2005.10.24

 週末の堀江氏支持者の”●●”騒ぎでライブドア・グループの株価がどうなるかと思っていたが、結果として
”想定内”の範囲での動きで大したことはなかった。ライブドアの株価は前場寄り付き439円で開始後446円まで上昇したが、その後は440円を少し下回る水準で推移した。終値は前日比21円高の440円で取引を終えている。寄り天ではなかったもののそれ以上の上昇パワーが見受けられず、以前の勢いがある時分のライブドアとは全く比べ物にならない。出来高も伸びず機関投資家は今のところセシール買収には興味を示していない様に見える。どうやら何とかして株価を高騰させたい個人投資家の買い煽りの動きが目立ったと思われる。”セシール買収”のちょっと目には好材料に見えるネタが先週金曜日の大引け後に出たにも関わらず、この程度の反応しか示さないのでは堀江氏支持者の期待する”爆上げ”は難しい。また明日から下方に向かうと推察している。

 直接セシールの親会社となる
ライブドア・マーケティングの株価は、セシール買収が好材料であれば上昇しても不思議ではない。ところがライブドアがそれなりに上昇したのにも関わらず、こちらは何とも冴えない動きに終始している。まさに寄り天で前場寄り付き直後に4940円をつけたがその後は下落に転じ、終値は前日比140円安の4590円で取引を終えている。やはり『セシールが3期連続赤字に加えて2005年12月期の連結決算(予想)でも赤字となっている』ことが不安材料になっていると考えられる。確かに幾ら有名な企業であってもこれほど赤字続きでは「お荷物を背負い込むのでは?」との心理面での悪影響を投資家に与えるかもしれない。ところで先週の木、金曜日の2日間で330円上昇し、いざセシール買収が発表されたら140円下落の動きも何やら怪しい。尤もこの程度の臭い動きはライブドア・グループの株価にはよくあるので気にすることでもない。

 
エフェクターの株価は先週は何とか13万円台で凌いでいたが、遂に12万円台に突入し上場以来の最安値を更新した。終値は前日比3000円安の12万9000円で取引を終えている。表面には出て来ていないが恐らくSOの行使が進んでいると思われる。中でも行使価格1万円の恐怖のSOが3万株以上もあるのはどう考えても非常識以外の何者でもない。金儲け目当てのIPOと言われても当然・・・こんな”●●”げたIPOまかり通るのは法の不備と断ずる。それはさておいてここは業績にも?マークがつき株価上昇の見込みは少なく、更に恐怖のSOが大量に待ち構えているのでは救い様がない。この先どこまで下落して行くのかに注目が集まる。

 楽天とTBSの交渉長期化の可能性があり先行き不安との観測から
楽天の株価は下落を続けている。終値は前日比3300円安の7万5400円で取引を終えている。10月14日に追跡を始めてから6営業日で1万2400円下落している。やはり楽天がTBS株式の15.46%取得を発表して以降、どちらかと言うと世論は楽天に対して冷ややかに傾いている。三木谷氏がどれほど綺麗事を言っても所詮目的が乗っ取りなのは明らか・・・世の中をを甘く見てはいけない。事態の進行によっては三木谷氏の言動が過激になる可能性があり、そうなれば更に世間からの風当たりが強くなるのは必定。現時点では三木谷氏の方が苦しい立場にある様に思われるが・・・?

 
プラネックス・コミュニケーションズの株価は2営業日続けて跳ね上がり、終値は前日比1万3000円高の19万2000円で取引を終えている。何も材料がなく2営業日で2万1000円も上昇するのは極めて不自然と言わざるを得ない。ところで株式推移を眺めると同様の不自然な上昇に気がつく。9月15日からの3営業日で4万2000円も急上昇し、9月20日の終値は20万5000円となっている。この時も材料があった訳けではなくその後10月20日には17万1000円にまで下落している。明らかにどこぞの誰かが仕掛けて株価を吊り上げて高値で売り抜けたと思われる。今回も同じ様に動き始めているが、もしかしたらまたもや同じ狙いの仕掛けなのだろうか?明日20万円を超えてくる可能性があるが、その場合明後日以降の株価動向が極めて要注意になる。

