2006.9.11

 名証セントレックスに上場している半導体製造装置の中古品再生・販売を手掛ける
ノアが9月5日から5営業日連続のストップ高(今日の終値:6万1500円)と急に舞い上がったのには驚かされた。昨年9月7日に新規上場時には46万5000円の高値をつけたものの長期下落傾向が続いている(株価推移その6 参照)。8月11日には3万4800円(2月1日に1:2分割実施)にまで下げた。とにもかくにも公開価格(17万円)割れのテイタラク・・・それがここに来ての突然の連続ストップ高はいったい何故・・・?

 9月4日の大引け後にノアは『マーチプラズマシステムズ社製のプラズマ・クリーニング装置を販売開始』を開示した。開示によると米マーチプラズマシステムズ社のプラズマ・クリーニング装置の日本に於ける販売代理店契約を結び8月1日から販売を開始したとのこと。ノアではこの装置と既存商品と併せ半導体組立工程の顧客にトータルソリューションを提供することにより相乗効果が期待され、
2010年6月期には20億円の売上げが見込めるとしている。2006年6月期の売上高が約40億円からすれば20億円は大きい。今まで極度の株価不振に喘いでいたところに美味しい話が飛び出したので投資家が一斉に群がり”お祭り相場”を作り上げた。さて競争の激しい半導体業界でノアが目論む様な成果が得られるのだろうか?今のところノアの開示を額面通り受け取り株価上昇に繋がっているが・・・。”取らぬ狸の皮算用”になる可能性もある。さて・・・?

 名証セントレックスと言えば典型的な”★”株式のエフェクターが頭に浮かぶ。こちらも先週火曜日に思わせぶりなIRが出て2日続けてストップ高と威勢よく上昇したが・・・何せ信用のないエフェクターとあってはそんなものは直ぐに効果が消え失せる。今日の終値は前日比100円高の5万9000円で取引を終えている。以前も何やら怪しげなIRを出して煙に巻いたことがあるが、直ぐに馬脚を現わして結局は株価低下の連続となっている。さてノアはエフェクターよりはまだマシなのだろうか?

 2006.9.12

 昨日まで5営業日連続ストップ高との勢いがついていた
ノアが急停止した。前場9時40分頃にストップ高の6万6500円で寄り付いたが、前場取引時間中に5万9000円に急落後ストップ安(5000円安)の5万6500円で取引を終えている。この程度の材料で連続ストップ高となれば必ず反動が来てストップ安が待ち構えている。今日高値で取得した方は(手離していなければ)1万円の含み損となる。こんなところに手を出している方々はそんなことは百も承知に違いないが、それにしても”★”株式に手を出すのはRiskが大きい。さて明日からはまたもやノアの株価は超低空飛行・・・?

 ”★”株式の一つ
サンライズ・テクノロジーの株価の超低空飛行も長期間に亘り、今日の終値は40円を割り込み前日比1円安の39円で取引を終えている。今年1月4日の終値は113円・・・よくぞ下げたものと妙なところで感心する?ここには”疫病神”のロータス投資事業組合が纏わりついて怪しげな行動を繰り返している。それこそこんなところに手を出している方の気が知れない。どう考えても”金をどぶに捨てる”様にしか思えない。

 
アドテックスの再生計画案提出期限から10日以上経過しても未だに何の発表も無い。いったいどうなったのだろうか?何の発表も無いのは良い方向に向かっていないことを示している。こんなところに救いの手を差し伸べる奇特な方が出現するとは到底思えない。ギブアップも時間の問題・・・?

 2006.9.13

 今日
サンライズ・テクノロジーは『ビジネス・コンサルティング開始による協業のお知らせ』を開示した。開示によると「ヒューマンリソース事業にて主力となる生産工場系のアウトソーシング事業を開始するため東京ビジネス・コンサルティングと協業することで合意」とある。売上高:7000万円(見込み)とあるが、サンテクがこの程度の企業と手を結んだところで業績向上に貢献するとは到底思えない。場中の14時30分に開示されたが、株価は全く反応せず前日に変わりなく39円で取引を終えている。

 東京ビズネス・コンサルティングとは聞いたことがない。今年4月19日に資本金5万円で設立されたばかりでまだ海のものとも山のものとも分からない。開示には四半期ベースで(スピーディーな)実績を有しているとあるが、コンサルティング業界も競争が激しく甘い世界ではない。ところで株式会社としては資本金5万円とは随分少ないが・・・。2003年2月1日施行された(2008年3月31日までの時限立法)中小企業挑戦支援法により
資本金1円から会社(確認株式会社)設立可能となった(こちら 参照)。

