2007.6.4

 6月1日にサンライズ・テクノロジーは大阪地裁に対し大証ヘラクレスの上場廃止処分に停止を求める仮処分を提起した(こちら 参照)。予想通りで別に驚くことでもない。サンテクは6月25日付けで上場廃止予定となっている。サンテクとしてはまずはこれ以前にヘラクレスの処分の効力停止を得ることが必要・・・。司法がどの様な判断を下すのか注目している。サンテクは上場に値しない企業故上場廃止は当然と看做せる。そう言えばペイントハウスが見苦しい法廷闘争を繰り返して挙句の果てに市場から退場して行った。恥も外聞も無い”●●”企業のことだからペイントハウス同様あの手この手で抵抗策を繰り出して来るの違いない。しかしながら所詮無駄な抵抗、悪あがき・・・遅かれ早かれ”●●”に鉄槌が下る。

 5月31日に
HOYAとペンタックスは経営統合の合意を正式に発表した(こちら 参照)。HOYAが6月上旬から7月中旬にかけてペンタックスへのTOBを実施により過半数超の株式を取得する。最終的には株式交換等により全株式を取得して完全子会社化を予定している。TOB価格は770円/株で買収金額は最大1050億円程度となる見込み。ところで筆頭株主パークス・グループはTOB自体には賛同しているもののTOB価格については態度を明確にしていない。HOYAはTOB価格は引き上げないとしているが・・・。スパークスの対応次第ではまだまだ波乱の目が残っている。ちなみにペンタックスの株価は770円近辺で推移している。今日の終値は前日比5円高の775円で取引を終えている。

 6月24日付けで上場廃止となるIRIはオリックスとの経営統合を発表した(こちら 参照)。オリックスは株式交換によりIRIを完全子会社化する。交換比率はIRI:オリックス=1:0.667、効力発生日は11月を予定している。IRIが上場廃止になって今後どうなるのかと思っていたらオリックスが”救いの手を差し伸べた。例え”ダメ企業”であってもまだどこかに魅力があると言ったところか・・・。もしかしたら将来再上場して利鞘を稼ごうとの狙いがあるのかもしればい。尤も”救世主”が胡散臭いオリックスなのが気に入らない。さてこの経営統合発表により明日以降5月24日の上場廃止以降下げているIRIの株価はどうなるのだろうか?ちなみに今日の終値は前日比750円高の7650円で取引を終えている。単純に今日の終値で換算すると計算上2万1777円まで上昇する可能性がある。果たして・・・?

 2007.6.5

 TBSの定時株主総会を前に楽天とTBSのギリギリの鬩ぎ合いが続いている。昨日TBSは楽天に対し今までの回答では不充分として26項目に及ぶ3度目の質問書を送付した。TBSは今回の送付が最後としている。楽天からの回答を受け6月28日の株主総会に買収防衛策を提案する。過半数超の賛同により承認されれば企業価値評価特別委員会に対し買収防衛策の発動の是非を諮問する。特別委の6人の委員の内1人でも発動に賛成すれば可能となる。その後臨時株主総会が召集され発動の是非が諮られる。 楽天があくまでも突っ張れば現状では買収防衛策発動となる可能性が高い。さて・・・?

 昨日平成電電詐欺事件の被害者495名が旧経営陣等35名、事業に関与したとしてトライアイズ(旧ドリーム・テクノロジー)等を相手取り総額32億5000万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。ドリテクは平成電電とは無関係を装ってはいるが・・・当初から両者の関係には不透明さ(胡散臭さ)が満ち溢れていた。今回の訴訟を期に司法の手で闇の部分の解明を期待して頂きたい。ちなみにトライアイズの株価は相変わらずの低迷が続いている。今日の終値は前日比110円安の3470円としっかり下げて取引を終えている。

 また同日匿名組合の出資金募集の新聞広告を掲載した
日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社を相手取り「広告内容が真実かどうか調査し確認する義務を怠った」等として損害賠償請求を求めた。こちらは新聞社がどこまで確認するべきかが争点になる。確かに新聞社には注意義務はある程度存在するとは思うが過度な要求には無理がある。果たして司法がどの様な判断を下すのか注目して見守って行く。

 昨日ソリッド・グループHD(旧カーチス)は『決算発表再々延期に関するお知らせ』を開示した。  決算延期とは尋常ではない。「運転資金確保の観点から監査法人の意見を記載するに至らず当期決算処理を確定出来ない」とある。つまりは監査法人は「資金繰りに問題があり企業としての継続に疑義がある」と判断していることになる。開示ではソリッドは6月7日に決算発表予定としているが・・・。果たして直ぐに監査法人が納得出来る状況になるかどうかは定かではない。決算発表出来ない状態が長く続けば監理ポスト割当→上場廃止の道を辿ることになるが・・・。ちなみに今日の終値は4円安の53円と3営業日続けての下落で取引を終えている。

