2005.12.26
今日ライブドア・グループはダイナシティのMSCB200億円の払い込みを完了した。早速明後日からの3日間のVMAPにより転換価額が修正される。ライブドアもすっかりMSCBに味をしめて引受け先としてしっかりと利益を確保している。今回も転換株式の大半は売却すると見ている。それ故ライブドアは下方修正の為に株価を下げて来ると考えられる。ちなみにダイナシティの株価は前場一時2万9870円まで上げたが、終値は前日比100円安の2万9520円で取引を終えている。
ドリームテクノロジーの株価は大量増資による希薄化への懸念が色濃く現われている。3営業日の連続の下落となり(通算下落幅:5500円)、終値は前日比1250円安の2万4800円で取引を終えている。村上ファンド保有の97億円のCB、それに年明け早々の1月5日払込み予定のライブドア証券引受けの40億円のMSCBとあっては既存株主はたまったものではない。平成電電の再生スポンサーに決まっているが、これとてどれほどの見込みがあるのだろうか?何かと不安要素が多い現状は当然株価にも影響を与えると思われる。そう言えば『ドリテク株価100万円を夢見る会』のメンバーはすっかりおとなしくなっているが、昨今の株価下落で今頃はすっかり意気消沈しているかもしれない。
アドテックスの株価は様々な思惑が交錯しつつ様子見の感があり、終値は前日比140円高の1万4450円で取引を終えている。現在の状況は少々の上がり下がりなど無関係・・・0か1か、つまり企業存続出来るかどうかの瀬戸際に置かれている。興味の焦点は『12月31日の償還期限までに6000万スイス・フランを用意出来るかどうか』唯一つに絞られている。アドテックスの手持ちの現預金だけでは到底足りず、何らかの方法で資金調達しなければならない。銀行融資があり得ない状況からすると、アドテックスに極めて不利な条件の第三者割当増資、あるいはMSCBしか考えられない。果たして年末のこの時期に”救世主”が出現するかどうか・・・?株主の方々は手を合わせて祈るしかない。
明日から29日まで不在につき連載はお休みにします。その間に状況がどうなっているでしょうか?
2005.12.30
予想通りアドテックスは資金繰りに行き詰まり、12月28日『2006年12月31日満期スイス・フラン建MSCB繰上償還の為の資金調達が見込めない』との開示を出した。主幹事会社のNomura Bank (Switzerland) Ltd.に対して、社債権者に対して繰上償還期日の延期を要請すべく社債権者集会の召集依頼を行なうとしている。果たして社債権者はこの要請に対してどう反応するのだろうか?それよりも社債権者集会を開催するまでに明確な見通しがついていなければ開催する意味もない。果たしてアドテックスは6000万スイス・フラン(約55億円)を調達出来る見込みがあるのだろうか?ただ単に「金が無いから借金返済を待って欲しい」では誰も納得しない。とにもかくにも資金が調達出来なければ”The End”・・・。
同日アドテックスは『資金調達に関わる業務委託契約締結に関するお知らせ』を開示した。(株)VLI(バーテックスリンクの完全子会社)に対して『当社の資金強化の為に第三者割当増資、転換社債型新株予約権付社債、及び新株予約権等の方法により資金調達を目的とする諸業務を委託』とある。早い話がアドテックスの自力ではどうにもならないので、コンサルタント会社に委託して「何とか資金調達の段取りをつけてもらいたい」との切羽詰った依頼と思われる。ここまでギリギリ追い詰められると、仮にVLIが実力のあるコンサルタントとしても資金調達の施策があるのだろうか?あくまでもコンサル契約を結んだだけであり資金調達出来たのではない。依然としてアドテックスの財務状況は危機的状況にあり、”火中の栗”を拾うRiskを犯す奇特な”救いの神”が出現するとは考え難い。それでも”藁にもすがる”思いのアドテックスとしては僅かな可能性にかけるしかないほど追い詰められている。もし”救いの神”が出現しなければ、そこには”▲▲”が大きな口を開けて待ち構えている。
