2005.11.14

 
ライブドアの株価は堀江氏のブログでのリップサービスと11月17日発表予定の2005年9月期決算の好業績の期待が先行して久しぶりに踊り狂っている。前回は堀江氏の衆議院選挙出馬ネタがあり8月18日には終値520円まで上昇している。今回はどこまで行くのだろうか?観察を始めてからの傾向を見ると『ある程度まで下落すると逆バネが作用してある程度まで上昇、そしてまたある程度まで下落の繰り返し』が続いている。恐らく今回もどこかで利益確定売りが優勢になり下方に向かって折り返すと推察している。ここは材料の有無には関係なくあたかも単なるマネーゲームの如く上げ下げを繰り返している。それに10億4900万株の重しは流石にきつい。誰でも驚嘆する様な物凄い”超ビッグなネタ”でも出現しない限り強烈な上昇はとても考えられない。現状ではそんな大目玉はあり得ず、こんな感じで浮いたり沈んだりを繰り返すと見ている。ちなみにライブドアの株価は前場は昨日の勢いそのままに491円まで上昇したが、後場は下落に転じ終値は前日比4円高の476円で取引を終えている。

 楽天とTBSのバトルは当面小康状態にあり、今月末辺りに予定されているTBSからの回答書が出ると一気に動き出す。楽天の株価は11月9日大引け後の『2005年12月期第3四半期の業績好調』発表を受けて翌日の終値は7万6500円をつけている。しかしながらよく考えればその程度では現在楽天が抱えている不安の方がはるかに大きいことは明らか・・・。予想通り
楽天の株価は前場寄り付き直後からじりじりと下落を続け、終値は前日比2200円安の7万2700円で取引を終えている。現時点では楽天の株価が上昇する理由は全く考えられない。それだけ形勢は楽天不利と見るが、果たして三木谷氏は如何なる次の一手を考えているのだろうか?

 
村上氏はどこかに雲隠れしたかの如くさっぱり姿を表面に現さなくなって久しい。11月6日『村上氏には「阪神から手を引け」という声が、表の世界からだけでなく裏の世界からも寄せられている』らしいと記述したが、あれほど盛んにマスコミなどの前で能弁な村上氏がパタッと姿を見せなくなると先の話も信憑性を帯びて来る。水面下では激しい差し手争いが繰り広げられているはずだが、これほど情報が出て来ないと展開が読み難くなっている。阪神電鉄株式を約40%保有している村上氏が断然有利であり、経営権奪取が目的であれば直ぐにでもTOBをかけて過半数超取得を狙うことができる。しかしながら自ら阪神電鉄を経営する考えはなく、株式の高値売却で利鞘を稼ぐのが最終目的なので今後の対応が難しい。さりとて長期保有するとは思えない。村上氏が今後どの様な方針で阪神電鉄に臨むのか注目される。

 
阪神電鉄の株価は先週末に突如理由不明の高騰に続き、今日の前場も一時昨日の終値よりも27円高の945円まで上昇した。ところが10時過ぎから下落に転じ、終値は前日比11円安の907円で取引を終えている。どう考えてもこの動きは怪しい。明らかにまたもやどこぞの誰かが仕掛けたとしか考えられない。先週末から今日の前場にかけての急上昇を見て”それ!買い時”とばかりに飛び付く方が必ずいる。何ら噂すら無い状態で突如高騰するのは明らかに不自然・・・それでも(特に今回の様な状況下では)周りが何も見えず高値掴みで痛い目に遭うことにもなる。上昇している時にはどこまでも上がる様に思えてしまうところが恐ろしい。人間は煩悩の塊であり、欲得をコントロールするのは難しい。

 
ACCESSの株価が後場一時241万円と上昇したが、終値は前日比10万円高の238万円で取引を終えている。11月9日から上げて来ているので「何かあるのか?」と思っていたら、今日の大引け後にM&Aの開示が出た。中国市場に於ける携帯端末向け配信事業を行なっている『レッドスパイダー・インク』の株式を第三者割当増資で167万株を500万$(約5億8500万円)で取得し連結子会社とする。中国は成長性の期待出来る規模の大きい市場かもしれないが、果たしてこの事業がどの程度のものかよく分からない。それに2004年度には赤字とは心許ない。それにしてもこの程度の材料が(事前に漏れたとしても)株価上昇に繋がったとはとても思えないが・・・?とにもかくにもこの上昇には不自然さが窺えるので注意深く監視して行く。

