2005.11.7

 TBSが『携帯電話向け配信サービスを手がけるインデックスと番組配信サービスの分野で共同出資会社を設立する方針を固めている』と報じられている。新会社は地上波放送と携帯電話向け地上デジタル放送やネット配信を連動させた新たな番組配信をすることを予定している。インデックスに出資するフジテレビ、日本テレビ放送網、テレビ朝日、スカイパーフェクト・コミュニケーションズなどにも出資を呼びかけている。両者間には既に資本:業務提携があるが、楽天の”乱入”を受けてより一層関係を緊密にする狙いがあると見られる。当然経営統合提案も持ちかけている
楽天への牽制の意味合いもある。

 既にTBSはレンタルビデオ大手のカルチュア・コンビニエンス・クラブ、ネット通販のアマゾン・ジャパン、USENなどと事業提携しテレビ番組のネット配信事業にも着手している。楽天の提案以前から『メディアとネットの融合』を進めているとして、この時期に楽天一社のみの事業提携に限定することは得策でないと判断している。即ち『楽天の提案はTBSのネット分野での活動の幅に制約を加えることになり、TBSの将来にはMeritが感じられない』との認識を持っている。
TBSは自らが主導したメデイアとネット融合促進の為の事業計画案をまとめ、今月末には正式に楽天の経営統合提案拒否を通告すると見られる。さて徐々に追い詰められている感の強い三木谷氏に果たして起死回生の奇策が残されているかどうか注目が集まる。TBS株式を保有して圧力をかけ続ける道もあるが、財務不安が顕在化する可能性が高く取り難いと思われる。とするとTOB実施の強硬策に打って出るのか、あるいは(堀江氏の様な形で)撤退するのか・・・。いずれかの道しかないと考えられるが・・・?

 
楽天の株価は形勢不利を受けて下落を続け、終値は前日比1100円安の7万400円で取引を終えている。何とか7万円割れは凌いだが何時6万円台になっても可笑しくない状況にある。三木谷氏が厳しい選択を迫られるのは必至・・・事態が長引くほど株価に悪影響を与えることは間違いない。一方TBSの株価は目立った動きはなく、終値は前日比30円高の3180円で取引を終えている。こちらは当面様子見が続き小康状態のままと見ている。

 
堀江氏は昨日(広島6区の)尾道市に個人事務所を開設した。事務所にはスタッフ2名が常駐する。選挙や本業とは無関係に地元起業家らの交流の場として開放したいとしているが、堀江氏が目的も無くボランティア的に何かをするとは考え難い。果たして広島で次は何をしようとしているのだろうか?ところで昨日堀江氏は約30億円で購入した自家用小型ジェット機で広島入りしている。白と紺のボディーに3本の横線が入り客席部分の片側に窓が6個あるジェット機を10月中旬にアメリカから購入した。恐らく堀江氏は自社株式の売却代金140億円の一部を使ったと思われる。株価低迷で苦しんでいる方々が多くいるのに全くいい気なものと呆れ果てる。また堀江氏は広島大での講演の最後に「失敗しても大丈夫。ゼロになるだけですから。いくら借金しても自己破産すればいいんです。」と発言したとのこと。余りにも無責任極まる酷い発言であり開いた口が塞がらない。

 
プラネックス・コミュニケーションズは今日の大引け後の開示で、『今年7月13日ライブドア証券に発行したMSCB20億円の株式転換終了』と発表した。当初潜在株式比率17.81%の見込みとしていたが、堅調な株価推移で発行株式済み株式(8万5265株)に対する転換株式比率が15.82%に抑えられたとしている。それでも1万361株増加しているので、定常的に株価を維持・向上させる為には経営陣は20億円増資に見合う分の業績拡大の義務がある。それはともかく今日の終値19万2000円が『MSCB株式転換終了』の開示を受けて明日どうなるか大いに興味がある。

 
アドテックスの株価が前場9時20分頃にいきなりストップ高(3000円高)をつけ、終値は前日比2800円高の3万2000円で取引を終えている。何の材料無しの高騰で怪しい臭いが漂っている。今回同様10月25日にはいきなりストップ高で3万1500円をつけたが、翌日から3営業日連続下落し2万8580円とほぼ高騰前に戻している。この時は高騰するはずがないのに一気に上昇した。今回も(目を見張る様な材料が出なければ)前回と同じ動きになる可能性が高い。またもやとこぞの誰かが嵌め込みを狙って仕掛けたのかもしれない。

