見られる1:100級に大型分割には要注意で、不正の温床でありやはり何らかの法規制をしないとまた同じことが繰り返される。

 2005.07.03

 堀江氏が代表を務める映画配信会社「ブロードバンドピクチャーズ」が、500円で映画を鑑賞できる映画館『ファイブコインズ・シネマ(BBP)』(80席)を山形に開館した。BBPは昨年約30本の映画を制作し、インターネットなどで公開している。映画館ではBBPが今年制作する映画50本を上映する予定で、今後映画館を横浜、札幌など全国20ヶ所に展開する予定としている。

 こんな風にあちらこちらに投資はしているが、今まで出てきている材料はどう見ても小物ばかり・・・約1470億円の巨額の増資に見合うものとはとても言えるものではない。ロシアに行ったのは堀江氏のお好きな”宇宙ビジネス”?などの声も聞こえてくるが・・・?堀江氏が国内で簡単に大物をGetできるほど状況は甘くない。すると海外・・・?お得意のPerformanceだけではいつまでも通用するはずがない。堀江氏のシンパもいるが反発している方も多くいる。フジテレビとの騒動で大言壮語したわりには結果的に狙いに対しては尻つぼみに終わり、単なる”グリーンメーラー”とのイメージが堀江氏には憑いて回っている。果たして堀江氏の行く末は如何に・・・?
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