 2005.11.15

 今日
村上ファンドが関東財務局に提出した大量保有報告書によると、TBS株式の持ち株比率は0.52%(98万7000株)と9月末時点の7.45%から大きく減少したことが判明した。村上ファンドは「純投資の一環として全てを市場で売却した。時期については明らかにできない。」と説明している。楽天に売却したのは誰の目にも明らかで、それもしっかりとかなりの高値で売り抜けたと見られる。9月中は2000円前半で推移していたが、10月に入って三木谷氏の乗っ取り画策が判明してからは3000円台前半で推移している。(正確には分からないが)村上氏は短期間に100億円以上もの暴利を貪ったものと推察される。ニッポン放送乗っ取り騒動の時も堀江氏に高値売却して200億円もの巨利を得たと言われている。やっていることはこの時と全く変わらない。村上氏は「モノ言う株主」とされているが、実態はファンドマネージャーとしてただひたすら利益追求第一主義で励んでいる。大きな顔をして市場にのさばる”▲▲”は全く気分の悪い存在としか言いようがない。

 とにもかくにも
村上氏の手元にはTBS株式が僅かしか残っていないことが判明した。村上氏の持ち分が多く残っていて楽天へ売却されれば楽天の保有比率が30%に近づく可能性があったが、これでTBSにとって当面の大きな脅威がなくなったと言える。更に村上氏の影響力がほとんど皆無になったことも大きい。TBSからすれば懸念材料が消えたので強気に出る条件が整いつつある。三木谷氏が更に苦しい立場に追い込まれるのは間違いない。楽天の株価は後場昨日よりも低い7万2000円前後で推移していたが、大引け30分前頃から急激に上昇し終値は前日比1000円高の7万3700円で取引を終えている。最後の不自然な上昇にはどうもどこぞの誰かのの怪しい動きがあるのではなかろうか?インチキ臭い動きは見てて腹立たしい。一方TBSの株価は相変らず3000円台前半に収まり、終値は前日比80円安の3220円で取引を終えている。

 昨日
村上氏が阪神電鉄のゼロ回答を受けて、近々本社に乗り込んで説明を求める考えを明らかにした。村上氏は「聞いていないのでちゃんと聞く。野球の為にプラスなのかマイナスなのか、論理的に説明して頂たい。」と上場問題の協議継続を求めている。また球団上場に否定的な球界に対して「ボクは野球がほしくて阪神に投資したわけではない。協約改定して親会社も全部上場廃止すればいい。親会社をとれば(買収すれば)、(球団が)とれてしまう。だったら親会社が上場をやめるルールを作ればいい。」と相変らずの言いたい放題・・・。村上氏は何のかんのと理屈を捏ね回しているが、プロ野球のことなんぞどうでも良く最終的に割安で取得した阪神電鉄株式を高値で売り抜けることが出来ればそれで良い。村上氏の薄汚い魂胆があらゆるところに見え隠れしている。『いっそのこと綺麗事なんぞ言わないで金儲けに邁進してもらった方がまだまし』と皮肉を村上氏に対して言いたくなる

 11月17日に
アドテックスは完全連結子会社『エアネット』の全株式を1億8216万円で売却する(こちら 参照)。2005年12月期決算で子会社株式売却益として9216万円の特別利益を計上する予定としている。株式譲渡理由として『当社を取り巻く事業を鑑み、当社が主力とするストレージ事業への経営資源の集中による競争力強化を図る目的』とある。大そうな能書きだがいったい何が言いたいのだろうか?結局は『資金繰りが苦しいので泣く泣く”虎の子”を切り売りして一時凌ぎの資金調達せざるを得ない』のが実情と思われる。もしかしたら”焼け石に水”かもしれない。やはり第三者割当増資、あるいはMSCBによる相当額の資金調達の必要に迫られているのではなかろうか?アドテックスの株価は賑やかに上げ下げを繰り返していたが、大引け15分ほど前のどこぞの誰かの不自然な”お買い上げ”により前日比200円高の3万200円と一応プラスで取引を終えている。無駄な努力をしたところで今のままでは下落の目はあっても上昇の目は考え難い。どこまで踏ん張れるか高見の見物と洒落込むことにする。

