2007.4.23

 冷凍食品大手「加ト吉」グループにて商品の動き無しの伝票上のみでの売買(=循環取引)が繰り返されたとして問題になっている。4月21日「加ト吉の外部調査委員会は2006年までの6年間で総額数百億円規模の循環取引を認定」と報じられている。事実とすれば粉飾決算の疑いが濃厚となる。東証1部上場の加ト吉は上場廃止の可能性が高い。投資家の信頼を裏切る不正行為が後を絶たないことに憤りを感じる。コンプライアンス欠如以外の何者でもない。インチキで業績が上がっていると見せ掛けたところで実態が伴っていなければ必ず不正は露見する。それでも不正に手を染めるのは経営陣の保身と言わざるを得ない。さて加ト吉の株式はこの報道を受け前場10時31分まで売買停止措置が執られた。 終値は前日比45円安の705円と大きく下げて取引を終えている。

 トライアイズ(旧ドリテク)の株価は真っ逆様に転落している。終値は前日比320円安の2985円と遂に3000円を割り込んで取引を終えている。何ら明るい材料が見当たらないだけに現状は非常に厳しい。何も出来ない”★★”な経営陣の醜態を曝け出している。4月25日には第2回平成電電債権者集会が開催される。そこでは平成電電保有のトライアイズ株式12万株の行く末が明らかになるかもしれない。さてトライアイズの株価推移を見ると同じ様に下落を続け遂には破綻したアドテックスが脳裏に浮かぶ。聞くもおぞましい”●●”に向かって突っ走るなんてことが起こるのだろうか?

 「
米投資ファンドローンスターが東京スター銀行株式を全て(発行済み株式の約67%)売却方針」と日本経済新聞が報じている。既に国内外の投資ファンド4社が買取りを望んでいるとされる。ローンスターが再生→上場により自らの任務終了と判断すれば投資回収の為に売却するのは当然と言える。事実とすればローンスターは3000億円を超える金額を手にすることになる。今回の投資でいったいどれだけの利益を得るのだろうか?ところで東京スター銀行の株価はこの報を受け14時15分過ぎから急激に上昇した。終値は前日比1万7000円高の41万9000円で取引を終えている。果たして明日も上昇するのだろうか?上がれば上がるほどローンスターの利益は膨らむことになるが・・・。

 2007.4.24

 昨日HOYAは『ペンタックスとの公開買付けに関する協議継続について』を開示した。HOYAは取締役会にてペンタックスの賛同を条件にTOB実施の方針を決議した。5月末迄両社の協議は継続するが・・・。果たして合併反対派のペンタックス経営陣はTOBに同意することがあるのだろうか?今までの経緯からすると話し合いが難航することが予想される。開示では一応ペンタックスの賛同を条件とは言っているが、あくまでもペンタックスが突っ撥ねた場合に黙って引き下がるとは考え難い。暗に脅しを掛けつつTOB同意を迫ると見ている。

 
日本テレビは『外国人の議決権割合に関するお知らせ』を開示した。開示によると外国人議決権の割合は19.99%に達している。電波法の規定により20%を超えた場合には免許取消となる。そこで放送法第52条の8第1項及び第2項に基づき外国人等からの株式の名義書換請求等による株主名簿への記載又は記録を拒否出来る。また同条第3項により議決権行使は制限される。

 この話を耳にしてふと感じたことがある。電波法、放送法の規定は外国人に対して厳しい。当然のことながら公共の電波を使って勝手なことをされたら困る。振り返って国内ではどこぞの極悪人は某テレビ局の乗っ取りを図った。今も他の極悪人が某テレビ局株式を20%超取得すると息巻いている。こんな
不逞の輩の横暴を抑制する為にも日本人株主議決権の割合を20%未満に制限すべきと考える。放置しておけば”●●”がいつ何時愚行を仕出かすか分かったものではない。

 2007.4.25

 明日シティグループによる日興CG株式のTOBが締切を迎える。みずほコーポレート銀行、トヨタ自動車等国内の大株主はTOBに応募すると見られている。しかしながら海外投資ファンド4社など外国人投資家の保有比率が65%とあってはTOBの成否は蓋を開けないと分からない。恐らくシティグループと外国人投資家間ではギリギリの段階まで激しい駆引きが行なわれるに違いない。シティグループが目標の50%を獲得出来るかどうか・・・。明日の結果の正式発表が注目される。ちなみに日興CGの終値は前日比1円高の1693円とTOB価格を下回り取引を終えている。TOB失敗の場合には株価はどうなるのだろうか?

