第64段 * ハルウララその後 − 引退レースは必要? − *

 2005年1月3日安西氏と宗石調教師が東京都内で会い、「ハルウララの健康状態を確認した上で高知へ戻す」で合意したと新聞が報じている。過去の経緯もあり関係者はいろいろ言い分があるとは思うが、高知競馬の現状を考えればその様な事をやっている陽気ではない。この際だから高知競馬の未来の為にもきっぱりと水に流し、関係者は一致協力して再出発して欲しいと願う。

 ところが相変らず馬主は馬主で自分のサイトに2月中旬出版予定の本の荒筋を書いている。その中で高知競馬側や一部マスコミなどへの恨み/辛みともとれる内容もある。高知競馬側からは今のところ何も出てきていないが、相変らず一部のInternetサイトや高知競馬の掲示板で過熱気味の表記が見受けられる。こんな有様では今後の展開に期待が持てなくなり、「何か障壁があり話が進んでいないか?」と心配していた。

 しかるに2月10日の新聞で「ハルウララの体調が回復せず3月の引退レースが延期」と報道されている。馬主と調教師が連名で報道各社にFAXを送り休養継続が発表された。疲労蓄積による股関節、腰等に身体的に芳しくない個所があり、いまだに軽めの調教しかできないそうだ。端的に言えば長期間の蓄積疲労がたまりにたまって容易には回復しない。それはそうだろう。113戦も休みなしにずっと使いづめできたのだから・・・。目に見えない部分は相当ボロボロになっていると思われる。今回の休養でどこまで回復できるのだろうか?

 実力のないハルウララが突然アイドルホースの扱いを受けることになったこと自体が競馬の常識から言えば極めて不自然なこと。高知競馬を背負って立つかの様な立場にしてしまったことが話をややこしくしている。結果として周囲がハルウララに対して過度の期待を背負わせることになり、綺麗に身を引くタイミングを逃してここに至っている。当初は綺麗で美しいストーリーの和やかムードで進んでいたのが、一転して途中からきな臭いが充満する泥試合の様相を呈している。こうなる前にハルウララを引退させたかったのだが・・・。


 本当に引退レースは必要なのだろうか?もうハルウララをレースから解放して第2の馬生を送らせてあげても良いのではないか?高知競馬の知名度UPなど、高知競馬の広告塔として役目を果たしてきた。このまま体調回復がおもわしくなければ引退式を行なえば良い。できれば思い出の地高知競馬場でファンの前が望ましいが・・・。

 今からでも遅くは無い。ここで幕を引いても良いのではないか?これ以上ハルウララには無理をさせてはいけない。ハルウララはこのままレースに出ずに引退した方が幸せではないか?あまりにも周囲が騒ぎすぎ・・・最初話題になった時に比べれば周囲の純粋さが失われている。この際
引取り手も今までの関係者に何の利害関係もない馬を愛する第三者で、かつ場所は高知でも那須でもない方が良いと思う。今までのしがらみをすっぱり断ち切らなければいけない。ハルウララを巡る一連の騒動を振り返り、つくづくそう思う様になってきた。

 ハルウララを何が何でもレースで走らせたいと言うのであれば、それは到底”馬を愛する”態度とは言えない。一部のマスコミ、Internetサイト、過熱したファンなどに惑わされることなく、馬主、調教師はハルウララの状態をきちんと判断して今後のことを決めて欲しい。

 一方2005年初めライブドアの高知競馬の経営参入の話が急浮上、高知競馬に明るい未来が見えてきた。知競馬との間では話がまとまり業務提携の合意にこぎつけた。累積赤字に苦しむ高知競馬に一筋の光明が射してきたが・・・ところが2月に入りライブドア堀江氏の身辺には大騒動が持ち上がっている。ニッポン放送の株の買占めによる経営権の取得、更にフジサンケイグループの経営権の掌握を狙った画策・・・堀江氏は800億円もの借金で
博打とも言える大勝負に出ている。

 果たして堀江氏が高知競馬に実際に参入できるのだろうか?「硬直化した高知競馬に新風を吹き込む」ことを期待していたが、フジサンケイグループとの争いに終始している現段階ではそれどころではないと思う。高知競馬との合意がどこまで進み契約がどうなっているのか分からない。もしかすると堀江氏の手腕を高知競馬再建に期待することは無理?かもしれない。

 今回のフジサンケイグループとの争いでの堀江氏の言動を見ると、
どうも素直に堀江氏が信用できなくなっている。彼は才能溢れる有能な人物?あるいはとんでもない山師なのか?こんな危うい人物に存亡の危機に立たされている高知競馬を安心して任せられるだろうか?

(2005.04.24追記)

 今ではハルウララは話題にならずすっかり忘れられた存在になってしまっている。高知競馬のサイトの掲示板でも話題になることは少ない。もともとこの様な全く実績のない競走馬が何かのはずみで国民的人気を集めたのが異常な状態・・・。欲の皮の突っ張った人種から切り離した方が良い。この際人知れずひっそりと引退した方がハルウララにとって幸せかもしれない。どこかの乗馬クラブで人を乗せて、「あのハルウララだ」と慕われるのがハルウララにとって最高の”馬生”ではないだろうか?

