2007.5.21

 「HOYAとの経営統合を巡りペンタックスの取締役5名が辞意表明」と報じられている。この5名とは合併反対派の綿貫社長以外で経営を混乱させた責任を取る意向と見られる。綿貫氏もHOYAとの経営統合実現に際しては留任などあり得ない。とすれば合併反対派全員退場となる。HOYAの子会社となった場合の経営体制案を詰めるとされるが・・・。恐らく合併推進派の浦野前社長と森前専務の2名の”喧嘩両成敗”での追放は間違いない。となればいったいどの様な経営体制になるのだろうか?「内部からの昇格に加え社外取締役の登用」とも伝えられる。何にせよ一連の失態でペンタックスは苦しい立場に追い込まれている。

 
楽天の株価は業績の悪化に嫌気が差され今日も大きく下げて4万円を割り込んだ。上場来最安値が見えて来ている。今日の終値は前日比2750円安の3万9300円で取引を終えている。こんな状況ではTBSにチョッカイを出している陽気ではない。足下を固めないことには我が身に危険が迫る。ここに来てTBSの株価は4000円を割り込み今日も下げている。終値は前日比60円安の3900円で取引を終えている。もしTBSの株価下落が続けば楽天の含み益がどんどん萎んで行く。そうなれば楽天株主からの追求を受けることは必至・・・。やはりこの辺りで矛を収めてTBSから撤退した方が得策に思える。 三木谷氏は傷口を拡げない内に早い時期に決断すべき・・・。

 敵対的TOBを仕掛けられているテーオ−シー、ブルドックソースの株価は予想通り様々な思惑が蠢き上昇している。テーオーシーの終値は前日比49円高の1100円とTOB価格(1100円)近辺推移しつつ取引を終えている。「ホワイトナイト」による対抗TOBへの思惑から更に上昇する可能性がある。但しこちらは800円でのMBOに失敗した経営陣が1100円以上出すのは難しいと思われる。また1100円以上出してまで買収するほど企業価値を認めるところが出て来るかどうかは分からない。一方ブルドックの株価は対抗TOBへの期待感からTOB価格(1584円)を大きく上回っている。今日の終値は前日比16円高の1666円で取引を終えている。こちらは明星食品の時に日清食品がSPJを大きく上回る条件で買取った前例があり尚更対抗TOBへの期待が高まっている。但しこちらにもSPJに”甘い汁”を吸い取られるのには抵抗感があり先行き予断を許さない。

 2007.5.22

 『ダイナシティがマンションの用地取得に伴う仲介手数料などとして計上した費用の中に支払先を明らかにしない約6億円が含まれていたとして東京国税局から「使途秘匿金」と認定されていた』と読売新聞が報じている。不透明な支出を含む所得隠しは2005年3月期迄の5年間で7億円を超える。使途秘匿金には重加算税などが追徴される。ダイナシティは今年4月に修正申告を行ない約8億2400万円を納付している。加えて今度の税務上での不祥事となればダイナシティの(更なる)信用ガタ落ちは必至・・・。それでなくても長期低迷に喘いでいる株価はより酷いことになる可能性がある。ダイナシティは型通り否定のコメントを出したが・・・。さて・・・?

 昨日迄ダイナシティの株価は10営業日連続の下落で1万円を割り込んでいる。タダでさえ苦しいのに「使途秘匿金」報道が流れては如何ともし難い。「10営業日連続の下落はインサイダー取引では?」との疑念すら感じる。もし「使途秘匿金」が暴力団にでも流れていたら大変なことになる。それはともかく使途を明かせないのは後ろめたいところがあるから・・・。(この報道が事実とすれば)ダイナシティは経営面からも厳しい状況に追い込まれる。そんな不安を抱えていては株価はモロに影響を受ける。ちなみに今日の終値は前日比770円安の8250円で取引を終えている。

