2005.12.19
TBSと楽天は和解協議入りの条件として既に来年3月末まで楽天が保有するTBS株式の約半数の議決権を凍結することで合意している。更に『来年4月以降両者の提携交渉が継続した場合、一定の合意が得られるまで議決権凍結継続、かつ楽天は敵対的TOB実施せず』で合意したと共同通信が報じている。年内にも第1回の業務提携委員会が開催される予定になっている。楽天の業務提携申入れに対してのらりくらりと態度を曖昧にして来たTBSに業を煮やして強硬策に打って出た楽天だが、ここに来てソフト路線に転換し無理な期限を設定せずじっくりと”友好的に”交渉を進める腹積もりと見受けられる。
TBSとしては楽天が何時までも自社株式を大量に保有されたままでは如何にも居心地が悪い。そこで資本提携は最小限に留めたい・・・楽天にTBS株式の大半を手離すことにこだわると考えられる。楽天としてはTBS株式の大量保有は”人質”であり、充分な”身代金”が得られなければそう簡単に手離すはずがない。業務提携と資本提携が複雑に絡み合い交渉が進むと思われる。交渉の難航が想定されるが、今まで散々焦らされている三木谷氏はどこまで我慢出来るのだろうか?(長期戦が予想されるが)交渉の行方を注意深く観察して行くことにする。
ジェイコム株式の取引は現在まさに誤発注がもたらした”狂乱”状態にあり、様々な思惑や人間の欲が絡み合って仕手の如き状況を作り出している。ロイター通信は『主力株の上値が重くなっているなかで、同社株のこうした値動きの良さを狙って目先筋の資金が流入』と報じている。つまり思わぬことで一躍有名になったジェイコム株式が『IPO直後によくある派手な値動きが重なり、仕手筋などには短期に多くの利益を確保する為の格好の材料』と看做せる。今日で4営業日連続のストップ高で終値は162万円で取引を終えている。今のところどこで上昇の勢いに蔭りが出て天井に突き当たるか読めないが、ジェイコムの企業価値以上になれば必ず反落する。バブル状態になれば必ず弾ける。勢いが(実力以上に)良過ぎればその反動も大きい。
阪神電鉄は現在直営のバス事業を切り離し、バス事業に特化した「阪神バス」を12月14日付けで設立し来年6月から営業開始する。『阪神・淡路大震災後に収支が悪化した為、事業再編で黒字化を目指す』としている。不採算事業を本体から切り離して独立採算にする手法がよく用いられるが、(何時も疑問に思うが)それだけで採算が合うのであれば「それまでいったい何をしていたのか?」との疑念が湧いてくる。ただ単に該当する事業分野の責任者が怠慢で己の責任を果たしていなかっただけでは・・・?分社化により新会社の経営陣には黒字にする義務が生じる。無論経営責任の明確化するのは当然のことだが、一方では利益追求が過度になるあまり信頼性、安全性を疎かにしてないけない。さもないと同じ運輸事業のJR西日本の様に問題を起こす可能性がある。
ところで阪神電鉄の株式を42.36%買い占めている村上氏の動向がさっぱり伝わって来ない。身の危険を感じているのかどうかは分からないが、あれほどマスコミの前で能弁を揮い利用していたのにまるで”地下に潜ってしまった”かの如く見える。当然水面下では激しい交渉が続けられているはず・・・阪神電鉄に1000億円以上の資金を注ぎ込んで挙句事態の長期化による”塩漬け”は困るのではなかろうか?目算違いはなかったのだろうか?村上氏は何か思い入れがあるのか阪神電鉄に”首を突っ込み過ぎた”様に思えるが・・・?