(2005.05.26追記)

 高知競馬と業務提携している堀江氏の持ち馬「ホリエモン」は5月11日にJRA登録抹消されていて、近々高知競馬に移籍するとのこと。JRAでは6着が最高と不振だったが、さて高知ではどの程度走るのだろうか?ただ「ホリエモン」は左前足に軽い屈腱炎を発症しているので、高知の牧場で治療後に高知競馬へのデビューとなる。早くて半年先くらいになると思われる。

 「ホリエモン」は実力は如何ほどかはまだ分からないが話題性がある馬なので、高知競馬の救世主、”第2のハルウララ”になる可能性がある。おそらく「ホリエモン」が高知デビューする時には「ハルウララ」の時と同じ様に大勢の人が集まるもしれない。但し近頃堀江氏のビジネス手法に批判が高まっていて、以前ほどのカリスマ性はなくかなり評判が落ちている。その影響が「ホリエモン」に出るだろうか?

(2005.05.31追記)

 高知競馬に移籍した堀江氏の所有場「ホリエモン」が高知競馬場で運動を始めたとの記事が載っている。早ければ6月末までにデビューとあるが、軽い屈腱炎はどの程度の症状なのだろうか?「ハルウララ」ほどは関心がないが、JRAで6戦6敗、最高順位6着の「ホリエモン」が高知競馬ではどの程度の実力を示すのかには興味がある。

 
「ハルウララ」が高知競馬から姿を消して既に8ヶ月、最早”過去の馬”になってしまったと言ってもよい。どのマスコミもほとんど取り上げることはない。経営の苦しい高知競馬としては新たなスターが欲しいところだが・・・業務提携契約を結んでいる堀江氏の持ち馬「ホリエモン」にすがりたい。「ハルウララ」ブームが去った今、地元では「ホリエモン」ブームが来ることを大いに期待している。但し堀江氏の人気が以前ほどではないのがどの程度影響するのか微妙なところではあるが・・・?

(2005.06.02追記その1)

 「ほりえもん」、「ホリエモン」の商標登録状況を特許庁のサイトで検索して調べた。すると以下に示す4件の登録申請がある。

 1)「ホリエモン」 有限会社福産起業 2005年2月28日申請
   対象範囲 : 25,28,30。

 2)「ホリエモン」 株式会社ライブドア 2005年3月22日申請
   対象範囲 : 9,14,16,28,30,32,41。

 3)「ホリエモン」、「ほりえもん」 株式会社イオンド大学日本校 2005年3月29日申請。
   対象範囲 : 9,14,16,18,21,25,28,29,30,31,32,33,34,43。

 4)「ホリエモン」 有限会社エムエムスカイ  2005年3月24日申請。
   対象範囲 : 9。

 「ほりえもん」は株式会社イオンド大学日本校の単独申請だが、「ホリエモン」は対象範囲が3者で微妙にダブっている。具体的に特許庁がどの様に審査するのか分からない。先願優先としてライブドアから見ると、9,14,16,32はライブドアの出願が先、41は単独出願だが、28,30は有限会社福産起業の出願が先になっている。28,30が問題になると思われる。詳しく知りたい方は 特許庁のサイト を参照されたい。

(2005.06.02追記その2)

 「ハルウララ」の馬主 安西氏のサイト に5月29日付けで『緊急のお知らせ』が掲示されている。5月13日高知競馬新管理者、及び事務局長が安西氏を訪れ、今後のハルウララの処遇に関する”前向きな”打ち合わせが行なわれた。「できれば6月中にいったんハルウララを高知に戻し、友好な関係のもと様々な問題をクリアにしていきたい。」とある。詳しくは安西氏のサイトを見て頂きたい。これを見る限りでは具体的にどの様な問題があり、また「ハルウララ」がどの様な形で復帰するのか皆目分からない。

 ところで「ハルウララ」については安西氏と高知競馬関係者間で、長い間に亘り関係が悪化し亀裂が大きくなっていた。相互不信に陥りお互いに相手を非難し合う悪い展開で修復困難に思われた。両者の溝をどの位埋められるのか今後の話合い次第と言える。文面を見る限りでは結構大変そうだが、関係者が鋭意努力して何とか「ハルウララ」の引退の花道を作とたいとしている。それと高知競馬ファンの「ハルウララ」への想いは変化していないのだろうか?高知競馬ファンの安西氏に対する悪感情は半端ではなく、ここをどの様に解決するか大きな難問が立ちはだかっている。「ハルウララ」の高知競馬復帰への道筋はまだまだ険しい。

(2006.10.31追記)

 
「ハルウララ」は10月3日高知競馬の登録抹消となり2度と高知競馬場で走ることなくターフから姿を消した。馬主の安西氏と高知競馬の軋轢は相当なもので復帰出来る環境にはほど遠かった。休養があまりにも長期に及び、また年齢的にも最早無理と考えていた。それに今更高知競馬に復帰したところでファンの目はすっかりハルウララから遠のいている。引退レースは不要と考えていただけにこれで良いと思う。何時までも”客寄せパンダ”にする必要はない。

 安西氏のサイトでは
1年ほど「ハルウララ」に関する更新がなく近況が皆目分からない。恐らく那須で無事暮らしていると思われるが・・・。安西氏は地方競馬振興の為として『ハルウララ基金』を立上げ、「ハルウララ」の披露巡業を行なう予定としていた。森田健作氏を応援団長に引っ張り出してマスコミにも取り上げられたが・・・。これもまた1年ほど何の音沙汰も無い。やる気満々に見えた安西氏はいったいどうしてしまったのだろうか?”ハルウララブーム”が消え失せ「ハルウララ」の商品価値が著しく低減したとして情熱が失せたのだろうか?そうは思いたくないが・・・。このままでは「ハルウララ」の名前を利用した単なる売名行為と看做され安西氏の功績に傷がつくことになる。長期間何の動きが無いとどうしても安西氏に疑いの目を向けてしまう。実際はどうなのだろうか?とにもかくにも”晩節を汚した”感は否めない。
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