2006.5.29

 阪神電鉄を巡る村上ファンドと阪急HDの交渉が一気に動きが出た。阪急HDは『阪神電鉄株式を930円/株にて公開買付けを行なう』と発表した(こちら 参照)。5月30日から6月19日までの21日間に発行済み株式の45%以上の取得を目指す。TOB成立後株主総会の承認を経て、阪神電鉄1株に対し阪急HD1.4株の株式交換により10月1日付けで経営統合する。今後両社社長を共同委員長とする経営統合委員会に於いて具体的な準備を開始する。TOB価格は第三者機関のアーンスト・アンド・ヤング・トランザクション・アドバイザリー・サービスの株式価値算定結果により決定とある。阪神電鉄の昨日の終値は939円であり、結局は時価相当のTOB価格設定と言える。既に阪神電鉄はTOB賛同を表明している。

 さてTOBの成否は村上ファンドが応諾するか否かに全てがかかっている。阪急HDのTOB表明を受けて村上ファンドは『阪神電鉄と阪急HDの統合について』で見解を表明した。「業界再編は経営の効率化と安全性確保を両立させる手段であり統合の方向性は評価する」としている。また阪急HDがTOBにより阪神電鉄株式取得を表明したことについては株主平等の原則に沿ったものと一定の評価をしている。しかしながら両社の経営統合については(村上ファンドへの)具体的な説明がなく、現時点では最良の選択かどうか、また株主価値の向上させるのかどうかについて納得していない。更にTOB価格についても(村上ファンドの)想定価格とは開きがあるとしている。その上で両社から説明を充分に聞き総合的に判断してTOBへの対応を決めるとしている。

 つまりは村上ファンドの同意が得られないまま見切り発車したことになる。村上ファンドはいろいろ能書きを言っているが、結局はTOB価格を引き上げなければ合意出来ないと主張している。経営統合についてどの様な説明を受けたどころで、最終的に”TOB価格を930円か引き上げなければTOBに応諾しない”との強硬姿勢を示すことが容易に推察される。村上ファンドが930円で全て売却すれば550億円程度の利益が出るが、どうやらその程度では満足出来ないらしい。買取り価格が1円上がれば金額は約2億円増加する。どこまで上積みされるかが焦点になる。村上ファンドとしても交渉決裂したのでは元も子もない。下手すると注ぎ込んだ巨額資金が”塩漬け”になる恐れがある。村上ファンドとしてもどこかで手を打ちたい筈だが・・・。果たしてどの様に話が展開するのだろうか?

 ペイントハウスの株価が大きく下落して時価総額が4億1100万円と5億円を大きく下回った。今日の終値は前日比67円安の200円で取引を終えている。5月27日の日経新聞の報道を受けて上場廃止懸念に嫌気が差されたものと思われる(やじ馬見聞録 5月27日 参照)。ペイントハウスはJASDAQに対し訴訟で対抗しているが見通しは暗い。更に今日の日経新聞に「2005年1月に銀行取引停止」と報じられたことも追い討ちをかけている。これに対しペイントハウスはコメントを出し「事実誤認」として訂正/謝罪等の必要な措置を求めるとしている。必要な措置ってまたもや訴訟・・・?事実関係の確認は出来ないが、この様な報道がなされるのはここが如何に信用されていないかを物語っている。

 ところで今日の大引け後証券取引等監視委員会(SEC)は金融庁に対して『ペイントハウス提出の有価証券報告書に係る訂正報告書提出命令の勧告』を出した。愈々”待ったなし”の局面が近づきつつある。ペイントハウスの必死の抵抗も空しく”終焉の時”は足音を忍ばせてすぐそこまで姿を見せている。

 5月24日に2006年3月期の悪決算を発表した
Yozanの株価が遂に1万円を割り込んだ。今日の終値は前日比1750円安の9200円で取引を終えている。2006年3月期の直近の業績予想を更に下方修正、それに今期見通しの非開示とあっては先行き不安と看做されても当然と言える。また激しい下落が続くドリームテクノロジーの株価は危機的状況に陥りつつある。今日の終値はストップ安(1000円安)の8200円で取引を終えている。それに4月6日に10万円を割り込んだプラネックス・コミュニケーションズの株価もその後の下落の勢いが止まらない。今日の終値はストップ安(4000円安)の3万9900円で取引を終えている。昨年11月下旬には一時22万円を超えたが、そこと比較すると僅か半年ほどで実に1/5以下となっている。3社共に危険が一杯であり当面注意深く追跡する

