2007.5.7
不動産賃貸事業等を営むテーオーシーは経営陣によるMBOへの賛同継続を改めて表明した(こちら 参照)。テーオーシーに対し同社大谷社長が取締役を勤めるオオタニファンドが最終的には完全子会社化を念頭に800円/株でTOBを実施した。それに対し同社株式を約10%保有するダヴィンチ・アドバイザーズはTOB価格が安過ぎるとして1100円/株のTOB提案した。テーオーシーは1100円では上場廃止後の財務悪化は必至としてダヴィンチの提案を拒否した。それにしても800円と1100円とはあまりにも懸け離れている。果たしてどちらの主張が正しいのだろうか?
さて4月25日のダヴィンチの提案以降急騰・・・今日の終値は1047円とダヴィンチの提案価格近くで取引を終えている。今週末5月11日にはTOB締切を迎える。これだけ800円から乖離してはMBOへ賛同する株主が少ないことは容易に予想出来る。もしTOB失敗に終わった場合にはテーオーシーはどうするのだろうか?TOB価格を引き上げての再TOBはやり難い。一方ダヴィンチはどうするのだろうか?1100円での敵対的TOBに打って出るのだろうか?今後の展開が興味深い。
2009年1月の上場企業の株券電子化(ペーパーレス化)迄残り約1年8ヶ月となった。それ迄に証券保管振替機構への預け入れ手続きをしなければ株券は「紙くず」となり株主の権利を失う恐れがある。2月末時点で「タンス株(=株主が自ら保有する株式)」は約742億株あると言う。TVCM等で盛んに広報しているにも拘らず未だにこれほどあるとは驚きの念を感じざるを得ない。まだ期日迄時間的余裕があると思っているのだろうか?まさか知らない筈は無いとは思うが・・・。
2007.5.8
昨日楽天は来月開催のTBS株主総会に向け委任状獲得の為にTBSの株主名簿を閲覧した。自らの株主提案への賛同を働き掛けるものと見られる。楽天は株主総会との大舞台でどちらの主張が正当か問うつもりらしい。どこぞの”●●”が相変わらず勝手な論理を展開して傍若無人に振舞っている。3人の極悪人の唯一の残党には辟易とさせられる。かくの如き果たして大”●●”者にどれだけの株主が賛同するのだろうか?常識的に考えればそれほど多くない筈・・・。
昨日SPJはアデランスの買収防衛策阻止に向け委任状獲得に動き出した。5月24日の定時株主総会の前にアデランス株主約6300名へ委任状提出を求める書面送付を始めた。SPJは24.50%保有する」筆頭株主・・・果たしてどれだけの議決権を上乗せ出来るのだろうか?ところで議決権行使助言会社最大手の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズはアデランスの方針に賛成することを株主に推奨している。防衛策導入に否定的とされる外国人株主はどの様に対応するのだろうか?
2007.5.9
4月2日にJASDAQ、名証セントレックスに重複上場したユーナイテッド・テクノロジー・ホールディグスは5月1日セントレックスに上場廃止を申請した(こちら 参照)。上場後1ヶ月での上場廃止申請とは随分と早い。開示にはセントレックスの出来高がJASDAQと比較してあまりにも少ないとある。投資家がセントレックスの取引状況を見て実態を誤認する恐れがあるとしている。ユーナイテッド・テクノロジーの経営陣はセントレックスのテイタラクを知りながら何故重複上場したのだろうか?いったい何を心配したのだろうか?初めからJASDAQ一本で良かったと思うが・・・。とにもかくにもセントレックスと縁を切るのは正しい選択と言える。
ところで名古屋証券取引所は5月7日より東証に業務委託した株式売買システムの利用を開始した。これを機に立会時間を15分延長して午後3時30分に変更した。それにも拘らず昨日の名証1部の売買高は38万300株と5月2日よりも約27万株少ない。立会時間延長の効果が全く無い。名証への信頼が揺らいでいる現状では”身から出た錆”とは言え名証の見通しはかなり厳しい。
5月3日にトライアイズについて「典型的な”○○○○”株式のこと、週明けにはメッキが剥げ落ちて元に戻る」と記述した。早速昨日、今日と大きく下げて4000円を割り込んだ。今日の終値は前日比260円安の3950円で取引を終えている。元々”○○○○”決算による(見せ掛けだけの)黒字転換・・・言い換えれば本業が好調でプラスに転じた訳ではない。そんな状況で株価が急騰するのは極めて不自然・・・。ここには”葱を背負った鴨”が大勢群がっている。得体の知れぬ輩が陰で嘲笑っているのに違いない。それにしても何度も同じ手を喰らうとは・・・”学習能力の欠ける方が多い”のには呆れ果てる。
2007.5.10
昨日セコムは2007年3月期連結決算を発表した。開示によると売上高:6139億7600万円(前年同期比:8.2%増)、経常利益:1027億2000万円(同:6.3%増)、当期純利益:582億9900万円(同:10.0%増)と大幅な増収増益となっている。昨今の防犯意識の高まりによるセキュリティーサービス事業の好調さが大きく寄与している。また好決算を受け年間配当を60円→80円と増配した(こちら 参照)。ちなみにセコムの株価は好決算を歓迎して大きく上昇した。終値は前日比250円高の5750円で取引を終えている。余談になるが我が家ではセコムのセキュリティシステムを11年前に導入して何某かの年間保守料を支払っている。株主への還元に加えて顧客への還元も考えてくれると有難いのだが・・・。