 2005.11.8

 村上ファンドによる阪神電鉄株式買占め騒動が勃発してから約1ヶ月経過したが、両者共に今までの主張を一歩も譲る気配がなく膠着状態に陥っている。昨日阪神電鉄の西川社長は記者会見で『阪神タイガース上場提案拒否』、『上場案に対するファンアンケート調査の当面見送り』を正式に表明した。村上氏への事実上の「ゼロ回答」だが、村上氏が上場提案を取り下げる見通しはなく両者の対立がより一層深刻化する可能性がある。両者間で企業価値向上策を巡り実務者協議が続いているが、合意への道筋形成は極めて厳しい状況と言わざるを得ない。

 阪神電鉄株式を約40%保有しその気になれば何時でも経営権を握ることが出来る筆頭株主の村上氏の立場からすれば、自らの提案を頭ごなしに否定されたのだから黙って見過ごすことは出来ない。阪神タイガースの上場が企業価値に繋がるとの主張を撤回しない限り、村上氏が上場提案を取り下げることはあり得ない。西川氏は『上場しない方がより阪神グループの企業価値の向上に繋がる』としている。何とも強気な態度に見えるが、果たしてどの程度の成算があるのだろうか?西川氏は『村上氏を説得する』としているが、そんなに簡単にコトが収まるはずがない。とにもかくにも
村上氏を説得するにはよほど理論武装してかからないと簡単に論破されるのは間違いない。

 
過半数超を取得による強行突破もやろうと思えば充分に可能・・・。現在の株価ベース(終値:880円)で約400億円追加投資すれば可能だが、Riskを背負ってそこまでやるかどうかには疑問がある。既に村上ファンドは阪神電鉄に約1000億円投入しているので、これ以上の追加投資はファンドとしては危険が伴うと考えられる。確かに阪神電鉄との話がつかない場合には力づくで経営権を奪取し阪神タイガースを上場させることも可能になる。そうなると村上氏は阪神電鉄経営者として株式を長期保有することになるが、短期に利益を上げて投資者へ配当するとの投資ファンドの性格に馴染まない。それに投資先に偏りがあるのは何かあった場合のRiskが大き過ぎる。さて話合いが難航してまとまりそうにもない場合、村上氏がどう出るのか注目が集まる。

 ところで
ドリーム・テクノロジーの株価は前場10時過ぎにストップ高で寄り付き一旦3万8200円に下げたが、結局終値はストップ高(4000円高)の3万8700円で取引を終えている。渦中の方々はまだまだ、それこそ無制限に上がる位との想いで完璧舞い上がっている。ここは村上ファンドが首を突っ込んでから更に弾みがつき10日連続のストップ高となっている。そこでふと思ったことがある。予定では村上ファンドは第三者割当増資、CB合わせて150億円投入することになっている。(株価がどこで収束するかは分からないが)このまま株価が上昇すれば、何せ割当価額、転換価額が1万5930円なので(売却すれば)利益額は莫大になる。但し市場に大量の株式が出回り猛烈な希薄化が必至なので株価の下落は免れない。それでもファンドへの投資家に対する利払いに当てる金額を稼げる可能性がある。阪神電鉄との長期戦に備え別のところに目をつけて利益確保は目論んでいる・・・とは勘繰り過ぎ?

 ライブドア証券が初めて主幹事を務めたエフェクターの株価の下落は留まるところを知らない。一時11万5000円まで下げたが(買い支えにより?)少々戻し、終値は前日比4000円安の11万9000円で取引を終えている。もう既に公開価格から26万1000円も大幅に下落している。こんな酷い最低のIPOは見たことがない。ロックアップ第一陣が解除されてから下げ足がより一層加速しているので、SO行使による株式が市場に出ていると考えられる。株価の激しい下落に大いに焦り少しでも高く売り抜け様と必死になっている”金の亡者”の姿が目に浮かぶ。