 2006.5.30

 村上氏は現時点でTOBに応ずれば僅か8ヶ月ほどで約550億円もの”濡れ手に粟”の利益を手にするにも関わらず、「これではまだ足りない」とダダをこねて買取り価格の上積みを要求している。まさに「モノ言う株主」にはほど遠い単なるグリーンメーラーの面目躍如?口では「企業価値や株主価値の向上」などと御託を並べてはいるが、実態は(自分に投資した)一部の投資家の利益のみを追求するファンドマネージャーに過ぎない。村上氏は日本企業が軽視して来た株主に注目を集めたことである程度評価されている。しかしながら「モノ言う株主」を隠れ蓑にして企業を食い荒らす姿は形を変えた”陰湿な総会屋に他ならない。薄汚い正体が白日の下に晒されたことで日本では悪行がやり難くなった村上氏はシンガポールに逃亡を図っているものと見られる。尤も海外に逃亡してところで今まで通り悪行を続けられるとは限らないが・・・。

 昨年のライブドアによる”ニッポン放送乗っ取り騒動”の時にずる賢い立ち回りで一躍”時の人”になった
村上氏はその知名度をフルに悪用している。村上氏が手を出した企業の株式、所謂”村上銘柄”になると多くの”●●”が群がり、”村上銘柄”の株価は実力(企業価値)をはるかに超えて跳ね上がる。そして”村上銘柄”に大株主としてあれやこれやと言いがかりをつけ掻き回しておいて、自分はさっさと頃合いを見計らって高値で売り抜ける。これのどこが「モノ言う株主」なのだろうか?村上氏は他の株主をダシにして自分の利益のみを追及しているだけではないか?これだけ悪さを繰り返すと村上氏の周辺からは人が去って行く。あのオリックスの宮内氏でさえ村上ファンドから資本を引き上げた。世の中を敵に回し皆からそっぽを向かれたのでは国内では商売がやり難くなる。尤も海外に逃亡しても許されるものではなく、国外で悪さを繰り返せば結局は同じこと・・・。やはりどこかで追及されることになる。

 村上ファンドが阪急HDのTOBに全く応じない場合でも、
TOBが成立すれば2社のみで阪神電鉄の持ち株比率が90%を超える。その場合には東証の上場廃止基準に抵触し即刻上場廃止となる。村上ファンドが経営支配しても株価が930円を超えないと見る(村上ファンド以外の)株主が多ければTOBが成立する可能性が出て来る。村上ファンドとしてもあまり突っ張り過ぎてTOB成立となれば利益を出すところの話ではない。阪急HDとの売買交渉長期化となれば”塩漬け”必至・・・。市場に流通しない株式売却は容易ではない。売却利益の取得機会を失うことになれば必ずしも得策ではない

 そこで
村上ファンド保有の阪神電鉄株式46.82%の内の一部売却説が出ている。一定の利益を確保して残りを保有し続けることも考えられる。そうなれば特定の少数株主による持ち株比率が90%を超える事態を回避できる。また仮に70%を超える場合でも1年の猶予期間がありその間に何とかすれば良い。TOBに32.83%応ずれば少なくとも投資した約1287億円を回収出来る。残り14%については市場外の相対取引で高値買取りを要求することも出来る。上手く売却出来ればそっくり売却益となる。あるいは大株主として阪神電鉄と阪急HDの経営統合後も(大きな顔をして)経営に口を出すことも出来る。尤もそんなに村上ファンドに一方的に都合よく事態が進むとは限らないが・・・。それに阪神電鉄、阪急HDにとり経営統合後も村上ファンドに居直られたのでは気色が悪い。当然村上ファンドとの関わりを一切断ちたいのに決まっている。

