2006.4.10
松坂屋の株価は3月8日の終値896円と一時元気を失っていたが、3月下旬以降元気を盛り返し1000円台を回復している。3月30日『2006年2月期の配当予想を7円50銭/株(前回予想では7円)に上方修正(こちら 参照)』を発表したことが好感を持たれている。2005年2月期の期末配当は5円であり、今期は50%増しと大きく伸びている。今後「設備投資やキャッシュフローの水準を考慮しつつ配当性向30%程度を目処に業績に連動した利益配分を行なう」としている。『株主への利益還元の充実(重視)の姿勢』をより明確に打ち出していると言える。
ここは村上ファンドが筆頭株主であり、2月には経営陣による自社買収(MBO)や従業員による自社買収(EBO)を提案している。今回もまた例によって村上ファンドが裏で増配を要求したのかもしれない。ところで松坂屋が発表した『2006年2月期 第3四半期財務・業務の概況(連結)』によると業績は順調に推移している。その様な状況からすれば今回の配当の上方修正は無理に背伸びしたものではない。これが村上ファンドの身勝手な要求であれば腹も立つが、企業の株主重視の姿勢の表われであれば何も問題はない。どこぞの誰かの如く「会社は株主のもの」と大口を叩く一方で内部留保が重要として配当を出すつもりのなかった某”●●”とは話が違う。無論企業の経営者は株主重視と共に全てのステークホルダーを意識して経営に当たらなければならない。そうでなければ自壊の道を歩むことになる。
ライブドア・マーケティングは(アジア物産保有株式を含め)保有するセシール株式全てをライブドアに譲渡すると発表した(こちら 参照)。LDは発行済み株式の60.46%(2439万3600株)を202億4892万9000円で取得する。とは言ってもLDMに現金が入る訳ではない。セシール株式を取得する時に300億円をLDから借り入れているが、売却代金を一部期限前返済に充当するので現金は全く手に入らない。それどころか約97億5000万円不足している。言い換えればLDMはセシール株価の下落で大きな損失を被ったことになる。残りについても期限前弁済するとしている。LDMは子会社ミクプランニングの株式18万8000株を日本綜合地所に売却するが、売却代金全てを返済に充てると思われる。但し譲渡価額が未定で売却額が確定せず不足額を全て賄えるかどうかは分からない。何にせよ子会社の切り売りで借金返済とはLDMの先行きはかなり厳しいと言わざるを得ない。
提出期限ギリギリの今日平成電電はドリームテクノロジーをスポンサーとする再生計画案を東京地裁に提出した(こちら 参照)。とは言っても期限内に提出しただけで認可された訳ではない。問題は中身・・・再生計画案の内容が全く分からず現時点では何とも言い様がない。但しスポンサーがドリテクでは何とも頼り甲斐がない。果たして東京地裁が満足する再生プランを提出出来たのだろうか?東京地裁の判断が注目される。判断結果次第ではドリテク、平成電電の行く末が大きく左右される。
先週末バーテックスリンクから”三行半”を突きつけられたアドテックスから反論が出ていない。言いたい放題ボロクソに言われても沈黙を守っている。アドテックスには最早余力が無く反論する元気が出ないのだろうか?ゆびとまの前田氏なる怪しげな人物が社長として乗り込んでいるが、最大の問題「資金調達」の目処はあるのだろうか?VLIから縁切りを宣言され、新たなスポンサーを見つけなければ”The
end”の可能性が高い。このままでは債務超過で上場廃止、更にはその先の”■■”が迫り来る。
2006.4.11
金融庁の監督局長の私的研究会「証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会」にて『証券会社が企業から新株発行などを引き受ける際の審査基準に関し規制を強化すべき』との意見が大勢を占めた(こちら 参照)。同時にIPOについても同様に問題提起している。企業の資金調達の有力な手段としてMSCBが活用されることがよくあるが、株式の希薄化など投資家が不利益を被る”負の側面”を有している。既存株主に不利益を被らせて平気な顔をしている厚顔無恥な経営陣が許せないのは当然として、手数料収入などにより容易に利益が得られる証券会社が安易にMSCBを引き受ける姿勢にも問題がある。懇談会では『証券会社がMSCBを引き受ける際の目的確認など審査の厳格化』を求める声が相次いでいる。「引受審査の強化」との当たり前のことを言っているだけだが、怠惰な人種に対しては明文化しなければ効果がない。近々「日本証券業協会にルール整備を求める」としている。
平成電電設備と平成電電システムは『平成電電再生計画案についてのご報告』をウエブサイト上で公開した。開示によると「この度再生計画案に記載されているのはあくまで再生債権としての弁済にかかる弁済案」とある。再生債権者総数:2706名、確定再生債権総額:1347億310万9000円及び額未定とあるが、現時点では弁済率は1%程度と見込まれるとされる。弁済率が1%程度とは債権者からすれば到底納得出来る数値とは思えない。さてどうなるのだろうか?
