2006.12.25
12月20日日本SGIによるMEX株式買収の件が明らかになって以降、先週は予想通り3日連続のストップ高により譲渡価額10万5000円に鞘寄せする形でMEXの株価が動いた。それに日本SGIがNEC系列との安心感(期待感)が広がっているものと見られる。確かに誰がどう考えてもLD傘下にいるよりははるかに良いのに決まっている。とにもかくにも先週末時点の終値は10万6000円と一つの目安の譲渡価額を超えた。そこで週明けに株価がどう動くのか注目していた。
まずは期待を込めた買い意欲の強さが働くのかと思っていたが・・・。ところが今日は一転して下落に転じ、終値は前日比4000円安の10万2000円で取引を終えている。それだけMEXへの信頼が低いと言うことを表わしているのだろうか?一方同じLD傘下ターボリナックスの株価は今日もストップ高(1万900円高)の10万4000円・・・MEXから引き上げた資金がこちらに回ったのだろうか?何せ思惑が先行して上がっているので当面どちらも不安定な動きを見せると推察している。
ところでLDの手元にはまだMEX株式が20%残っている。ちなみにLDのMEX株式取得価額は13万4200円・・・51.56%全て売却したのでは損失が出る。そこでMEX株式の一部売却の話題を振り撒いて株価を吊り上げる算段を考えたのかもしれない。値上がりを見越して手元に残し高値売却により損失を取り戻そうとの魂胆が見て取れる。株価が上昇すればLDの思惑通りのなるが・・・。(中途半端に保有したところで何の意味も無く)結局はどこかで全株式売却となるのに違いない。その為には株価が上昇しなければ困る筈だが・・・。
Yozanの株価は今日もまた”急坂を転がる”が如く派手に下落した。終値は前日比120円安の1810円で取引を終えている。どこまで落ちて行くのだろうか?これほど激しい下落が続いては流石にMSCB引受け先のMarine Patrnersも腰が引けてくるのでは・・・?これで益々払い込み予定日の12月28日が注目される。もし20億円払い込まれなかったら・・・。場合によっては資金繰りが益々悪化して行き詰まる事態に陥るかもしれない。もしかしたら年明けに緊急事態発生・・・?
2006.12.26
楽天とTBSの提携交渉は依然として何の進展もなく年を越す。三木谷氏が”TBS乗っ取り”を威勢よく宣言してから既に1年以上経過している。その間LD事件により新興企業への向けられた目は非常に厳しくなっている。更にTBS株価下落が追い討ちをかけ三木谷氏は身動き出来ない状態に置かれていた。TBSの交渉への前提条件は「楽天保有のTBS株式の放出」・・・三木谷氏としても損してまで処分する訳には行かない。ところが12月に入りTBS株価は急上昇・・・今日の終値は4000円で取引を終えている。三木谷氏がTBS株式放出を決断する為の要件が整って来た。このままズルズル長引いても何も良いことはないが・・・。今回で8度目の延長となるが・・・果たして年明けには事態の急展開はあるのだろうか?
先週末大引け後に業績下方修正を発表した京樽の株価は予想に反して昨日下落しなかった。恐らく昨日が権利確定日(配当予想:1850円、及び株主優待)だったことが下支えになったと思われる。昨年権利確定日以降株価は下落の一途を辿った。今年は業績の大幅下方修正とのキツイ要因が加わり大きくに下げた。終値は前日比9000円安の14万3000円と上場来最安値(2月20日:14万5000円)を下回り取引を終えている。公開価格12万円が徐々に近づいて来た。果たして”公開価格割れ”との不名誉に甘んじることがあるのだろうか?
12月22日名証セントレックスに(愛知県を中心にラーメン、中華料理などチェーン店を展開する)JBイレブンが新規上場した。2007年6月期業績予想によると売上高:43億9600万円(対前年度比:12.6%増)、経常利益:1億7200万円(同:7.7%増)、純利益1億5900万円(同:21.7倍)とある。 さてセントレックスのIPOは12月15日上場のギガプライズでようやく連敗(公開価格割れ)ストップしたばかり・・・。続くJBイレブンがどうなるのか注目していた。
上場当日に公開価格(1260円)を下回る1200円で初値形成、終値は1040円で取引を終えている。その後1度も公開価格を上回ることなく推移している。今日の終値は前日比32円安の888円で取引を終えている。公開価格に対する下落率は29.52%・・・果たして今後どの様に推移するのか株価推移 その9に追加して追跡する。とにもかくにもまたもやセントレックスの評判を落とす結果になっている。 これでは不信感が一層増すばかり・・・。このテイタラクを関係者はどの様に考えているのだろうか?
それではギガプライズはどうなっているのだろうか?上場翌日からの2連続ストップ高、更に翌日には高値50万円まで上昇と”●●”騒ぎかここまで・・・。その後2日続けてのストップ安を含め4日続落と下降線を辿っている。今日の終値は前日比3万8000円安の32万円で取引を終えている。暫く不安定な動きをながらどこかに収束すると見ている。ここはまさか公開価格割れまではないと推察する。さて・・・?