 昨日の取締役会にてLDオートは6月29日の株主総会に社名変更を提案することを決めた。株主総会での承認を経て8月1日社名を「カーチス」に変更する。ライブドアグループからの離脱を強調、かつ毀損した『ライブドア・ブランド』の影響を取り除く狙いがある。ちなみに「カーチス」はアーチ状の橋や虹を連想させる造語(CAR+ARCH+S)であり、車を「売りたい人」と「買いたい人」の架け橋になるとの思いが込められている。

 同時にLDオートは井上氏など6名の取締役選任案を株主総会に提案する。既にライブドアが7名の取締役選任案を提出してるのに対抗する形で出された。 ところでLDオート側の取締役候補を見て驚いた。2月に代表取締役を退きその後LD側の取締役候補に名を連ね、そして取締役候補辞退を申し出た羽田氏が今度はLDオート側に名を連ねている。LDオート側は羽田氏の在職中の功績を勘案したとあるが、何故元LD取締役、かつライブドア事件で経営に打撃を与えたとされる人物を推薦するのか理解に苦しむ。何やらLDオート経営陣にも混乱している様が見受けられる。

 昨日
”危険”と記述した3社の株価が凄いことになっている。昨日1万円を割り込んだYozanはストップ安(1000円安)の8200円で取引を終えている。遂に”危険水域”に入り込んだ。プラネックスは2日連続のストップ安の3万5900円で取引を終えている。ここもまた”危険水域”に入り込んだと言ってもよい。またドリテクはストップ安にこそならなかったものの前日比990円安の7200円と大きく下げて取引を終えている。3社共に不安要素を抱えているとあれば明日以降も厳しい展開が続くことが予想される。

 2006.5.31

 
阪神電鉄の株価が明らかにインチキな動きを示した(こちら 参照)。大引け5分前に930円と下げていた株価は直後に大量の買い注文が入り一気に945円まで上昇した。悪質な意図に基づく露骨な株価操作とはチャートを見れば一目瞭然・・・。そんな悪さを平気な顔で実行するのは唯一人しかいない。売却価格を吊り上げる為の強引な仕掛け以外の何者でもない。株価を吊り上げておいて「これが時価」と主張するに違いない。”極悪人”がやりたい放題では正常な市場は望むべくもない。こんな”●●”を永久追放しなければ市場の安寧はない。ところで今日シンガポールから帰国した村上氏は「この国にプライバシーはないのか」とわめいて待ち受ける報道陣を振り切ったとか・・・。”無法者”が『プライバシー』とは笑わせてくれる。他人を非難する資格なんぞ無い。因果応報の例えの如く必ずや天誅が下される。

 松坂屋の株価は年初来安値(840円)を更新して一時前日比38円安の818円まで下落した。結局終値は前日比24円安の832円で取引を終えている。5月12日の1000円を割り込んでから今日までに累積で185円の大きな下落となっている。
4〜5月の天候不順の影響が衣料品を中心に小売業全般の売上げ減少となって出ている。松坂屋の関係者は「5月の全店売上高は30日時点で前年同月比2%程度減少」と話している。4月度月次営業報告を見ても苦戦している状況が窺える。ところでここにも村上ファンドは手を出している。4月29日時点で143億1736万円で1691万9000株取得している。取得単価は約846円で(現時点で全て保有していれば)村上ファンドは約2億3700万円の含み損となるが・・・。 含み損解消の為に薄汚い手段を講じることも充分あり得る。

 ”村上銘柄”の一つ
新日本無線の株価も急激に下げている。今日の終値は前日比17円安の744円で取引を終えている。4月29日時点で24億1897万9000円で294万9000株取得している。取得単価は約820円で(現時点で全て保有していれば)村上ファンドは約2億2400万円の含み損となるが・・・。 ここについてはどうするのだろうか?投資額が小さくもしかしたら暫く様子見を決め込むかもしれない。