今回は平成電電設備と平成電電システムが平成電電にリースしている通信設備に関する担保価値相当額の弁済(別除権弁済)についての記載は無い。別除権弁済分の金額は700億円を上回る(こちら 参照)。今後平成電電より算定額が別途提示されるが、果たしてどの程度になるのだろうか?算定額が多ければドリテクの負担増になる。一方算定額を抑制すれば平成電電設備と平成電電システムは黙っている筈がない。大揉めになり訴訟に発展する可能性が高い。何にせよこのまますんなり丸く収まるかどうか・・・波乱の要素を多く孕んでいるので先行き予断を許さない。
平成電電再生計画案が東京地裁に提出されたものの”期待外れ”との冷ややかな見方が支配的であり、ドリームテクノロジーの株価は全く反応せず大きく下落している。終値は前日比1000円安の1万8150円で取引を終えている。そもそもドリテクの様な大赤字の企業が再生スポンサーとは話が可笑しい。自分のところでさえ儘ならないのに破綻した他人の手助けとは片腹痛い。何でそんなところを再生スポンサーに選んだのか疑惑の目を向けざるを得ない。仮にドリテクが平成電電再生に失敗したとしても別に驚くべきことではない。今後どの様な展開になるか注目している。
セシールの株価が昨日のライブドアによる子会社化の発表を受け大きく反発した。終値は前日比82円高の785円で取引を終えている。別にセシールに画期的な出来事がある訳ではない。大きく反発している理由はライブドアの買値830円と高いことにある。確かに3月以降700円前後で推移していることからすればかなり割高に思える。LDMの損失幅を極力少なくする為の配慮?
かもしれない。同じグループの企業へのLDの思いやり・・・そんなに殊勝とは思えないが?それでもLDMは約97億5000万円をみすみす”どぶに捨てた”も同然と言える。それはともかくとしてセシールの株価は830円相当との思惑から買いが入っていると考えられる。とすれば明日は830円を目指す展開になるのだろうか?
2006.4.12
愈々ライブドア、ライブドア・マーケティングの上場廃止が明日となった。これでようやく世間を騒がせた”極めて不愉快な存在”が市場から消え去る。今や『ライブドア』と言えば”悪の代名詞”の如き存在でしかない。不正行為で世の中を愚弄したのだから追放処分は当然と言える。2度と市場に登場させるべきではない。ライブドア以外にも”拝金主義”の権化が我が物顔で世の中を跋扈しているが、そんな醜悪な輩も一刻も早く追放したいが・・・。ちなみにライブドアの終値は前日比6円高の101円、ライブドア・マーケティングの終値は前日比1円高の276円で取引を終えている。さて最終日の明日はどの様な動きになるのだろうか?そして終焉の値は如何に・・・?
