2006.10.30

 ジェイムムビーオー・ファンド・リミテッド(JMBO)による敵対的TOBが開始された
サンテレホンは先日の会社側の反対声明に引き続の従業員代表も反対声明を発表した。歓迎されざる”よそ者”が突然土足でヅカヅカと入り込んで来れば誰もが反発するのは当然・・・。今回の様な強引なやり方を目にする度に「相手の立場を無視してまで何故?」との疑念を抱く。敵対的TOBを仕掛ける方にもそれなりの成算があって強引な手口で乗っ取りを目論む。しかしながら企業活動は金の力だけで行なえるものではない。”人”も企業活動にとっては重要なFactor・・・それをないがしろにして上手く行く筈が無い。さて今日の終値は前日比10円高の1045円とTOB価格(1100円)を下回わり取引を終えている。今のところ株価は(不気味なほど)暴れる気配を示していない。TOB終了まで残り6営業日・・・果たして?

 
明星食品の株価は前場9時20分頃に755円で寄り付き770円まで押し上げたが、その後は下落に転じ終値は前日比39円高の739円で取引を終えている。こちらはTOB価格(700円)を上回っている。まだTOBが始まったばかりで今後どうなるか読み難い状況にある。今のところ明星食品から公式のコメノトは出ていない。ところで敵対的TOBを仕掛けているSPJは「長期保有が目的」などとは白々しい。そう言えば村上氏も阪神電鉄株式保有について同じことを言っていた。どうせ短期間に株価を高く吊り上げてどこかに高く買取らせればそれで良い。”●●”ファンドの言うことなど信用に値しない。

 2006.10.31

 今日東証1部上場の東芝セラミックスは経営陣による企業買収(MBO)実施を正式発表した(こちら 参照)。東芝セラミックスの香山社長は「独立した立場で成長を目指すためにMBOを選択した」と説明している。買い付け期間:11月1日から12月4日、買い付け価格:600円/株で1億144万5000株(発行済み株式の66.67%)のTOBを予定している。予定数に満たない場合には中止、超過した場合には全て買い付けるとしている。40.40%を保有する東芝はTOB賛同を表明し全株式売却方針を明らかにした。友好的TOBで成立する可能性が高い。TOB成立後には上場廃止となる予定になっている。MBO情報を受け終値は前日比43円高の596円とTOB価格に迫って取引を終えている。明日以降600円を挟む攻防になると見ているが・・・。

 さて経営陣による企業買収とは言っても現経営陣が資金を用意出来る筈がない。全株式取得となった場合には912億9600万円必要となる。今回のMBOの為に買収目的会社「エスアイシー・インベストメント」が設立され、Unison Capital Group Limited、Carlyle Japan Patners II, L.Pが各々50%出資している。TOB成立後投資ファンドはどうするつもりなのだろうか?当然投資を回収して更に利益を上積みしなければならない。.となれば企業価値を高めて再上場、あるいは転売?果たして・・・?

 2006.11.1

 昨日明星食品は公開買い付け反対を正式に表明した(こちら 参照)。予想通りSPJとの全面対決となる。TOB終了迄残り16営業日・・・まだまだ先は長い。今のところ株価は様々な思惑が入り乱れTOB価格(700円)を上回って推移している。今日の終値は前日比4円安の746円で取引を終えている。今後TOB価格を大きく上回って推移した場合にはSPJはどの様に対応するのだろうか?TOB価格の引上げとなればSPJの負担が増加するが・・・?それともどこかで「ホワイトナイト」が現れて状況が一変・・・?果たして今後の展開は如何に?

 
北越製紙は10月30日に発表した2007年3月期中間決算にて公開買付対応費用6億2200万円を特別損失として計上した。半分以上はクレディ・スイス証券への財務アドバイザー料とか・・・。また同日に中間決算を発表した日本製紙グループはモルガン・スタンレー証券に払った(数億円と見られる)財務アドバイザー料を特別損失に計上した。これは日本製紙が王子製紙によるTOB阻止の為に北越株式取得に関連して支払われた。両社共に余分な出費を強いられたことになる。

 王子製紙のTOBのお陰でそれぞれ背後に引っ付いた
証券会社3社(野村、クレディ・スイス、モルガン・スタンレー)はしっかりと”甘い汁”を吸い取った。証券会社してみれば”騒動”が成功してもしなくても結果なんぞどうでも良い。何せ一騒動起きれば”濡れ手に粟”・・。億単位の金が動く。証券会社には大金が勝手に転がり込んで来て笑いが止まらない。今後どこかで騒動が持ち上がればまたもや背後で証券会社が暗躍する。いやはや何とも”阿漕な商売”と思わず溜息が出る。

 2006.11.2

 昨日サンライズ・テクノロジーは『子会社の事業一部の譲受けに関するお知らせ』を開示した。先日上場廃止となったペイントハウスから塗装事業分野を20億円で引き受ける開示には「ペイントハウスより塗装事業に特化した幹部社員、営業員、それに必要な営業上の資産、負債を譲受ける」とある。サンテクは既に連結子会社の丸石サイクルの自転車事業を天津富士達電動車有限公司に譲渡している(こちら 参照)。足を引っ張っていた自転車事業部門を切り離して地図特許事業とコンサルタント事業に加えて塗装事業の拡大で収益性を高めるとの魂胆だが・・・。譲り受け部門の業績予想もやたらに景気良くみえる。果たして思い通りにコトが運ぶのだろうか?”取らぬ狸の皮算用”では・・・?