 2005.10.25

 
楽天の主力取引銀行の三井住友銀行と準主力銀行のみずほコーポレート銀行が、『楽天が敵対的買収に動いた場合追加融資には応じない意向』と報じられている。両行としては敵対的M&Aに協力すればイメージダウンは必至・・・情勢が必ずしも楽天には有利に見えない世論の状況を睨みつつ、取引を通じて幅広い関わりを持つ経済界との繋がりを考慮したものと思われる。早ければ明日にも開催されるTBSの『企業価値評価特別委員会』にて楽天の行為が敵対的との判断が下れば、楽天としては更に資金を投入してTBS株式の買い増しが必要になる。しかしながらその場合には国内銀行からの追加融資の道は事実上絶たれているので、外国系金融機関の融資、それもライブドア同様MSCB発行に頼らざるを得ない可能性が高い。外国系金融機関となるとまたもやリーマン・ブラザーズ?それはさておいて楽天がMSCB発行すればイメージダウンは必至・・・場合によっては財務不安が顕在化し窮地に陥ることすら考えられる。

 
企業価値評価特別委員会の諸井委員長は楽天の行為について「今ある情報だけでも、誰が見ても敵対的買収」と述べている。当初諸井氏は三木谷氏に好意的な姿勢を見せていたが、その後状況が明るみになって来ると”三木谷氏に騙された”と態度を硬化させている。TBSが委員会に買収防衛策実施を諮問する様状況になれば了承する可能性が高くなっている。但しその場合TBS、あるいは村上氏から差し止め訴訟が起こされ法廷闘争になるのは間違いない。フジサンケイグループが新株予約権発行を巡ってライブドアとの法廷闘争に敗れたことはまだ記憶にも新しい。諸井氏は「防衛策が裁判に耐えられるものなのかを専門家に聞きたい。」としている。これは当然のことでTBSにとって”負ける戦”は許されず、買収防衛策を実施する場合用意周到に理論武装して対処しなければならない。ところで企業価値評価特別委員会の委員の西川氏(三井住友銀行特別顧問)は委員会に欠席する見通しと報じられている。西川氏は楽天証券取締役に就任しているのでモロに利害関係者と看做せる。当然のことながら委員会出席は社会通念上からも辞退すべきと考える。

 
三木谷氏は朝日新聞のInterviewに対して「IntertnetとTVの融合を実現するため、TBSの交渉には柔軟に応じる。」と述べ、必ずしも共同持ち株会社の設立にはこだわらない意向を示している。但し一方で『資本提携は譲れない』として”TBS株式を手離さず粘り強い交渉”継続の強い決意を表明している。ライブドアとの違いを強調したものとも受け取れるが、さて世間が三木谷氏の思惑通りに受け止めてくれるかどうかは疑わしい。そんな世間の逆風を受けて楽天の株価は揺れ動き前場7万3100円まで下落したが、それでも後場には持ち直し終値は前日比200円高の7万5600円で取引を終えている。但し現状では楽天に強気の材料が見当たらず苦戦が続くと推察している。一方TBSの株価は決め手が出ていない状況を反映して様子見が続いているものと思われ、終値は前日比270円安の3150円で取引を終えている。もし三木谷氏が強引な動きに出る事態になれば大きく動くことは必至・・・もしかしたら現在は”嵐の前の静けさ”かもしれない。

 10月24日巨人の渡辺恒雄会長は
堀江氏が広島東洋カープの買収へ積極的に動いていることを明らかにしている。加えて堀江氏が9月の衆院選で落選した“見返り”として政財界がバックアップしているとしている。堀江氏の背後には自民党の武部幹事長がいると不快感を顕にしている。この発言の信憑性は分からないが、前々から堀江氏はプロ野球の球団保有に強い関心があり(広島東洋カープかどうかは別として)狙っている可能性が充分にある。それに球団一つ直ぐに買収出来るくらいの資金はフジサンケイグループから掠め取った中から調達出来る。堀江氏が常々追い越したいと考えているソフトバンク、楽天は既にプロ野球球団を持っているので、何が何でも自分も持ちたいとの気持ちはかなり強いと思われる。それに本業よりも副業の方に関心が移っている様にも見えるが・・・?

 ライブドア・グループの株価は昨日の予想通りセシールの買収くらいの材料では弾みがつかず勢いがない。
ライブドアの株価は前日比7円安の433円、ライブドア・マーケティングの株価は前日比240円安の4350円で取引を終えている。3期連続の赤字企業を背負い込んだところで重荷にこそなれ、セシールがそんな簡単にグループの一員として業績に貢献出来るとは思えない。堀江氏支持者は喉から手が出るほどBig Supriseを待ち焦がれているが、果たして堀江氏は”究極の”Supriseを繰り出せるのだろうか?