 楽天とTBSの間で6月の定時株主総会を前に抜き差しならぬ鬩ぎ合いが続いている。昨日三木谷氏は記者会見にてTBSに対し再回答書を提出したことを明らかにした。TBSは買収防衛策の導入に向けて手続きを進めている。充分な情報が得られたと判断した段階で「企業価値評価特別委員会」に諮問、委員会では90日以内に楽天が「「乱用的買収者」かどうかの判断を行なう。三木谷氏は「充分な量の情報を提供した」と主張している。更にTBSに対し取締役会評価期間に直ちに移行して早急な判断を要求した。それにしても極悪人”が自らが置かれている立場をわきまえずに好き勝手なことを言っていると感じる。何時まで虚勢を張るつもりなのだろうか?その傲慢な態度は不愉快極まりない。

 昨日
HOYAとペンタックスのトップ会談が開催された。HOYAがペンタックスへの友好的TOB実施で合意した。合併反対派の必死の抵抗も空しくHOYAの軍門に下ることになる。ペンタックスの綿貫社長は「HOYAの傘下入り後も自身の続投、及び綿貫氏を支持する取締役5名の退任」との案をHOYAに伝えた。これに対しHOYAの鈴木CEOは取締役2名をペンタックスに派遣することを条件に了承した。綿貫氏は半年から1年程度残留すると見られる。子会社化の後に経営が軌道に乗る迄の暫定措置と思われる。さて浦野前社長の再任を求めている筆頭株主のスパークス・グループの対応が注目される。「基本的に了承するものと見られる」との観測があるが・・・。さて・・・?

 ところで綿貫氏以外の7名の取締役が退任との異例の事態となる。この件に関しHOYAは「(ペンタックスの)取締役には子会社となった後に活躍してもらう場面もある」として退任する取締役の再登用の可能性も示唆している。つまりはHOYAとしては”実働部隊”が必要・・・。有体に言えば「社長は不要で事業担当取締役が欠けては困る」と言うことか・・・。

 2007.5.23

 プリント・ガラス基板検査装置の開発、企画等を営むオ−エイチティーの株価が凄まじい状況に陥っている。昨日5営業日ぶりに寄り付いたが・・・。5月15日(終値):104万円→5月22日:34万円と何と一気に70万円下落した。今年1月19日には150万円の高値をつけている。今日もまた大きく下げ終値はストップ安(10万円安)比例配分の24万円で取引を終えている。果たしてこの異様な状況はどこで収束するのだろうか?何にせよ一般投資家かこんなところには手出し無用。

 さて
この異様な動きには様々な憶測が流れている。ここに手を出だしている仕手筋の崩壊とも噂されている。仕手筋の大量の売りが狼狽売りを誘っているとも見られる。また高水準の信用買い残が重しになっている。ゴールマンサックスが絡んでいるとも聞く。詳しいことは分からないがとにもかくにも恐ろしいことには変わりは無い。株式に詳しい方によると「今回のように劇的かつ急激な例はめったにありませんが、仕手株の行く末の一つのパターンではありますね。結局は、ファンダメンタルズが伴っていなかったということで」と教えて頂いた。不自然な株価の動きには用事が肝要。大怪我をしてからでは遅い。

 「
昨日迄に不二家の流通向け菓子の取扱いを再開した取引先が不祥事発覚前の80%超に回復」と報じられている。小売り最大手のセブン&アイ・ホールディングスも全国の約1万2000店で今日から取扱いを再開した。当初ISO9001の再認証を再開条件にしていたが、消費者から販売を求める声が多かったことや立入り検査で改善状況を確認したことから一部菓子の販売を再開することにした。安全性の確認出来た時点で残りの商品の取扱いを再開する。さて不祥事発覚から5ヶ月経過した。現時点では世間の温かい目にも支えられ不二家は山崎製パンの支援を得て順調に復活に向かっている。しかしながらまだ復活途上でもあり今回の不祥事への反省を肝に銘じて更なる努力が必要・・・。

 「
SPJは天龍製鋸に対し4945円/株でTOB実施」と報じられている。SPJは全株式取得を目指すとしている。天龍製鋸の株価は最後に取引が成立した5月18日の4300円・・・15%のプレミア付きの設定となる。今のところ天龍製鋸の反応は無いが、恐らく敵対的TOBとなると思われる。それにしてもSPJは図に乗って次から次と仕掛けて来る。またもや対抗TOB期待の高値売り抜けが狙いに違いない。一度吸った”甘い汁”の味は忘れられない。「またもやSPJか!」との思いを強くする。有体に言えば”金の力”に物言わせるやりたい放題の”性悪”投資ファンドへの不愉快な思いが強く脳裏をよぎる