 昨日
LDオートは『仮差押のお知らせ』を開示した。既にLD他3名を相手取り損害賠償請求訴訟を起こしている。更に損害賠償請求権の執行保全の為のLD保有のLDオート株式の一部2000万株について処分禁止の仮差し押さえの仮処分が認められた。これでLDは約16億7200万円を供託しなければLDオート株式2000万株を自由に処分出来ない。ところで6月29日のLDオート株主総会の議決権は3月末に確定している。51%保有のLDは株主総会を支配出来る。LDオート現経営陣が提案の決議案、それに提起している訴訟の取扱いはどうなるのだろうか?取締役会の構成はどうなるのだろうか? 両方から取締役候補として推薦されている羽田氏の動向が気になる。とにもかくにも不透明な状況下となれば引き続き目が離せない

 
エフェクターの株価は月曜日には7万円を割り込み、その後も懸念された(不埒者の)悪さもなく下落を続けている。今日の終値は前日比2400円安の6万4100円で取引を終えている。上場してから1年2ヶ月も経過するとそろそろ公開価格が幾らだったか忘れた方がいると思われる。公開価格は何と38万円!今更ながら如何に投資家を愚弄する価格設定だったかお分かりになる筈・・・。(現時点で)下落率:83.13%とはあまりにも酷すぎる。元々上場に値しない企業を無理やり上場させた結果と言ってしまえばそれまでだが・・・。さてここのIPO時の主幹事証券はライブドア証券だが、ここ以降主幹事を勤めたことはない。いや、信用失墜著しいライブドア証券が務められる筈がない。

 2006.6.

 『村上ファンドが阪急HDに対しTOP会談を要求』と報じられている。昨日シンガポールから帰国した村上氏は阪急HDの角社長とのTOP会談で売買交渉を(自らのペースに巻き込み)一気に進展させる狙いがあると見られる。安易にTOP会談に応ずれば村上氏のペースに巻き込まれる恐れがあり、阪急HDが応じるか否かは流動的な状況にある。村上氏の要求は買取り価格引上げ、増配(特別配当)だが、今のところ阪急HD、阪神電鉄共に応じる気配を見せていない。ところで一昨日まで村上氏が日本にいなかったのでは話が進展する筈がない。全て決定権が村上氏の手にあり、他の”下っ端”では何も決めることが出来ない。とにもかくにも村上氏の帰国で同じ舞台に役者が揃い愈々重大な局面を迎えた

 Yozanは『Bear,Stearns International Limited保有のMSCB48億円の内23億円を買入れる』と発表した。更に残り25億円については今後繰上償還の予定とある。開示には「昨今の株式市場の動向、既存株主への影響等を総合的に勘案した結果」とある。早い話が株価が大幅に下落(今日の終値:8320円)している現状に危険を感じたBear,Stearnsが資金引上げを決めたと考えられる。2006年3月期の悪決算、それに2007年3月期の業績予想が出せず、加えて株価暴落となれば信用に値する根拠はどこにも存在しない。Bear,Stearnsでなくてもこんなところに関わりたくない態度は当然と言える。

 資金繰りが相当苦しいYozanが48億円も今回の買入れ、及び繰上償還に手元資金を充当するとどうなるのだろうか?開示によると「今回の買入れ、及び繰上償還後の事業資金は新たなRefinanceで調達」とある。となればまたもやMSCBしか考えられない。詳細はBear,Stearnsと協議中とあるが、果たしてBear,Stearnsは本気でRefinanceを検討しているのだろうか?俄かには信じ難い。

 さて業績不安に株価暴落となればそんなに簡単に引受け先が出現するとは考え難い。悪名高きロータス投資事業組合ですら”二の足”を踏むかもしれない。となれば(引き受けるところがあるとしても)引受け先に極めて有利な条件(Yozanには極めて不利な条件)でのMSCB発行となる可能性が高い。言い換えれば投資家を足蹴にする醜悪なFinanceと言うことになる。断崖絶壁に追い詰められれば自己保身の為には他人のことなど委細構わっていられない。

 ここで今年4月に民事再生法適用申請したアドテックスを思い出して頂きたい。資金繰り悪化、株価暴落、無茶苦茶なMSCB発行、そして結局引受け先には逃げられ”The End”に追い込まれた。現状のYozanを見る限りアドテックスの歩んだ道を辿りつつある様に見える。周りを見回わしてもYozanにとり何も明るい材料が見出せず、既にかなり苦しい状況にあると推察される。当面注意深く観察を続けて行く。ちなみに
Yozanの株価はストップ安(1000円安)の7320円と悲惨に取引を終えている。