昨日アドテックスは『資金調達に関わる業務委託契約解除のお知らせ』を開示した。VLIとの信頼関係を失い業務委託継続は困難として4月10日付けで契約解除とある。VLIが契約解除のお知らせを出してから4日後の開示とは間の抜けた感じしか受けない。VLIから”縁切り”を宣言されて仕方なく応対しただけ・・・。内容的にもVLIに言いたい放題言われたにしては何の反論も無く全く元気が無い。相手方よりも4日も遅れて開示するほどの内容ではない。また開示では『資金調達に関しては確定次第お知らせする』とはしているが、現時点の時価総額をはるかに上回る資金調達の目処があるとは到底考え難い。推察するにアドテックスは資金繰りの逼迫で”我が身の存続”を考えるのが精一杯であり他人と喧嘩する余力などどこにも無いと思われる。
ペイントハウスが求めている『上場廃止禁止仮処分申請』への最高裁の最終判断がそろそろ出る頃と思われる。東京地裁、高裁と相次いで却下されているが、恐らく最高裁でも却下されるに違いない。ペイントハウスの必死の抵抗にとどめが差される時期が迫っている。三菱東京UFJ銀行を相手取りデフォルト(債務不履行)状態の通告の無効確認を求める訴訟では東京地裁で却下され東京高裁に控訴している。こちらも最終的にはペイントハウスの敗訴の公算大と見ている。遅かれ早かれ上場廃止になるのは間違いない。JASDAQがどの時点でペイントハウスに上場廃止を宣告するのか注目している。
マルマンの株価は3月1日に1000円を割り込んで以来低迷していたが、今週に入り3日間の上げ幅75円と急激に動き出した。終値は前日比24円高の1040円で取引を終えている。どこを調べても何も材料は見当たらない。2本柱のゴルフ事業、健康食品事業もこれと言って業績好調との話も聞こえて来ない。暫く様子を見ないと分からないが、どこぞの誰かが仕掛けているのかもしれない。怪しい動きが感じられるので追跡して行くことにする。
2006.4.13
上場廃止当日の朝『USENによるライブドアの子会社化(あるいは完全子会社化)』、『解体/清算』と一斉に報じられている。USENがLD支援に乗り出した時点で子会社化にしても解体/清算についても既に有力な選択肢として上がっているので特別驚くべきことではない。報道内容を読むと一見すると尤もらしく記述されている。しかしながら現在USENが行なっているライブドアの資産査定の結果如何によっては両社の資本・業務提携がご破算になるとの大きなRiskが存在している。直接USENが支援に乗り出さずまずは宇野氏が手を差し伸べた事情もそこにある。報道される様な動きがあるのは事実には違いないが、現時点では不確定要素が多く断定的に結論を言える状況にはない。
LDの関係筋からリークされた情報?と思われるが、いったい何の為に最終取引日直前に流したのだろうか?意図的に最終取引日にタイミングを合わせて情報を流した可能性が高い。LDの株価を吊り上げて高値で売り抜ける為の悪い輩の画策かもしれない。しかしながらLDの株価は最後まで踊ることはなく、終値は前日比7円安の94円で終焉の時を迎えた(こちら 参照)。USENの子会社化にしても解体/清算にしてもライブドアの株主にとってMeritがあるとは到底思えない。結局揺さぶりをかけるつもりで情報を流したところで煽られる方はいなかった。最早LDは”落ちた偶像(=過去の遺物)”でしかない。名実共に表舞台から消え去るのは何時のことだろうか?