 
ドリームテクノロジーの株価は前場ストップ高寸前の4万2600円で寄り付いたもののその後が上げ下げを繰り返し、終値は前日比2000円高の4万700円で取引を終えている。10月3日にストップ安が始まった時の水準に戻しているが、やはりこの辺りまで来ると流石に疑心暗鬼になり心理戦が展開される。「もっと上がるだろう」と「そろそろ危ない」との考えが入り乱れて、そんな簡単に上昇し続けることはなくむしろ逆のパターンもあり得る。”一寸先は闇”で明日以降どうなるかは予測し難い状況になっている。ところで上記のグラフを見ると、まるでジェットコースターに乗っているかの如く見事なカーブを描いている。この先上へ行くのか下へ行くのか考えるだけで楽しい。



 2005.11.16

 『村上氏が11月になり「TBS株式を6.5%保有」とTBSに通告していることが明らかになった』と朝日新聞が報じている。TBS関係者によると村上ファンドの中心的存在「MACアセットマネジメント」とは異なる関連ファンドがTBS株式の保有を続けていると説明があったとのこと。大株主として株主名簿の閲覧などを要求しているが、現時点ではTBSは事実関係を確認していないとして応じていないとされる。5%ルールの特例規定でファンドが過剰に保護されているので実態がなかなか明らかにならない。それに加えて売買の日付や取得金額を記載する必要がないとあってはまさにやりたい放題・・・。流石に度重なる村上ファンドの悪行に見直しすべきとの声が大きくなっている。更なる横暴な振る舞いをさせない為にも糾すべき点は早急に改善して頂きたい。

 昨日開示された大量保有報告書で村上ファンドのTBS株式保有比率が0.52%に低下したことが判明したばかりだが、この情報はいったい何を物語っているのだろうか?普通に考えれば新たにTBS株式を新たに取得しているが、別の可能性として他者(例えば金融機関など)へ貸し株していることも考えられる。何にせよ事実とすれば村上氏の動きは明らかに不穏でしかない。もしかしたらまたもや良からぬことを考えているのだろうか?この情報がどこからリークされたものかは分からないが、
『まだTBSの大株主』と主張することで楽天vsTBSのバトルへの大きな影響力を誇示する狙いがあるとも考えられる。(事実かどうかは別として)この様な情報が流れること自体が”村上氏の嫌らしさ”を如実に示している。 ちなみに毎日新聞の報道によると村上ファンドは「11月以降、株を6%程度保有していると通告した事実はない。」と否定している。とにもかくにも5%ルールの特別規定の壁に遮られ、暫く先にならないと真実は分からない。

 11月14日
村上氏が新たに松坂屋に手を出し『8月末時点で3%強を保有する第4位の大株主になった』と報じられた。この報道を受けて昨日個人投資家の買いが殺到し、大引けでストップ高の1011円で比例配分された。今日前場寄り付き直後に1037円まで上昇したが、その後は下落に転じ終値は前日比24円安の987円で取引を終えている。とにもかくにもまさに『村上効果』以外の何者でもない。村上氏が参入と聞いただけで”単純な”個人投資家が「必ず値上がり」との期待で舞い上がり我先に飛び付く状況は村上氏の思う壺・・・近頃村上氏が関与している株式はどれも同じ現象を示している。知名度抜群の村上氏は自分の名前が出るだけで株価が上昇することを充分承知している。そこを利用して値を充分に吊り上げておいてタイミングを見計らって高値で売り抜ける・・・如何にも典型的な”守銭奴”として世の中を上手く立ち回っている。しかしながら何時までも良いことばかりであるはずもなく、いずれ天誅が下り痛烈な”しっぺ返し”を喰らうことになるはず・・・。

 
ダイナシティの株価は村上ファンドが約5%保有しいたが、11月15日の開示で全て売却したことが明らかになった。これもまた村上氏保有が明らかになり『村上効果』で値上がりした。当然村上氏は株価低迷期に仕込んでいたので、しっかりと高値売り抜けで大きな利益を確保している。売却が明らかになる前日(11月14日)には3万5250円まで上昇したが、その後は3万2350円(昨日)→3万2000円(今日)と下落している。それでも9月中旬から10月上旬にかけて2万7000〜8000円台で推移していたことからすればまだ高い水準にある。『村上効果』が消え失せたことで明日以降どうなるか注目される。