 2007.5.24

 昨日東証は6月24日付けでインターネット総合研究所(IRI)の上場廃止を発表した(こちら 参照)。今日付けで整理ポストに割当てられた。東証は「監査法人から(適正な決算だとの)意見表明がなくその影響が重大な場合」に該当すると判断した。今年3月に開示した2006年12月期中間期報告書にて当時子会社だったIXIの業績を反映した決算を公表出来なかった。当然のことながら監査法人からは適正意見表明がある筈が無い。「投資判断の為の重要な情報が適正に開示されている状況とは到底認められない」となれば上場廃止は当然の措置と言える。

 ところでIRIは
1992年12月22日に(記念すべき)マザーズ上場第1号として華々しく登場した。それが不振の新興市場の象徴するかの如くひっそりと消えて行く。初値は5300万円(株式分割後に換算すると220万8333円)・・・。昨日の終値は前日比340円高の1万6140円で取引を終えている。初値と比較すると下落率は99.27%とは何とも凄まじい。さて整理ポスト割当後初日の今日の終値はストップ安(2000円安)比例配分の1万4140円で取引を終えている。果たして以前の様な上場廃止時”●●”騒ぎが起きるのだろうか?株価推移表その3に追加して6月23日迄追跡を行なうことにする。

 
天龍製鋸の株価は予想通りSPJのTOB価格(4945円)に鞘寄せする形で急上昇した。終値はストップ高(500円高)比例配分の4800円で取引を終えている。明日は間違いなく4900円近辺に行く。さてTOB発表の前日5月22日には天龍製鋸の鈴木社長がSPJの西日本代表と東京で会っている。その際鈴木氏にはTOB開始日は伝えられていない。会談の翌日にいきなりTOB開始宣言をされては天龍製鋸としては”騙まし討ち”に遭ったに等しい。TOBに対しては開始から10営業日以内に賛否の態度を表明しなければならない。現時点で反発している天龍製鋸はTOB反対を表明するものと見られる。TOB終了の7月4日迄両社の抜き差しならぬ鬩ぎ合いが続く。

 ところでSPJと言えばチョッカイを出している銘柄に
アデランスがある。昨日の定時株主総会にて買収防衛策導入議案を可決した。発行済み株式の24.50%保有のSPJは他の株主に反対を呼びかけいた。SPJが絡む銘柄で買収防衛策導入が決まったのはサッポロHDに続き2社目となる備えを怠った天龍製鋸はSPJの標的になっている。”性悪”投資ファンドへの備えは常に万全な必要がある。標的になってしまってからでは経営陣は怠慢の誹りを免れない。

 前米連邦準備理事会(FRB)議長の
グリーンスパンの”●●”がまたもや余計な発言で市場を混乱させている。昨日の講演で「中国株式はいずれ劇的な調整が起きる」と述べた。この発言が市場に伝わると一時前日比70$高だったダウ工業株30種平均は直後に下落に転じ終値は前日比14.30$安に下落した。この御仁は2月末には直前に余計な発言をして中国株式に始まる世界同時株安連鎖を引き起こした張本人・・・辞めたとは言っても世界的に影響力が残る御仁にはより慎重な発言が求められる。自分の発言の影響力の大きさに陶酔しているのでは・・・?こんなことを頻繁にやっていたのでは無責任の誹りを免れない。「いたずらに不安を煽って何がしたいのか?」と強く糾弾する。迷惑な御仁にはさっさと隠居して放言を慎んで頂きたい

 2007.5.25

 昨日大証はサンライズ・テクノロジーの6月25日付けでの上場廃止を決定した(こちら 参照)。廃止理由は「上場会社が上場契約について重大な違反を行った場合」に該当するとした(こちら 参照)。この決定を受けサンライズは『上場廃止の決定関するお知らせ』を開示した。大証の通告を”突然かつ一方的”としているのは決定への不満が垣間見える。ペイントハウスが法廷闘争で見苦しい争いを展開したのと同様にサンテクも裁判で争うかもしれない。尤もどう足掻いたところで勝ち目は無いが・・・。

 サンテクは2005年12月27日付けで監理ポストに割当てられていたが、約1年6ヶ月経過してようやく退場処分となった。もっと早く判断しても良かったと思うが・・・。ここの様な”訳有り”企業は市場にとって良い筈が無い。ここ以外にも新興市場には怪しい企業が散見される。
新興市場の信頼回復の為に”害虫”駆除は早めに行なうべきと主張する。さて次の退場の有力候補は何処・・・?