 今年10月始めに解除対象となったのは『従業員及びその他』の持分であり、どの位SOが残っているかは不明だがまだ暫くは権利行使により市場に新株式が出回ることが予想される。とすると全て権利行使されるまでは下落が続くことになるが、どこまで行けば取り敢えず落ち着くのだろうか?次いで来年4月にはロックアップ第二陣(取締役及び監査役の持ち分)、そして再来年4月にはロックアップ最終(代表取締役持ち分)が解除されるが、それらが全て行使され大量の株式が市場に出回るとすれば・・・
恐ろしい事態になりそうで考えただけで背筋が寒くなる。こんなとんでもない極悪な株式をいったい誰が買っているのだろうか?酔狂な方がいるものだと妙なところで感心する(笑)。

 2005.11.9

 日本経済新聞が『2005年1〜9月期の楽天の連結業績は経常利益が前年同期の2.1倍の230億円程度』と報じている。この報道を受けて楽天は今朝取引開始前に『当社が発表したものではなく、今日大引け後に正式発表予定』と表明した。楽天の株価は新聞報道に反応して前場引け前7万7400円まで一気に上昇したが、終値は前日比3600円高の7万4200円で取引を終えている。この情報は楽天に近い筋から(株価対策として)意図的に情報が漏れたと考えられる。そこに近頃の株価低迷に鬱々としていた方々が”それっ!”とばかりに喰らい付いたものと見える。株価上昇も一時的な現象でまた下落に転じると見ている。TBS乗っ取り騒動のツケが楽天の業績に回って来るのは第4四半期以降であり、現時点で経常利益が前年同期比2.1倍などと浮かれている陽気ではない。TBSとの交渉が難航して長引けば財務不安が顕在化して苦しい状況に追い込まれる可能性がある。一方のTBSの終値は前日比70円高の3270円と小幅な上昇で取引を終えている。

 阪神電鉄が発表した甲子園球場Renewal計画によると、2010年3月に完成すると収容人員が4万7000人と現在より3000人減少する。今回は200億円かける大改修とあって様々な手が加えられる。内野席をファウルグラウンドに拡充する通称「砂かぶり席」の設置、スタンド最上段のVIPルーム、名物の銀傘も改装、車いす席やトイレの増築など多岐に亘る。定員減少で入場料金が据え置きでは当然減収となるのは明らか。そこで減収分の一部を補填すべく入場料金の値上げが予定されている。ところで200億円全てを入場料の増収で賄えないが、改修資金はどこから調達するのだろうか?記者会見でその点を尋ねられて西川社長は「まだ時間はある。これから決めます。」と曖昧な回答をしている。増資?それとも金融機関からの借入金?何にせよ阪神電鉄にとり大きな負担になることには違いない。阪神電鉄の株価は村上ファンドとの交渉が膠着状態にあることを受けて下落傾向にあり、終値は前日比15円安の865円で取引を終えている。

 10連続ストップ高と連日派手な動きを見せている
ドリーム・テクノロジーの株価は、あたかも”大波に漂う小舟”の如く上へ下へと大揺れに揺れた(こちら 参照)。更に続くかと思われたストップ高連続が途切れ逆にストップ安になるとは・・・。前場10時少し前にストップ高の4万2700円をつけたが45分後に3万8500円に一気に4000円急落した。後場13時10分頃いきなりストップ安の3万8700円で寄り付きその後3万9000円まで上昇したが、結局終値は再びストップ安の3万4700円で取引を終えている。これだけストップ高が続くと「何時までもストップ高が続くはずがない」との微妙な投資家心理が蠢き、疑心暗鬼が渦巻くどろどろした世界が演出される。篩い落としなのか、あるいは天井なのかは今日だけでは判断出来ず暫く様子を見ないと分からない。結局は巨額の投資を行なう予定の村上ファンドの動向に大きく左右される。一般投資家は村上氏の手のヒラで踊らされている孫悟空の如く弄ばれている小さな存在にしか過ぎない

 久しぶりにIPO銘柄が上場直後にストップ高連続と暴れている。10月31日に上場した
ユニバーサル・ソリューションシステムズの株価は公開価格9万5000円に対して今日現在55万3000円をつけている。ユニバーサル・ソリューションはソリューションシステムのアウトソーシング事業を手掛けている。2005年3月期決算によると売上高39億900万円、経常利益1億4100万円と取り立てて素晴らしい業績には見えない。発行済み株式1万9578に対して公開株式が2000と少なく流動性の低さが人気を集めている要因かもしれない。上場直後に時折見られるマネーゲームが進行中で、いずれ近々天井に突当たり下落傾向に転じどこかに落ち着く。さて適正水準はどの辺りだろうか?