 
エフェクターの発行株式数が11万450と10月になってから620増加している。明らかにSO行使による増加で、平均13万円で売却したとすると、既に約8000万円が”金の亡者”の懐に入っている。大して社会に貢献していると思えないのに、ヌケヌケと市場から金を巻き上げているのだから全くいい気なものと呆れ果てる。まだSOのごく一部しか行使されただけだが、9月末の株価15万円から今日現在の終値12万9000円と大きく下落している。このまま順次SOが行使されていったら「終いには株価が0になるのでは?」と皮肉の一つも言いたくなる。

 今日東証1部に
東京スター銀行が上場したが、1度も公開価格43万円を上回ることなく苦しいスタートを切った。初値41万5000円形成直後42万9000円をつけたが、その後は力なく終値は40万5000円で取引を終えている。これでエフェクター、マルマンに次いで今年3例目の初値公開価格割れ・・・ちなみにエフェクター、マルマンが依然として大きく公開価格を下回っていることは周知の通り。全く有難くない前例だが、果たして東京スター銀行は明日以降上昇機運に乗れるのだろうか?

 東京スター銀行とは馴染みの薄い銀行だが、前身が乱脈経営で1999年6月に破綻した東京相和銀行(旧東京相互銀行)と言えば思い出す方も多いと思われる。一時国有化の後アメリカテキサス州に本拠を構える公的資金の投資グループ「ローンスター(Lone Star Fund)」に営業譲渡されて2001年6月11日に発足した。アメリカのファンドと聞くと直ぐに”禿鷹ファンド”を連想するが、ローンスターは真面目なファンドで公務員・国際機関職員・有力民間企業の年金をベースに堅実に運用している。ところで『ローン』とは唯一(Lone)のことで金貸し(Loan)ではない。ちなみに『Lone Star』はデキサス州の州旗・・・余談ながらテキサス州知事はブッシュ大統領の弟で兄によく似ている。


 2005.10.26

 三木谷氏は夕方の記者会見で楽天がTBSの発行済み株式の19.09%まで買い増していると公表した。会見を見る限りでは三木谷氏は一見落ち着いている様には見せているものの、発言の節々に焦りの色を感じ取れる。今回の追加取得で約230億円、累積で約1110億円投入している。大半を国内金融機関からの借り入れと見られ、楽天の財務状況を考慮すると三木谷氏としては最早”引くに引けない”立場にある。ところで19.01%とは微妙な数字でわざわざ20%手前で止めているのは、TBSに対し”経営統合に向けた協議開始”を迫り圧力をかける狙いがある。20%を超えた場合TBSに買収防衛策発動の口実を与えるので、取り敢えず現時点ではまだ得策ではないと三木谷氏が判断していると考えられる。 早期決着を望んでいることの表われだが、果たしてそう上手く行くかどうか・・・?

 それにしても三木谷氏は何と姑息なことを考えているのだろうか?「友好的に」と言いつつ一方では陰で強硬策を着々と進めているのでは、誰の目にも”
力づくで三木谷氏はTBSを奪い取ろうとしている”としか映らない。TBS、更には第三者機関の企業価値評価特別委員会もこんな「三木谷氏のやり方は卑劣」と受け取るのは当たり前・・・。とすればTBSが実質”乗っ取り”に等しい経営統合提案を呑むはずがない。三木谷氏はどうせ正体がバレバレなので、今更綺麗事なんぞ言わずに正面から乗っ取りを仕掛けるしか手段は残されていないと思うが・・・?堀江氏の場合はストレートな仕掛けで見方によっては可愛げもあるが、三木谷氏の場合はただ単にずる賢く立ち回り嫌らしさしか感じられない。ちなみに楽天の株価には投資家の心理的不安が感じられ、終値は前日比1000円安の7万4600円で取引を終えている。一方TBSの株価は予想通り3000円台前半の動きを示し、終値は前日比110円高の3260円で取引を終えている。

 
グローバリーの上場廃止は残り4営業日に迫って来たが、どうやらこのまま上方に向かっての大暴れをせずに終焉の時を迎えると思われる。今日もまた出来高が少なく、終値は前日比6円安の277円で取引を終えている。今更上昇するとは考えられず、大暴れを見込んで高値売り抜けを目論んだ方は当てが外れたのでは・・・?もしかしたら諦めによる投売り続出で暴落するかもしれない。