昨日ライブドア・マーケティングから『2006年12月期(速報値)について』が開示された。決算書類の押収で未だに正式の決算発表出来ないでいるが、一時会計人の会計監査を経てようやく業績速報値の報告にまでこぎつけた。しかしながら今更2006年12月期の業績が分かったところでどうにもならない。今年1月の”ライブドア”事件以降ライブドア・マーケティングは事件当事者として社会的信用はゼロに等しく、業績を云々するところではなく企業存亡の危機に置かれている。9月1日に社名を「メディアイノベーション」に変更することを発表しているが、『ライブドア』の陰を消し去ったところで”お先真っ暗”に変わりはない。”身から出た錆”と言えばそれまでだが・・・。
同日LDMは『資本準備金の減少に関するお知らせ』を開示している。4月27日開催の株主総会での決議を経て資本準備金65億1514万2000円の内20億円を取り崩すとしている。商法289条第2項の規定により、株主総会の決議により資本準備金及び利益準備金の合計額から資本の1/4に相当する額を控除した額を限度として取り崩すことが出来る。開示にはもっともらしく資本準備金減少の目的が書かれているが、早い話が業績悪化により資金が底をついて来たので(通常何事もなければ手をつけない)資本準備金を取り崩す事態に追い込まれている。この先苦しくなれば更に資本準備金を取り崩すこともあり得る。それでもまだ食い潰すだけの資金が残っていればまだマシだが・・・。さて?
LDMの株価は最後に花火を打ち上げて少々賑やかに終焉の時を迎えた(こちら 参照)。最後の3営業日で60円上昇して結局310円で全ての取引を終えている。ここはLDよりはるかに危ういにも関わらず最後の最後まで買っていた方々はいったい何を目論んでいるのだろうか?中には永久保存用の記念品として手元に株券を置かれる方がいるが、それ以外の方々はどうしようとしているのだろうか?再上場の可能性どころか、企業存続の危機となれば株券は”紙屑”と化す危険が大きい。さて・・・?
『村上ファンド保有の阪神電鉄株式の受け皿として阪急ホールディングズ(旧阪急電鉄)が浮上』と朝日新聞が報じている。『阪急が買取る場合はTOBになる見込みで村上ファンドの同意があれば成立』とある。この様な報道があるとまずは当事者は否定することになっている。今回も両社共に一応否定しているが、”火の無いところに煙立たず”の例えの如く水面下での接触があるとしても別に可笑しくはない。
どこが買取るにしても最大の問題は村上ファンドからの取得価格の設定にある。村上ファンドは阪神電鉄株式買占めに総額1200億円以上、1株当たり700円程度で取得している。今日時点の終値は前日比12円高の996円で取引を終えている。利益を最大限確保する為に村上ファンドは極力実勢に近い価格での売却を目論む。目論見どおりになれば村上ファンドの保有分全てを取得するには2000億円程度の巨額資金を必要とする。1000円前後で推移している阪神電鉄の株価について「村上ファンドの買占めにより企業価値をはるかに上回っている」との見方が強い。取得する立場としては買取っていきなり含み損を抱える破目に陥っては自社株主から責任を追及されるのは必至・・・。複数の企業による取得も考えられるが、村上ファンドと取得価格で折り合いをつけるのはかなり困難と見ている。
アドテックスは東京地裁に対し民事再生法の適用申請を行ない事実上倒産した(こちら 参照)。資金繰りの悪化から遅かれ早かれこの状況に至ることは充分に予想出来た。負債総額は2月28日時点で約149億5183万円に達する。今年初の上場企業の倒産となる。発表は大引け後でありそれまでは通常の市場取引が行なわれていた。終値は前日比50円安の3130円で取引を終えている。
この事態を受け大証はアドテックスは即刻整理ポスト割当てを決定した。5月14日には上場廃止されるが、事実上倒産した企業の株式取引を1ヶ月間も認めることには疑念がある。整理ポスト割当後には時として可笑しな”お祭り騒ぎ”になることがある。今回の様な場合は混乱を防ぐ為にも即刻上場廃止にしても問題無いと思われるがどうなのだろうか?『速やかに上場廃止すべき事情が発生した場合は整理ポスト割当期間及び上場廃止日を変更』とあるので、事情が変われば即刻上場廃止の可能性もある。
2006.4.14
アドテックスは昨日東京地裁に民事再生法適用申請を行なっているが、開示によると一昨日の取締役会の決議を経て昨日13時に申立てをしている。この時間経過を頭に入れて昨日のアドテックスの株価推移を見て頂きたい。東京地裁への申立て直後の13時30分頃から20分ほどの間に出来高を伴って株価が急上昇している。明らかに不自然な動きに見える。もしかしたら「取締役会決議、あるいは東京地裁への申立てを事前に知り得た輩が売り抜けを図ったのでは?」との疑念が浮かぶ。仮にインサイダー取引があったとすれば悪質極まりない。株式投資に詳しい方によると「出来高急増はボロ株の特徴で驚くほどのこともない」とのこと・・・。果たして真相はどうなのだろうか?