 昨日マルマンは『2006年9月期 中間決算について』を開示した。連結ベースで売上高:44億2400万円(対前年同期比:14.4%増)、経常利益:3億4100万円(対前年同期比:22.3%減)、当期純損失;2億1800万円(対前年同期比:14.6%減)と
増収減益になっている。主力のゴルフ事業では新ルール対応のゴルフクラブの好調が売上高2.7%減と健康食品事業の不振を補い全体として増加に繋がっている。しかしながら人的資源確保の為の先行投資(人件費の増加)、新製品の広告宣伝費など販売管理費の増加が起因して減益となった。マルマンは「本格的なゴルフシーズンの下半期に売上高・利益が集中する収益構造」としている。それ故2006年通期業績見通しでは売上高、経常利益、当期純利益共に10%を超える伸びを想定している。ちなみに株価は中間決算の酷さに嫌気
が差され終値はストップ安(100円安)の740円と大きく下げて取引を終えている。昨年7月の新規上場時の公開価格1300円にはほど遠く回復への道筋は一向に見えて来ない。

 昨日ペイントハウスは『業務代行契約の解消及び店舗新設のお知らせ』を開示した。5月27日の日経新聞の報道後にヤマダハウジング(ヤマダ電機グループ)から業務代行契約解除の申入れがあった。これだけ信用不安があればヤマダハウジングとしてもペイントハウスの業務代行をしたところで何のMeritもない。むしろ一刻も早く縁を切った方が得策と判断したと見られる。これに伴い代理店契約を締結しているユアサ建材工業(サンライズ・テクノロジー99%出資の連結子会社)が今日から新たに2店舗を開設する。危ういペイントハウスと手を結んで何のMeritがあるのかと訝しく思うが、何せユアサ建材工業の親会社が(怪しい)サンテクとあれば何を考えているかは分からない。ちなみにペイントハウスの終値は前日比18円安の164円で取引を終えている。

 2006.6.

 『村上ファンドに対しニッポン放送売買を巡る証券取引法違反の疑いで東京地検特捜部が捜査を進めている』と一斉に報じている。既に東京地検特捜部は株式取引記録などの関係書類の分析、更には村上ファンド幹部など関係者に対する任意の事情聴取を行なっている。当然その先には村上氏本人への(任意の)事情聴取が待っている。当時から村上氏の胡散臭い言動を巡っては「インサイダー取引では?」との疑惑の目が向けられていた。あれから1年経過して司法の手による疑惑解明の期待が出て来た。またドリテク株式を巡り同社が再生支援中止を公表する前に大量売却して売却益を得ている。 これにもインサイダー取引疑惑が浮上している。この他にも疑惑に満ち溢れている。とにもかくにも市場に蔓延る”極悪人”をのさばらせておいてはいけない。
村上氏に天罰が下る日は近い

 昨年のライブドアによる”ニッポン放送乗っ取り騒動”のどさくさに紛れ、村上ファンドは自ら保有するニッポン放送株式を高値で売り抜け約200億円の利益を得たとされる。1月末時点では18.57%もの大量のニッポン放送株式を保有していたが2月末には3.44%に低下している。この間堀江氏の”暁の急襲”があり世間の注目を集めニッポン放送の株価は急騰した。堀江氏に近い村上氏が事前に”ニッポン放送乗っ取り”の仕掛けを事前に知り、堀江氏の会見以前にニッポン放送株式を買い占めた可能性が高い。株式取引記録を調べれば経緯が明らかになる。恐らく
司直はその辺りの状況証拠を基に証券取引法違反容疑に確信を持ち捜査を行っているものと思われる。

 最近村上氏は運用資産と活動の本拠をシンガポールに移したが、もしかしたら東京地検特捜部の動きを察知して”敵前逃亡”を図ったとも看做せる。尤もどこへ行こうが逃げ切れるものではないが・・・。これだけ好き勝手にやりたい放題を繰り返せば必ず報いとなって跳ね返って来る。ところでこの件が現在進行中の村上ファンドと阪急HDとの売買交渉にどの様な影響があるのだろうか?何とも微妙な時期に報道がなされたが・・・。今後”村上ショック”の影響がどの様な形で出て来るか注目している。