 ペンタックスの筆頭株主
スパークス・グループはペンタックス経営陣の大幅刷新を求め株主提案を行なう。綿貫社長等合併消極派の解任、浦野前社長等合併推進派の選任を求める。ペンタックスの現経営陣の方針に不満を持つスパークスが圧力を掛けて来た。HOYAの後押しの狙いは何なのだろうか?資産運用会社としては出来るだけ高値で売却したい。そこで狙いはTOB価格の吊り上げ・・・?それはともかくペンタックスとしても筆頭株主の要求には何らかの対応を採らなければならない。定時株主総会迄残り約2ヶ月・・・HOYAとの経営統合を巡り激しい鬩ぎ合いは続く

 『
TBSは「東北楽天ゴールデンイーグルスを保有する楽天がTBS株式を20%超に買い増せば同一企業が複数球団の株式保有を禁じている野球協約に違反した状態が更に拡大するとの見解」を文書で楽天に伝える方針」と報じられている。更に「日本プロ野球組織(NPB)に対し楽天に制裁を課すよう求める可能性」ともある。TBSは横浜ベイスターズの株式の51・5%を保有、一方楽天は完全子会社が東北楽天ゴールデンイーグルスを運営している。TBSとしては楽天による球団の二重保有とのルール無視をこれ以上放置出来ないと主張している。落ち度を咎めるべく搦め手からも攻撃の火の手を上げたとも考えられる。果たして有効打になるかどうか・・・?

 それでは日本プロ野球協約の規定はどうなっているのだろうか?第19章「利害関係の禁止」第183条に「他球団の株式所有」がある。よく読むと但書きがなかなかの曲者・・・別な言い方をすれば曖昧な表現でどうにでも運用出来る。特に「他の球団との利害関係が客観的に認められない場合」とは具体性が全く無い。結局実行委員会、あるいはオーナー会議のメンバーの考え方次第でどの様な結論も導ける。実際にTBSが行動を起こした場合にどうなるのだろうか?

 2007.4.26

 中国本土の企業が日本の株式市場に初めて上場して話題になっている。中国でケーブルテレビ関連事業を手掛けるアジア・メディア・カンパニー・リミテッドがマザーズに上場した。かつて香港の企業が東証に上場したことがあった。公開価格640円に対し初値:672円で一時ストップ高(100円高)をつけたが、終値は752円と公開価格を17.5%上回って取引を終えている。昨今のIPOの不調を尻目に中国本土企業との目新しさから人気を集めている。格好の短期での利鞘稼ぎの標的と見ているのかもしれない。それにしても社会主義国家の企業が自由主義国家の市場に上場するとは・・・一昔前では到底考えられない時代の変化の大きさ/早さを痛切に感じた

 
シティグループによる日興CGへのTOBが今日締め切られた。果たしてTOBの成否は如何に・・・?明日午前にも結果が発表されると見られる。今日の日興CGの終値が1691円とTOB価格(1700円)を下回ったことから市場では「TOB成立」との見方が有力になっている。確かに終値がTOB価格を下回ったことでTOBに応じた方が有利と看做せるかもしれない。しかしながら勝負は下駄を履く迄分からない。TOB不成立の場合にはシティグループがTOB価格引上げ等条件変更による再TOB実施の可能性がある。

 2007.4.27

 
シティグループによる日興CGへのTOBが成立した(こちら 参照)。5億4119万6777株(発行済み株式の56.15%)の応募があり全て買い付ける(買付け総額:9200億3500万円)。完全子会社化を目指し残りの株式取得を検討中とある。TOB価格に不満を持つ海外投資ファンド4社は恐らく応募しなかったと見られる。全株式取得に向けてはこの4社の出方が鍵になる。とは言ってもTOB成立した現状を考えれば何時までも頑張り切れるものはないが・・・。