 
丸石サイクルを「ペンタくん」に商号変更する。「ぺんたくん」と言えば言わずと知れたペイントハウスのシンボルキャラクター・・・。TVCMで高橋英樹と”共演”したことを記憶している。ペイントハウスは「ペンタくん」を手離す?ことになった。ところでペイントハウスの現状はどうなっているのだろうか?上場廃止になって以降開示義務の無いペイントハウスのサイトからはIR情報などが消えて状況がさっぱり分からない。内情は相当苦しいことは間違いない。そう言えばペイントハウスの大株主は何かと曰くつきのロータス投資事業組合・・・49.3%と過半数近く保有している。単純に考えれば上場廃止によりかなりの痛手を蒙っている筈だが・・・。もしかしたら投資回収すべく闇の中でゴソゴソ動き回っているかもしれない。

 
サンテクにもロータスが執拗に付き纏っている。10月30日に関東財務局に提出された大量保有報告書を見ても相変らずロータスは不可解な行動を繰り返している。高値でサンテク発行の新株予約権証券を株式転換し安値で売却とは・・・?一例として10月12日に600万株分の新株予約権証券を47円で株式転換して10月13日から24日にかけて30〜33円で売却した。これだけで4447万1020円の損失を出している。利益を出して出資者に配当を出すべき投資事業組合がむざむざ損失を蒙るとは理解に苦しむ。「何か裏がある」と考えざるを得ない。どこかでプラスになるところがなければ割に合わない。例えばペイントハウスがサンテクから手にする予定の20億円の行方が気になるが・・・?

 ところで
サンテクの株価は長期低迷に喘いでいる。昨日の終値は前日比2円安の31円で取引を終えている。増資を繰り返して発行株式数が増加しているとは言っても今年の大発会の終値が113円だったことからすると現在の株価はあまりに酷い。ヘラクレスがサンテクを監理ポストに割当てて久しい。こんな企業を何時まで放置しておくつもりなのだろうか?いい加減に結論を出す時期と思うが・・・?


 
セシールの株価は3営業日連続の下落により再び年初来安値(382円)に接近した。今日の終値は前日比7円安の393円と400円を割り込んで取引を終えている。10月27日発表の2006年12月期第3四半期連結決算では久しぶりに黒字となり株価は一時的に反応したものの、結局はセシールへの信用は回復せず”元の木阿弥”になっている。思い起こせばLDグループ(LDM)はセシール創業者一族から1000円/株で買収した。創業者一族は赤字に苦しんでいるセシールをでLDに売却して大きな利益を得ている。その時点ではその後の”LD事件”発覚など知る由もなく(結果として)絶妙のタイミングでの売却となった。今となっては創業者一族はホッと胸を撫で下ろしているにでは・・・?

 2006.11.

 昨日名証セントレックスに新規上場したデジタルマーケティング事業などを手掛けるメンバーズは終日売り気配のまま取引が成立しなかった目論見書によると公開価格:29万円、新規発行株式:2000株、売出株式:1500株、(IPO時)発行済み株式数:2万2910株、主幹事:楽天証券となっている。初日の今日は公開価格を8万8000円下回わる20万2000円まで切り下げたものの大幅売り越しで値が付かなかった。近頃の新興市場全般が停滞気味な状況も悪い方に影響しているのだろうか?週明けには如何ほどの初値がつくのか?またその後の株価推移にも注目が集まる。 株価推移その8 に追加して当面観察を続けることにする。

 さて名証セントレックス、売り気配で上場初日に取引が成立しなかった・・・と聞けば真っ先に昨年3月29日上場のエフェクターを思い浮かべる。それに昨年9月上場のノア、10月11日上場のフラクタリストも名証セントレックス・・・。メンバーズは黒字こちら 参照)となっているところがエフェクターとは違うが・・・。果たして週明けにはメンバーズの株価がどの様に動くのか注目される。エフェクターの悪夢再来・・・? それとも良い方向に大化け・・・?