「ローンスターが東京スター銀行を国内ファンドのアドバンテッジパートナーズに売却する方向で最終調整」と報じられている。ローンスターは最大で東京スター銀行株式の全て(発行済み株式の68%)を売却する方針とある。既に先月からローンスターが売却先選定作業開始と伝えられていた。、外資系を含むファンド4社が買収に名乗りを上げ最終的にアドバンテッジが優先交渉権を得た。両社の交渉がまとまれば金融庁の認可を得てアドバンテッジがTOB実施により東京スター銀行を買収する。
昨日この情報が流れたことで今日の東京スター銀行の株価がどの様に動くのか注目していた。前場寄付きでは前日比3000円高で始まったもののその後は冴えず下落に転じた。終値は前日比3000円安の41万4000円で取引を終えている。投資家に買い意欲をそそる様な魅力的な話では無いと言ったところか・・・。それにロイターの報道には「ローンスターは1次入札では45万円程度の売却価格を提示したが、これまでの交渉で40万円程度に下げた模様」とある。これでは投資家が買う気がする筈が無い。。
現行のTOBのルールでは発行済み株式の2/3超を買付ける場合には応募株式を全て買付けなければならない。今回のケースでもしローンスターが全株式売却すれば場合によっては東証の上場廃止基準に抵触する可能性がある。上場廃止懸念から応募が殺到して少数特定者持ち株比率が75%を軽く超える事態もあり得る。特に買収する側のアドバンテッジにとっては上場廃止は好ましいことではない筈だが・・・。この辺りを両者はどう考えているのだろうか?ところで東京スター銀行は2005年10月東証1部に上場したばかり・・・。あまりの短期間での上場廃止となれば市場を愚弄すること甚だしいが・・・。
ホシデンの株価の不可思議な動きが目に留まった。こちら を見て頂きたい。15時迄は終日プラス圏で推移していたが・・・15時過ぎに突然大量の投売りが出て一気に100円ほど下落した。ここで頭の中に?マークが浮かんだ。確かホシデンは東証1部・・・ならば15時以降には取引は無い。調べを進めるとホシデンは東証1部と大証1部に重複上場している。大証の立会終了時間は15時10分・・・。果たしてこの10分間に何が起きたのだろうか?
今日の15時にホシデンは『2007年3月期 決算短信』を開示した。開示によると売上高:3127億8100万円(前年同期比:43.5%増)、経常利益:99億6300万円(同:53.5%増)、当期純利益:30億3500万円(同:24.1%減)と増収減益となっている。確かに減益には違いないが大量の投売りをするほど酷い決算では無い。それはさておき15時過ぎての暴落は明らかに決算を見てからの売りが原因と考えられる。どう考えても東証の立会い終了後の大証立会い継続中に開示を出すのは著しく公平感を欠き問題がある。こんなことが許されるのだろうか?15時10分以降に開示を出すべき・・・。企業のモラルの欠如を感じるのは私だけだろうか?
2007.5.11
昨日ソリッド・グループHD(旧カーチス)は『決算延期に関するお知らせ』を開示した。決算延期の怪しげな理由は開示を読んで頂きたい。これではピーエー監査法人が指摘するのも当然・・・。こんな危うい状況では適正のお墨付きを出せる訳がない。親会社のソリッド・アコースティックへの東陽監査法人の期末監査中で決算が終了していない。またピーエー監査法人もSA社への財務調査を行なっている。LDからSAに身売りされた時にもSAの胡散臭さを感じたが・・・今回の開示を読んで改めてその感を強く持った。如何なる理由があるにせよ決算延期が悪い兆しには違いない。こんな親会社を持ったソリッドの先行きには暗雲が漂っている。ちなみにソリッドの終値は前日比7円安の92円で取引を終えている。
「有力IT企業がLinuxの本格販売で連合」との報道を受けターボ・リナックスは(連想ゲームの如く)今週初め2日間連続のストップ高を演じた。その後”●●”騒ぎが一服すると予想通り下げに転じた(3営業日累積下げ幅:2万1000円)。今日の終値は前日比3000円安の10万4000円で取引を終えている。先の報道とターボ・リナックスは全く無関係・・・ただ単にLinuxと出ただけで材料に飢えた哀れな方々が跳び付いた。さてここは5月15日大引け後に2007年12月期第一四半期決算の発表が予定されている。どんな数値が出て来るのか・・・結果次第では”○○○○”株式がまたもや狂った様に暴れるかもしれない。
昨日ミクシィは『2007年3月期 決算短信(非連結)』を開示した。開示によると売上高:52億4700万円(前年同期比:177.1%増)、経常利益:21億4700万円(同:135.4%増)、当期純利益:11億1800万円(同:94.0%増)と大幅な増収増益となっている。2008年3月期の業績見通しも増収増益とあっては今日の株価は舞い踊るのではと見ていたが・・・。ところが前場寄付きこそ6万円高で始まったもののその後は冴えない展開で結局寄り天に終わった。終値は前日に変わらず167万円で取引を終えている。予想に反した展開は今日の地合の悪さに加えて新興市場への信頼の揺らぎが影響しているのだろうか?週明けの株価推移を注目している。
明日の高知競馬第11R『C2(ダート:1400m)』に「ホリエモン」が出走する。前3走共に全く見せ場無くズルズル後退して3回連続惨敗している。今回の対戦メンバーを見ても前走同様さほど強い相手は見当たらないが・・・。これで惨敗する様では益々見通しが暗い。果たして如何に・・・?