アドテックスから『2006年12月31日満期スイス・フラン建てMSCBの繰上償還のお知らせ』が開示された。プット・オプションの権利が行使されて今年の12月31日に5775万スイス・フラン(6000万スイス・フランまで増える可能性あり)が支払われる。予想していた通り繰上償還となったが、日本円にして約50億円の資金の手当てはついているのだろうか?債権者から繰上償還請求があったから開示をしているのであり、必ずしもアドテックスに支払いの目処がついたことを意味するものではない。 10月に頓挫した『リズデール』からの49億円調達はこの為だったとも考えられる。それ以降資金調達の話が出ていないところからすると、何やら非常に危険な香りが漂っているが果たして・・・?ちなみにアドテックスの株価は上場以来の最安値を更新中であり、終値は前日比900円安の1万7150円で取引を終えている。
2005.12.20
『クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券がみずほ証券の誤発注から約30分後の12月8日午前10時頃に東証に「誤発注ではないか?」と問い合わせたが、東証が「通常の取引」と答えていた』と報じられている。今日の自民党金融調査会の小委員会でクレディ・ボストン証券の幹部が明らかにした。東証の返答を受けてジェイコム株式を買い続けたと主張している。事実とすれば東証の危機管理体制が全くなっていないことを露呈している。誰が見ても明らかに異常な売り注文にも関わらず「通常の取引」とは・・・その時点で東証に全く危機意識が無かったことを示している。
クレディ・ボストン証券以外の5社は利益返還に応じる姿勢を示したが、クレディ・ボストン証券のみ「利益返上には透明性、公平性が重要」として態度を保留した。しかしながら株式取引のプロならば東証に問い合わせるまでもなく即座に誤発注との認識を持っていたことは間違いない。ここで敢えて「東証云々」を持ち出したのは東証の責任を前面に出して、クレディ・ボストン証券は自己の取引の正当性を主張している。即ち「東証云々」を”免罪符”として利益返還を免れたいとの魂胆ではなかろうか?
昨日プット・オプションによる繰上償還の発表があったアドテックスの株価が前場に面白い動きを示した。昨日某掲示板で一部の方が「これで憂いなし」などとはしゃいでいたのが気になっていたが、どうやらどこぞの誰かが提灯をつけたのに見事に引っ掛かった御仁がいたと思われる。前場1万6800円で寄り付き9時45分頃に1万8000円まで一気に上昇した時したが、僅か10分後には下げ始め前場引けでは昨日の終値(1万7150円)近くまで戻った。後場は1万7000円と1万7200円の間を行ったり来たりを繰り返し、終値は前日比90円安の1万7060円と最安値を更新して取引を終えている。まずは資金不足のアドテックスがどうやって50億円以上を用意するのかお手並み拝見・・・今年9月末時点で現預金18億円では如何にも心許ない。まさか村上ファンドが突然現われて救いの手を差し伸べる・・・なんてことがあるとは考え難い。タイムリミットまであと僅か11日・・・そこまでには何らかの答えが出る。
今日も新興市場にも強烈な追い風が吹き、日経JASDAQ平均、東証マザーズ指数ともに年初来高値を更新した。またヘラクレス指数も4日続伸と好調を持続している。今日は新興市場へのIPOが5銘柄集中し懸念されていたが、そんな心配何のその5銘柄中4銘柄が買い気配のまま値がつかず翌日に初値形成を持ち越している。また残る1銘柄もストップ高で取引を終えている。株式市場全般の好調さがIPOにも現われている。8月3日以降のIPO銘柄を追跡しているが、全般的に好調で株価が伸びている銘柄が多い(株式推移表参照)。8月3日から昨日までのIPO60銘柄中9銘柄がストップ高を記録している。あまりにも弾みがついて勢いよく上昇しているのを見ると何やら”バブル”相場の如き怖い感じがする。どこで勢いが鈍るのか分からないが、何時までも無限に上昇するはずがなく必ず反動が来る。当面新興市場の動きを注意深く追跡を継続する。
2005.12.21
昨日ドリームテクノロジーは『ライブドア証券を引受け先として40億円のMSCB、及び2000万円新株予約権(20万株固定)発行』を発表した(こちら 参照)。よほど緊急に資金を必要としているのか、払い込み期日が2006年1月5日とほとんど間がない。恐らく平成電電支援絡みでの資金調達と思われるが、そんなに無理?して再生スポンサーになって「我が身が大丈夫?」との懸念を持つ。ところで内容については