 長らく低迷状態にある
ブロードバンドタワーの株価が突然ストップ高(2万円高)比例配分の14万9000円で取引を終えている。筆頭株主のIRIとオリックスの経営統合、完全子会社化が材料視されている。どうやらオリックスの支援によるIRIの事業継続の見通しが投資家に安心感を与えていると思われる。両社の経営統合に関してBBタワーは「経営方針、及び業績予想への影響は無い」とのコメントを出している。さて今日は思惑のみで上昇したが・・・。果たして明日以降は如何に?

 2007.6.6

 昨日証券取引委員会(SEC)はシステムの管理体制不充分として楽天証券に対し行政処分を科す様金融庁に勧告した。2005年11月金融庁はシステム管理が杜撰として業務改善命令を出している。これに対し昨年5月楽天証券は改善措置の完了を報告した。ところが昨年8月の金融庁の立入り検査にて繰り返しシステム障害が起きていたことが発覚した。つまりは楽天証券はウソの報告をしていたことになる。同じシステム問題によりまたもや処分の検討対象になるとは・・・全くお話にならない。いい加減な体質の楽天証券に対する金融庁の厳しい処分が望まれる。この一件からも楽天グループが全く信用に値しないことを如実に表わしている。

 今日楽天は「TBSが株主総会での安定株主対策として一部の親密な企業に株式保有を働きかけ他株主の利益を損ねた疑いあり」として
会計帳簿の閲覧を求める仮処分申請を東京地裁に行なった(こちら 参照)。早い話が「不透明な株式取引あり」とは単に因縁をつけているだけ・・・身勝手な言い分には呆れ果てる。また一部報道で「三木谷氏の個人資産管理会社が村上ファンドに1億円以上出資」と報じられている。事実とすればTBSの企業価値評価特別委員会の判断に影響を与える可能性がある。とにもかくにも身の程知らずの”極悪人”の愚行には辟易とする。何とかしてこんな”●●”は一刻も早く退場させたいものだが・・・。さてこの様な醜態を晒していては楽天の株価が上昇する筈が無い。今日の終値は前日比700円安の3万9900円と4万円を割り込んで取引を終えている。

 今朝未明
ソリッド・グループHDは『当社寄託金の質権実行に関するお知らせ』を開示した。ソリッド・グループHDはCMSへ120億円を寄託していた。親会社のソリッド・アコースティック(SA)はリーマン・ブラザーズ証券(LB)に自己担保として120億円を預託していた。ところがLBより「質権実行、及びSAの債務150億円の内預託金120億円の債務弁済への充当」が通告された。早い話が”親に預けた120億円を借金の質としてそっくり他人に渡された”ことになる。つまりは親に騙し取られたのに等しい。もしかしたら”SAの狙いは初めからここにあった”のではとの疑念がある。さてソリッド・グループHDはSAとのCMS契約の破棄、更には資産回収を図るとしているが・・・。果たしてSAにどれほどの資産があるかどうかは疑問がある。こんなことがあっては明日予定の決算発表が出来るとは思えない。

 2007.6.7

 SPJからTOBを仕掛けられているブルドックソースは昨日『SPJからの書簡受領に関するお知らせ』を開示した。5月25日送付の79項目の質問状に対しSPJが機密情報を理由に回答拒否した項目が含まれていた。ブルドックソースは再度回答を求めていたがSPJは改めて回答を拒んだ。ブルドックソースは今回の回答を踏まえてTOBへの賛否を明らかにするとしていたが・・・。これ以上回答を求めたところで誠意が微塵も無いSPJが回答する筈が無い。間違いなくTOB反対の意を表明することになる。そうなれば予想通り敵対的TOBとなる。

 とここまで書いたところでブルドックソースから『SPJによる公開買付けへの反対意見表明、並びに新株予約権無償割当に関するお知らせ』が開示された。これで敵対的TOBが確定した。ブルドックソースは対抗手段として新株予約権発行を選択した。7月10日の株主名簿、及び実質株主名簿にある株主に対し1:3の割合で新株予約権を割当てる。6月24日の定時株主総会に付議して特別決議により承認を得る予定になっている。承認が得られれば(TOBが成立しても)相対的にSPJの議決権割合は大きく減少する。さてこれに対しSPJはどう出るのだろうか?特別決議阻止の為に1/3超を目指してプロキシファイトに挑むのか、あるいは新株予約権発行差し止めを求めて法廷闘争に出るのか・・・。何にせよSPJの対応が注目される。

