2005.10.10

 阪神電鉄の西川社長とMACアセットマネジメント(村上ファンド)の村上氏のトップ会談が、明日11時から阪神電鉄本社で行なわれる。村上氏は38.13%の株式保有を圧力として、阪神電鉄に『阪神タイガース上場』、『阪神電鉄の企業価値の向上』などを強く要求すると見られる。『阪神電鉄の企業価値の向上』については利害の一致する点もあり妥協の余地がある。一方『阪神タイガース上場』は阪神電鉄側が強い難色を示しているので難航必至・・・。既に1/3超の株式を保有し株主総会で特別決議への拒否権を持つ村上氏は”数の力”を背景に強気の姿勢を打ち出して来ると思われる。対して阪神電鉄は”世間の力”を背景に対抗を目論んでいる。単純に経済論理から考えれば村上氏が有利だが・・・果たしてどうなるのだろうか?

 
グローバリーの株価は今のところ思ったほどの暴れ方をしていない。9月29日に追跡を始めてから終値ベースで安値285円、高値325円とおとなしい。上場廃止まで残り15営業日・・・その間にどこかで激しく乱高下すると見ている。売上げの約9割を占める商品先物取引を9月末で廃止の状況下で、この先どの様に企業として継続させようとしているのか全く分からない。企業規模を大幅に縮小して継続可能なのだろうか?とうにもかくにもこんな不安一杯の企業の株式の売買は明らかにマネーゲーム以外の何者でもない。10月末時点でどの様になっているか楽しみがある。

 
エフェクターに関して素晴らしい?提灯記事(ついでに ここ と ここも参照)を見つけで思わず感激してしまった(笑)。この類の記事は(企業側から依頼して)都合良く書いてもらうことが多い。具合の悪いことなど書くはずがない。『東大名誉教授が創業し、今年3月の上場(名証セントレックス)にはライブドア系のライブドア証券が主幹事証券を務めたなど話題も多い。』とある。更に『東大発のバイオベンチャーとして最初に設立された』など”東京大学”が何度も出現しやたら強調している。ここは東京大学からは無関係と突き放されているが性懲りもなく”東大発”を売り物にしている。それよりも新規上場後1度も公開価格(38万円)を上回ることなく14万8000円(10月7日終値)と派手に下落して市場の笑い者になっていることなんぞ一言も触れていない。そんな汚点を書くはずもなく、流石”御用記事”の面目躍如・・・。

 さて3連休も今日で終わり・・・また明日から世の中は動き始める。阪神電鉄買占め騒動、アドテックスの第三者割当増資失敗?の後始末、エフェクターのロックアップ解除第一弾、それに曲者ライブドア・グループなどなど・・・興味のネタは尽きない。ところで日本証券金融の株式分割権利落ち入札(サガサミー・ホールディングス、HOYA)を巡って何やら怪しい出来事が起きている。信用取引で大損した方が多く出ている様だが、詳しいことが分かっていないのでいずれ別途取り上げることにする。

 2005.10.11

 
阪神電鉄の西川社長と村上氏の会談が今日11時から行なわれ、両者共に従来の主張を繰り返し1回目を終了した。村上氏は阪神タイガースの上場については「上場にこだわっているわけではないが、上場をタイガースファンが望んでいるかどうかファンの意見を聞いてみるべきだ。」と述べている。具体的にはファンに対するアンケートを実施し、その結果を踏まえて判断すべきだとの認識を示している。村上氏としては”球団上場を押し付けるつもりはなくあくまでもファンの意思に従う”としているが、これは世間の反発を緩和する策としてある意味村上氏の賢さを示している。上場の方法については「球団直接の上場に問題があるなら、持ち株会社を作り上場することもひとつの方法」としている。しかしながら持ち株会社を作ったところで結局はダミー会社に過ぎず、多くの反発が予想され実現困難と思われる。一方西川社長は「株式を買ったファンだけを優遇することにもなりかねず、多くのファンの共感を得られない。」などと難色を示し、従来の主張通り「阪神電鉄の100%子会社」との認識を示している。