こちら(2005年12月20日) で分析されているので参照して頂きたい。呆れるほどライブドアには有利な条件なことが分かる。ダイナシティのMSCBも引き受けているライブドアは、今後も大規模なFinanceを次々と引き受けて貪欲に暴利を貪ることは間違いない。
今回の大規模なFinanceで12月20日現在の発行済み株式に対して潜在株式比率は28.9%となる。当然の如く1株利益の希薄化、及び需給悪化の懸念が生じる。またもや一部の悪い輩が『既存株主を足蹴にして大儲けを得る』との醜悪な構図が見えて不愉快になる。今回もドリームテクノロジー経営陣、そしてライブドア(+村上ファンド)は既存株主を全くないがしろにしていい気になっている。そんな不誠実な態度がドリームテクノロジーの株価に跳ね返り、終値は前日比3550円安のの2万6850円で取引を終えている。某掲示板で「堀○と村△が組んだら無敵」などと書いている方がいるが、本気でそんな風に思っているのだろうか?醜悪な2人が手を組んだらどうなるか・・・?目をつけられた企業は骨の髄まで(何から何まで)剥ぎ取られることになるかもしれない。
アドテックスの株価は6営業日の続落で上場以来の最安値を更新中・・・終値は前日比1060円安の1万6000円で取引を終えている。やはりMSCB6000万スイス・フラン分のプット・オプションによる償還がずしりと圧し掛かっている。資金繰り不安の恐れが株価に悪影響を与えている。ここまで下落に歯止めがかからないと危機的状況に直面していると思わざるを得ない。12月末までに資金調達の目処はあるのだろうか?残された日はカレンダーベースで僅か10日・・・大詰めの局面が迫っている。
ジェイコムの株価は前場10時10分頃ストップ高(30万円高)の222万円をつけそのまま取引終了かと思わせた。ところが突然14時30分頃に異変が起きた(こちら 参照)。大量の売り注文が入り一気に前日比2万円安の190万円まで下落し178万円売り気配のまま取引を終えている。昨日「バブル相場の如き怖い感じ」と書いたばかりだが、いきなり”ドカンと一発”が襲来した。派手な上昇は時として派手な下落を演出する。特にジェイコムの場合は上場直後の異常事態が引き起こした仕手相場故動きが派手になる。夢うつつ状態のまま浮かされて飛び付いた方は痛い目を見ることになった。企業価値以上の高値に飛び付く危険性を頭の中では分かっていても、いざとなると全く前が見えなくなり理屈通りにはコトが運べない怖さ(人間の弱さ)がある。明日どの位で寄り付きその後どう推移するのか注目される。
現在追跡中のIPO銘柄にも同じ様な動きが見られた。その中から幾つかを紹介する(こちら 参照)。例えば12月12日上場のサマンサタバサ・ジャパンは直近の4営業日ストップ高と急上昇し今日もストップ高の189万円をつけた。ところが14時20分頃から30分ほどの間に50万円弱下げ、最終的には前日比3万円安の156万円で取引を終えている。また11月29日上場のナノ・メディアも直近の2営業日ストップ高と絶好調で今日も13時頃に前日比24万円高の224万円まで上昇した。その後下落に転じ一時164万円と何と落差が60万円もあった。その他も荒っぽい値動きを示したIPO銘柄が多く見られる。新興市場全般に好調さが目立つだけに一際目立つ。急激に値を上げたIPO銘柄に対して利益確定売りが入ったのだろうか?とすれば明後日から3連休、そして年末が控えているので利益確定売りが加速する可能性がある。IPO銘柄、特に”腰が伸び過ぎている”感のある銘柄は要注意と言える。
2005.12.22
昨日金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会はTOB規制などに関する最終報告をまとめた。金融庁は来年の通常国会への提出を目指している「投資サービス法(仮称)」案に報告内容を盛り込むことにしている。今回の規制が導入されれば阪神電鉄株式大量取得の際の村上ファンドが使った汚い手法、それに5%ルールの機関投資家への特例措置をずる賢く活用した不明朗な取引などを排除することが出来る。報告の主な要点は以下の通り。
・TOB実施中に被買収企業株式の1/3超を保有する他の買収者が更に株式を買い進める場合はTOB
実施を義務付ける。
・被買収企業がTOB期間中に買収防衛策を導入した場合、買収者のTOB撤回を原則的に認める。