2006.12.27
11月14日東証1部に新規上場したあおぞら銀行の株価は公開価格570円を大きく下回り苦戦が続いている。含み損を多く抱えている投資家が多いのでは・・・。公開株式数の多い大型上場だけに既に上場前から浮動株式の多さに懸念が出ていた。不幸なことにその懸念が的中・・・今までに1度も公開価格を超えることなく低水準に喘いでいる。それでも今日の終値は前日比13円高の466円と戻して取引を終えている。公開価格に対する下落率:18.25%・・・大型上場だけにこれほど下げると公開価格を上回るのは困難に思える。非常に厳しい状況に置かれている。さて・・・?
昨日JASDAQ上場のスチール棚製造大手日本ファイリングは『MBO実施にて非公開化する』と発表した。株式の非公開化により「短期的な業績に左右されない機動的な経営体制を整備する」としている。田嶋社長の一族が経営し同社株式を18.91%保有する田嶋興業がTOBを実施する。TOB価格:735円、買付け予定数:374万株(発行済み株式の47.52%)、応募株式は全て買付けるとしている。TOBが成立すればJASDAQの上場廃止基準に抵触し上場廃止となる見通し。
日本ファイリングの12月25日の終値は393円にも拘らずTOB価格:735円に設定とは驚いた。87.02%のプレミアがついている。価格設定理由について尤もらしく説明しているが、何としてもTOBを成功させたいが為に初めから答えありきだったことは容易に想像が付く。結果に合わせて理由は幾らでも後付けで説明出来る。出来れば一発で100%の株式を集めたいとの意思で思い切り高い価格設定したのに違いない。それに(日本ファイリングは3期連続の赤字に苦しんでいるが)どうやら田嶋一族の経営する田嶋興業はガッポリ資金を貯め込んでいるものと見られる。
さてこれだけ高い価格設定となれば日本ファイリングの株価は当然TOB価格に鞘寄せする形で上昇するのに決まっている。735円を一つの目安として少なくともそこまでストップ高の連続になることは明らか。ところでストップ高比例配分で売買成立するのが何とも不思議。尤も昨日の売買成立は僅か4単位に過ぎなかったが・・・。いったい誰が売却しているのだろうか?急いで売却しなくても少なくとも735円付近まで上昇するのが分かっている筈だが・・・。流石に今日は売買成立せずストップ高(80円高)買い気配で終えている。明日も値が付かず明後日735円前後で寄り付くかもしれない。
2006.12.28
1月7日上場廃止のTTGの株価は5円まで下落した。残り3営業日・・・このまま”●●”騒ぎが起きずに市場から退場するのだろうか?11月26日上場廃止のユニコ・コーポレーションは何事もなく最後は4円で消えて行った。上場廃止株式に本来”●●”騒ぎが起きなくても当たり前だが・・・。ところで昨日TTGは『持株会社体制への移行完了のお知らせ』を開示した。同時に『会社分割(商号変更)のお知らせ』を開示した。開示では新体制への以降について「経営と事業を分離させることで一層の企業価値向上に繋がる」としている。傍から見ると単に形を変えて目を眩まそうとしている様にしか思えないが・・・。こんなことで誤魔化そうとしても不信感を拭い去ることは出来ない。
昨日までの2日間で168円戻したYozanの株価は今日はほぼ一本調子で大きく下落した。今日の終値は113円安の1865円で取引を終えている。全く上げる材料無しで上げていたのだから下げて当然と言えば当然・・・。さて今日は注目の12月28日・・・MSCB引受け先が20億円払い込む予定になっている。今のところ(22時現在)Yozanからは払い込み完了のIRは出ていない。しかしながらとDKR(Marine
Patrnersへの依頼人)が関東財務局に提出した大量保有報告書によると12月28日に20億円で新株予約権付債権取得とある(こちら 参照)。Yozanにとっては20億円払い込まれ一安心・・・。一方で権利行使により大量の新株式が発行されることになれば犠牲になるのは哀れ既存株主・・・何も良いことはない。 希薄化進行は必至・・・更なる株価下落もあり得る。
12月25日大王製紙と北越製紙は『技術提携基本契約の締結』を発表した。今後両社は技術提携委員会を設立して具体的な提携内容を検討する。大王製紙はは今年8月の王子製紙の北越製紙へのTOB阻止の為に約2%取得した。更に9月には両社は戦略提携に共同研究に関する覚書を取り交わしている(こちら 参照)。製紙業界は生き残りをかけて厳しい競争が繰り広げられている。今後は北越製紙が大王製紙株式を数%修得予定と伝えられる。今回は業務提携の具体化第一段・・・業務提携に加えて資本面での提携も深めて競合他社に対抗する狙いがあると見られる。
2006.12.29