 ライブドアの株価は425円前後に停滞していたが、昨日後場14時頃から出来高を伴って一気に上昇し終値は前日比21円高の447円で取引を終えた。そして今日も一時462円まで上昇したが後場13時30分頃から下落に転じ、終値は前日比4円高の451円で取引を終えている。(昨日は気がつかなかったが)昨日14時頃堀江氏は自らのブログに「銀行の免許申請などは粛々と金融庁の人たちと面談を担当者が行っています。PTS(私設取引システム)も認可待ちです。全て準備完了してるんですが、なぜか待たされています。理由を聞いても教えてくれません。」と書いている。銀行とは西京ライブドア銀行のこと?果たして本当に西京銀行との関係が上手く行っているのだろうか?それはともかく恐らく低迷している株価対策としてちらりと情報を出したのが本当のところと考えられる。

 どうやらこれが材料視されて株価が上昇したと思われる。以前のライブドアであれば今日も462円で折り返すことなくもう少し上へ向かったはず・・・。やはり現状では堀江氏の単なるリップサービスに過ぎず確度がそれほどでもないとの見方から最後は下落したと考えられる。また衆議院選挙出馬、宇宙旅行企画など『本業そっちのけでは?』と見られる様な姿勢が株価にも影響を与えている。それやこれやで
堀江氏の信用度が以前と比べると低くなっていると看做せる。

 2005.11.10

 
楽天の2005年度第3四半期の業績(連結)が昨夜公表された。それによると売上高452億2600万円(前年同期比△308.5%)、経常利益130億4200万円(△278.4%)、当期純損益60億1300万円(前年同期▲77億2400万円)と大幅な増収増益になっている。クレジットカード事業を手がける楽天KC(旧国内信販)が連結子会社になったことによる業績の上乗せに加えて証券事業、ポータル・メディア事業、EC事業などの高い成長が寄与している。分野別売上高は証券事業68億9000万円(△126.5%)、ポ−タルメディア事業26億8000万円(80.3%)、EC事業81億8000万円など、プロスポーツ事業の前年同期比▲16.7%)の減少以外は全ての分野で10%以上の成長となっている。

 この数値を見る限りでは楽天の業績は何ら問題ない様に見える。ところが(金融関連事業を除く)有利子負債が1840億円(金融関連事業を含めると約6200億円)と6月末時点の386億円から急増している。増加の大半はTBS株式取得による。三木谷氏は『低金利での借入れなので、金利負担はTBS株式配当で充分賄える』として財務体質の不安はないとしている。好決算を背景にあくまでも強気の姿勢を示しているが果たしてどうなのだろうか?
有利子負債が経常利益を極端に上回る状況は正常とは到底言い難い。有体に言えば企業規模と比較して借金が大き過ぎる。やはり早期に抜本的な対策をとらないと、仮に業績好調が続いたとしても財務体質には重荷になって来ると考えられる。ちなみに楽天の株価は好決算を歓迎しての戻りがあり、終値は前日比2300円高の7万6500円で取引を終えている。 一方TBSの株価は相変らず小幅な値動きで、終値は前日と変わらず3250円で取引を終えている。

 昨日の記者会見でも三木谷氏は強気で余裕の姿勢を見せるている。敵に弱みを見せないためにも当然の態度だが、果たして内心はどうなのかは本人しか知る由もない。現状は
仕掛けた楽天側に手詰まり感があると見られる。TBS株式取得は19.09%で止まり次の一手『TOB』も簡単には切り出せない事情もある。ゴールドマンサックスが提案している(2000億円?の)増資を11月に予定していたが延期になっている。TBSも他のネット関連企業と提携を進めて楽天を牽制している。更にYahooが『ホワイトナイト』として登場する可能性が出て来ている。また楽天(三木谷氏)への風当たりが事態の長期化につれてより一層強くなると思われる。あれやこれやで『三木谷氏本人が強気な姿勢を示せば示すほど逆に苦境に追い込まれつつある様に見える』と強く感じる。