 今日付けの東京新聞朝刊が「
楽天とTBSのトップ会談で楽天側からTBS株式売却の可能性を示唆する発言」と報じている。他のマスコミ報道も無く原状では真偽の程は定かではない。”極悪人”にはさっさと退散して欲しいので真実が望ましいが・・・。ちなみにこの報道を受けTBSの株価は一時前日比170円安の3770円と大きく下げたが、終値は前日比70円安の3850円で取引を終えている。

 一方で今日
楽天は再々回答書をTBSへ提出した。今までの3回の回答で充分な情報を提供としてTBSに対し速やかな取締役会評価期間への移行を求めている。「再々質問に対し真摯かつ誠実に検討」とあるが・・・。”極悪人”の率いる企業故どれだけ真面目に検討したかは極めて疑わしい。TBSもこれ以上引き伸ばしても仕方が無い。傲慢な”極悪人”を叩きのめす為にも早く買収防衛策導入を決めるべきと考える。さて6月末の定時株主総会に向けて”差し手争い”が続いている。TBS有利とも伝えられている。結局は堀江氏の時と同様に”極悪人”敗退→全株式売却、そして”グリーンメイラーの誹り”を受けることになると見ている。

 週間ダイヤモンドが「
ソリッド・グループHDの川上社長が睡眠薬を大量服用し集中治療室で治療中」と報じている。何を悩んでの自殺未遂なのだろうか?何らかの不正に関わったのか?”騙し取られた”120億円絡み・・・?あるいは決算発表出来ないことなののか?それとも・・・?何にせよ自殺未遂とは尋常ではない。20時35分時点では決算発表はまだ無い。

 2007.6.8

 今朝未明ソリッド・グループHDは『決算発表を更に延期することについてのお知らせ』を開示した。どう考えても現状では
監査法人が適正意見を表明出来る訳がない。親会社のSAが管理するCMS口座に寄託した120億円の回収、運転資金の確保が極めて困難な状況にあると見られる。そうなれば当然継続企業としての前提に疑義が生じる。このままズルズル決算延期となる公算が大きい。また昨日提出した改善報告書について東証は内容不充分としてソリッド・グループHDに対し再提出を求めた。あまりのテイタラクに開いた口が塞がらない。こんな状況に東証が何時までも黙っている筈が無い。早い時期に監理ポスト割当を決めることになると見られる。更に状況が悪化すれば上場廃止が視野に入って来る。

 楽天とTBSの対立が激化する最中
TBS社内、系列各社、従業員等からの楽天への反発が相次いでいる。”金の力”にモノ言わせて力づくで押し切ろうとする姿勢は堀江氏と全く同じ・・・。相手の株式の大量取得、資本・業務提携の強要、法廷闘争とここ迄の道筋はかつてのLDvsフジテレビの激闘が歩んだ道に酷似している。”極悪人”も堀江氏同様「企業は人なり」との大切な格言を知らないと見える。”金の力”で人の心は買えない。楽天はこれだけの反発の嵐の中でいったい何が出来ると考えているのだろうか?LDとフジテレビの和解後の業務提携は中身の全く無い有名無実だった。”極悪人”が強引に乗り込んだところで総スカンを喰らってスゴスゴ撤退するのが関の山・・・。そろそろ引き際を考えた方が良い。さもないと惨めな結果が待ち構えている。

 予想通り
IRIの株価が4営業日連続のストップ高比例配分で急騰している。今日の終値は1万5650円と理論値2万1777円に近づいている。制限値幅が2倍に拡大されているので6月11日のストップ高は1万9650円となる。となれば6月12日に2万1777円近辺で寄り付く可能性が高い。オリックスの思惑通りIRIの株価は上昇しているが・・・。上場廃止後にはどうするつもりなのだろうか?オリックスもむざむざ資金をどぶに捨てる程馬鹿ではない。恐らくIRIをキチンと仕上げて再上場、そして上場益獲得を考えているのに違いない。さて、思い通りコトが運ぶかどうか・・・?

 久しぶりにガンホー・オンラインを覗くと新興市場の地合の悪さも加わり実に酷いことになっている。5月11日発表の決算にて経常利益が前年同期比91.2%減になったことが失望売りを呼んだ(こちら 参照)。ところでガンホーの株価の下落は凄まじい株価推移表その2 参照)。1:5分割後の2005年9月2日の終値は685万円だったが・・・今日の終値は何と32万8000円となっている。この間に株式分割があった訳ではない。ただひたすら下げ続けただけ・・・。新規上場には会長の孫泰蔵氏がSB孫正義社長の実弟と言うことで話題になったが・・・。今となってはすっかりメッキが剥げて正体を露呈した。オンラインゲームの企画・開発・運営を生業とする企業が当時のIPOブームに乗っかり異常に人気を集めただけに過ぎない。株価がここ迄下落しても
バブル”状態が解消しただけで何ら驚きは感じない。