・市場内/市場外取引を組み合わせ上場企業の1/3超株式を取得する場合もTOB実施を義務付ける。
・大量保有報告制度の特例措置を見直し、機関投資家の報告期限を最大19日に大幅短縮する。
村上氏、堀江氏、三木谷氏など”不逞の輩”は今までに法の盲点をついて巧妙に抜け穴を活用して数々の悪行を繰り返している。”法に触れなければ何をやっても良い”との醜悪なやり口には嫌悪を感じる。この手の輩には背後に”抜け穴を探す”その道のプロが控えているので、またいずれその内何か悪行をやらかすかもしれない。出来れば事前に法の網を広げておいて欲しいが、現実問題としては相当難しい。イタチゴッコになるかもしれないが、その場合には迅速に法改正して穴を塞ぐ必要がある。
12月に入り不自然に株価が急上昇して12月12日には15万9000円(終値)をつけたエフェクターの株価は翌日から下げ始め、きょうの終値は前日比3000円安の14万円で取引を終えている。ここの不自然な上昇は今までに何度も起きているが、その度に”意図的な力が働いて無理やり上昇し役目を終えると下降”の毎度お馴染みのパターンを繰り返している。10月初めにロックアップ解除第一弾があり、その後上下降を繰り返している。気がつくといつの間にか発行済み株式が9月28日(10万9830株)→10月25日(11万450株)→11月22日(11万680株)→12月22日(11万2380株)
と増加している。特に直近の1ヶ月の1700株増加は株価上昇の動きと重なっている。今回も急激に株価を上昇させる様な材料は全く無い。明らかに”金の亡者”の高値売抜けの為にどこぞの誰かが株価吊り上げを図ったとしか考えられない。まさに”○○○○”株式の典型・・・こんな企業の上場を認めることが信じられない。
ジェイコムの株価は180万円で始まり高値190万円、安値155万円とまさに『山高ければ谷深し』との相場の格言を地で行く展開(こちら 参照)となった。13時30分から14時にかけて160万円から190万円に戻したが、どうやらこれはどこぞの誰かの仕掛けと見られその後大引けにかけて下落に転じた。 終値は前日比23万円安の167万円と大きく下げて取引を終えている。まだ割高感がありもう暫くは下方へ向かうと推察しているが、依然として投機色が強く”博打”的な動きが出現する可能性がある。まだまだ”狂乱”相場が終了したとは言い切れない側面があり、当面ここの株価動向を注意深く監視して行く。
アドテックスの株価は7営業日の続落で上場以来の最安値を更新中・・・終値は前日比1690円安の1万4310円で取引を終えている。それにしても一向に下落の勢いが止まらない。愈々”●●”が現実味を帯びて来る。12月31日まであと残り僅か・・・目の前に”●●”の恐ろしい2文字がちらついているアドテックス経営陣が蒼ざめた顔で資金調達の為に走り回っているのだろうか?(無責任な第三者が喜びそうな)スリリングな展開になりそうな予感がする。
2005.12.23
堀江氏が高知競馬支援を決めてから既に1年経過したが何ら実のある成果が出ていない。高知競馬場の新しい名称を募集して応募を締め切ったが、適当な名称がなかったのかどうかは分からないが正式決定が延期されて半年経過した。『ホリエモン』は高知競馬に移籍後2勝しているが、これは直接支援とは関係ない。これ以外に高知競馬に関して堀江氏の名前が全く出て来ない。堀江氏にやる気があればいろいろな方策が実施されているはず・・・やはり「高知競馬は妙味なし(儲からない)」と関心が薄れたとしか思えない。『ハルウララ』ブームが去って高知競馬の(一時的な)人気に蔭りが出て投資対象とは見ていないかもしれない。とすればあまりにも中途半端・・・このまま高知競馬支援が遅々として進まなければ”無責任”の誹りを免れない。
12月26日ライブドアからのダイナシティ発行のMSCB200億円払い込みが行なわれる。今回の巨額のFinanceで『12月8日現在の発行済み株式に対する潜在株式の比率が116.8%となる見込み』とは希薄化の可能性があまりにも大きくただ呆れるばかり・・・。それにしても今年に入って3度目の増資とは・・・最初は3月の55億円のMSCB(内20億円は買入消却)、2度目は約30億円の第三者割当増資、そして今回とよほど資金が必要と思われる。ところでこれだけの大規模な増資に見合う業績を上げているのだろうか?おまけに耐震強度偽装問題でマンション業界は大きく揺れている現状ではダイナシティも当面かなり苦戦を強いられるのでは・・・?