 これもまた村上銘柄の一つドリームテクノロジーの株価は相変らずの派手な動きを示し、終値はストップ安(4000円安)の3万6700円で取引を終えている。4万円が厚い壁になって跳ね返された様にも見える。村上氏がTBS株式売却との報道を受けて多くの方々の心理面での動揺が強く働いたのかもしれない。まずは今週末の50億円の村上ファンドからの払い込みがキチンと行なわれるかどうかが焦点になる。払い込まれたとしても結局は自分だけが儲かれば良い村上氏が手にした株式をどう捌くか分かったものではない。12月に予定されているCBもまた然り・・・。まあこれだけ村上氏が好き勝手にやりたい放題を繰り返していてはその信用度に疑問が出て来ても当然と言えば当然・・・。然るにここは当面不安定な動きが続くと見ている。

 今日
金融庁は楽天証券に対して相次ぐシステム障害への再発防止策が不充分として業務改善命令を出した。楽天証券は8月から9月にかけて4回続けてシステムダウンが発生し顧客に大きな迷惑をかけている。この時楽天証券はシステム増強や運用管理の徹底などの再発防止策を提出した。ところが10月24日またもやシステムダウンが発生したが、原因はシステムテスト時の確認不充分など以前のトラブルとほぼ同じと醜態を曝け出した。最近1年間に11回のシステムダウンとはあまりにも多過ぎる。どう考えてもシステム導入に際しての事前のシステム確認がキチンと行なわれていないとしか言い様がない。しかも同じ原因系でトラブルを繰り返すとはシステム構築に携わった関係者の責任は極めて重い。もっと厳しく言えば担当のシステム屋は品質保証の重要性の認識が不足していて失格と断じる。然るに当然のことながら金融庁は楽天証券に再発防止策強化、責任の所在明確化などを求めている

 Sun Microsytemsのサイトにはユーザーの成功事例として楽天証券が掲載されている。そこには『Sunのサーバで、Webシステムを構築。開業以来、初めてといえる大規模なシステム変更をわずか4ヶ月で完了し、運用コスト3割(約2億円)を削減。』とある。これを見でふと気がついたが、何か重要なFactorが抜けている。
製品開発、システム開発など様々な開発に於いて、Q(Quality=品質)、C(Cost=コスト)、D(Delivery=納期)のバランスをとることが重要なことは常識になっている。ところが楽天証券の事例にはCとDが盛んに強調されているがQについては一言もない。この辺りにも楽天証券の姿勢にはシステム品質保証の重要性認識が不足していることが窺える。一般の製品開発に於いてもQをないがしろにして痛い目に遭うことがしばしば見受けられる。無論システム開発も同様なことは言うまでもない。とても他者に自慢出来る様な代物ではなく、こんな失敗事例をSun Microsytemsは速やかに当該ページを削除すべき・・・さもないとSun Microsytemsの信用にも関わることになる。

 2005.11.17

 昨日の大引け後にライブドアは2005年9月期の連結決算業績予想を開示した。それによると売上高:784億2000万円(前年同期:308億6800万円)、経常利益:112億6000万円(前年同期:50億3400万円)の大幅な増収増益とある。本体のポータルサイトの広告収入が増加してはいるが寄与率は低い。それよりも子会社のライブドア証券の手数料収入増加、MSCBの転換株式売却益などが増加している。加えて子会社株式の売却益や繰越欠損金控除による税負担の軽減も寄与している。2004年11月時点に保有していたライブドア・マーケティングの株式72%の内53%売却して大きな利益を得ている。また2005年9月には子会社のターボリナックスの上場により多くの売却益を得ている。今更いうまでもないがライブドアは一応ポータル事業を中心に置いてはいるが、収益性の高いフィナンス事業を中核として成長を図る経営戦略がより明らかなっている。

 23時26分(長らく待たされて)ようやくライブドアの2005年9月期の連結決算業績が開示された。それによると売上高:784億2100万円(前年同期比:△154.0%)、経常利益:112億6100万円(前年同期比:△123.7%)、当期純利益:154億7500万円(前年同期比:△332.6%)で昨日の連結決算業績予想の数値とほとんど変わらない。昨日の開示で予め分かっていたことであり、改めて殊更驚くべき数値ではない。今日までの株価推移に既に織り込まれていると見るべきで今更新しい材料とは言えない。 むしろ『西京ライブド銀行認可』の様なNewsが出て来れば、(確実ではないが)もしかしたら株価を上へ押し上げる力が働くかもしれない。10億4900万株もの重石を持ち上げるには並大抵の力では難しい。