 
アドテックスの株価は昨日突然のストップ高(3000円高)に続き、今日の前場取引開始直後に前日比2500円高の3万4000円まで上昇しまたもやストップ高(4000円高)かと思わせる場面があった。10時頃に3万500円まで一気に下落しその後は3万1000円を挟む攻防が続き、終値は前日比600円安の3万900円で取引を終えている。

 今日アドテックスは「フィリッピンの子会社『ADTX SYSTEMS,INC』の全株式を約5億円で売却し、2005年12月期決算に特別利益を計上」すると発表した(こちら 参照)。資金繰りの悪化から背に腹は替えられず、自らの身を切り売りして資金調達する必要に迫られている。つまりそれだけ切迫した状況にあることを示している。恐らく一時凌ぎに過ぎず、この程度ではまだまだ不足と思われる。とすれば資金調達が儘ならない状況が続き、更に我が身の切り売りがあるかもしれない。

 そんな我が身の切り売りで一時的に特別利益を計上したところで何の解決にもならない。やはり昨日のストップ高とはどう考えても怪しい。どう見てもどこぞの悪い輩が高値売り抜けを狙い画策したとしか思えない。ところでアドテックス同様苦境にある
ドリームテクノロジーも何の材料無しに2日続けてストップ高と不自然な動きを示している。両者共に当面『要注意銘柄』として監視を続ける。

 阪神電鉄を巡る動きが全く伝わって来ない。水面下では村上ファンドとの間で虚々実々の駆引きが行なわれているはずだがいったいどうなっているのだろうか?現在阪神タイガースとロッテの日本シリーズが行なわれているので、今この時期に無用な騒動を起こしたくないことでは阪神電鉄、村上氏双方共に考えが一致している。日本シリーズが終われば村上氏の主張する『阪神タイガース上場問題』のファン投票について具体的な話が表面化し、合わせて阪神電鉄の企業価値向上の具体策についても一気に話が浮上して来ると思われる。村上氏も三木谷氏同様相手の株式を大量に取得した上で相手に要求を呑ませ様としている。言い替えれば相手の喉元に匕首を突きつけて脅しをかけている様にも見える。”金の力”にモノ言わせて強引に押し切ろうとするやり方には反発を感じる。

 ところで今日甲子園球場で日本シリーズ第4戦が行なわれ、ロッテが3vs2で阪神タイガースに競り勝ち4連勝で31年ぶりの日本一に輝いた。阪神タイガースの敗因は日程の違いで実戦から遠ざかっていたことなどが挙げられる。しかしながらそれ以上に微妙な時期に阪神タイガースを巻き込んだ騒動を引き起こした村上氏への風当たりが更に強くなる可能性が高い。それはともかく村上氏は阪神タイガースのセリーグ優勝を好機と捉えてわざわざ時期を選んでコトを起こした”確信犯”・・・言い替えれば金儲けの為には手段を選ばない”守銭奴”とも言える。堀江氏、三木谷氏、村上氏と続けて騒動を起こして世の中を賑わせているが、
拝金主義が更に蔓延する恐れがあり大いに危惧の念を抱かざるを得ない。

 2005.10.27

 昨日楽天は子会社上場や保有有価証券の売却による資金調達を検討していることを明らかにしている。TBS株式取得の為に既に投入した債務の返済資金、それに今後想定されるTOBへの投入資金として活用する狙いがあると考えられる。上場の有力候補としては楽天証券、楽天トラベルなどがある。 また換金可能な有価証券も数百億円程度を保有していると見られる。

 楽天の背後にはアメリカの大手投資銀行『
ゴールドマン・サックス』がアドバイザーとしてつき、既に楽天に対して市場から2000億円程度調達する案を提示している。またもや”外資系禿鷹ファンドの登場”で短期に暴利を貪ることになるのだろうか?第三者割当増資、あるいはMSCBによる巨額の資金調達となれば楽天株式の希薄化は必至・・・。ライブドアがリーマン・ブラザーズに巨額のMSCBを発行し株式の希薄化を招き、未だに株価が低迷していることは周知の事実・・・自らの身を切り売りしての強引な資金調達には世間からの批判を浴びている。楽天としてはできる限り世間からの批判を避けるべく、子会社の上場益、保有有価証券売却など幅広い資金調達方法を検討していると見られる。しかしながら事態が泥沼化すれば更に巨額資金を注ぎ込む必要が生じ、結局は第三者割当増資、あるいはMSCBの手段を取らざるを得なくなる。何やらライブドアと同じ様な道を歩みそうに思える。となれば楽天に有利な展開になるとは到底考え難いが・・・?