昨日ライブドア株主被害弁護団はLD、LDMの法人2社と前社長の堀江氏など旧経営陣5名を相手取り5月末にも損害賠償請求訴訟を起こすことを明らかにした。粉飾決算に関与した港陽監査法人や担当した公認会計士への請求も合わせて検討している。原告:約1000名超、損害賠償請求額:40〜50億円の大規模な訴訟になる見込みとされる。難しい訴訟が予想され裁判の行方は予断を許さない。
被害認定の要件の判断が難しく最終的にどの程度の損害賠償が認められるのか分からない。2004年施行の改正証券取引法の「投資家保護規定」には『株式発行企業や監督官庁などが有価証券報告書などの虚偽記載の事実を公表した日を基準として前後1か月の平均株価の差額分を損害額として賠償請求出来る』とある。ここで問題になるのが『事実の公表日』・・・今までに判例が無く解釈も分かれている。弁護団は東京地検特捜部が強制捜査に着手した1月16日と見ている。しかしながら東証の上場廃止決定日の3月13日とする説、更にはライブドアが公式に虚偽記載を認めていないことから「事実の公表日が存在せず」とする説など諸説ある。最終的には最高裁の判断に委ねられるに違いない。
ライブドアの如き悪質な事案には制裁を加えなければならない。不正行為による利得は全て吐き出させなければ筋が通らない。フジテレビ、そして個人投資家からの損害賠償請求・・・最終的にライブドア(堀江氏など旧経営陣含む)はどれ程支払うことになるのだろうか?アメリカには懲罰的賠償があり”目が飛び出る様な”巨額の支払い命令が出されることがある。(そこまでは行かなくとも)事件当事者には”2度と立ち直れない”位の制裁を科したいところだが・・・。果たしてどうなるのだろうか?
松坂屋の茶村取締役専務執行役員は昨日の記者会見で『村上ファンドが2月末時点で主要株主名簿から外れた』ことを明らかにした。村上ファンドは昨年12月末時点では5.46%保有の筆頭株主となっている。今日松坂屋が開示した『当社大株主の状況について』には村上ファンドの名は無い。欄外の注意書きには「当社として期末時点に於ける村上ファンドの所有株式数の確認出来ていない」とある。昨年12月末に村上ファンドが提出した大量保有報告書には明確に記述されているのにも関わらず、松坂屋が4月中旬になっても未だに所有の実態を把握していないとは解せない。
村上ファンドから大引け後に大量保有報告書が提出され、3月末時点での松坂屋株式の保有状況が明らかになった。何と保有比率が5.46%→7.52%に増加しているではないか。とすると昨日の松坂屋の茶村氏の記者会見での発言はいったい何?と訝しく思う。村上ファンドが「持っている」と言っているにも関わらず、松坂屋が筆頭株主の所有株式を確認出来ていないとは到底信じ難い。村上ファンドが公式の報告書で嘘を付くことはあり得ない。松坂屋の決算締めは2月末・・・松坂屋の主張通りとすれば村上ファンドは次回の株主総会に於ける議決権が無いことになる。まさか名義書換えがなされていない?村上ファンドがその様な不手際をするとは思えない。いったいどうなっているのだろうか?