 昨日ライブドア・マーケティングはセシールの公開買付け(TOB)が成立と発表した。買付け価格1000円で10月24日から11月15日に実施した結果、1401万4700株(983万3800株予定)の応募があり全てを取得する。創業者一族の資産管理会社「アジア物産」保有の29.38%の株式を既に取得しているので、今回のTOB成立でセシールの69.03%(議決権ベース)を保有することになる。これで11月22日にセシールはライブドア・マーケティングの連結子会社になることが確定した。ライブドアマーケティングはセシールに代表取締役を含む過半数の役員を送り込む。業務見直し、雇用などについてはこれから詰めるとしている。

 
上記の件は既に昨日までに両者の株価に織り込み済みで先取りの形で上昇している。両者共にいざ材料が発表されると下方に向かうことがよく起きる。ライブドアの株価は前場一時530円まで上昇したが、後場13時40分頃から下落に転じ終値は前日比13円安の503円で取引を終えている。11月4日には423円まで下げているので、流石にここまで上昇すると利益確定売りは入ったと見られる。今日の最安値493円からは10円戻したものの明日以降またもや下落傾向に転じると推察する。一方ライブドア・マーケティングは11月14日の2005年12月期の第3四半期業績の好決算発表を材料に11月14日、15日と5270円まで大きく上昇した。昨日から一転して下落に転じ5160円→4900円(今日)で取引を終えている。ライブドア・グループの株式には単純で”●●”な方々が多く群がっているので、どこぞの誰かにはまさに好都合・・・ちょいと仕掛ければ簡単に嵌め込むことが出来る。両者共に相も変わらず妙な動きをするが、今後もまた同様のことが繰り返されると思われる。

 
ドリームテクノロジーの株価は2日続けてのストップ安(4000円安)の3万2700円で取引を終えている。前回は11月8日から3万8700円→3万4700円→3万700円→3万4700円と推移している。さて今回は4万700円→3万6700円→3万2700円→?・・・明日はどうなるだろうか?明日はいよいよ村上ファンドが第三者割当増資の50億円を払い込む予定になっている。予定通り払い込みされると村上氏は31万3873株を手にする。この時点で発行済み株式が114万7246株で、村上氏の保有比率は27.36%となる。新株式は2年以内に譲渡する場合にはドリームテクノロジーに報告することになっているが、別に譲渡禁止ではなく村上氏がその気になれば直ぐにでも売却出来る。某掲示板では「村上氏がいるから大丈夫」、「爆上げ間違いなし」などと歓迎している方々が見受けられる。随分と村上氏を信用しているが果たしてそうだろうか?

 次は100億円のCBが待っている。(これが直ぐに株式転換されるかどうかは分からないが)全て株式転換されると62万7746株・・・第三者割当増資分を合わせると今日時点の発行済み株式をはるかに上回る新株式が発行されることになる。となれば強烈な希薄化は必至・・・株価が目が飛び出るほど高値になるとは到底思えない。それに村上ファンドがそんなに長期保有するとは考えられない。大量の株式をどの様に処分するかは分からないが、株価が上昇するどころかむしろ押し下げる要因として働くことは間違いない。CBの払い込み(12月21日)の翌日から償還期限(2006年12月29日)の前日までの間に任意の時期に株式転換して売却出来る。結局
第三者割当増資、CBいずれも強烈な売り圧力になる可能性が高い。どの様な状況になっても村上氏は巧妙に高値で売り抜け、残された方々がババを掴まされて苦しむ姿が目に浮かぶ

 2005.11.18

 TBSが楽天の経営統合提案を拒否する可能性が高い。その様な状況下で『
楽天が今月末頃に予定されるTBSの最終回答後、現在約19%の保有比率を20%超に引き上げる方針。更にTBSの拒否姿勢が変わらなければ、来年3月までにはTOBを実施してTBS株式の1/3超の取得を目指す方向。』と朝日新聞が報じている。TBSは業務提携に限定した妥協案を探っている模様だが、三木谷氏は「資本提携は譲れない」との強硬な姿勢を通している。フジテレビとの資本提携を断念した堀江氏がその後フジテレビにまともな対応してもらえない現状を見ているので、三木谷氏は同じ轍を踏まぬ為にも担保として「資本提携」に譲れない一線とのこだわりを持っている。まずは”不退転の決意”でTBSと対峙しているとの決意を改めて示すことにより、膠着状態に陥っている交渉を有利な方向に導こうとする狙いがあると見られる。