 
サンテクの株価は上場廃止ショックをまともに受け大きく下落した。終値は前日比8円安の6円で取引を終えている。さて株価1円が見られるのだろうか?また同様に上場廃止となったIRIの株価は前日比7300円安の6840円売り気配のまま取引が成立しなかった。制限値幅が撤廃となれば、言い替えればストップ安が無い(下限が無い)状況ではどの位で寄り付くのか見当がつかない。明日から6月3日迄日本にいないのでその間様子がが分からない。両社の株価はいったいどの様になっているのだろうか?

 一昨日ダヴィンチ・アドバイザーズは『テーオーシー株主名簿閲覧請求に対する仮処分の申立てについて』を開示した。テーオーシーに対し株主名簿の閲覧/謄写を請求したが、「
業務内容として不動産売買が競合関係に当たるので会社法125条の3により応じられない」として拒否された。仮処分申請が認められなければダヴィンチは株主名簿の閲覧が出来ない。TOB応募の勧誘にも支障を来たすこともある。取り敢えずテーオーシーは時間稼ぎをしたものと見られる。さて東京地裁はどの様な判断を下すのだろうか?TOB終了の7月18日迄両社の抜き差しならぬ鬩ぎ合いが続く。

 「
HOYAとの経営統合問題を巡りペンタックス取締役が総退陣」と報じられている。綿貫社長は留任の意向を示していたが、HOYA、更には筆頭株主スパークス・グループからの退任圧力が強まっていた。経営の混乱を招いた綿貫氏の失態は重大であり責任をとり辞任するのは当然の成り行きと言える後任にはデジタルカメラ部門統括の鳥越上級執行役員を軸に調整している。今日の臨時取締役会にてTOYAによるTOB受諾を決議、次いで5月31日の臨時取締役会にて人事案決議を予定している。紆余曲折を経て最終的には”ペンタックスの全面降伏”での決着になると見られる。

 
Yozanは『2007年3月期 決算発表予定日の延期に関するお知らせ』を開示した。「決算業務の遅延により監査業務の遅れが生じた為5月28日以降に延期」とある。5月23日には『特別損失の発生、及び業績予想の修正に関するお知らせ』を開示している。売上高をはるかに上回る凄まじい特別損失額となれば監査法人としても容易には意見表明出来ない。とても適正意見など表明出来る状況では無い。それこそ「企業としての存続に疑義あり」では・・・。ちなみにYozanの株価は前日比26円安の779円で取引を終えている。決算延期となれば来週にはより下落する可能性がある。そうなればその先には恐ろしい”●●”の二文字が見えて来る。さて・・・?

 グリースパンの”●●”が余計なことをほざいた為に日本市場にも影響が出ている。昨日のニューヨーク市場は取引開始直後は上げたもののその後下げに転じた。それを受けた形で今日の日本市場も大きく下げた。
●●”がいたずらに不安を煽って株価を下げている様にしか思えない。百害あって一利無し”の御仁には辟易とさせられる。来週私が日本にいない間に”●●”の放言が市場が混乱させなければ良いが・・・。 とにもかくにも余計な発言は御免蒙りたい。

 2007.5.26

 昨日
JASDAQは9月を目処に創設する先端技術企業向け新市場の名称を「NEOにすると発表した。名称の由来はNew(新しい)、Entrepreneurs(起業家達の)、Opprtunity(機会)の頭文字。1440件の
中から選ばれた。さて昨今特に新興市場では上場企業の不祥事が続出している。新市場の創設により新たな”不良”企業が出ない様に上場審査の厳格化が求められる。名証セントレックスの如き迷惑な市場にしてはならない。

         
5月27日から6月3日迄休載します。

トップ アイコン
次の記事へ

トップ アイコン
やじ馬見聞録
トップヘ

トップ アイコン
前の記事へ

トップ アイコン
サイトトップヘ

やじ馬見聞録