 村上氏は「全く利用していない不動産を10年間野ざらしはまずい。阪神電鉄はいろんな資産をいっぱい持っているが、それが株価に反映されていない。」として資産の有効活用を求めている。経営陣の怠慢を指摘された様なもので(村上氏が言わなくても)尤もな指摘であり、阪神電鉄側としては『企業価値・株主価値向上策の具体化』を早急に示す必要性に迫られている。さて
今後の話合いがどの様に展開するのか、まだ始まったばかりで予断を許さない

 村上氏は「ある一定の株価水準までなら、いくらでも買いたいということを阪神電鉄の経営陣に伝えてある。」と述べ、今後更に買い増す可能性もあることを示唆している。これより直ちに過半数超えで経営権取得狙いとは即断出来ないが、「あまりぐずぐずしていると容赦しない」との阪神電鉄経営陣への(言葉は悪いが)一種の脅しとも受け取れる。しかしながら村上氏は既に約1000億円もの巨額投資をしているので、更なる買い増しは当然Riskが大きくなる。ファンドの性格からして単独企業の大量株式の長期所有は考え難い。村上氏はファンドマネージャーとしてどこかで何らかの形で(売却により)利益を出す義務を課せられている。
現時点では今後どの様な方針で臨んで来るか分からず、当面村上氏の一挙手一投足に目が離せない

 
阪神電鉄の株価はトップ会談への期待感があり高目に推移し、終値は前日比45円高の1019円で取引を終えている。事態の推移によっては株価がどう転ぶか分からないとの不安感も漂い、当面様子見が続きそれほど株価が暴れるとは考え難い。しかしながら現在の1000円を超える水準が適正かどうかには疑問があり、やはりどこかでかなり下方へ向かって行くと推察しているが・・・?

 第三者割当増資の49億円が払い込まれず中止になるとの醜態を晒した
アドテックスの株価がどの様になるか注目していた。無茶苦茶な第三者割当増資発表→払い込みなし→中止と来ては流石に信用を落として当たり前・・・希薄化解消なんぞ全くプラス材料にもならない。更に資金繰り悪化の懸念とあれば終値がストップ安(4000円安)の3万6950円で取引を終えても当然と言える。明日以降も更に下落するのは目に見えている。今のところアドテックス経営陣からはこの件に関して何の発表もない。いつまでダンマリを決め込むつもりなのだろうか?時間が経過すればするほど状況は更に不利になると思うが・・・?

 ところであまり株価が下落するとMSCBの繰り上げ償還をライブドア証券が求める可能性がある。10月11日にライブドア証券が提出した大量保有報告書によると10月3日までに株式転換したのは約1億円・・・もし繰り上げ償還要求があると最短で30日で約14億円を返還しなければならない。そうなるとアドテックスの資金繰りは更に苦しくなることになるが・・・?


 2005.10.12

 ライブドアの株価は”●●”丸出しの本性を剥き出しにして賑やかに上下している。昨日は先週末と比較して13円上げたが今日はそっくりそのまま戻す羽目になり、終値は前日比13円安の439円で取引を終えている。好決算報道も既に織り込み済みで全く効果なく活力が感じられない。ニッポン放送乗っ取り騒動が収束してからは大したことのないM&Aしか見当たらず、10月1日に記述した様に西京ライブドア銀行設立、フジテレビとの業務提携交渉などどうなっているか分からない有様では心許ない。振り返って見ると近頃ドカンと噴火したのは”●●”なHのご託宣騒動と堀江氏の衆議院選出馬表明の時だけ・・・つまりライブドアの業績などの真面目なネタではなく堀江氏絡みの"お騒がせ”ネタがないと大きく上昇できないことを示している。さて”お騒がせ”男が何か一発やらかすかどうか注目している。

 
エフェクターの株価は15万円を割り込んでからじりじりと安値を更新し続け、終値は前日比14万5000円で取引を終えている。2006年5月期の第一四半期業績では売上高4000万円、経常損失1億2100万円にも関わらず通年では増収増益と言われても何とも心許ない。増収増益の要因として新規ビジネスと大型の共同研究契約締結による売上げを見込んでいるが素直には信用し難い。加えて第一弾から第三弾の大量のSO(第一弾はロックアップ解除済み)がある状況では悪い材料しか見当たらない。そもそも38万円の公開価格を決めたのはどこのどいつ・・・?そんな輩が”●●”面を晒してヌケヌケとして活動しているのだから何とも始末が悪い。