 
楽天がTBS株式の1/3超取得する為には更に膨大な資金追加が必要となる。上記の情報が流れたことを受けてTBSの株価は予想通り上昇し、終値は前日比160円高の3360円で取引を終えている。この程度の情報でこれほど株価が反応するのだから、実際TOB実施が決定すれば高騰することは間違いない。仮に公開買付け価格を4000円とした場合、1/3取得するには約1100億円、1/2取得するには約2300億円程度の資金調達しなければならない。無論TBSの株価がより高騰する可能性もあり、その場合には必要資金が更に膨れ上がることになる。

 楽天はTBS株式取得の為に既に約1110億円注ぎ込んでいる。恐らく銀行は敵対的M&Aに協力していると糾弾されるのを嫌がり追加融資するとは考え難い。加えて6000億円を超える有利子負債を抱えている楽天としてはこれ以上借入金を増加させたくない。となると外資の禿鷹ファンドの出番になる。既にアメリカの投資顧問会社ゴールドマンサックスが楽天に対して1000〜2000億円程度の融資を提案している。ライブドアがリーマン・ブラザーズにMSCBを発行して巨額の資金を調達したことが頭に浮かぶ。やはり
今回も第三者割当て増資ではなく、MSCB発行(加えて貸し株?)による資金調達の可能性が高い。もしそうなればまたもや己の(身勝手な)目的達成の為に平気で既存株主を足蹴にする様な事態が起きるかと思うと実に気分が悪くなる。

 毎日新聞は『
楽天内部ではTBSの業績が振るわないことなどから、経営統合に応じない以上は株式売却など撤退案も浮上している。このため、楽天はTBSの回答を待って最終判断する。』と報じている。ライブドアのニッポン放送乗っ取り騒動に形勢がライブドア不利に傾いて来た時、ライブドアの内部では強硬論と慎重論が激しく対立したと伝えられた。今回も楽天必ずしも有利ならずとの状況下では、楽天内部では形勢判断と今後の方針で食い違いが出ても可笑しくはない。とにもかくにも今月末にも出されるTBSの最終回答を受けて、三木谷氏は(場合によっては)伸るか反るかの厳しい決断を迫られると思われる。

 一方TBSは楽天がTBS株式20%超取得の場合には、「企業価値評価特別委員会」の承認を得て買収防衛策をとる可能性が高い。既にTBSは日興プリンシパル・インベストメンツに対し『20%以上の株式を取得した敵対的買収者が現れた場合に新株予約権を発行』するとしている。もしこれが発動されれば当然楽天は訴訟に持ち込み法廷闘争となる。まさにニッポン放送がフジテレビに対して仰天の対抗策を打ち出して法廷闘争による決着となった時の再現・・・もしかしたら”
歴史は繰り返す”ことになるかもしれない。3月23日の東京高裁の決定の中で経営支配権維持を目的にした「新株予約権」発行が正当化される場合の基準を明確に示している(こちら 参照)。当然両者共に頭に入っていて裏では密かに訴訟対策を検討しているはず・・・。とにもかくにも近々事態が急展開し緊迫した状況になる可能性があり目が離せない。

 
ライブドアの株価は寄り天で523円をつけたがその後は下落に転じ、終値は前日比10円安の493円で取引を終えている。昨日大幅な増収増益の決算が発表され普通だったら上昇して然るべきなのに逆に下げるのだからただ呆れるばかり・・・。よく考えれば大幅な増収増益の見込みは暫く前から出ていて、それを材料に既に大きく上げている。然るにここで正式に好決算が発表されたからと言って、上乗せして更に爆上げするなどと期待するのは甘すぎる。今までも『期待感で上げては材料が発表される』と下げるとのパターンを何度も繰り返してい。週明けも当面下落傾向が続くと推察している。

