2006.7.

 6月30日
LDは『2006年9月期中間決算のお知らせ』を開示した。LDオートが連結対象となったことにより売上高(連結ベース):824億3400万円(対前年同期比:174.5%増)、経常利益:80億7700万円(対前年同期比:162.%増)、当期純利益:11億5900万円(対前年同期比:37.6%減)となっている。当期純利益の減少は西京銀行と準備を進めていたInternet専業銀行の設立断念による特別損失67億円が大きく響いた。それでも単に数字だけ見れば先の見通しはまだまだありそうにも思えるが・・・。ところが現実はそう簡単には行かない。

 ”ライブドア事件”発覚が1月16日であった為に業績への影響はまだ小さいが、
今後益々事件の後遺症がボディーブローの如く効いて来る。”ライブドア・ブランド”の著しい信用失墜でLDグループ企業は軒並み売上高が落ち込んでいる。またLD本体もポータルサイトの広告収入などの激減により前年同期比:33.5%の減収、赤字幅拡大と惨めな状況を呈している。現状のままではLDグループ全体の売上高が増加する状況は到底考えられない。それにLDオートの売却方針などグループから離脱する企業が出て来ることによる業績へのマイナス要素の影響も大きい。USENとの資本・業務提携も先行き不透明でどうなるか分からない。開示の中で「事業の再構築等不確定要素が多く、通期業績予想の公表は大変困難」としている。確かに現状で数値を出したところで全く意味が無い。何にせよいずれLDは消滅すると見ている。

 2006.7.

 今日
ペイントハウスはJASDAQの上場廃止処分の無効確認請求を東京地裁に提起した(こちら 参照)。6月8日に起こした上場廃止の効力停止仮処分申請の本訴に当たる。あくまでも抵抗する意思表示だが、今週中に出ると思われる仮処分申請が却下されればJASDAQの上場廃止処分は執行される。今までの経緯からしてペイントハウスの言い分が通るとは考え難い。となれば予定通り7月9日には上場廃止となる。上場廃止後に本訴で争うことになるが、ペイントハウス経営陣は本気で勝ち目があると思っているのだろうか?取り敢えず東京地裁の仮処分却下の判断が出れば本訴での勝訴の可能性は益々皆無となる。こんな醜悪な企業には早く司法によるとどめを刺して頂きたい。

 2006.7.

 昨日JASDAQはペイントハウスの訴訟に対してコメントを発表した。開示の中で「
証券市場信頼性確保、及び投資者保護の観点から必要と認められる主張を行ない適切な対応をとる』としている。その上で上場廃止基準に抵触したペイントハウスは7月9日に予定通り上場廃止と念押ししている。ペイントハウス経営陣の傲慢、かつ不遜な態度には断固たる措置で対抗するのは極めて当然と言える。ペイントハウスの唯一の頼みの仮処分の決定はまだ出ていない。

 ドリームテクノロジーは池田社長が6月Bloombergに出演した時の動画配信をサイト上で公開した。池田氏がいろいろ話をしているが特に目新しいこともない。何故今この時期に公開したのだろうか?低迷している株価対策なのだろうか?ドリテクは「将来の見通しはついている」ことを強調したいと見える。池田氏は自社の株価低迷について「良い会社の株式を安く買えるチャンス」などと述べている。今日の終値は前日比300円安の7670円で取引を終えている。これを高いと見るか、安いと見るか?とにもかくにもまともな感覚の方なら手を出すこべきではない。

 2006.7.

 今日ターボリナックスは『2006年12月期中間の業績予想(売上高)の修正のお知らせ』を開示した。開示によると中間期の売上高(単体):3億2400万円、前回予想(2月7日発表):8億1900万円と比較して60.3%減と大幅に下方修正となっている。前年同期の実績は5億4200万円と比較しても大幅に下回っている。今回は集計中として示されていない経常利益、当期純利益も当然大幅に下方修正される。下方修正の理由は明らか・・・”ライブドア事件”の悪影響をまともに受けている。取引先から新規案件の開始時期延期通告を受けたとある。LDグループの一員として信用が著しく低下したことにより営業活動は極めて困難になっている。結局LDグループから離脱しなければ先の見通しが開けないと見られる。

 ターボリナックスの株価は6月29日、7月4日のストップ高と妙な動きがあり、上がる理由が何ら無く怪訝に感じていた。恐らくどこぞの誰かが裏で仕掛けたと思われる。今日の終値は前日比4000円高の16万3000円で取引を終えている。今週3営業日で2万6000円上げたが、明日は業績の大幅な下方修正を受けて大きく株価を下げることが予想される。ところでここは親会社LDとの関係をどうするのだろうか?USENとの絡みで様子見を決め込んでいると見られるが、手遅れにならない内に早く態度を決めた方が良いと思うが・・・?このままではジリ貧になることが目に見えている。

 
Yozanは50億円のMSCB発行を発表した。Yozanは繰上償還を行なったため新たな資金調達が必要となっていた。調達資金の用途は社債の返還資金、及び運転資金となっている。とは言っても運転資金に充当できるのは僅かに1億9000万円に過ぎない。台所事情の苦しさがここにも現われている。借金返済の為のFinanceではどうにもならない。早い話が”自転車操業”とでも言うべきか・・・。

  MSCB引受け先はケイマン諸島にある投資会社「Marine Partners」で香港で募集が行なわれる。当初行使価額は8500円の設定だが、月2回計算対象期間のVMAPの平均値の92%に修正される。但し行使価額の上方修正はなく、下限行使価額は当初価額の50%と定められている。さて今日の終値は前日比700円安の7950円と大きく下げて取引を終えている。今回のMSCB発行はどう考えてもマイナス材料・・・株価が明日以降どこまで下がるか注目している。

 2006.7.