 
フジテレビの株価は8月中旬頃からジリジリ上昇していたが、ここに来て昨日が5000円高、今日が4000円高と急に元気が良くなっている。終値は27万6000円で3月下旬の異常な上昇を除けばここ1年では最高値をつけている。ライブドアのニッポン放送乗っ取り騒動のお蔭でニッポン放送の完全子会社化、またそれに伴い優良企業ポニーキャニオンなどがフジテレビ連結決算の対象となったことが大きい。2006年3月期決算では売上高、経常利益共に倍増が見込まれる。その様なプラス材料が徐々に効き目を発揮したことにより上昇傾向が続いていると考えられる。見方を変えれば堀江氏がちょっかいを出したことによりグループ体制の整備が一気に進んだ。皮肉な見方をすればその意味で堀江氏の功績が大きい。外力により動いたのはいただけないが、まあ結果オーライと言ったところ・・・。この先上昇傾向がどこまで続くのかちょっとした見物・・・。

 
阪神電鉄の株価は前場開始早々1064円をつけたがその後は下落に転じ、終値は前日比8円高の1027円で取引を終えている。昨日村上ファンドから提出された大量保有報告書により保有比率が38.13%から39.77%と更に買い増ししていることが判明した。加えて村上氏が昨日の会見で『阪神は優れた投資対象』との見解を示したことも買いの材料になっていると見られる。しかしながら村上ファンドが何時態度を変更して売りに転ずる可能性もあり、一般投資家としては不安を抱えているのも同じ・・・恐らくその辺りが上に向く勢いにブレーキをかけていると思われる。とにもかくにも両者の交渉の成り行きで株価はどちらに転ぶか決まる。その意味ではかつてのニッポン放送の株価を巡る状況によく似ている。

 
アドテックスの株価は今日もまた予想通りストップ安で終値3万2650円で取引を終えている。経営陣の”身から出た錆”とは言え投資家にとっては迷惑千万・・・たまったものではない。昨日の開示で今後の対策として第三者割当増資、MSCB発行等の検討を進めるとしている。しかしながら昨今の株価の大幅下落により資金調達の単価が大きく下がっている。仮に前回と同じ49億円を調達しようとすれば発行株式数が更に増加し希薄化がより一層進行する。加えて今回の大失態で経営陣の信用はガタ落ちになっているので、第三者割当増資、MSCBいずれの場合でも簡単に引受け先が出てくるかどうか分からない。また出てきたとしても恐らくアドテックスは足元を見られるのは必定・・・相当不利な条件を呑まされることが考えられる。かと言って資金調達できなければ相当厳しい状況に追い込まれる。何にせよ経営陣に苦境を乗り切る度量があるかどうか試される。

 株価推移表を眺めていてふとあることに気がついた。『
株式推移その3』を見て頂きたい。プラネックス、アドテックス、Yozanの3社の株価共に株価低迷で苦戦している。しかも3社の共通点はMSCB引受け先がライブドア証券!とするとライブドア証券(ライブドア・グループ)はズバリ厄病神かもしれない???何やらライブドアが絡むとロクなことがない様に思える。もしかしたら足を引っ張られて更に業績が悪化するかも・・・???障らぬ神に神に祟りなし???

 2005.10.13

 
阪神電鉄の株価は1000円を少し超えた付近でウロウロし、終値は前日比25円安の1002円で取引を終えている。今のところ阪神電鉄も村上ファンド共に目立つ動きがなく株価も動き難い状況にある。恐らく明日もこんな感じで終始すると思われる。何かあるとすれば週明け・・・それまでは様子見が続くのではないだろうか?ところで村上ファンドは新たなTargetに狙いを定めていることが明らかになった。それにしてもまあ”金の力”に物言わせてよくやってくれると妙なところで感心する。

 
村上ファンド、楽天がTBSの株式を買い集めていると報じられている。村上ファンドの場合大量保有報告書の開示がまだないので正確には分からないが7%程度保有しているとされている。村上氏は今夜幾つもTV出演していろいろ話をしているが、この段階で手の内を明かすはずがなく一般論しか触れていない。一方楽天は約880億円を投入して今日現在発行済み株式の15.46%(約2938万株)を取得して筆頭株主になったことが明らかになった。今日夕方行なわれた記者会見で三木谷氏は「共同持ち株会社の設立による経営統合を申し入れた。」と発表した。持ち株会社の傘下にTBSグループと楽天グループが収まる形になる。今日現在の時価総額はTBS:約7087億円、楽天:約1兆248億円からすると、単純に考えれば持ち株会社は楽天が実効支配することになる。これはTBSとしては受け入れ難い。ところで経営統合が実現すれば『ネットとメディアの融合』の実現と言うことになるが・・・。そう言えばどこかで聞いたことがある歌い文句だが、騒動の渦中堀江氏がさんざん口にしていたことを思い出す。