 以前『ライブドアの収益構造には危うい面がある』と記述したことがある。2005年6月期決算でも売上高の約60%が金融事業であり、しかも投資銀行的業務による収益が高いウエイトを占めている。これらは安定的な成長を保証するものではなく、投資先や提携先企業如何によってはライブドアの業績に大きな影響を与える可能性がある。言い換えれば大成功の可能性があるが、反面大きなRiskを背負い込むこともあり得る。今期が飛躍的な成長を遂げたからと言って、翌期もまた更に高いところにJumpするとの保証はどこにもない。

 
ライブドア・マーケティングの株価も同様に好決算が発表される前に5270円まで上昇したが、その後はしっかりと下落に転じ終値は前日比200円安の4700円で取引を終えている。ここも『上げては下げ』のパターンを性懲りもなく繰り返している。どこぞの誰かが単純で”●●”な方々を利用して儲けを企みほくそ笑んでいる姿が目に浮かぶ。それでも堀江氏の熱狂的な支持者は信じてついていく。”信じる者は救われる”とは言うが、果たしてどうなのだろうか?

 2005.11.19

 TBSが11月16日に発表した2006年3月期中間決算によると増収減益(但し純利益は大幅増)となっている。大型番組の制作費が大きく膨らんだことなどから本体の放送事業の営業利益が55.8%減少したのが響いている。保有する東京エレクトロンの株式を今年9月に300万株の売却益169億円を特別利益に計上したことで純利益が大幅増となっている。何のことはない。純利益が大幅増加したと言っても放送事業以外の分野で放送事業の凹みを補填したに過ぎず褒められたものではない。こんな具合だから”無法者”につけ入る隙を与えることになる。何から何まで”脇が甘かった”としか言い様がない。

 TBS乗っ取りを企んでいる三木谷氏が『極めて悪い数字。(増益となったフジテレビやテレビ朝日など)伸びている企業がある中で、なぜこんなに下がっているのか不思議だ。(大株主としては)しっかり改善してもらわないと困る。」と早速大きな顔をしてTBSに噛み付いた。更に『新しい業態を積極的に切り開くよう発想を切り替えていく必要があり、私たちはまさにそういう提案をしている』と主張している。
三木谷氏はTBSの業績不振を攻めの材料としつつ自らの経営統合提案の正当性を強くアピールした。不利に傾きつつある形勢の巻き返しを図る好機と捉え、かつTBSが経営統合提案拒否の方針と伝えられていることへの牽制する狙いがある。

 一方
TBSには楽天との全面対決を避けたいとする意向があり妥協点を探る動きがある。『あくまでも経営統合は拒否するが、楽天のTBS株式保有比率を2〜3%にすることを条件としてInternet上のEC(電子商取引)などの分野での業務提携を認める方向』と伝えられている。TBSはネット通販大手のアマゾンジャパンなどと連携した通販サービスを試験的に開始するが、恐らく同種のサービスを楽天との協業で実施することを検討していると思われる。以前楽天の国重氏は『経営統合には必ずしもこだわらない』との姿勢を示している。TBSが『経営統合拒否、条件付資本・業務提携』を提案して来た場合の楽天の対応が注目される。三木谷氏が強く経営統合にこだわり交渉決裂で全面抗争に発展するのか、あるいはお互いに妥協して平和的に解決するのか・・・いずれにせよまもなく局面を左右する重大なTurning Pointにさしかかる

 昨日の14時37分
ライブドアは『アメリカのInternet広告販売業「Innovation Interactive LLC.」を完全子会社化する』と発表した。Innovation Interactiveの全株式1781万4211株を(2006年第1四半期の予算達成度による)8000万〜1億$で取得する。2004年12月期決算によると売上高:2462万$、粗利益:1359万6000$とある。約100億円投資して売上高:約30億円のアメリカ企業を買収することになる。この程度の企業がライブドアに加わったところで連結業績に与える影響は軽微・・・取り立てて大騒ぎするほどのM&Aではない。一部の”●●”な方々が提灯をつけて週明け一時的に株価が上がるかもしれない。もしそうなってもまやかしは通用せず、結局は週明けも下落傾向が続くと見ている。