 
ライブドアの株価が堀江氏のブログの一言に触発されてまたまた”●●”騒ぎが始まり、終値は前日比26円高の477円で取引を終えている。それにしてもいとも簡単に株価操作できると呆れ果てる。株価が下落した時期に頃合いを見計らって”こませ”を撒くと、”★★”丸出しの熱狂的な支持者が喰らい付く。そこにどこぞの誰かが付け入って仕手相場が形成される。堀江氏が『銀行免許申請中、PTS認可待ち』とちらりと漏らすだけでこれだけ過剰反応するのだからこんな楽な話は他にはあり得ない。この様になることを堀江氏は充分承知しているはず・・・。毎度のことながら堀江氏の汚くずる賢いやり方には嫌悪感を抱く。それはともかく過去に見られる様にこんな希薄な理由で爆上げした後には必ず大きな下落が待っている。今回も同じパターンになると推察している。

 
エフェクターの株価が突然何の理由も無く上場以来2度目の上げ幅タイを記録し、終値は前日比1万3000円高の13万1000円で取引を終えている。後場13時頃から出来高を伴って一気に13万4000円まで上昇したが、明らかに不自然で株価の吊り上げを狙った(どこぞの誰かの)仕掛けとしか考えられない。SOの権利行使を狙っている”金の亡者”にとっては、値を吊り上げて高値で売り抜けることが出来れば笑いが止まらない。何せ1万円で権利行使出来る無茶苦茶に格安のSOを抱えている連中が大勢いるのだから・・・。そんな輩にボロ儲けさせるのは『”★★”に追い銭』としか言い様がない。こんな市場を蝕む”■■”は即刻退場させなければならない。よくもまあ繰り返しインチキをやってくれるものと呆れ果てる。まさに百害あって一利なし。

 
ドリームテクノロジーの株価はいきなりストップ安(4000円安)の売り気配で始まり、結局大引け後に比例配分ストップ安の3万700円で取引を終了した。10連続ストップ高はいったい何だったのかと訝しく思う。一昨日の3万8700円から折り返しての2日連続のストップ安・・・だがこの先はまだ分からない。 しかしながら村上ファンドが乗り出して増資に応じるからと言ってここが将来に亘り安泰との保証はどこにもない。それに村上氏の名前が出て来たとたんに浮かれてただひたすら盲目的に買いに走るのははっきり言えば単なる”●●”でしかない。最終的に村上氏は最終的に株式をできるだけ高値売却して利鞘を稼げればそれで良い。”モノ言う株主”とは片腹痛い・・・単なる仕手筋でしかない。そんな村上氏を過大に信用して入れ込み過ぎると、それこそ”溺れる者が藁を掴まされて”底なし沼に沈められることにもなり兼ねない。単なる一時のムードに流されるのは禁物・・・。

 2005.11.11

 昨日ソフトバンク(SB)の孫正義氏は『TBSが資本面で支援を求めるならば検討する』との意向を示している。今年3月ニッポン放送乗っ取り騒動の渦中ニッポン放送がSBIにフジテレビ株式を貸し出したことを例に挙げ、孫氏が『ホワイトナイト』として登場する可能性を示唆した。直ちにTBSがSBに支援を求めるとは思わないが、先々事態が切迫して『ホワイトナイト』が必要になることは充分あり得る。またイー・アクセスの千本会長は具体的な内容を明らかにしていないが、TBSに対して支援を申し出たことを明らかにしている。TBSがイー・アクセスの子会社イー・モバイルに100億円を出資するなど両者は緊密な関係にある。TBSへの支援体制が着々と整い楽天包囲網が強固になって来ている現状は、三木谷氏の強気の態度とは裏腹に更に厳しい状況に陥っている様に見える。ちなみに楽天の株価は好業績ネタも札止めとなり、終値は前日比1600円安の7万4900円で取引を終えている。一方TBSの株価は小幅な値動きで、終値は前日比40円安の3230円で取引を終えている。