同日大証はこの危機的状況を受けてアドテックスを監理ポストに割り当てた。場合によっては最悪の状況が想定されるとあれば当然の措置と言える。そんな状況下でアドテックスの株価は2日続けてのストップ安となるのも当然・・・今日の終値は前日比2000円安の1万1470円の比例配分で取引を終えている。今日の出来高は1128株・・・いったい誰が買っているのか訝しく思う。こんな危険な株式に手を出す方の勇気?には感心する?アドテックスの復活に夢をかけて一攫千金を狙う”山師”如き方がいるかもしれない。それはともかくとして年明け早々からのアドテックスの動向から目が離せない。
村上ファンドは保有する大阪証券取引所株式を全て売却したと発表した。大証の発行済み株式の9.95%(8998株)を保有していたが、CSKホールディングスに5.48%(4932株)を売却し残りは市場で売却したと見られる。今回の売却で村上ファンドは数十億円の利益を上げたと推測される。CSKは「金融事業分野に於ける基盤強化の一環として大証との友好な関係の構築を目的に取得」としている。言い換えれば大証を支援するホワイト・ナイト的な意味合いもあるとも受け取れる。
村上氏はここでも『モノ言う株主』として株主配分強化(増配)や経営改革を強く要求していた。大証としても筆頭株主の強い要求を無視出来ず増配に応じている。大証の株価は今年1月4日には29万2000円だったが、今日の終値は74万円と約2.5倍にまで大きく上昇している。村上氏は大幅な株価上昇によりそろそろ売り頃と判断したと思われる。加えてCSKと言う大口の売却先の出現によりこの時期の売却となったと見られる。
村上氏は『モノ言う株主』だか何だか知らないが格好つけ過ぎにしか見えない。”金の力”にモノ言わせて目をつけた企業の株式を大量取得して様々な圧力をかけている。村上ファンドの狙いは唯一つ、株価を吊り上げて「高値売却」でしかない。村上氏は何だかんだと相手企業に対して注文をつけるだけつけておいて、結局は時期を見計らってさっさと売り抜けて姿を消してしまう。投資ファンドとしては儲かればそれで良い訳であり、通り過ぎてしまえば後はどうなろうと知ったことではない。やはり村上氏は市場に巣喰う”■■”にしか見えず、極めて不愉快な存在以外の何者でもない。
阪神電鉄の買占めに関しても村上氏自ら経営に乗り出そうとの意思はなく、どこかのタイミングで大口の売却先への譲渡を考えているに違いない。但し阪神電鉄に対して1000億円を超える巨額資金を投入しているだけに売却するにしても容易ではない。村上氏が何も語らなくなってしまったので、両者の話合いがどうなっているのかさっぱり分からない。ある日突然動き出す可能性があり目が離せない。さて投資ファンドとしてはかなり深入りにも思えるが、村上氏が今後どの様なPlanで臨んでくるのか(損失は許されないだけに)大いに興味がある。
新日本無線も『村上銘柄』として注目を集めたが、日本無線が村上ファンドの敵対的TOBに応じることはなかった。村上ファンドが70円も高い買付け価格を設定したにも関わらず、日本無線は「ただ単に価格だけでは決められない」としてあっさりと無視した。村上氏の”拝金主義”を退けた形だが、「日本無線経営陣の責任を断固追求する」と声明を出してから沈黙している村上氏の動向が気になる。ところで新日本無線の株価は”村上台風”が去った後は何事もなかったの如く元に戻っている。人騒がせな台風が上陸した時には株価が1000円を超えたが、今日の終値は前日比7円安の810円で取引を終えている。ここが脚光を浴びることは2度とない。
2005.12.31
今年は「ヒルズ族」なる人種が世の中を我が物顔で跋扈している如き感を強く受ける。六本木ヒルズには今年何かと世間を騒がせた堀江氏(ライブドア)、三木谷氏(楽天)、M&Aコンサルティング(村上氏)の3悪人が鎮座している。まるで”悪の巣窟”の如き印象を受ける。その他にも近頃話題を振り撒く有名企業が名を連ねている。「ヒルズ族」には時代を変革する新興勢力とのプラス・イメージがある。しかしながら一方ではライブドアのニッポン放送乗っ取り騒動や楽天のTBS乗っ取り騒動など一連の悪しき行動により『拝金主義』、『強引』とのマイナス・イメージが強く付き纏っている。それ故(一部の)「ヒルズ族」の愚行を苦々しく思っている方々が増加している。