 この報道を受けて村上ファンドと阪急HDとの交渉に於いて阪急HD側が有利との見方が出ている。今後の展開次第では村上ファンドは早期の阪神電鉄株式の売却により現金化する必要が生じるかもしれない。村上氏の場合(堀江氏とは異なり)多くの投資家から資金を集め運用している。堀江氏の場合は個人株主なので他者の意思に左右されることなくライブドア株式を保有し続けることが出来る。一方(投資家との解約に関する契約条項が分からないので断定は出来ないが)村上氏の場合は投資家からの解約(資金引上げ)要求により即刻返金に応じなければならない状況もあり得る。そんな事情から結局村上ファンドは阪急HDのTOBに応じる可能性が高まったと見られている。TOBを拒否すれば先々(足下を見られて)930円未満に値切られることもあり得る。つまり現時点でTOBに応じた方が”お得”とも考えられる。 もしかしたら(いろいろな意味での)事態の急展開があり得る。

 さてこの報道を受けて村上銘柄”には売りが殺到した。村上氏本人に捜査の手が及びファンド運営が麻痺した場合、村上ファンドが保有銘柄を放出することによる需給悪化の懸念が出ている。加えて個人投資家の狼狽売りが重なったと見られる。”村上銘柄”の終値は次の通り(抜粋)。松坂屋:750円(ストップ安)、ホシデン:1198円(98円安)、USEN:1650円(135円安)、TBS:2925円(135円安)、サークルKサンクス:2505円(150円安)、中村屋:627円(65円安)・・・。多くの銘柄は大きく下げて取引を終えている。さて渦中の阪神電鉄の株価は他に比べれば下落幅が小さく、終値は前日比9円安の931円で取引を終えている。TOB価格930円を意識しての(村上ファンド側の)買い支えがあるものと思われる。

 
Yozan、ドリテク共に下落の勢いが止まらないドリテクの株価は一時ストップ安(1000円安)をつけたが、終値は前日比650円安の6280円で取引を終えている。Yozanの株価も一時ストップ安(1000円安)をつけたが、終値は前日比520円安の6800円で取引を終えている。今年の大発会(1月4日)での終値は・・・ドリテク:2万6310円、Yozan:3万600円と比較すると1/4程度になっている。いずれも不安材料だらけとあっては上昇の目はない。このまま苦戦が続けば上場廃止、そして”●●”の恐怖の二文字が間近に迫って来る。

 2006.6.

 週明けにも東京地検特捜部は村上氏に対する証券取引法違反で強制捜査に踏み切る公算が大きい。これで”極悪人”3名中2名に司直の手が及ぶことになる。今まで好き勝手に市場をかきまわし投資家を愚弄しつつ、自らはどさくさに紛れて大きな利益を手にする悪質なやり方には批判が集まっていた。市場の健全化の為にもこの手の輩を追放する手立てが必要な時期に来ている。村上氏は「モノ言う株主」でも何でもない。その正体は金儲けOnlyの単なる「総会屋」、「乗っ取り屋」でしかない。昨年のライブドアによる”ニッポン放送乗っ取り騒動”の時に登場し一躍有名になった時から胡散臭さに溢れ「何かある」と感じていた。阪神電鉄への陰湿な仕掛けに及んではその正体が更に浮き彫りになった。とにもかくにも遂に村上氏自身に捜査の手が及ぶ状況は歓迎すべき良い方向に向かっていると言える。この際司直は徹底的に村上氏周辺の疑惑を洗い出し、体内に隠れているあらゆる悪を世の中に晒して頂きたい。

 今回の疑惑を受け村上ファンドへの出資者は村上氏に対し阪急HDとの阪神電鉄株式売買交渉の早期妥結を要望した。事態が深刻化して高値売却どころではなくなったのでは元も子もない。早急に話をつけて利益確保しておきたいとの意図がある。関係者の話では村上氏も応じる姿勢を見せていると言う。如何に強気の村上氏と言えども出資者の意向は無視出来ない。出資者が不安を感じるのも当然であり、状況によっては村上ファンドからの資金引上げに発展する可能性もある。村上氏へのファンドマネージャーとしての手腕と実績は一度信用を失えば何の意味も持たない。強気で押し通して来た村上氏も根底から基盤を揺るがされる事態に追い込まれている

