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第63段      * 大阪市の悪しき慣行 − 即座に廃止すべき愚行 −

  大阪市の職員に対するあまりにも過剰な福利厚生や諸手当が大問題になっている。巨額の累積赤字に苦しむ大阪市は何と年間180億円!もの不当な支出を長年に亘って繰り返してきた。歴代の市長が自分の選挙に有利に運ぼうとしたのか、市職員組合とつるんで甘い汁を与えていたと考えられる。大阪市では第3セクターなどの大規模プロジェクトが破綻し財政難が更に拡大している。極端に言えば大阪市は民間で言う『倒産』に追い込まれても不思議がない位の危機的状況にある。しかるにこんな状況なのによくもまあ平然と悪しき慣行を続けているものだと呆れてしまう。

 今回大問題になった福利厚生や諸手当とは何だろうか?それにしても目にあまる厚遇ぶりには開いた口が塞がらない。朝日新聞によると以下の通り。

 
・4つの職員互助組合へ職員の掛け金の2〜3倍にあたる公費約43億円を毎年補助。
  年に1回、観劇・スポーツ観戦券(2万1000円分)、電子炊飯器やCDラジカセ
  などの家電製品を配布。
 ・正規の退職金と共済年金の他、条例にないヤミ退職金・年金を約2万人に支給。
  (1人平均で380万円を支給。11年間に投じた公費は約304億円。)
 ・市長部局の職員3万7000人分の生命共済の掛け金を市が負担。
  在職中に死亡した場合弔慰金とは別に遺族に550万円を支給。
  (22年間に約100億円を公費負担。)
 ・係長以下の全職員に3年に1度、全額公費でスーツを支給(年額約4億円)。
 ・職員・教職員の親睦団体に年約10億円を助成。宴会やボウリング大会費等に使用。
 ・著しく危険、困難な作業に従事した職員に支給される特殊勤務手当として、水道局が
  職務内容にかかわらず係長以下の全職員に平均月額約1万4千円を一律支給、交通局
  はバスや地下鉄の運転手に乗務するだけで一律日額500〜950円を支給。
  (これら5種類の手当に年56億円を支出。)


 
大阪市は極めて深刻な財政状況にある。昨年第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)」等3社に対し、破綻処理のために695億円の公費負担を決めている。この他にも「大阪ドーム」など不良債権化した事業は数多くあり、今後これらの処理に公費がつぎ込まれることが予想される。その額は数千億円にも及ぶと言われている。更に市民負担増の財政改革案を発表したが、今回の問題への批判を受け撤回せざるを得なかった。それはそうだろう。あれほどの公費の無駄遣いを指摘され、少なくともそれが改善されない内は市民の理解を得られるはずがない。更に公費による破綻処理への影響も必至。早期に今回の問題を解決しなければ大阪市は身動きがとれない。それほど大阪市は既に窮地に追い込まれている。

 大阪市は今回の問題にその程度責任を感じているのだろうか?ヤミ手当、ヤミ制度とも言うべき事項の原資は国民の税金で賄われている。本来住民の為に使われるべき公費を、事もあろうに私的な経費に流用していると言われても返す言葉がないだろう。いくら組合対策だからと言ってこんな公費のいい加減な使い方は論外。 公費をきちんと正しい目的に使うべき立場にある大阪市の責任は重大で、即刻悪しき点は改めなければならない


 
大阪市はこれらの福利厚生や諸手当の2005年度からの廃止の方針を打ち出している。2005年度予算案では組合との合意が得られなくても全額削減するそうだ。市長は政治生命をかけて実施すると明言している。一般感覚から考えれば当たり前のこと、無条件で即刻廃止すべき。いくら市と組合が合意して決めたことであっても所詮”不法な闇取引”、こんなことが一般社会で許されるはずがない。廃止するのは当然、更に不当な利益を得ていた者は即刻過去に遡って全額返還しなければならない

 しかるに
今まで不当な恩恵を享受している市最大の職員組織「市労働組合連合会(市労連)」(連合系・約4万人)は猛烈に反発している。今回の問題を巡り市と市労連の労使交渉が繰り返し行なわれている。今までに行なわれた4度の交渉では、以前までのなれ合いの形式的な話合いとは異なり怒号が飛び交いまるで戦場の様だったと言う。