昨日福岡証券取引所はミサワホーム九州の上場廃止(2007年1月29日付け)を決定した。ミサワホーム九州が福岡財務支局に提出した有価証券報告書(訂正報告書)により2002年3月期から連続5期に亘り不正会計処理(虚偽記載)が判明した。更には2004年3月期から連続3期債務超過となれば市場(投資家)への重大な背信行為として厳しく糾弾されなけばならない。今日から整理ポストに割当てられる。果たして1月26日の最終取引日までに”●●”騒ぎが起きるのだろうか?ちなみに今日の株価はストップ安(50円安)にはならず、終値21円安の178円で取引を終えている。
日本ファイリングの株価は予想通りTOB価格(735円)近辺で寄り付いた。9時35分頃に733円で寄り付くと小動きに終始した。終値は前日比78円高の731円で取引を終えている。敵対的TOBではなく今でも充分に高いTOB価格が吊り上げられる可能性は皆無・・・。突然どこぞやの投資ファンドなどが「安過ぎる」と敵対的TOBでも仕掛ければ波乱の目は一応残っているが・・・。恐らく締切の2月8日まで特に目立った動きもないと推察している。
東証はセシールを監理ポストに1月1日付けで割当てる(こちら 参照)。年が明けて有価証券報告書が提出された時点で少数特定者持株比率が75%を超えていれば上場廃止となる。果たしてどの様な状況になっているのだろうか?ちなみにセシールの株価は不安を抱えつつ低い水準で推移している。 ちなみに今日の終値は前日比1円安の334円で取引を終えている。
2006.12.30
12月27日公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(旧年金資金運用基金)は『LDの有価証券報告書虚偽記載に係る損害賠償請求訴訟の提起について』を開示した。開示によると三井アセット信託銀行など3行はLDを相手取り弁護士費用を含め48億965万円の損害賠償請求を求め東京地裁に提訴した。LD事件発覚当時3行は委託資産より1427万4179株保有していた。その後の売却で年金積立金に43億7241万円の損害を蒙ったとしている。不正は断固糾弾すべき・・不正蓄財は全て吐き出さなければならない。果たして司法がどこまでLDの責任を認定するのか注目される。ところで西武鉄道上場廃止時には同法人に加えて厚生年金基金連合会(現企業年金連合会)なども損害賠償請求訴訟を起こしている。今回も他の年金基金にもLDに対し同様の動きが出て来るものと思われる。
年明け早々注目しているのがYozan・・・。昨日の大納会では終値は前日比84円安の1801円で取引を終えている。今年の大発会での終値は3万9050円と比較すると95.39%下落している。さて売上高減少、赤字幅拡大の厳しい状況下で苦し紛れのFinance連発では何処から見ても非常に危うい。12月28日に20億円払い込まれ取り敢えず一息ついたものの年明け後の苦しい状況には変わりはない。株価下落のパターンも過去に観察したアドテックスなどの転落の軌跡に類似している。果たして支え切れるのだろうか?早い時期に緊迫した場面が出現するかもしれない。
昨日監理ポストに割当てられたのにも拘らずセシールからは何のコメントも出ていない。年末を出さない言い訳にしてはならない。株主の不安を取り除くべく何らかのActionを起こす筈・・・。セシール経営陣の無神経さには呆れ果てる。(穿った見方をすれば)一部の株主が3/4超の株式を保有しているので弱小株主のことなんぞ気に留めていないとも受け取れる。社長の佐谷氏はLDからの出向、またLD社長の平松氏も取締役に名を連ねている。どの様に考えているのだろうか?普通に考えれば何とかして上場廃止を免れるべく努力する筈だが・・・その為に猶予期間が設定されている。さて・・・?
2006.12.31
昨日の香川新報にセシールに関する記事が掲載された。随分と確証がある書き方をしているが・・・ネタの出処はいったいどこなのだろうか?裏は取れているのだろうか?何にせよ年が明ければ早晩事実関係が判明する。
(セシールが)75%超を解消するための猶予期間が終了する31日時点では比率は廃止基準を下回っていると見られ、セシールが1月中にも提出する株式の分布状況表を東証が確認次第監理ポストを解除される見通し。
さて1月のLD事件発覚、5月末の村上氏逮捕などいろいろあった激動の2006年も今日で終わり・・・。年末には日興コーディアルグループが有価証券報告書の虚偽記載で監理ポストに割当てられた。世界株高進行の中出遅れ感のある日本株式も12月に入り(まだ充分ではないが)少し元気が出て来た様に感じる。折角勢いが付きかけている時に新たな不祥事で水を差されては叶わない。企業の経営陣は「ばれなければ何でもあり」などと不埒な考えを決して抱いてはいけない。悪が栄えたためし無し!全ての企業経営者、それに企業人もコンプライアンス(法令遵守)を口先ではなく実践しなければならない。2007年の日本経済の更なる発展を祈念して今年1年を締めくくることにする。