毎週VMAP方式(直近3営業日の90%)で転換価額が修正されるので、早速12月30日に初回の転換価額修正がある。転換価額の下限は9990円となっているが、ライブドアはどこまで転換価額を下げて来るのだろうか?当然のことながら転換価額が下がれば下がるほど転換株式数が増加する。またもやダイナシティの株価はMSCBの呪縛の恐怖に晒される。ちなみに昨日の終値は前日比1130円安の2万9620円で取引を終えている。まずは取り敢えず次週の株価推移を注目して行く。
いちよし証券はジェイコム株式誤発注に絡んで得た利益400万円弱を今週中にも環境保護などの4団体に寄付することを明らかにしている。1度売買成立した取引を無にするのには抵抗があり、『寄附』の形でどこの儲けにもならない形を選んだと思われる。ここの場合は金額も小さいので、仮に直接みずほ証券に返還しても内輪で揉める要素は無い。グレディ・ボストン証券は「利益返上には透明性、公平性が重要」として態度を保留しているが、「ただ単に利益返還を求められても株主への説明がつかない」との主張を持っていると思われる。確かに異常な取引を成立させてしまった形の東証にも落ち度がある。他者のミスにつけ込んだ証券会社などは利益を返還すべきとの主張に変わりはないが、異常事態発生に関与した東証は『利益返還に対する見解』を明確に示すべきと考える。
2005.12.24
村上ファンドが12月19日提出した大量保有報告書により、『11月18日に第三者割当増資で取得したドリームテクノロジー株式を11月21日から継続的に売却』していることが判明した。取得直後の翌営業日(11月21日)の4627株売却を皮切りに12月15日までに16万5046株(6万株の新規取得分相殺済み)を市場内/外取引で売却している。残りもどうなっているか分かったものではない。短期の利鞘稼ぎを狙うのは投資ファンドが行なう常套手段だが、あまりにもここまで露骨な動きを見せられると村上ファンドのえげつなさには呆れ果てて開いた口が塞がらない。12月19日には97億円分のCBを取得しているが、恐らくこれも長期保有する気など更々無くかなり早い時期に処分すると見ている。
ところで10月31日のドリームテクノロジーの開示には『(10)新株式の継続所有の取決めに関する事項』として『当社は新株式の割当先との間において、割当新株式を発行日から2年以内に譲渡する場合にはその内容を当社に報告する旨の確約を割当先から得ている』とある。村上ファンドが平気な顔をしてあっさり取決めを破ったのだろうか?村上ファンドからドリームテクノロジーに対して売却通知があったかどうかは定かではない。ドリームテクノロジーから『取決め違反』との抗議が出ていないので、もしかしたら通知があったのかもしれない。いずれにせよ随所に投資家に対する背信行為を感じるのは私だけだろうか?市場に巣食う”●●”が出没するところには常に不吉な暗雲が漂っている。”●●”に喰い憑かれた企業はいずこも艱難辛苦の連続となり、地獄の責苦に苛まれることは必至・・・。
明日ライブドアの定時株主総会が開催される。日曜日の開催と言うことでどれほどの株主が集まるのだろうか?株価は一時の低迷を脱し”提灯”銘柄に相応しい急上昇により最低の時期の2倍以上、しかも前回の公募価格(638円)を100円以上上回っているとあれば文句が出るはずがない。セシール、中古車販売会社、それに直近では約110億円を投入してカード決済会社2社のなど相次ぐ買収により、(まだ遥か彼方にはあるが)堀江氏の狙う”時価総額世界一”を目指して前進している様にも見受けられる。 加えて経団連入会など堀江氏は一見すると順風満帆であり、(期待とは大きく異なり)無風の株主総会になる可能性がある。
波乱の要素としては『2円配当』の株主提案があるが可決の可能性は低いと思われる。とは言っても(ほんの少々だが)意外性が大きいライブドアなので何かHappeningが起きることを密かに期待している。例えば大株主のフジテレビが”嫌がらせ?”で株主提案に賛成することで雪崩現象が起きて賛成多数により株主提案可決・・・『2円配当』が実現・・なんてことになったら面白い。それはともかくとして(ネット上の)知り合いがライブドアの株主総会に出席を予定している。恐らくその後株主総会についての記事が知り合いのサイトに公開されると思われるので今から楽しみにしている。
2005.12.25