 
フジテレビはニッポン放送を資産管理会社とラジオ専業会社に分割し、資産管理会社を吸収合併する方針を決めた。ニッポン放送が保有するフジテレビ株式約20%を引き取り持ち合いを解消する。フジテレビはニッポン放送と協議を経て2006年3月末に実施を予定している。これでフジサンケイグループ内の資本関係のねじれ、複雑に入り組んだ株式の持合い全てが解消されることになる。フジテレビの傘下にグループ内の主要企業が収まる形での再編が完了する。ちなみにフジテレビの株価は10月12日には27万6000円まで上昇したが、その後は勢いを失い下落傾向で推移している。終値は前日比2000円高の24万6000円で取引を終えている。

 
阪神電鉄は今年秋に投資家向け説明会を開催し中期経営計画を発表する予定だったが、村上氏が約40%保有する筆頭株主として突如乱入して来たことを受けて延期することになった。収益向上の一環として、阪神百貨店の神戸市、兵庫県尼崎市などへの新規開業、それに商標権ビジネスの様な阪神タイガースブランドの活用を盛り込む方針とされている。しかしながら村上氏の企業価値向上策提案を受けて協議中とあれば止むを得ない。こちらの方のケリをきちんとつけ計画を見直す必要がある。

 
阪神電鉄の株価は昨日まで860円まで徐々に下げて来ていたたが、今日突然終値が前日比58円高の918円まで高騰する不自然な動きを示している。10月26日から28日にかけて887円→929円→955円と突然上昇したが、その後昨日の860円まで下降線を辿っていた。村上氏がこんな可笑しな買い方をするとは考えられない。どこぞの仕手筋が仕掛けた罠と思われる。阪神電鉄と村上氏のバトルに進展が見られず、加えて何も新しい材料が見当たらず、今回もまた仕手筋が仕掛けた罠の可能性が高い。 とすれば週明けには下落に転じることになるが、果たして如何に・・・?

 『
今年10月民事再生法適用申請した平成電電の再建支援にソフトバンクグループ、ライブドア、USEN、ドリームテクノロジーなどが名乗りを上げた』と報じられている。平成電電側は今月中にも支援企業を決めて来年1月頃までに支援企業と共に再生計画案を固めるとされる。ちなみに平成電電はドリームテクノロジーの筆頭株主・・・そんな縁からドリームテクノロジーが平成電電の支援に名乗り出ても可笑しくはない。しかしながらそんな余力があるのだろうか?9月末時点の平成電電の負債総額は約1200億円・・・ドリームテクノロジーはどれほど出せるのだろうか?村上ファンドから調達を予定している150億円をここに充てるつもりなのだろうか?

 平成電電支援に
ドリームテクノロジーの名が挙がっただけで株価は踊り狂い、終値はストップ高の3万4700円で取引を終えている。名前が出ただけで別に支援企業に決定したのではない。それに他に名乗り出ている企業が強力なメンバーでは到底勝ち目があるとは思えない。尤も(どこが支援しても)平成電電が無事再建されればドリームテクノロジーにプラスになることも考えられるが・・・。それにしても名前が出たくらいで喰らいつくほど飢えている方々が多いとは・・・。とにもかくにもマネーゲームが当面続くのは間違いない。(冷静に考えれば)爆上げをする様な決定的な材料とは到底思えないので、週明けにはまたもや上へ下への大騒ぎになるかもしれない。それに来週金曜日(11月18日)には村上ファンドからの第三者割当増資50億円の払い込みが予定されている。ここが一つのポイントになる可能性が高い。

 11月9日に『5日連続のストップ高でそろそろ危ない』と記述したユニバーサル・ソリューションの株価がどうやら天井に突き当たったと見える。昨日の大引け前の14時53分に70万円とここまでは勢いがあったが、最後の7分間に211株の投売りで一気に59万3000円まで急降下した。今日の前場寄り付き直後に67万円をつけたがその後は下落に転じ、終値は前日比8万8000円安の50万5000円で取引を終えている。上場直後のマネーゲームも終わり、30万円前後で取り敢えずは落ち着くと推察している。


 2005.11.12

 阪神電鉄は村上氏の登場以降何やら急に思い出したが如くいろいろ手掛け始めた。企業価値向上策として甲子園球場Renewal計画、大阪市北区の阪神百貨店本店を全面改装などを計画している。今までのらりくらりとしていた(やる気があるのかないのか分からない様な)経営陣の尻に火がつき、ようやく重い腰を上げて真剣に考え始めたと見える。それはともかくとして良い方向に改善されれば利用する者には申し分ない。謂わば『村上効果』と言うところか・・・。