 村上氏がどの様に動くのか分からないので何とも言えないが、もしかしたら
村上ファンド、楽天がつるんでの共同作戦かもしれない。堀江氏の様に経営権取得を目指して露骨に過半数超を狙うかどうかは分からないが、TBSの対応次第では特別決議拒否権の1/3超取得を目論むことは三木谷氏は示唆している。場合にもよるが村上氏は取得したTBS株式を全て三木谷氏に譲渡することも考えられる。状況によっては村上/三木谷連合軍vsTBSのバトルが勃発する可能性がある。そうなればニッポン放送乗っ取り騒動の再現と言うことになるが・・・?一昨年プロ野球への新規参入で後出しの楽天がライブドアを押さえたが、果たして今度も後出しの楽天が成功するかどうかちょっとした見物になるかもしれない。とにもかくにもこれで阪神電鉄に加えてTBSの事態の進行にも目が離せなくなった。

 
エフェクターの株価の下落の勢いが止まらず一時13万7000円まで下落したが、終値は前日比5000円安の14万円で取引を終えている。株価下落率(対公開価格)は65.8%の惨状ではどうにもならない。もしかしたらSO行使が始まっているかもしれない。更に今日の日本経済新聞に以下の様な内容の記事が掲載されている。何やら”もう救い様がない”とも受け取れる。

 
・臨床試験に入った医薬品候補を持たない。製薬会社に開発件を譲渡した実績もない。
  よって「現段階では創薬系ベンチャートは評価できない」との見方が多い。
 ・中堅アナリストによると「割高感は強い」。


 アドテックスの株価はストップ安こそ免れたものの大きく下落し、終値は前日比2350円安の3万600円で取引を終えている。急激な下落はまさに末期的症状を示しつつあると看做せる。恐らく資金繰りはかなり苦しいはずで、今頃経営陣は目の色変えて金策に走り回っているかもしれない。何せ有利発行の第三者割当増資が逃げられるとの珍事?を演じる有様では容易に資金調達が出来るはずがない。強いて言えば引受け先に相当歩の良い新株予約権を発行すればどこか奇特なところが応じてくれるかもしれない。しかしながらそうなると仮に資金調達できたとしても当座は凌げるがその後また苦しむのは必定・・・。加えて14億円のMSCB残高を保有するライブドア証券がどう出るかも注目される。その出方によってはより一層苦しくなることも考えられる。

 
ブロードバンドタワーの株価は株式分割権利落ち日以降一時100万円を超えたがその後は下落に転じ、終値は前日比2万6000円安の76万円で取引を終えている。それでもまだ基準価格68万を上回っている。ところで過半数を保有している親会社のインターネット総合研究所(IRI)は平成電電の損失を補填などを理由にに約10%を売却すると発表した。これによりIRIの保有比率が約40%に低下し、連結子会社から持分法適用子会社になる。2006年6月期中に機関投資家に売却とあるだけで、何時誰に幾らで売却するかは明らかにされていない。一般投資家には不安を与えるのは間違いない。効力発生日まで後1月強あるが、さて株価はどの辺りで落ち着くことになるのだろうか?

 2005.10.14

 近頃堀江氏は三木谷氏、村上氏に話題を独占されてすっかり陰が薄くなってしまっている。阪神電鉄にTBSとこちらへ市場の目引き付けられている煽りを受けたのか、それでなくても勢いを失っているライブドア、ライブドア・マーケティングの株価共に出来高も少なく冴えない動きを示している。ライブドアの株価は前日比5円安の441円、ライブドア・マーケティングの株価は前日比80円安の4350円で取引を終えている。”お騒がせ男”のお騒がせネタをドカンと一発打ち上げないと上昇は難しい。しかしながらちまちまとしたネタしか出せない様ではではTBS、阪神電鉄騒動の威力には勝てず、両者の株価共に暫く低迷が続くと推察している。やはりライブドアは”旬の過ぎた食材”なのだろうか?