 TBSの近い筋からの情報として『TBSに対して株式を長期保有し続けると伝えている安定株主が、発行済み株式の50%を超える見通し』と伝えられている。楽天による株式買占めが明らかになってから、当然TBSは協力的な株主に対して長期保有、更には買い増しを要請している。TBS株式を保有する複数の海外機関投資家も「保有株を売却しない」との意向を伝えてきたとされる。この情報の信憑性は定かではない。この様な時期にこの様な情報がリークされるのは、少しでも自分の方に形勢を有利に導こうとする動きの現われ・・・。神経質な情報戦争が水面下では行なわれている。

 
楽天の株価は”楽天必ずしも有利ならず”との見方が支配的と見え依然として軟調で、終値は前日比2600円安の7万2000円で取引を終えている。昨日の三木谷氏の記者会見の様子からすると、事態がなかなか進展しないことにイライラしている様子が垣間見える。一方TBSの株価は模様眺めが続き動きが少なく、終値は前日比60円安の3200円で取引を終えている。三木谷氏が強硬策に打って出るのはそう遠くないと見るが、その時に両者の株価がどの様に動くか注目される。

 
阪神電鉄の株価は前場取引開始から880円前後でほとんど動きがなかったが、13時50分頃から突然出来高増加を伴い急上昇した。終値は前日比42円高の929円と、大引け前1時間ほどで一気に50円ほど上げて取引を終えている。明らかに不自然な動きで、誰がいったい何の為に動いたのだろうか?気になるのは村上氏・・・しかしながら経営権奪取が目的でないとする村上氏がこの時期にわざわざ高値で買い進めるとは考え難い。どこぞの誰かが何らかの思惑で値を吊り上げたのだろうか?いずれにせよ明日以降の株価の動きに注目したい。

 おまけで追跡している
ドリームテクノロジーがまさにマネーゲームの様相を呈し、無責任な第三者としては極めて面白い展開になっている。今日で3日連続のストップ高(2000円高)・・・終値は1万7700円で取引を終えている。ストップ高が何時まで続くのか興味がある。材料が全く無いのにも関わらず株価だけが激しく一人歩きしている。まさにマネーゲーム以外の何者でもない。どこかで反転して真っ逆様に奈落の底へ一気にに突き落とされる様な事態が起きるかもしれない。

 2005.10.28

 楽天の株価は前場9時20分頃に今年最安値の6万8700円まで下落したが、後場には上昇に転じ終値は前日比7万2700円とプラスで取引を終えている。TBSとの交渉には何ら進展がなく状況は全く変化していない。然るに後場の上昇は明らかに不自然で作為的な動きを感じる。(あくまでも推測だが)この時点であまり楽天の株価が下降するのは如何にもまずいので、三木谷氏が楽天証券を使って買い支え値を吊り上げたとも看做せる。予想外に世間の風当たりが強く、三木谷氏の目論見が狂い節々に焦りが感じられる。引くに引けないところまで踏み込んだ以上、最早”負けは許されない”との意識から週明けは動きが活発になると考えられる。一方TBSの終値は前日比110円高の3310円で取引を終えている。

 
村上氏は約40%保有を背景に阪神電鉄にじわじわと圧力をかけている。圧倒的優位に立つ大株主として『大幅な収益改善を求めると共に、改善が見込めない施設は売却してグループから切り離す』ことをを要求していると見られる。六甲山でのレジャー施設の運営の場抜本的見直しを求めている。六甲山では約30万uの所有地で植物園やスキー場のほか、展望塔がある六甲ガーデンテラスなどを運営している。更に六甲オリエンタルホテルを経営し約13万uのゴルフ場も所有する。1995年の阪神・淡路大震災の影響などをモロに受け、その後ホテルなど一部の施設は赤字が続いている。六甲山と言えば誰もが知る関西地方屈指の観光地・・・しかしながら村上ファンドは今後も収益性が期待できないと判断したと見られる。