 2005.11.20

 三木谷氏のTBS乗っ取りの狙いが明るみになった頃から楽天が運営する「Infoseek」、「楽天市場」などのサイトの閲覧件数が急増している。経営統合を提案した10月にはアクセス数が前月の39億件から43億件に伸びている。尤もアクセス数が増加したからと言って楽天の売上げ増に繋がる訳かではないが・・・。一方で今年前半に”ニッポン放送乗っ取り騒動”で話題沸騰となったライブドアのサイトは、衆議院選挙出馬で盛り上がった9月と比較して10月は12%もアクセス数が減少している。今年前半から半ばにかけてあれほど至るところに顔を出していた堀江氏も流石に飽きられたと見える。何か話題になったからと興味本位に覗いて見る方が一時的に増加するだけで、必ずしもそこのサイトに実力がついて強化された訳けではない

 結局
Internetサイトへのアクセスの増減はその時々の話題性の大きさにより影響されることを示している。使う側からすれば使いやすさとかコンテンツなどには決定的な差は感じられず、『どこを使っても同じ様なもの』で特定のサイトに固執する理由はない。ちなみに私は「Yahoo」を使っているが特に”ここでなければ”との強い理由などはない。ただ単にPCを使い始めた時に使ったのが「Yahoo」であり、その後そのまま継続使用しているので慣れていて使い易い。現状何も問題を感じていないので、他のサイトが話題になったからと言ってそちらに乗り換える気など毛頭ない。

 三木谷氏は先日の記者会見でTBSの2006年3月期中間決算での業績落ち込みを激しく糾弾した。あたかも”敵の首”を取ったかの如き口調でTBSを追求し、『だからTBSは経営統合が必要』と強く主張している。よくもまあ言いたい放題だが、「三木谷さん、ちょっと待てよ!」と強く言いたい。
他者のミスを攻撃するの自由だが、三木谷氏も自らの周辺にミスが無かったかどうかよく考えて頂きたい。楽天証券の11回にも及ぶシステム障害を起こしておきながら、楽天グループの総責任者としての三木谷氏から一言も釈明やお詫びの言がない。三木谷氏にとっては顧客に迷惑をかけることなど意に介していないと見えてしまうが・・・。金融庁から改善命令を受ける大失態を犯したのだから反省の言があって然るべきだが、常識を持ち合わせていない方にはその様なことは通用しないらしい。自らの非を認めない人には他者の落ち度を責める資格はない

 11月18日に阪神電鉄は2006年3月期の中間連結業績予想を前回発表時より上方修正した。 それによると売上高:1459億2800万円(前回予想:1470億円)、経常利益:123億2800万円(前回予想:89億円)、中間純利益:29億9200万円(前回予想:23億3300万円)・・・好調な数値が示されている。上方修正の理由として『阪神タイガースのセリーグ優勝に伴い、連結子会社の阪神百貨店の業績が予想を大幅に上った。加えて阪神甲子園球場を中心とするレジャー・サービス業が好調に推移した』ことを挙げている。流石阪神タイガースの大阪での人気は凄まじいものがあり、中でも優勝の効果は絶大との感を強くする。村上氏が阪神タイガース上場に固執するのもうなづける。上場すれば莫大な上場益が得られるのは間違いない。ところで通常は業績を上昇修正すれば株価に反映することが多いが、阪神電鉄の場合は村上氏が大量に買い占めて以降あたかも”仕手銘柄”如き様相を呈している。 今更この程度の情報では株価は容易に動かない

 11月18日に株式分割の効力発生日を迎えた
ブロードバンドタワーの株価は予想通り下落が進み、先週末の終値は前日比3万2000円安の67万7000円で取引を終えている。11月9日に66万円まで落ち込んだが、10日→11日には74万円→83万8000円と明らかに異常な上昇を示した。どう見てもどこぞの誰かが仕掛けた罠に嵌り高値掴みで損を被った方がいると思われる。その後は5営業日連続で下落し子株還流日を迎えた。とにもかくにもこれで完全に”分割祭り”は終焉を迎え、次はどこで株価が落ち着くかが注目される。

 毎度のことながら株式分割前後の株価推移は同じ様なパターンを繰り返す。流石に金融庁も過熱気味の株式分割を放置出来なくなり既に一部規制が入っている。以前の様な1:100の如き極端な分割は出来ず、現在は1:5までに制限されている。また子株還流までの期間が約50日と長いことが問題になり期間短縮を金融庁が検討中との情報がある。
株式分割をマネーゲーム化させない為にも一刻も早い抜本的な改定が望まれる

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