 事態の急展開で村上ファンドが阪急HDのTOBに応じる可能性が高まっている。更に”村上ショック”が阪神電鉄の株価に影響を与えることも予想され、村上氏以外の株主が大量にTOBに応募する状況もあり得る。「高く売れる内に売っておいた方がよい」との意識の連鎖反応が起こるかもしれない。そうなれば阪急HDにとり想定以上の買付け量となり取得費用が膨らむ。借入金の更なる増加により過度な財務負担の重圧に阪急HDが苦しむ懸念がある。阪急HDの今後はかなり厳しいと言わざるを得ない。


 昨日JASDAQは『
ペイントハウスの5月の上場時価総額が5億円未満となり上場廃止基準に抵触』と発表した。8月末までに所定の書面の提出がなければその時点で上場廃止となる。提出した場合には2007年2月末時点で月間平均と月末の上場時価総額が5億円以上にならなければ上場廃止となる。恐らく何とか取り繕って所定の書面提出して来年2月末までの時間稼ぎを目論むと思われる。これにて現在係争中の債務超過に加えて時価総額が上場廃止に向けての明確なポイントになった。

 昨日の終値は145円、時価総額は2億9800万円と5億円を大きく下回っている。発行済み株式数から逆算すると時価総額5億円を上回る為には株価は244円以上でなければならない。信用失墜著しい状況下では業績回復は望むべくもない。株価回復で244円以上Keep出来るかどうかも定かではない。それよりもむしろ債務超過の決着が先になる可能性が高い。現在上場廃止禁止の仮処分を求めて最高裁まで争っているが、近々上告棄却の決定が為されペイントハウス敗訴となる公算が大きい。そうなればJASDAQは上場廃止の決定を下すことになる。もしかしたらどこまでも見苦しいペイントハウスが本訴に持ち込んで時間稼ぎを目論むかもしれない。その場合には時価総額による上場廃止が先になる。さて?

 昨日のマルマンの株価は一時ストップ安(100円安)をつけたが、終値は前日比65円安の675円で取引を終えている。5月31日大引け後の中間決算の酷さを反映して直近2営業日で165円と大きく下げた。流石にこの事態を重く見たマルマン経営陣は『下期の事業計画のお知らせ』を開示した。中間決算の開示の中では2006年9月期の通期予想(連結)では前年同期比10%を超える好決算の見通しを示している。但し説明不充分では信用に値せず下落に繋がった。そこで事業計画の追加説明で株主へ理解を求めたが、果たして週明けには株価はどの様な反応を示すのだろうか?この程度の言い訳でどれだけの方が納得するのか大いに疑問があるが・・・。

 明日高知競馬第2R「頑張れホリエモン特別D5(ダート:1300m)」に『ホリエモン』が出走する。直近の7走では1着3回、2着4回と相変らず好調を持続している。対戦相手を見ると前々走で差し切られた『ナンカイスピード』がいる。さてどうなるだろうか?

 2006.6.

 『昨日午前東京地検特捜部が村上氏から任意で事情聴取』と報じられている。宮内氏など複数の元ライブドア幹部から「ライブドアのニッポン放送株式大量取得の情報を村上氏が事前に入手」との証言を得ているとされる。関係者の証言で外濠を埋めつつ株式取引記録の分析結果を突きつけて村上氏攻略に当たると考えられる。一方村上氏も帰国後連日顧問弁護士と頭を突き合わせて対抗戦術を練っていると思われる。来週にも強制捜査が予想されるが、その後も検察側と村上氏の激しいせめぎ合いが展開されるのは間違いない。堀江氏は終始一貫容疑を否認したまま起訴されたが、村上氏も最後まで抵抗の姿勢を貫き容疑を否認するものと思われる。