 『
阪神電鉄が球団上場の可否を問うファン投票を当面見送る方針を固めた』と報じられている。経営陣の話として『1000万人を超えるファンの意見を反映するのはほぼ不可能と判断』とも伝えられている。また有識者10名の意見として『上場は必要不可欠と認められない』との結論を得ている。つまり筆頭大株主の意向を全く否定している訳けで、阪神電鉄の全面対決も辞さないとの意思の表われとも看做せる。但し阪神電鉄はかなり追い詰められ、打つ手も限られ苦しい立場にあるが大丈夫なのだろうか?一方村上氏が筆頭株主としての面子を潰されたと看做せば、過半数超取得などの強硬策に打って出る可能性もある。楽天vsTBSの争いの陰に隠れて分かり難くなっているが、早晩機が熟せば一気に事態が動き出すので目が離せない。

 
阪神電鉄の株価は2日続けての上昇し、終値は前日比26円高の955円で取引を終えている。ここでの上昇は様々な憶測を呼んでいる。村上氏の買い増しの可能性も否定できないが、むしろどこぞの誰かが仕掛けた所謂”仕手相場”の可能性が高いと思われる。一般投資家がこの動きに吊られて手を出すと痛い目に遭うかもしれない。週明けの株価動向が注目される。

 東証は『
今日の大引け後の時間外取引で阪神電鉄株式の発行済み株式総数の0.53%にあたる201万6000株が売買された』と発表した。取引価格は890円で今日の終値よりも65円も安い。しっかりと時間外で安く入手している。村上氏は「株価が安ければ阪神電鉄株式をいつでも買い増す。」としている。やはりこの巧みな買い方は村上ファンドに違いない。日本シリーズが終了して本格的に再始動したのかもしれない。どこまで買い増すつもりなのだろうか?今でも着々と買い増しているとすれば過半数超は目前に迫って来る。阪神電鉄経営陣にとりかなりの脅威に感じているはず・・・。とにもかくにものっぴきならぬ状況にあることは確かで、もしかしたら週明けには事態が急展開する可能性がある。

 ライブドア・グループは何もみるべきものがなくほとんど注目されず、出来高が少なく株価の動きも全く冴えない。
ライブドアの終値は昨日に同じ429円(月曜日の終値:440円)、ライブドア・マーケティングの終値は前日比10円高の4400円(月曜日の終値:4590円)で取引を終えている。ジャック・ホールディグス、セシールのM&Aなど次々と材料を出してはいるが全く効き目がない。また既に2005年9月期連結決算では大幅増収増益の業績見通しとの情報が出ているが全く反応しない。それ故11月中旬に決算が正式発表されてもそんなに動くとは考え難い。とするといったい何が出て来れば(派手に)上へ向かって動き出すのだろうか?プロ野球球団買収?西京ライブドア銀行設立?ところで銀行の件は年内開業予定になっているがどうなっているのだろうか?関係者によると「予定通り進めている」とのことだが・・・?

 
アドテックスの株価は10月25日の不可解なストップ高の後3営業日続けて下落し、終値は前日比420円安の2万8580円で取引を終えている。何のことはない。3営業日で2920円下げて結局ストップ高前日の水準までほぼ戻ってしまった。さて苦しい立場に追い込まれている経営陣の次の一手は果たして何だろうか?何をするにも足下を見られてアドテックスには分の悪い方策になることは間違いない。一方ドリームテクノロジーの株価か今日で4日連続のストップ高となり、終値は前日比2000円高の1万9700円で取引を終えている。これもまた不可解だが、時折見受られる”お祭り騒ぎ”が起きているだけと考えれば納得出来る。”お祭り騒ぎ”の渦中にいる方々はすっかり舞い上がっているので、どこまでも上昇し続ける様な気持ちでいるのだろうか?。しかしながらいずれバブルは弾け飛ぶが・・・果たして如何に?