 そう言えば昨日の
朝日新聞に『堀江社長、宇宙に新規参入』の記事が掲載されていた。記事によると以前から堀江氏は宇宙事業に関心があり、本業以外に宇宙旅行を手掛ける個人的なProjectを立上げ事業化の準備を進めている。既にロシアの企業と連携・・・暫く前にロシアに出張していたが・・・カプセル型の小型宇宙船を確保している。5000万円程度の”低価格”の宇宙旅行の構想も持っているとされる。アメリカ企業が販売している国際宇宙ステーションに1週間程度滞在するプランの約22億円と比較すると格安・・・但し5000万円のプランの詳細が分からないので単純には比較出来ない。22億円だと流石に大変だが、宇宙旅行に興味があり5000万円位ならばポンと出せる金持ちは幾らでもいる。それよりもアメリカの宇宙船の事故の例もあり、宇宙船の信頼性/安全性の方が気になる。余談ながら宇宙ネタもまだまだ雲を掴む様な話で、一部の方が期待していた株価上昇の起爆剤とはならなかった。

 阪神電鉄の株価は前場999円で寄り付きその後だらだらと下げて、終値は前日比32円安の970円で取引を終えている。昨日からの話題はTBS騒動一色でそちらに人気を奪われ、話題性が少々薄れて来ているのかもしれない。テクノバーンによると「村上ファンドの登場によって信用買い残が急増したことも取り組み妙味の観点から利益確定の売りが出易い要因となっている。」とのこと。しかしながら阪神電鉄を巡る状況の先行きは不透明であり、週明けの関係者の動きによっては株価がどうなるのか全く予断を許さない状況にある。

 子株還流が目前に迫って来た
ガンホー・オンラインの株価は下げ足を早め、終値は前日比26万円安の346万円で取引を終えている。ここのネットワークには3月と6月の2回不正アクセスについての調査結果および再発防止策を発表した。情報流出の可能性は低いとしながらも改竄者の特定には至っていない。このことがネットワークセキュリティへの不信にも繋がり、子株還流目前の時期と合わせて大きな下落に至ったと思われる。ここの基準株価は312万円で今日の終値はまだ高く暫く下げると見ている。来週になり子株が市場に出回る様になれば株価がどうなるのか注目される。

 
アドテックスの株価は前場3万1800円で寄り付き3万1000円台をウロウロし、終値は前日比1000円高の3万1600円で取引を終えている。3万円割れ寸前で何とか踏ん張ったものの、何ら良い材料が見当たらない現状では株価を維持するのが難しいと思われる。10月12日から14日までのVMAPで転換価額が修正されるが、恐らく3万円を割り込み下限(2万7721円)にかなり近づく。このままでは次回修正時に転換価額が下限に到達する可能性がある。MSCB引受け先のライブドア証券はどうするのだろうか?見込み無しとなれば14億円の繰り上げ償還請求に踏み切る可能性もある。とにもかくにも苦しい状況に追い込まれたアドテックス経営陣が、資金調達の為に新たな(多額の)MSCB(+貸株?)を発行して来ることが予想される。そうなれば株価がどうなるかは一目瞭然・・・更に酷い惨状が待ち構えている。

 今日の夕方
村上ファンドのTBS株式の大量保有報告書が開示された。それによると村上ファンドが9月末時点で発行済み株式の7.45%(1415万1500株)保有している。村上氏は10月4日TBSに対してMBOを正式提案しているが、楽天がTBS株式のTOBを実施する場合には有利な価格であれば売却する方針を明らかにしている。ニッポン放送乗っ取り騒動でも村上氏は保有株式の多くを有利な条件を示したライブドアに売却している。恐らく今回も(事態の推移にもよるが)楽天に売却する可能性が高いと見ている。

 三木谷氏は昨日の記者会見の中でTOB実施の可能性をちらつかせTBSに対して圧力をかけている。しかしながら実質TBS乗っ取りに繋がる持ち株会社設立提案をTBSが承諾するとは考え難い。楽天とTBSの交渉が行き詰まれば、三木谷氏は何が何でも村上ファンド保有のTBS株式取得に動く。もし全て楽天に売却されれば保有比率が22.91%になる。となればTBSが敵対的M&Aへの防衛策を発動することが考えられる。そうなればライブドアvsフジテレビのバトルの再現・・・楽天vsTBSの全面抗争に発展する可能性が大きい。