2006.4.15
昨日大証はアドテックスの呼値の制限値幅の撤廃を決めた(こちら 参照)。4月17日以降初めて約定する日まで通常の値幅制限は適用されない。どこかで寄り付けばそれ以降通常の値幅制限に戻る。呼値を行なうことができる値段は1円〜1万円とある。つまり初めて取引が成立する時点の株価は1円から1万円の幅がある。「1円売り特別気配を表示したまま午後立会の終了時間を迎える場合にはいわゆるストップ配分が適用されることがある」とあるので、最悪の場合はいきなり株価1円で取引を終えることがある。そこまで行かなくとも通常ではあり得ない(とてつもない安い)価格で約定することも想定される。何やら恐ろしい話だが、4月17日以降初めて寄り付く時点の株価は如何ほどだろうか?
アトテックスに同じく呼値の制限値幅撤廃措置を受けた例として白アリ防除、ゴキブリ・ネズミ駆除大手「キャッツ」がある。キャッツは経営者逮捕で信用不安が表面化、2004年2月23日に民事再生法適用を申請した。同日東証は整理ポストに割り当て、更に呼値の制限値幅撤廃を決めている。上場廃止までの株価の推移をご覧頂きたい(こちら 参照)。東証が呼値の制限値幅撤廃を決めた翌日に凄まじい大暴落が起きた。その後100%減資→再生スポンサーへの第三者割当増資の道を歩み、(企業としては存続しているが)旧株主の株券は全て”紙屑”との悲惨な運命を辿った。結局アドテックスも(再生スポンサーがついたとしても)キャッツと同じ運命を辿る可能性が高い。まずは4月17日アドテックスの株価がどうなるか非常に興味深い。
フジテレビのニッポン放送株式のTOBを実施した時、東京電力が当時の実勢より安い価額で応じて損害を出したとして東電の株主2名が東電経営陣を相手取り1億円の賠償を求めていた。一昨日東京地裁は「重要な取引先であるフジグループと良好な関係を維持する目的からすれば、TOBに応じた判断が著しく不合理とは言えず取締役の注意義務には違反していない」として原告の請求を棄却した。言い換えれば「単に金銭関係のみで是非を判断するのではなく企業間の信義を重視した」と言える。ところで今となっては古い話ですっかり頭から抜けていた。「こんな訴訟もあったなあ」程度の感じでしかない。
三菱UFJ信託銀行など信託銀行が上場企業の株主を突き止める「株主判明サービス」がここに来て急速に注目を集めている。ニッポン放送乗っ取り騒動以降各企業は敵対的買収への対応を迫られている状況の副産物とも言える。今の世の中ではいつ何時何が起きるか分からない。言い換えれば状況の変化がもたらすビジネスチャンス拡大の一つの例とも看做せる。さて買収防衛の為の「マニュアル」作成サービスと併せて依頼する企業もあると言う。東京都内のある老舗上場企業は三菱UFJ信託銀行と協業で「敵対的買収に備えるためのマニュアル」を作成中であり、同時に「株主判明サービス」を依頼している。その企業の関係者は「敵対的買収に遭遇することを考えれば手数料が高くても惜しくはない」としている。この様に各企業は様々な形で敵対的買収への備えを築いている。
4月10日セシールは東証より上場廃止猶予期間入り銘柄に指定された(こちら 参照)。LDがLDM(アジア物産含む)からセシール株式を買取ったことにより少数特定者持株比率が75%を超え上場廃止基準に抵触した。今年12月31日までに少数特定者持株比率を75%未満に抑えることが出来なければ上場廃止になる。LDとしても上場廃止は何とかして回避したい。そこでLDが友好的な企業(例えばUSENなど)へのセシール株式の一部売却で対応する可能性がある。Time
Limitまであと8ヶ月・・・対策を執る時間はまだ充分にある。
LDMからLDへセシール株式が830円/株で売却された事実が明らかになり、セシールの株価は4月12日には様々な思惑が蠢き一時827円まで上昇した。どこぞの誰かが点けた提灯の効果適面・・・4月11日、12日には踊らされた方々が蟻の如く群がり出来高が急増した(こちら 参照)。舞い上がったところに冷や水が浴びせられ4月13日、14日連続の下落で735円まで逆戻りした。