 ところで今回シティーグループが61.08%取得したことにより
2008年3月末の時点で少数特定者持ち株比率が上場廃止基準に抵触する可能性が高い。上場廃止になっては海外投資ファンド4社としても元も子もない。どこかで手を打つことになると思うが・・・。さりとてシティグループとしてもまさかTOB価格以上で買取る訳には行かない。どうなるのだろうか?ちなみに日興CGの株価はTOB成立を受け急反発した。前場開始早々一気に前日比89円高の1780円迄上昇したが、終値は前日比47円高の1738円で取引を終えている。果たして急上昇の意味は何ぞや?

 
楽天は自らの行動についてTBS株主に理解を求める専用HPを立ち上げた。楽天は株主提案の承認に向けてプロキシファイトを行なうと宣言している。有利に導こうとの魂胆以外の何者でもない。相変わらず三木谷氏は身勝手な主張を展開している。今更振り上げた拳の収めどころが見当たらず引っ込みがつかない。速やかに身を引いた方が身の為と思うが・・・。何時までどこまで突っ張るつもりなのだろか?ちなみに楽天の株価は前日比650円安の4万8500円で取引を終えている。

 2007.4.28

 昨日ダイナシティは『過年度法人税の発生に関するお知らせ』を開示した。ダイナシティは2001年3月期から5年間の法人税等に関して東京国税局から税務調査を受けていた。不動産仕入れに関わる支出についての指摘を受け修正申告を行ない8億2400万円を納付した。2007年3月期決算に与える影響は現在集計中としているが・・・。ちなみに前回の通期業績予想では当期純利益は23億4000万円となっている。今回の納付で赤字転落する訳ではないが・・・。国税からこの様な指摘をされると企業イメージには良い筈がない。ところでダイナシティの株価の下落傾向は止まらず遂に1万円を割り込んだ。昨日の終値は前日比50円安の9890円と惨めに取引を終えている。

 昨日
ブラザー工業は『定時株主総会に於ける株主提案について』を開示した。9.16%保有するSPJは2007年3月期の増配(20円→50円)を求めている。ブラザーは一応「内容を分析し判断する」とはしているが・・・提案に反対するのは確実と見られる。SPJはブラザー以外にも3社に増配要求・・・電気興業(15円→55円)、フクダ電子(80円→180円)、TTK(30円→43円)・・・を出している。いずれも株主総会での判断に委ねられる。増配は株主としては有難いが・・・一方で財務体質の脆弱化に繋がっては元も子もない。さてどうなるのだろうか?

 明日の高知競馬第11R『C
(ダート:1300m)』に「ホリエモン」が出走する。前走、前々共に見せ場無くズルズル後退して2回連続のブービー(9着)と大敗した。対戦メンバーを見ると前2走より相手がだいぶ弱くなっている。これで惨敗する様では先がおぼつかない。果たして如何に・・・?

 2007.4.29 (株価推移表は こちら

 今日は今年から「昭和の日」、去年迄は「みどりの日」、そして昭和天皇崩御迄は「天皇誕生日」。私の頭の中では未だに「天皇誕生日」のイメージが強い。平成になっても頭の中は依然として記憶装置の中身が更新されず古いまま・・・(笑)。このまま老朽化して朽ち果てては大変。冗談はさて置き今日は京都競馬場で天皇賞(芝3200m)が行なわれた。昨年の「ディープインパクト」の様な強力な本命不在では混戦が予想された。2番人気で昨年の2冠馬「メイショウサムソン」が直線入口で先頭に立ちハナ差で「エリモエクスパイア」を破り激戦を制した。スーパースターが圧勝するのも良いが毎年それではつまらない。どの馬が勝つのか手に汗握って見るのも面白い。

 高知競馬第11Rに出走した「ホリエモン」は勝った「ユウワンプjリンス」から1秒1離された7着に敗れた。先行したものの四角手前で一杯になりズルズル後退した。2戦連続の大敗に続き今回もレースっぷりがあまりにも悪過ぎる。どうやら調子が落ちているらしい。次の勝利は当分先かもしれない。

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