2007.5.12
USJは2001年3月の開園以来初の黒字決算となった。昨日開示した2007年3月期決算短信(非連結)によると売上高:720億6200万円(前年同期:682億6700万円)、経常利益:52億7300万円(同損失:5億8200万円)、当期純利益:37億9300万円(同損失:46億3400万円)となっている。また2008年3月期についても増収増益の見通しを示している。黒字転換でようやく明るい兆しが見えて来たと言ったところだが・・・累積赤字解消の為にはまだまだ経営努力が必要と言える。ちなみに昨日のUSJの終値は7万7000円と公開価格4万9000円を大きく上回っている。公開価格割れ続出の昨今今のところ順調に推移している。
5月9日不動産ファンド運営のダヴィンチ・アドバイザーズは『2007年12月期 第一四半期財務・業績の概要(連結)』発表した。開示によると売上高:32545200万円(前年同期比:868.4%増)、経常利益:172億4000万円(同:626.5%増)、当期純利益:39億3900万円(同損失:195.5%増と凄まじい増収増益となっている。しかしながら会計方針の変更があった為に前年同期との単純比較は難しい。それでも何やら”不動産バブル”の如く見えてしまうが・・・。別な言い方をすれば浮き沈みの激しい”ギャンブル性の高い”怖〜い世界に思える。
ところでダヴィンチが異を唱えているテーオーシーのTOBが昨日締切となった。予想通りTOB失敗に終わった(こちら 参照)。応募数は予定の1/5にも満たない惨敗・・・。昨日のテーオーシの終値は1021円となれば800円のTOBに応じる筈が無い。ここまではダヴィンチの作戦勝ちと言えるが・・・。ここから先いったいどうするつもりなのだろうか?TOB失敗でテーオーシーの株価が下落したのでは何にもならないが・・・。一方大谷一族はどうするのだろうか?尻尾を巻いて退散?それともTOB価格を引き上げて再TOB?再TOBをするにしても1100円が一つの目安になるが、そうなれば大谷一族の経済的負担が増大するので簡単では無い。今後の展開が注目される。
高知競馬第11Rに出走した「ホリエモン」は勝った「ダルビッシュウイン」から3秒3離されたブービ(7着)に惨敗した。好位に付けたものの行きっぷりがあまりにも悪くどうにもならなかった。4走前に同じ1400mで勝った時には同じ良馬場で1分35秒1・・・今日はこれよりも2秒4もかかっている。これで4戦連続の惨敗・・・明らかに調子が落ちている。レース間隔をあけた方が良いと思われる。
2007.5.13 (株価推移表は こちら)
一昨日医療機器メーカーのフクダ電子は『定時株主総会に於ける株主提案に係る会社方針について』を開示した。ここの筆頭株主は14.09%保有する近頃何かとお騒がせなSPJ・・・。SPJは別途積立金の繰越利益剰余金への振替と増配(年間配当:180円)を要求している。これに対しフクダ電子は2007年3月期年間配当を予定通り80円に決定した。SPJの要求を拒否したことにより全面対決は必至・・・。SPJは同様の提案をグリコに対して行なっている。これに対しグリコはフクダ電子同様全面的に拒否している(こちら 参照)。いずれも委任状争奪戦に発展することが予想される。決着は如何に・・・?
「ダヴィンチ・アドバイザーズ はテーオーシー 対してエクイティ・ファイナンスを実施する場合は事前に協議するように要請」と報じられている。テーオーシーは横浜市の「みなとみらい21」で進めている大型複合商業施設事業の事業費400億円の調達について借入金以外にもエクイティ・ファイナンスの実施を検討するとしている。テーオーシーは出来るだけ返済を伴わない形で資金調達することが望ましい。となればMSCBが一番手っ取り早い。そうなれば新株式が大量に発行される可能性が高い。一方ダヴィンチとしては安易な新株式発行により希薄化が進行するのではたまらない。当然「既存株主の利益を損なう恐れあり」と主張する。ダヴィンチはMBO阻止に成功した。今度はエクエティ・フィナンスを巡って両社の鬩ぎ合いが水面下で進行している。