 2005.10.29

 
ソフトバンクは全国11(12主催者)の地方競馬と業務提携し、Internetによる馬券販売、レース中継などを始める。ソフトバンクは今年9月岩手県競馬組合との業務提携を発表しているので、これで岩手を含む11地方競馬レースに事業提携範囲を拡大したことになる。子会社のソフトバンク・プレイヤーズと地方競馬の場外馬券販売などを担当している日本レーシングサービス(NRS)がネット事業での提携について基本合意した。NRSが運営している在宅投票するシステム「D−net」を年内を目処にソフトバンク・プレイヤーズとの共同運営に移行する。またYahooのポータルサイトからも接続可能になる。

 ネットを通して全国のどこからでもレース観戦や馬券購入などが出来る様にすることにより、幅広いファンの獲得、売上げの拡大など地方競馬活性化に繋げる狙いがある。監督官庁の農林水産省によると、2004年度は18の自治体や組合が地方競馬を主催しているがトータルで約189億円の赤字を計上している。2005年度は16の主催者が事業を継続しているが、いずれも苦しい状況に追い込まれている。さて今回の新企画が地方競馬活性化の起爆剤になるかどうかはやって見なければ分からない。無論活性化の為にいろいろな施策を実施することは重要だが、
基本的にはファンをワクワクさせることが出来る様な『面白いレース』を提供できるかどうかにかかっている。

 そう言えば
ライブドアが高知競馬の経営支援を表明してからまもなく1年が経過する。昨年12月初めにはライブドアと高知県競馬組合が馬券のネット発売などで基本合意し協定書を締結している。今年4月に高知競馬場の新しい名称募集があったが、5月下旬に正式発表とのことにも関わらず何故か未だに決まっていない。推察するに新名称を巡って両者の間で紛糾し正式決定できないと思われる。尤も決まらなくてもどうと言うことはない。むしろ具体的な業務提携の施策が何も出て来ていないのは明らかにおかしい。堀江氏の持ち馬『ホリエモン』が高知競馬に参戦し、高知で6戦して1勝している。しかしながらこの程度では高知競馬が活性化するはずがない。最早「堀江氏のやる気が失せているのでは?」との疑念を持つ。高知競馬との業務提携がそんなに困難な障害が立ちはだかるとは思えない。その気になれば幾らでも話が進むはず・・・。堀江氏は三木谷氏とのプロ野球参入争いに敗れた直後で当時『ハルウララ』で盛り上がっていた高知競馬に関心を示したものの、その後自らの身辺が一挙に慌しくなり高知競馬どころではなくなったのだろうか?

 10月25日
SBIホールディングスと住友信託銀行は共同でネット専業銀行を設立すると発表した。北尾氏は「金融事業の中核として銀行がないと画竜点睛を欠く。しかしストックのビジネスは異質。成功は難しそうで、参入機会をうかがっていた。」と述べ、約1年ほどかけて提携先を探していたことを明らかにしている。SBIと住友信託銀行が各々100億円を出資し、2007年度上期の営業開始を予定している。

 既存のネット専業銀行は決済サービス中心の業務になっているが、北尾氏は常々『決済機能だけでは(ネット銀行は)成り立たない』とも述べている。北尾氏の狙い通り
決済、運用、調達の3機能を備えた「ネット専業銀行初のフルバンク」を目指す。新銀行は預金やローン商品に加えSBIグループのイー・トレード証券と提携して銀行と証券を融合した総合金融サービスを提供するほか、ネット専業銀行として初めて金銭信託や不動産、証券代行といった信託銀行取扱商品を取り扱うことを予定している。更にはベンチャー企業向け融資なども行なうとしている。広範囲な業務展開で成果を上げれば、既存の銀行にとりかなりの脅威になる可能性を秘めている。

 そう言えば
今年1月ライブドアは西京銀行(山口県)とネット専業銀行『西京ライブドア銀行』の設立で合意したと発表している。2月に設立準備会社を立ち上げ、銀行免許取得後年内にもネット銀行をオープンするとのことだが、その後高知競馬支援同様具体的な話が何も出て来ていない。銀行免許取得を申請しているのかどうかすらもさっぱり分からない。5月末には堀江氏の『西京ライブドア銀行への追加出資』の勇み足発言などで両者の不協和音が表面化したが、その後は全く鳴りを潜め何の情報も伝わって来ない。果たして順調に進んでいるのかどうか疑わしい。かつてライブドアはネット専業銀行との提携に失敗した”前科”があり、またもや裏で何かが起きているとも考えられる。いずれその内何か漏れ聞こえてくるとは思われるが・・・。