 ターボリナックスの株価は昨日の業績下方修正を受けて予想通り大きく下げた。極度の業績不振では嫌気が刺されても当然と言える。前場寄り付きからストップ安(3万円安)売り気配のまま推移し、結局ストップ安比例配分(出来高:202株)で取引を終えている。営業活動がまともに出来ない状況では先細りが見えている。果たして”ライブドア事件”の影響は収束傾向に向かっているのだろうか?経営陣はどの様に対処するつもりなのだろうか?

 昨日
ドリームテクノロジーは『業績予想の修正に関するお知らせ』を開示した。2006年12月期の売上高(連結):76億円(前回予想:173億円)、経常損益:ー7000万円(前回予想:8億3000万円)、当期純損益:ー8億6000万円(前回予想:7億円)と大幅に下方修正している。日本テレコムへのマイライン業務譲渡などで6月以降通信業務の大幅な売上げ減少、更にマイライン業務譲渡の特別利益:10億円を上回る事業整理損失:18億円が下方修正の理由としている。平成電電の破綻時点で大きな影響が出ることは充分に予想出来たことであり、幾ら不確定要素が多いとは言っても前回の業績予想はあまりにもいい加減な代物としか言い様がない。今回の予想精度もどの程度確からしいのか疑わしい。最終的に今回の予想を更に下回ることもあり得る。

 通常これだけの大幅な業績下方修正があれば株価は大きく下落する。ところが呆れたことに
ドリテクの株価はストップ高(1000円高)の9010円をつけている。これこそ”三流株式”ドリテクの真骨頂???ただ単にマネーゲームの対象として売買が行なわれていることを如実に示す現象と言える。こんなところは市場にとり”百害あって一利無し”・・・。さっさと退場願いたいところだが・・・。

 今日
ペイントハウスは実質最終取引日を迎えたが、アドテックスの様な”●●”騒ぎにはならず惨めな終焉となった。終値はストップ安(50円安)の98円で取引を終えている。117億円踏み倒したペイントハウスには既に信用の欠片も残っていない。値幅制限がなかったら株価はどこまで下落したのだろうか?とにもかくにもこれで訴訟戦術で必死の抵抗を試みた醜悪なペイントハウスは市場から消えて行く。ところで予想通り東京地裁はペイントハウスの申立を却下した(こちら 参照)。「仮処分申立を認める理由は一切無し」と事実上門前払いを喰らっている。ペイントハウスは本訴で争うとしているが・・・主張が認められる可能性は皆無に等しい。

 2006.7.

 LD、LDMの株主1187人、法人13社が株価の暴落で損害を受けたとして堀江氏などLD旧経営陣に対し約62億円の損害賠償請求を東京地裁に起こした。既に一般投資家などによる集団訴訟は4件あり、今回の分を含めると原告数は約3100人、請求総額は約200億円に及ぶ。(どこかで触れたが)損害の認定を巡り難しい問題が多々ある。例えば被害者の認定、またどこを損害賠償算定の基点とするかなどなど・・・。LD現経営陣も堀江氏など旧経営陣に対する損害賠償請求を検討している。これらの訴訟の行方を注目している。

 さて昨年2月下旬からのLD追跡から始まり約1年4ヶ月ほど経過した。その間重点的に追跡したLD、LDM、ペイントハウスは上場廃止、アドテックスは民事再生法適用申請、堀江氏、村上氏は証券取引法違反で摘発との結果になった。近頃少々疲れが出ているので、暫くペースをスローダウンしながら監視を続けることを考えている。

 それでも気になるところには喰らいつく気持ちに変わりない。現在の
最大のTargetはドリーム・テクノロジー・・・胡散臭さは抜群であり目が離せない。次はYozan・・・資金繰りの大変さからすると場合によってはアドテックスの”二の舞”もあり得る。それにロータス投資事業組合が怪しげな行動で纏わり付いているサンライズ・テクノロジー・・・。もう一つ忘れてならないのが典型的な”●●●●”企業エフェクター細胞研究所・・・ここのあまりの酷さにはただ呆れるばかり・・・。LDグループ傘下企業の行く末も気になる。  こんなに気が多いのではスローダウンにはならない???

 2006.7.

 村上ファンド絡みの振込み詐欺事件が発生した。とは言っても村上ファンドは全く無関係だが・・・。7月6日午前9時頃茨城県神栖市在住の70歳女性宅に男の声で「村上ファンドに融資してお金を損してしまった。今日中にどうしても100万円を返さなくてはならない。助けて!」と電話があった。女性は県内在住の甥に声が似ていたので名前を出して確認すると電話の主は「そうだよ」と答えたと言う。言われるがままに指定口座に100万円を振り込んでしまった。昨日甥と会って初めてコトの真相を知った。この女性は相手に対して実名を出して確認するとの致命的ミスを犯した。それに甥に事実確認しないままに振り込んだのも拙かった。それはともかく振り込め詐欺事件に村上ファンドの名を使うとは・・・いやはや・・・。

トップ アイコン
次の記事へ

トップ アイコン
やじ馬見聞録
トップヘ

トップ アイコン
前の記事へ

トップ アイコン
サイトトップヘ

言いたい放題