 2006.9.14

 今日ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手の
ミクシィがマザーズに新規上場し投資家の関心を集めている。市場関係者には”ライブドア・ショック”以降冷え込んでいる「新興市場活性化の起爆剤になるのでは?」との期待がある。1999年6月東大出身の笠原氏が前身の「イー・マーキュリー」として設立、2006年2月にミクシィへ社名変更した。2004年2月に日本で初めてSNS開始後今年7月末には会員数が500万人を超えた。2004年3月期は売上高:3億300万円、経常利益:800万円、当期純利益:500万円だったが、2006年3月期には売上高:18億9300万円、経常利益:9億1200万円、当期純利益:5億7600万円と急成長している(こちら 参照)。更に2007年3月期は売上高:47億8900万円、経常利益:17億1900万円、当期純利益:9億8600万円と強気の予想を出している。

 さて今回もまた当初市場に出回る株式数が少なく、加えて投資家の人気が高いとあれば当然少ない牌の奪い合いになる。公募(新規発行):4500株、売出し(既存株式売却):2600株、合計7100株で発行済み株式の僅か10.07%に過ぎない。IPOではほとんどの場合新規上場後に急速に株価を上げ、その後ピークが過ぎてある程度のレベルに収束する。ミクシィの場合も公開価格155万円に対して初日には売買が成立せず315万円買い気配で始まった。
何時幾らで初値がつきどこまで上昇してどの辺りに株価が収束するのか注目している。果たして8桁に届くのだろうか?暫くミクシィの株価動向(株式推移その8)を追跡することにする。

 笠原氏は記者会見にて「大きな会社をM&Aしていくとは考えていない。本業を伸ばすためのM&Aとして、自社にない開発力をもった企業と組む可能性はある」と話している。新興のIT企業となれば墓穴を掘った堀江氏、無理な背伸びをしている三木谷氏などが思い浮かぶ。今のところ笠原氏はその辺りを意識しているのか慎重な発言となっている。しかしながら自ら立ち上げた企業を更に大きくする為にはどこかで同じ手法に頼る可能性がある。無限の成長などあり得ない。その様な状況に至った時笠原氏はどの様な対応をするのだろうか?堀江氏、三木谷氏などが反面教師(悪い手本)になると思うが・・・?

 2006.9.15

 本日休載。

 2006.9.16

 
USENはインテリジェンスの連結子会社化を発表した(こちら 参照)。USENの保有比率は37.2%で既に持分法適用関連会社となっていた議決権比率が40%を超えていること、更に財務諸表等規則に規定する支配力基準により子会社に該当(実質的にUSEN支配下にあると判断)するとしてインテリジェンスの連結子会社化を決定した。みなし取得日は7月1日・・・2007年8月期からインテリジェンスの業績がUSENの業績に上乗せされる。

 
USENの株価はここに来てまたもや急落している。昨日の終値は前日比34円安の964円と1000円を割り込んで取引を終えている。9月12日のUBS証券のリポートにてUSENに対する投資判断を「Neutral2(中立)」から「Reduce2(売り)」、目標株価については3060円から800円に引き下げたのが売りを誘ったと見られる。「Gyao」を新たに業績予想に織り込んだこと、ブロードバンド・通信事業の戦略転換を反映したこと、相次ぐ増資による発行済株式数の約50%増加などから現在の株価は割高と見ている。さほど業績が伸びていないのに発行株式数が増加すれば1株利益は当然減少する。無理に背伸びして増資→企業買収を繰り返し株価に悪影響を与えたLDに類似している。何やら怪しげな香りが漂う。

 9月14日上場の
ミクシィに上場2日目の昨日初値がついた。295万円で寄り付き一旦256万円まで下げたものの終値は312万円で取引を終えている。今期の業績予想から株価収益率(PER)を算出すると200倍を超える。2006年3月期の売上高:18億9300万円、2007年3月期の売上高(予想):47億8900万円と急成長が見込まれる。投資家の期待の高さが株価に表われているが、PERが200倍を超えるのは過度の期待とも考えられる。果たして適正株価はどの程度だろうか?週明けには何がしかは上昇するかもしれないが、どこかの時点でブレーキがかかり下落すると推察する。

 2006.9.17

 大相撲観戦の為休載。

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