 ところでTechnobahn
にはメンバーズの主幹事を引き受けた楽天証券は上場を計画しているといった観測もあり、上場を控えた業績アップのために無理をして主幹事案件を取得したのではないかとの見方も出て来ている」とある。エフェクターの時はLD証券が初の主幹事を務めたが、上場後の惨憺たる状況に加えて”LD事件”が追い討ちを掛けその後は主幹事としての出番は全く無い。この時にはLD証券が「主幹事の実績を作りたいが為に無理をした」との見方が出ていた。後出の証券会社が無理をしているとの見方からすると(少々状況が違うにしても)今回も類似したケースに見える。

 楽天証券の場合昨年12月14日のバルク
セントレックスが初の主幹事案件、その後2件あり今回が初めてでは無い。バルクは昨日の終値5万7000円(分割前換算:28万5000円)と公開価格(48万円)を下回っている。オプトロム(セントレックス)も102円と公開価格(150円)を下回っている。バリアセキュア・ネットワークス(ヘラクレス)は39万7000円と公開価格(38万円)と辛うじて上回っている。お世辞にも良い成績とは言い難い。この様な有様では楽天証券の信用も地に墜ちる。今後LD証券同様主幹事としての出番が回って来ないのでは・・・?

 2006.11.

 11月1日USENは「会計監査人を現在の監査法人トーマツから三優監査法人に変更」と発表した(こちら 参照)。トーマツの任期が満了する為としているが・・・。10月19日の2006年8月期決算発表では利益予想を大幅に下方修正した理由をトーマツとの間で会計処理を巡る調整が長引いた為としていた。USENは特別損失の計上を巡ってトーマツとの強い確執があった。それでもLDの一件以降会計監査人がより厳格に監査を行なう姿勢を貫く状況ではUSENは渋々従ったと思われる。そこで不満が鬱積したUSENは監査法人変更したと考えられる。しかしながら監査法人を変更したところで依頼主の言いなりになる監査法人は無い。そんなことをして露見したら中央青山監査法人の如く信用失墜で酷いことになる。 そう言えば自滅した堀江氏は会計監査人を言うことを聞かないとして変更したことがあった。まあ宇野氏も堀江氏と”同じ穴の狢?と言ったところか・・・。

 USENの株価は「東証1部への鞍替え上場検討」の報道をきっかけに10月26日には1200円超えた。しかしながらその程度の話では株価上昇が長続きする筈もなく、11月2日の終値は前日比79円安の1011円と1000円割れ目前で取引を終えている。11月1日バンダイナムコホールディングス の映像配信会社「バンダイチャンネル」はUSEN と提携にて11月2日12時からInternet上で子供向けアニメの無料配信を行なうと発表した(こちら 参照)。この程度ではUSENの業績向上に寄与するとは考えられない。当然のことながら株価は全く反応しなかった。
USENを巡る経営環境は厳しく株価低迷が長期に亘ると見ている。株式推移その1 に追加して当面追跡を行なうことにする。


 明日
高知競馬第10R(ダート:1400m)に「ホリエモン」が出走する。6月4日発送直前にゲートをこじ開けて飛び出し発送除外になって以降11着、4着、9着・・・前走(10月22日)は2着と久しぶりに連に絡んだ。発送除外直前7戦では3勝、2着4回と好調だっただけに発送除外のアクシデントでケチがついたのかもしれない。さて明日「ホリエモン」は5月21日以来の勝利を飾ることが出来るのだろうか?

 2006.11.

 東証1部上場フューチャーシステムコンサルティングの11月2日の株価は一時前日比1万8000円高の12万4000万円まで上昇した。終値は前日比8000円高の11万4000円で取引を終えている。ゴールドマンサックス証券が「Buy」の投資判断に設定(目標株価:14万4000円)したことが材料視された。今回の様に証券会社がプラスの投資判断をすることで一時的に株価が上昇することが時折見受けられる。その度に「証券会社が株価を上昇させたいが為に意図的に情報を出したのでは?」との疑いの目を向けてしまう。材料が無い時にその様な情報が出ると「専門家が言ってるのだから」と飛び付く方がいるのは容易に推測出来る。証券会社の撒いた”コマセ”には危険が一杯・・・ご用心を・・・。

 英国ファンドの「
ダルトン・ストラテジック・パートナーシップがカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と紀文フードケミファの株式について大量保有報告書、変更報告書計15通を長期間に亘り提出していなかっ」ことが判明した。証券取引法には株式を大量売買した場合には原則5営業日以内の提出が定められている。呆れたことにダルトンは「最近まで報告義務があることを知らなかった」と白々しい言い訳をしている。ど素人でもあるまいし今更苦し紛れの言い逃れが通用するとでも思っているのだろうか?「日本を馬鹿にするのもいい加減にせよ!」と強く言いたい。世界各国で活動している投資ファンドが各々の国にルールを知らない筈がない。ダルトンのコンプライアンス(法令遵守)に対する(正しい)考えがあるのか疑念を持つ。金融当局はキチンと調査してダルトンへの業務改善命令、又は業務停止命令を下すべきと強く主張する。

 高知競馬第10Rに出走した「
ホリエモン」は「ユウワンプリンス」から1秒6離された7着に敗れた。スタートはまずまずで3番手につけたが、四角手前では一杯になり直線は良いところがなく終わった。少々相手が強かった感があるが、発送除外直前の好調時の出来にはまだまだの様に思える。今日の「ホリエモン」の走りっぷりをを見ると次の勝利は暫くお預けかもしれない。

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