 
阪神電鉄は企業価値向上策の一環として甲子園球場内の施設について命名権ビジネスを検討している。通常球場の命名権を売りに出す場合は球場名そのものを対象とすることが多い。しかしながら今回は流石に甲子園球場が『甲子園球児や野球ファンの聖地』として対象外にしている。た村上氏も「資産価値が下がる」として反対している。具体的には装いを新たにする銀傘が対象となる。銀傘の屋根の上を広告スペースとして企業名や商品名を表示することも検討している。新しい銀傘には太陽電池や風力発電装置の設置を検討している。観客席の一部や待ち合わせ・休憩時に観客が集まる場所に企業名をつけて「○○シート」、「□□広場」とする案も出ているとのこと。また2軍の命名権もビジネス対象とも報じられている。とにもかくにも与えられた資源を有効活用して行けば必然的に企業価値向上に繋がる

 
TBSは昨日楽天に対して放送の公共性や直近の財務状況などの15項目について(3回目の)質問書を送付した。国重氏は「2005年10〜12月期の業績予想を求める質問もあったが、どこまで開示するかまだ決めていない。」と述べている。楽天は来週中に回答することを予定している。今回の質問書が最終となる見通しで、TBSは今月末にも社内の経営統合案検討チームの最終報告をまとめるとしている。今までの流れではTBSは否定的な回答をすると見られ、現状膠着状態にある局面が一気に動き出し緊迫した攻防戦が展開される可能性がある。三木谷氏が強行突破を図るのか、全面撤退するのか、何らかの妥協を模索するのか・・・いずれにせよ近々局面の大きな分岐点にさしかかることになる。

 
大阪市の石鹸会社「生活と科学社」の猪ノ口社長は公正取引委員会に対し楽天を相手取り申告書を提出した。出店規約を一方的に変更することは独占禁止法違反(優越的地位の乱用など)の疑いがあるとしている。申告書によると、楽天の出店規約には『予告なく契約内容を変更することができる』との規定があり、楽天が変更内容を通知した後も出店を継続した場合は新しい規約を承認したとみなすことになっているとされる。この規定はやり方によっては強い立場にある者が自分に都合良く好き勝手に振る舞い、弱い立場にある者を翻弄する(虐める)ことにも通じる。

 猪ノ口氏によると2000年末楽天市場に出店を開設した時には60万円の負担で済んだ。ところが2002年4月の規約改定で売上高に応じて課金される制度が導入され、今年6月までの1年間の負担金額は約920万円と激増したと言う。楽天に抗議したが一方的に契約を打ち切られた。確かにこんなに負担が激増したのでは出店する方としてはたまらない。それにしても楽天の態度は「文句ある奴には用はない」との何とも傲慢にしか見えない。事実関係は公正取引委員会の調査を待つ必要がある。(現在の情報の範囲内では)
最初は上手いことを言って客を集め充分に集まり商売が成り立つことを確認した上で、頃も良しとばかりに高圧的な態度に変身し他人の利益の横取りを狙った阿漕なやり方と看做せる。

 少し前になるが楽天トラベルがホテル・旅館に対して手数料値上げを通告して揉め事になった。これも今回の話に通じるところがある。いずれもInternet市場が成熟して来る前の段階では低姿勢でいたのが、Intenet抜きでは考えられない時代を背景に楽天が強気に出ていることが根源と言える。こんな話が次々と出て来る様ではやはり三木谷氏は信用出来ない。


 2005.11.13

 
アドテックスはNHK、オーエヌ電子、朋栄の3社と2Uサイズで約8時間録画出来る低価格の小型HDレコーダー「HD MasStor」を共同開発することで合意した。アドテックスはNHKから技術情報や技術ノウハウなどの提供を受け開発・設計・製造を担当する。販売先としては放送局、ポスプロ、博物館、映画館などで、来年度の目標販売台数は1000台としている。順次ハイビジョン関連製品の開発し製品ラインアップを増やす計画としているが、苦しい業績の回復にどれほどの効果があるのだろうか?それに直ちに業績に貢献出来る訳けではない。かなり苦しいと思われる現状を無事乗り切れるかどうかが気になる。