元々LDMからLDへの売却価格830円/株が不自然であり極めて作為的にしか見えない。何か裏事情があって実勢をはるかに上回る設定がなされたと考えられる。となれば株価が700円近辺に逆戻りしても何の不思議もない。
明日の高知競馬第8R『救世主ホリエモン特別E 選抜馬(ダート:1300m)」に『ホリエモン』が連闘で出走する。直近の4戦は全て2着以内(1着2回)と好調を持続している。先週日曜日に5勝目、そして明日は6勝目となるのだろうか?先週よりは対戦相手がかなり強くなってはいるが可能性は充分にある。
2006.4.16
ライブドアは上場廃止になった為情報開示の義務は無い。しかしながら失われた信頼の回復を目指して自社サイト上で「上場企業並みの開示義務を果たす」としている。今まで旧経営陣による不正な情報開示で世の中を欺き続けたツケはあまりにも大きい。ライブドアが非上場であっても適切な情報提供は企業として当然の責務であり、当然のことを行ったところで容易に信頼回復は望めない。平松新体制になり堀江色は一掃されたが、激しく傷ついた『ライブドア』ブランドの下では再生は困難に思える。結局は生き残るにしても『ライブドア』の痕跡を残さずに全く別な形になると見ている。
米外資系投資ファンドの「The Baupost Group, L.L.C」が4月14日提出した大量保有報告書により、上場廃止決定後もLD株式を買い増していたことが明らかになった。3月14日時点では発行済み株式の6.72%保有していたが、最終的には8.19%(8593万2196株)に増加している。保有目的は「純投資」とあるが、いったい何を目論んでいるのだろうか?ここ以外にも複数の外資系投資ファンドがLD株式を保有している。上場廃止になる株式を無闇に買う筈が無い。現在開示されている財務情報に基づきLDが清算された場合の1株当たりの価値を試算するとLD株価を大きく上回る。それを期待しているのだろうか?あるいはUSENとの株式交換などを想定しているのだろうか?何にせよ外資系投資ファンドの存在は気味が悪い。
一昨日ライブドア・マーケティングから『子会社の株式譲渡に関する条件決定のお知らせ』が開示された。子会社とはミクプランニングのこと・・・譲渡価額30億円(15957円/株)で日本綜合地所へLDM保有の全株式が売却される。この30億円はLDへの借金返済に充当される。過日のセシール株式譲渡価額202億円と合わせても68億円ほど不足している。となるとまたもや子会社の売却・・・?ちなみに現時点でのLDMの子会社はウェッブキャッシング・ドットコム、カスタム・クリック、ペパーワークス、ライブドアビジネスソリューションズの4社・・・。仮に売却したとしていったい幾らになるのだろうか?もしかしたらLDMは既に債務超過状態に陥っているかもしれない。
新日本無線株式を巡る日清紡とのTOB合戦に敗れた村上ファンドが撤退するどころか逆に買い増していることが明らかになった。4月14日に提出した大量保有報告書によると5.48%→7.31%(286万2000株)に増加している。昨年12月には日清紡が過半数超を取得し子会社化している。その時点で村上ファンドは撤退するのかと思っていたが、依然として保有しているのは何故だろうか?どうせ意地汚い”守銭奴”のやることだから悪しき了見があるのに違いない。
高知競馬第8R「救世主ホリエモ特別E4 選抜馬(ダート:1300m)」に『ホリエモン』が出走した。好スタートから2、3番手を進み直線粘ったが「カシマシンドウ」に2馬身1/2差及ばず2着に敗れた。四角を回り脚色が一杯になったが辛うじて踏ん張った。これで5戦連続2着以内(1着2回)と安定した成績を上げている。近々6勝目は固いと見ている。