格安航空券などを販売している旅行会社「トラベル遊」を通じてチケット購入を申し込んだ旅行者が出発空港でチケットを受け取れないトラブルが相次いでいる。成田空港で「トラベル遊」のチケット受渡しや搭乗手続きを代行している「エアサーブ」によると、12月23日から26日に出発予定の約110人分のチケットが12月22日までに「トラベル遊」から届く予定になっていた。他にも関西国際空港、福岡空港でも同様のトラブルが起きている。JTB広報室によると『12月22日夕方から連絡不能となり、当社(子会社)社員が「トラベル遊」本社に行ったが誰もいなかった』とのこと。
2004年4月に旅行業登録したばかりの新しい旅行社で販路拡張の為にかなり無理な営業をしていたのではなかろうか?どう考えてもこれは倒産としか考えられない。資金繰りが悪化し所謂”夜逃げ”をしたに違いない。多くの方に大きな迷惑をかけて無責任極まりない。GW、年末年始の時期に同じ様なトラブルが時折見受けられる。折角楽しみにしていた旅行をこんなトラブルでフイにしたのではたまったものではない。トラブルに巻き込まれた方は憤懣やる方がないがどうにもならない。一部の方はチケットを再購入して出発したが、二重の負担には納得出来るはずがない。この時期旅行業界に限らず倒産の危機に瀕しているところが多いかもしれない。倒産が起きるとその企業だけでなく回りの多くの関係者にも大きな影響を与える。出来るだけ倒産が起きない様に願う。
ライブドアは今日の定時株主総会に授権資本を現在の15億6804万株から2.7倍の41億9655万株に拡大する議案を提出した。ライブドアは「機動的な資金調達が目的で、あり買収防衛策ではない」としている。何やら格好つけているが、授権資本を一気に拡大する最終的な狙いは唯一つ”時価総額世界一”達成・・・。株主総会で堀江氏は『世界No.1の時価総額、40兆円〜50兆円の時価総額、今の70倍の時価総額を近い将来に目指す』と述べている。堀江氏は今後益々積極的に”パックマン”を演じることは間違いない。その為にも何時でも好きな時に”打ち出の小槌”を手にする必要がある。
授権資本枠の拡大は特に珍しいことではないが、ライブドアの場合はこれを使ってまたもや”悪さ”を仕出かす可能性が高い。フジサンケイグループから掠め取った資金を使い果たした後の備え、つまり新たな増資で資金調達を行ないM&Aを繰り返す為の伏線と見ている。いずれその内株価上昇のタイミングを見計らってMSCB、あるいは第三者割当増資を行ない、またもや既存株主を苦しめることになると思われる。堀江氏のことだから何の躊躇もなくその位のことはやるに違いない。また注目された『2円配当』は予想通り否決された。とにもかくにも”茶番”総会にて堀江氏は益々好き勝手に振舞う為のお墨付きを得たと言える。
今日の高知競馬第9R(ダート:1400m)の『ホリエモン』が出走した。好スタートから3,4番手を追走したが、全く伸びを欠き0秒8差の5着に敗れた。そこそこには走るものの今一つスピード不足の感が否めない。少々不甲斐無い走りっぷりに物足りなさを感じた。ところでライブドアの定時株主総会、それにJRAの有馬記念にぶつけるとは如何にも堀江氏らしいPerformanceと感心する。
高知競馬の第9Rの発走時間は15時30分、対して有馬記念は15時25分と僅か5分の違い・・・それでTVで競馬中継、Internet中継で高知競馬とダブル観戦した。有馬記念では「無敗の四冠馬誕生か?」との期待を一身に集めたディープインパクトがハーツクライに1/2馬身差の2着と敗れた。『勝負事に絶対はない』を地で行く結果を改めて示している。但し今日の敗戦でディープインパクトの評価が下がった訳ではない。来年春の天皇賞(京都:芝3200m)で成長した姿を見せてくれると確信している。
ところで今日の有馬記念を見ていて1973年日本ダービーでハイセイコーがタケホープに敗れた時のことを鮮明に思い出した。タケホープの勝利を讃えるどころか、ハイセイコーの敗戦に府中競馬場の観衆が静まりかえった。何しろ『国民的人気』を集めたハイセイコーのまさかの敗戦でショックを受けた方が大勢いた。地方競馬から中央競馬に無敗で移籍したハイセイコーの人気は(当時の時代背景があったのだろうが)凄まじかった。増沢末夫騎手(現調教師)は「さらば、ハイセイコー」のレコードを出している。所謂『ハイセイコー現象』として今でも語り継がれている。今は昔の物語・・・ふと昔の記憶が蘇って来た。