 2005.10.15

 今回のTBS騒動、阪神電鉄騒動でまたまた5%ルールの問題点が浮き彫りになっている(ぺんぺん草第65段参照)。通常5%以上の株式を保有している株主は保有状況を財務局に提出しなければならない。更に5%以上の株式保有者の保有比率が1%以上変動した場合にも大量保有報告書の提出を義務付けており、届出は原則として5営業日以内となっている。ところが村上ファンドの様な投資ファンドには特別ルール(例外規定)が適用される(下記参照)。

 1)保有比率が1%以上変動した時各業者の定める基準日の翌月15日迄に大量保有報告書を提出。
 2)2.5%以上変動した時には、翌月の15日までに大量保有報告書を提出。

 昨日の開示で村上ファンドが9月末時点で7.45%保有していることは分かるが、10月になってからの状況は全く分からない。仮に楽天が村上氏から10月14日にTBS株式を5%取得したとする。その場合楽天は5%ルールに従い10月21日までに大量保有報告書を提出するが、一方村上氏は特別ルールに従えば11月15日までに大量保有報告書を提出すれが良い。つまり楽天がTBS株式を増やしたことはすぐに分かるが、誰から取得したかはかなり先にならないと判明しない。ここが大きな盲点であり、
株式大量売却の事実公開があまりにも遅く公正さを欠いている

 何故投資ファンドがこれほど優遇されているのだろうか?この問題はニッポン放送乗っ取り騒動の時に既に指摘されていて、当時金融庁からは大量保有報告制度を見直す方針が出ている。しかしながらその動きはあまりにも遅く未だに改定されていない。そんなに難しいことではないのでやる気があればすぐにでも実施できたはず・・・やはりお役所仕事と嘆かわしくなる。全てを網羅する完璧な法/ルールを規定するのは困難だが、
制度上の不備が顕在化した時には速やかに欠陥を正さなければならない

 
阪神タイガースの上場を巡って幾つかアンケート調査が行なわれている。スポーツ新聞、ライブドアの調査結果が朝日新聞に掲載されている。主な結果は以下の通り。

 ・ライブドア(10月14日14時30分現在、有効回答:2483) 賛成:73%、反対:27%
 ・デイリースポーツ(10月14日19時30分現在、有効回答:5322) 賛成:7%、反対:93%
 ・日刊スポーツ(10月11日現在、有効回答:約5000) 賛成:45%、反対:55%


 ライブドア、デイリースポーツでは全く正反対の結果が出ているが、どちらも調査サンプルに偏りがあると推測されそのまま信用することはできない。日刊スポーツもその意味では何とも言えないが、このデータが3つの調査結果の中では比較的確からしさが高いと思われる。恐らく世間一般では賛否両論が拮抗していると見るのが正しいのではないだろうか?
村上氏の提案もありファンによるアンケート調査が現在検討されている。村上氏は具体的に「公式ファンクラブの約15万人を対象にInternet投票実施」との提案を行なっている。阪神電鉄も40%を超える大株主の意見を無視出来ない。これに対し阪神電鉄内部にはInternet投票に難色を示す声があり、また公式ファンクラブに属さない私設応援団の意向も取り入れる必要があるとして具体的な調査方法を検討している。さて何時どの様な形で投票が行なわれどの様な結果が出るのか大いに注目が集まる。

 ところで明日高知競馬第6R(ダート:1000m)に『ホリエモン』が8頭立ての4番枠で出走する。前走は先行したが直線伸びきれず0.3秒差の4着に敗れている。高知は雨で恐らく明日も馬場状態は悪い。高知競馬で今まで4走したが、その内2走は不良馬場で2着、1着と好走している。明日の高知の天気予報は朝から晴れだが、どこまで馬場が回復するのだろうか?本家「ホリエモン」に元気がなくても関心はないが、馬の『ホリエモン』には頑張って欲しい。