 
市労連の言い分は「市はこれまでの合意を全て反古にして、職員に一方的に負担を押しつけようとしている。受け入れれば組合員からの信用を失い、組合自体が持たない」・・・市労連幹部はこう主張を繰り返している。市労連からすれば「両者が長年に亘り築いてきた合意事項で市が認めたことなのに何を今さら・・・」の思いはあるのだろう。現時点では市労連は生命共済の掛け金負担とスーツ支給の僅か11億円分のみ廃止を認めているだけ。他人に何と言われ様と既得権は手放したくないとの見苦しい姿勢を露呈している。

 当然の如く市民からは抗議の電話が殺到している。更に市労連が居直りの態度を明らかにしてから、組合に対しては痛烈な批判の電話が増えている。自分達の既得権を守ることにご執心で、世の中を正しく見る目が失われている。無論こんな馬鹿げた制度を認めた大阪市側の責任は重大で当然糾弾されるべき。一方無感覚にこの制度を受け入れてのほほんとしていた市労連側の無神経さにも憤りを感じる。

 市労連は連合系の組合の一つ・・・連合の笹森会長はこの問題をどの様に捉えているのだろうか?どう考えても筋の通らない話なのに、市労連を擁護するのだろうか?笹森会長に良識があればまさかその様な事はないとは思うが・・・?

 朝日新聞によると、
上部組織の連合から「あまりに厚遇されている部分は見直し、実態を公開して市民の理解を得るべきだ」という指示が出ている。しかしながら常識外れの職員厚遇への市民の反発は相当に強く、果たして市民の理解を得ることができるだろうか?どう考えても市労連には不利な状況しか見えてこない。
笹森会長には頑なに廃止に抵抗している市労連を説得して欲しい。このままでは市労連は大阪市内外から非難の集中砲火を浴びるのは必至。単なる悪者に成り下がってしまう。


 このまま膠着状態が続き、もし市側が妥協して悪しき慣例が継続されることになったらそれこそ大変な事になるだろう。住民から監査請求、廃止請求、更には市長のリコール運動などの動きが起きる可能性がある。また事態の進行にかかわらず住民から過去に遡って市長、及び市幹部(今回の問題に関わった関係者も含む)への損害賠償請求、更に市職員に対して過去に遡っての返還請求などの訴訟に発展する可能性もある。

 
公務員は「公僕」、納税者たる国民に奉仕する立場にある。しかしながら国でも地方でもそんな事を考えて仕事をしているとは到底思えない。日本は”役人天国”と言われている。民間と異なり倒産がなく身分が保証されている。国も地方も大赤字を抱えているにもかかわらず相変らず呑気なものだ。そのぬるま湯に安穏として本来の自己の役割を忘れているのではないか? だからこそ今回の様な腹立たしい出来事が起きる。

 ところで今回の出来事は単に大阪市だけの問題だろうか?たまたまここで表面化して大騒ぎになったのではないだろうか?詳細に調べればもっと他に出てくる可能性が高いのでは・・・。 
私の住む市、皆さんの住む地方自治体には何事もないことを願いたい

(2005.07.13追記)

 大阪市は2004年度に支給したスーツ代4億9534万円を職員に返還させたと発表した。職員、OBからカンパを募り、監査対象外の市水道局や市教委で支給した1億1895万円分も上乗せした。ようやく返還されたとは言えごく一部にしか過ぎない。スーツ代も昨年度分だけでは生ぬるい。過去に遡って返還しなければ、胸を張って「返しました。」とはとても言えない。他の不当利得はどう対処するつもりなのか?逃げ得を許してはならず、徹底的に追求し他の名目での支払いも全て返還させなければ”一件落着”とはならない。

 今回の返還は大阪市主導ではなく「大阪市職員返還有志の会」が行なっている。市当局がどの程度関わっているかは分からない。やはり市当局の主導できちんと落とし前をつけなければ示しがつかない。それに大阪市職員労働組合が依然として非を認めていないのも気に入らない。市と組合の馴れ合いでの裏取引による不当利得は断じて許されるものではない。まさに組合も共同正犯であり、潔く非を認め速やかに返還に応じる姿勢を見せなければ誰も納得しない。
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