 11月8日には3万2500円まで上昇したが、その後2日間で2万9610円まで下落した。11月10日大引け後に上記の開示があり、翌日には材料視されて前日比1190円高の3万800円まで回復した。プラス材料に飢えている方々が飛び付いたものと思われる。確かにNHKと言うBig Nameが共同開発に絡んでいるのでそれなりの成果が出る可能性はある。しかしながら10月初めに有利発行の第三者割当増資で49億円の調達を目論み、リズデールなる怪しい(実体があるかどうか不明の)企業にふられるとの大失態を犯している。発行済み株式をはるかに上回る新株式を発行してまで49億円を必要とした苦しい事情があったはず・・・その後資金が調達出来たとの話は聞こえていない。とすればアドテックスの財務不安は解消されていないと考えられる。果たして如何に・・・?

 一昨日
朝日放送は12月9日に69億9960万円の第三者割当増資を実施すると発表した。直近3ヶ月の株価などを基に1万2000円/株で58万3300株の新株式を発行する。筆頭株主のテレビ朝日が約8万株(増資後の保有比率:14.16%)、朝日新聞が約29万株、残りを系列のTV局や吉本興業が引き受ける。従来から朝日放送は割安株式として敵対的M&Aの格好の標的とされている。西村社長は『新社屋建設費用調達』としているが、明らかに敵対的M&A防衛の為の安定株主確保を狙っている。どこぞの空き巣狙い(乗っ取り屋)が侵入して来る前にきちんと備えをしておくのは大切なことと言える。無論株価が割安にならぬ様に経営陣は常に留意しなければならない。TBSは一応敵対的M&A防衛策を用意していたが、安定株主不在では如何にも中途半端でまんまと隙をつかれた。対策不備の企業は速やかに手を打たないと更なる被害が出る可能性がある。フジテレビ、TBSの愚を犯してはならない

 
ガンホー・オンラインの株価は分割基準日(8月31日)を挟んでストップ高の連続で、9月2日には685万円の高値をつけたがそこを天井に下落を続けている。11月7日には239万円まで下げたが、11月10日に2005年12月期業績見込みの上方修正を受け11月11日の終値は前日比7万円高の262万円まで回復した。単独で通期売上高:56億3300万円(前回予想:56億2400万円、前年同期比:△32.7%)、経常利益:82億2000万円(前回予想:54億8000万円、前年同期比:△44・9%)を見込んでいる。修正理由は会員数の堅調な推移と海外収益の伸びなどとしている。当初の業績予想では新しいゲーム開発コストが嵩む為増収減益としていただけに、一転しての増収増益は朗報として捉えられた。ところで「当初の見通しの甘さは何?」と経営陣に突っ込みを入れたくなる。こんな読みの甘さでは単純に喜んでばかりいられないと思われるが・・・?

 
ブロードバンドタワーの株価は11月9日の2006年6月期第1四半期業績発表を受けて2日続けて急伸した。11月10日の終値は前日比9万2000円高の83万8000円で取引を終えている。発表前日の終値が66万円と上場以来の最安値を記録したことからすると凄まじい反発と言える。今年度第1四半期の業績は売上高:14億9500万円、経常利益:1億6400万円と好調で、かつ通期でも増収増益が期待出来る勢いがあると好意的に受け止められている。そこで株式分割発表後に下降の一途を辿ってた株価に鬱々としていた方々が一挙に飛び付いたと考えられる。明日から暫くの株価動向に注目が集まる。

 某掲示板で
ドリームテクノロジーの『100万円を夢見る会』のメンバーの方々が先週末のストップ高でえらく勢い付き大はしゃぎしている。18時41分時点でメンバー数102人とか・・・。このまま連日ストップ高で12月21日には"夢の100万円台”101万円、大納会(12月30日)には261万円などと完璧舞い上がっている。もう目の前に☆が輝き”薔薇色の世界”が待っているかの如く”取らぬ狸の皮算用”をしている。そんなに上手く計算通り行ったら凄いことになるが・・・。どの様な結末になるか冷ややかに高見の見物と洒落込むことにする。

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