 2005.10.16

 TBSとの経営統合を目指している楽天に対してメガバンクを含む大手銀行数行が株式購入資金を融資している。』と報じられている。融資枠総額は明らかではないが、情報提供者によると「TBSの発行済み株式の30%以上を取得できる規模」とされる。このタイミングでこの様な情報が流れたことから推察すると、恐らく情報源は楽天に近い筋と考えられる。言い換えれば三木谷氏はTBSとの交渉次第では「経営権奪取を目指し1/3超取得出来ますよ。」と圧力をかけているとも看做せる。

 それにしても資金源が銀行とは・・・。
楽天への融資の裏には何か怪しい意図が蠢いていると思われるが・・・。昨日テレビ東京のWBSを見ていたら、村上ファンドへの有力な資金提供元として農林中央金庫、東京三菱銀行など国内の金融機関の名が挙がっていた。金を大量に持っている金融機関が”金の威力”を背景に好き勝手に振舞っている様にしか見えない。資本主義経済論理から言えば特に問題になることではないが、それを承知した上で何か割り切れない思いがどうしても拭えない。バブル時の銀行(金融機関)の無茶苦茶な融資、バブル崩壊後の強引な債券取立て、貸し剥し、(一部銀行は破綻したが)公的資金投入でぬくぬくと再建・・・そんな話が頭に浮かぶので銀行を含む金融機関への不信感は大きい。

 堀江氏はニッポン放送乗っ取り騒動時には極めて挑戦的な言動を繰り返し、政財界、マスコミなど各所で反感をかっている。その後衆議院選挙に立候補により政界、特に自民党にパイプを作ったが・・・。これに対し
三木谷氏は表面上ソフトな言動、それに政財界との強い繋がりなど、今までのところ上手く立ち回っている様に見える。その為か政財界からは批判の声も少ない。事前の根回しが効を奏して三木谷氏のペースでコトが運んでいるが、今後楽天との交渉が暗礁に乗り上げて強引な手法に頼らざるを得なくなった場合には批判の声が強まって来ることが予想される。

 10月14日TV番組の中で株式を買い増すかと問われると三木谷氏は「今後はわからない」と可能性を否定せず、「880億円も投資した。あまり悠長なことも言っていられない。」とTBSに早い決断を促す発言をしている。確かに三木谷氏はMSCBなどではなく銀行融資により資金調達しているので、交渉が長期化すれば金利負担が重く圧し掛かってくる。また資金調達コストの上昇は2005年12月期決算に悪影響を及ぼす可能性がある。当然三木谷氏としては早期決着を図りたいところで、もしかしたらライブドアの時よりも早い展開になるかもしれない。

 某掲示板で今日堀江氏が何か発表すると騒いでいるので恐らく宇宙ネタと思ったら、やはり予想通り10月14日に記述した
ロシアの小型宇宙船を使った宇宙旅行企画の正式発表だった。ライブドアとは関係なく堀江氏個人での事業立上げで、発表会場では小型宇宙船の模型(実物?)を展示していた。長さ8m、幅2.5mで3人乗り・・・ロシアは安全性を保証すると言っているが何やら玩具の様な印象を受けた。宇宙ビジネスの展開がぼちぼち始まっているが、本格的に廉価で展開するのはまだまだかなり先の話と思われる。まあそれでも元ライブドアの榎本氏の様に22億円出して宇宙へ行く好奇心旺盛なお金持ちが世の中には結構いる。それなりに商売になるとは思うが・・・?

 アメリカのスペースシャトルは2回も死亡事故を起こしている。NASAと言えば信頼性工学の本家・・・信頼性理論はアメリカの宇宙開発と共に急速に進歩を遂げている。ところがNASAでは予算不足の弊害が出て事故にも繋がっていると言われている。それはともかくとして宇宙船事故率が高い現状では高い対価を払って宇宙旅行するにはRiskが大き過ぎる。現在の飛行機並みに宇宙船で宇宙旅行が出来る様になるのは何時のことだろうか?

 ところで高知競馬第6R(ダート:1000m)に出走した『ホリエモン』は果敢に先行し2番手につけたが、直線で外から「タマテバコ」に差されて3/4馬身差の2着に敗れた。今回も不良馬場で2着と足抜きの良い馬場状態の方が『ホリエモン』に合っていると思われる。毎回そこそこに健闘しているので2勝目はそれほど遠くはない。本家「ホリエモン」に盛り上がりに欠けるのを馬の『ホリエモン』がカバーしている・・・?

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