 『村上氏が阪急HDに電話で「TOB成立に向けて1週間を目処に阪神電鉄株式売却の手続きを進める」と伝えた』と報じられている。事実とすれば約8ヶ月にも及ぶ抗争が思いもかけぬ状況の変化により一気に収束に向かうことになる。如何に強気の村上氏と言えども自らに捜査の手が及ぶとなればどうにもならない。村上氏は他人(出資者)の資金を預かり転がして利鞘を稼ぐ立場にあり、出資者が資金引上げを言い出せば抵抗は難しい。結局様々な事情を抱えた村上氏は早期に利益確定の道しか選択の余地がなくなったと見られる。村上ファンドに約550億円もの巨額の利益が転がり込むのは実に腹立たしいが、強制捜査により村上氏にとどめを刺して傍若無人な振舞いの抑止効果には意味がある。

 ところで村上銘柄(主要)リストを見て頂きたい。金曜日の後場には値を戻したところが多い中、
村上銘柄”の大半は大きく値を崩したまま取引を終了した。東京地検特捜部の捜査により村上ファンドへの出資者が資金を引上げる可能性が出て来た。そうなれば村上ファンドは資金確保の為に保有銘柄の大量放出→株価下落との事態があり得る。投資家の不安心理を煽り投売りに近い状態になったと思われる。さて土、日の冷却期間を挟み”村上銘柄”の株価はどの様な反応を示すのだろうか?このまま下落が続けば村上ファンドは含み損を抱えることになる。場合によってはその前に処分するかもしれない。  何にせよ週明けの”村上銘柄”の株価動向が注目される。当面事態が落ち着くまで監視して行く。

 5月31日ライブドアは『役員の異動に関するお知らせ』を開示した。6月14日開催の臨時株主総会に付議される。取締役候補として執行役員の3名(平松氏、清水氏、落合氏)、USENから2名(宇野氏、佐藤氏)、元ソニー専務取締役の真崎氏の計6名が名を連ねている。同時に山崎代表取締役など3名は退任する。また監査役3名も全て入れ替わる。この新人事にて旧)ライブドア色が表面上一掃されることになる。しかしながら一応上辺だけ整えたところで実態も一新されないことには話にならない。現時点ではライブドア再生の道筋は全く開けていない。宇野氏が再生に名乗りを挙げているものの、過半数近く保有している外資系投資ファンド、それに依然として筆頭株主の堀江氏の出方如何によってはどうなるか分からない。先行き不透明なままいたずらに時が過ぎればライブドアにとり悪い材料でしかない

 
みずほ証券がジェイコム株式を巡る誤発注問題について『被害拡大の主たる原因は東証のシステム欠陥として損害賠償請を求めて東京地裁へ提訴の方針』と報じられている。同社が蒙った損失のほぼ全額に相当する400億円を請求と伝えられる。事実とすれば何やら可笑しい感じを受ける。確かに東証のシステム上の欠陥が被害を拡大した要因には違いないが、一義的にはみずほ証券が問題を引き起こした事実をどの様に考えているのだろうか?まさか自分のところの責任がほとんど無いとは言わせない。みずほ証券にとんでもない注文を通してしまった責任は免れない。ところで恐らく責任の比率を巡り当事者間で話がつかなかった結果としてこの様な話が出て来ている。責任の擦り合いに終始して埒が明かず当初から訴訟による決着になると予想していた。結局は”場外乱闘”でケリをつけるしかない。

 高知競馬第2R「頑張れホリエモン特別D5(ダート:1300m)」に『ホリエモン』が出走した。いや、出走する筈だったが・・・。ゲート入りも終わりさあスタートと身構えた次の瞬間、1頭が急に頭を上げゲートをこじ開けて飛び出してしまった。『ホリエモン』は騎手を振り落とし第1コーナーまで走って行った馬体検査の後
故障発生』で競争除外となった。Internet中継を見ている限りではそれほどの怪我ではないが、競争前に余分な力を使い公正なレースにならない恐れがあり除外にしたと思われる。高知競馬に移籍後19戦しているが、今までに1度も気の悪い素振りを見せたことはない。何かよほど気分を害する様なことがあったのだろうか?さて次回出走までにゲート試験を受けてパスしなければならない。次回出走までには少々間が開くかもしれない。

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