現在六本木ヒルズにはYahooもオフィスを構えているが、オフィスを六本木ヒルズから2007年春完成予定の六本木防衛庁跡地に07年春完成予定の「東京ミッドタウン」への移転を決めている。当初は一部のオフィス、それに社長室を六本木ヒルズに残すことを予定していた。ところがここに来て「ヒルズ族」に対する世の中の風当たりが強まり、Yahooとしては(同じIT企業の)ライブドア、楽天など「ヒルズ族」と同じ種族に見られることを好まない。そこでYahooは六本木ヒルズからの社長室移転を含め全面移転を検討している。他の”極悪人”と同じに扱われたら気分が悪いのは当たり前・・・Yahooが六本木ヒルズからの脱出を考えているのも「さもありなむ」と頷ける。
業務・資本提携協議入りで既に合意している楽天とTBSとの関係に暗雲が漂っている。年内開催予定の業務提携委員会の初会合が年明けに延期された。提携協議開始の大前提となる『楽天保有のTBS株式の約半数のみずほ信託銀行への信託』手続きが完了していないことによる。両者合意から約1ヶ月ありこの間に信託手続き出来ないはずがない。とすると何か楽天が手続きを渋る要因があると考えられる。更にみずほ信託銀行によるとこれ以外にも幾つか合意していない事項がある。業務提携委員会に出席予定の三木谷氏やTBS関係者などの日程調整が出来なかったとされるが単なる言い訳に過ぎない。結局三木谷氏は本意ではなく渋々合意に応じたと思われる節があり、(年明けに信託手続きが完了しても)その後の提携協議がスムーズに進行するかどうかは予断を許さない。
一方では『楽天が保有する全TBS株式を手離す方向で検討を始めたことが明らかになった。資本提携にこだわり続ければ業務提携が実現できない公算が大きいと判断』と産経新聞が報じている。TBSが最もこだわる部分であり、今後の交渉の中で最大の障害になることが予想されている。事実とすれば年明けには提携交渉が進む可能性がある。但し三木谷氏の頭の中には『ライブドアがフジテレビとの業務提携ではほとんど実を得られなかった』ことがこびりついているはず・・・。資本提携にこだわりがある三木谷氏はTBSからよほど良い条件を引き出さない限り安易な妥協をするとは思えない。現時点ではこの報道を懐疑的に受け止めざるを得ない。選択枝の一つとして有力だが、(実現するとしても)かなりの紆余曲折が予想される。
高知競馬第9R「がんばる高知競馬激励特別 選抜馬(ダート:1400m)』に『ホリエモン』が出走した。好スタートから3,4番手の好位を追走したが伸びを欠き1秒7差の6着に敗れた。どうも良馬場でのスピードが今ひとつ足りない様にも思える。『ハルウララ』よりははるかに走ることは間違いない。年が明けて4歳になるが、高知競馬のスターホースになる為にはもっと成長が必要・・・。尤も『ハルウララ』よりははるかに走ることは間違いない。そう言えば凄まじい人気を誇った『ハルウララ』の話が全く出て来ない。再び高知競馬で走ることはあるのだろうか?今となってはかなり難しいと思われるが・・・?
2005年は2月初めに勃発したライブドアによるニッポン放送乗っ取り騒動を皮切りに、みずほ証券のジェイコム株式誤発注まで様々な出来事があった。村上ファンドvs阪神電鉄、楽天vsTBSの2大抗争の決着、それにアドテックスの危機状況の結末は2006年に持ち越されている。それに加えてドリームテクノロジー(村上ファンド、ライブドア関与)、ダイナシティ(ライブドア関与)、Yozan(ライブドア関与)などは先行きどうなるか興味が惹かれる。とにもかくにも2006年も徒然なるままに書き綴って行く。今まで同様多方面にアンテナを張りつつ見聞を深めることにする。
どれほどの方にご覧頂いているかは分かりませんが、2006年も思いつくまま気の向くまま好き勝手に書き綴ることにしています。ご愛読のほどよろしくお願い致します。