 ライブドアは(オン・ザ・エッジの時代)2003年10月にネット専業銀行イー・バンクに出資し業務提携している。ところが早くも翌年2月初めにはイー・バンクは『銀行は社会性や公共性を重視する組織。ライブドアという一部の株主だけの利益のためだけに動くことはできないと判断したため』として、業務提携解消、資本面での提携も見直したいとの意向を示している。両者の争いが訴訟に発展するなど騒動は泥沼化したが、2004年10月両者は和解し資本提携、業務提携を完全に解消した。詳細な事情はよく分からないが、イー・バンクにはかなり耐え難い状況があったと聞く。真相は”闇の中”・・・しかしながら何をしでかすか分からないライブドア(堀江氏)のことだから怪しげな動きがあったことは容易に想像出来る。

 
当初好意的に迎えられている様に見えた三木谷氏には強い逆風が吹いている。堀江氏とは全く対照的な言動、それに服装などから一見すると紳士的に見えたらしい。ところがTBSとの交渉が容易に進まずイライラしている三木谷氏の”化けの皮”が剥がれ、実態が徐々に明らかになっていることも影響している。TBSとの交渉では表面的にはソフトムードで乗っ取りではないとしているが、やっていることは”数の力”を頼りに大上段に振りかざし強引に力ずくで相手を押さえ込もうとしている。それに加えてやることが堀江氏の”二番煎じ”に思えるところも良くない。一昨年のプロ野球参入の時はライブドアの背後から現われてまんまと球団取得に成功した。今度はかつてライブドアがニッポン放送に手を出した時と同じ様な言動でTBSに触手を伸ばしている。とにもかくにも現時点ではそんな悪いイメージが三木谷氏に付き纏っている様に見える。

 2005.10.30

 10月20日の記述で対照的な動きを示した2銘柄を紹介した。それから10日あまり・・・さてどうなったのだろうか?まずは2005年8月期決算で大幅な増収増益を計上し、更には2006年8月期業績にも強気な姿勢を見せたノエル・・・10月19日にストップ高の138万円、そして10月26日には168万円まで上昇しているが、流石に10月27日、28日は利益確定売りが入り150万円で取引を終えている。上場日(9月27日)の大引け後に2005年8月期業績予想で好業績が発表されたが、翌日のストップ高の後は110万円前後をウロウロしていた。既に株価へ織り込み済みと見ていたところ、決算短信が正式発表されると過剰にも思える反応を示したのは何か臭いものを感じる。好決算をネタにした仕手相場なのだろうか?どの辺りで株価が落ち着くのか注目される。週明けの株価動向には目が離せない。

 次は対照的に2006年3月期中間決算短信で増収(大幅)減益を発表した
オールアバウト・・・発表翌日(10月20日)にいきなりストップ安の94万円、その後は80万円前後で揺れ動き80万円で取引を終えている。株式公開費用の計上、広告宣伝費の増加の一時的な経費の増加が大幅減益の要因の為、通期の業績予想では上半期の利益の落ち込みは下半期には充分取り戻せるとしている。説明通りとすれば原因が明確なので問題ないとは思うが、初値倍率7.8倍の後遺症を引きずりまだ割高感が解消されたとは必ずしも言い切れない。株価の適正水準を探る展開が暫く続くと見ている。

 久しぶりに
マルマンの株価に注目すると、10月に入ってからは920円前後に落ち着いてしまっている。公開価格(1300円)に対する下落率は29%・・・(エフェクターほど酷くはないが)1度も公開価格を上回ることなく推移している。マルマンはゴルフ事業に加えて健康食品事業にも参入している。ゴルフ業界も健康食品業界のいずれも取り巻く環境は競争激化などで非常に厳しい状況にある。その中でマルマンが業績を伸ばし、結果として株価を上昇させて行くのはなかなか容易ではない。今後公開価格まで復帰することは非常に困難と推測している。ところで禁煙を望む喫煙者向けの『禁煙パイポ』の存在は昔からCMで知っていたが、これがマルマンの製品とはつい最近まで知らなかった。

 さて
グローバリーが明日の取引を最後に上場廃止となる。極端に荒れた動きもなく最終日を迎えるが、明日が平穏無事に終わるとは思えないが・・・?ニッポン放送の場合とは異なり状況によっては紙屑になる恐れがある。そんなRiskを背負って持っていたい方がどの位いるのだろうか?会社清算のおこぼれでも期待しているのだろうか?ここがどの程度の資産を持っているかは定かではないが、存続が危ういのにそれほどあるとは到底思えない。とにもかくにも(無責任な)第三者としては明日1日楽しめそう・・・。

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