 2007.6.9

 ブルドックソースの従業員一同はSPJの敵対的TOBに対し断固反対の決意表明を行なった。昨日の経営陣のTOB反対表明、新株予約権発行と合わせ
労使双方が一致団結して”ならず者”に対峙する。”金の力”を誇示しての脅迫紛いの行為を許すことは出来ない。SPJは高値売却が目的で経営のことをどの程度考えているか疑わしい。買収に成功すれが高く買取るところへ転売、あるいは「ホワイトナイト」の出現で高値でのTOBがあればそちらへ売却・・・何にせよ手持ちの株式が高く売却出来ればそれで良い。まさに”性悪”投資ファンドの典型と言える。

 同じくSPJからのTOBを受けている
天龍製鋸の経営陣は態度表明を留保している(こちら 参照)。判断の為の情報不足としてSPJへ質問状を送付する。回答を受け最終的に賛否を表明するとしているが・・・。今までのSPJの事例からすると納得出来るまともな回答が帰って来るとは到底思えない。何度かやり取りがあった後に結局は敵対的TOBになることは間違いない。一方天龍製鋸労働組合は「SPJが経営に関わる事態になれば労使の信頼関係や労働条件に重大な変更を加えられる脅威を感じる」として断固反対の意を表明した(こちら 参照)。こちらも最終的には労使が一致団結して”ならず者”に立ち向かうと見ている。

 5月23日
OHTの株価の凄まじい下落について記述した。久しぶりに覗いて見ると16万円前後に落ち着いている。2005年5月頃には16万円前後だったことからすると妥当な線に収束したと言ったところか・・・。特に素晴らしい業績向上があった訳ではなく100万円超の株価は明らかに異常。哀れ仕手株の被害者は如何程いるのだろうか?とにもかくにもこれで正常な状況に戻ると思われる。

 昨日OHTは『業績予想の修正等に関するお知らせ』を開示した。開示によると売上高(連結):54億5100万円(前年同期:49億5200万円)、経常損失:3億4000万円(同利益:2億6800万円)、当期純損失:4億170万円(同純利益:1億5300万円)と赤字(転落)決算となっている。通期予想では黒字としているが・・さて?・また従来の配当予想:600円から無配に変更する。こんな有様では尚更100万円超の株価は可笑しい。週明けには昨日の終値:16万3000円を下回る可能性が高い。

 2007.6.10

 SPJ vs ブルドックソースの一戦について
専門家間では「ブルドック有利」との意見が多い。M&Aに詳しい弁護士によると8:2でブルドック有利としている。その根拠として「新株予約権発行先がLD vs ニッポン放送の時には割当先がフジテレビに対し今回はSPJも含めた全株主」、「ニッポン放送は取締役会決議に対し今回は株主総会の特別決議」を挙げている。確かにこの違いは決定的に思える。となればSPJが特別決議否決に必要な1/3超の票数を集められるかどうかが焦点になる。約30%を占める個人株主の動向が一つの鍵になる。SPJの悪辣、かつ強引な手口には多くの反感があり1/3超の票数獲得は難しいかもしれない。もし防衛策導入が決まればSPJは司法に差し止め請求する可能性が高い。

 
IRIとオリックスの”婚約の決め手はオリックスの示した好条件にあった。IRIの藤原氏は当初MBOを模索していたが・・・。上場廃止決定により様々な悪影響が出始め、更にはBBタワーなど関係会社2社の株価急落となっては断念せざるを得なかった。そこにオリックスが株式交換比率 IRI:オリックス=1:0.667(その時点でのIRIの株価の約3倍)による完全子会社化との好条件を示した。それにしてもオリックスは随分と思い切った条件を提示したが・・・。何が何でも欲しかったと見える。IRIのどこに魅力を感じたのだろうか?今後の予定は7月に株式交換契約締結→9月末のIRIの株主総会にて特別決議を経て11月に株式交換実施の段取りとなる。

 さて両者の”婚約”にはまだまだRiskがある。「IRIの企業価値に重大な影響を与える可能性のある事情が判明、あるいは発生した場合には株式交換比率の適正な調整を行なう」とある。つまり株式交換比率が低下する可能性がある。そうなればIRI株価の理論値2万1777円が低下する。先週末迄の4営業日連続のストップ高で上昇を続けているIRIの株価は週明けには2万円台に乗ることが予想される。もし何らかの事情で株式交換比率が低下すれば(場合によっては)高値掴みになる恐れがある。何せよどうなるかは最終的には”下駄を履く”迄分からない。さて・・・?

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