2007.1.22

 日本経済新聞が「
JASDAQがロボットやバイオテクノロジーなど先端技術の実用化を目指す新興企業向けの新市場を今夏に開設する方針」と報じている。記事には「LD事件以降停滞気味の新興市場の活性化を目指す」とある。趣旨はともかくとして一つ気になることがある。新市場の上場基準が現行のJASDAQの基準よりも緩和されるとのこと。となれば益々上場審査の重要性が高まる。甘い審査で上場企業の粗製乱造との事態になっては日本市場の信頼を損なうことになる。

 先週末不祥事で揺れる
不二家を巡り「森永製菓、山崎製パンなどが再建支援に意欲」と報じられたことを受け不二家の株価は急反発した。終値は前日比10円高の209円で取引を終えている。どこが再建支援に関わろうとも信用を失った不二家の再生にはキチンとした品質管理/保証体制が確立されることが必須条件となる。さて今回の一件を機に業界再編の促進の可能性が高まって来た。同じく不祥事でグループ再編、事業縮小に追い込まれた雪印乳業とは異なる歩みを示すのだろうか?果たして・・・?

 2007.1.23

 
不二家は昨日の臨時取締役会にて藤井社長の退任(取締役も退任)、及び桜井取締役の新社長就任を決めた(こちら 参照)。2010年に創業100年を迎える不二家に初めて創業者一族以外の社長が誕生した。また同日「『外部から不二家を変える』改革委員会」を設置して社外から8名の委員を招き第一回会合を開催した。内輪の人間では思い切った改革が出来難い体質であれば外圧に頼る他に手は無い。とにもかくにも創業者一族の経営支配が不祥事を引き起こした元凶の一端あることには違いない。今回の不祥事を機に抜本的な体質改善に取り組む必要がある。それでも間に合うかどうか・・・?

 2007.1.24

 少数特定者持株数が上場株式数の75%を超え監理ポストに割当てられている
セシールは明日付けで解除される(こちら 参照)。昨年12月末の株主名簿が確定して少数特定者持株数が上場株式数の75%以下となったことが確認されたことによる。セシールの株価は300円台前半に低迷していたが・・・。今日は監理ポスト解除に浮かれて一時406円迄上昇したが・・・終値は前日比46円高の378円で取引を終えている。果たして監理ポスト割当解除が材料になるのだろうか?業績が画期的に改善された訳ではない。(一時的に動きがあっても)結局は元の鞘に納まると見ている。

 
ミサワホーム九州は残り2営業日にて市場から退場する。有価証券報告書の虚偽記載(粉飾決算)で投資家に多大な迷惑をかけては止むを得ない。ところで今のところ”●●”騒ぎは起きず静かに推移している。どうやらこのままヒッソリと終焉の時を迎えることになりそう・・・。果たして再上場の道はあるのだろうか?ちなみに今日の終値は前日比6円高の140円で取引を終えている。

 2007.1.25

 
エフェクターが1月22日から2営業日連続のストップ高をつけた。1月22日午前に開示した『GEヘルスケア バイオサイエンスとの包括的業務提携契約締結について』が材料となった。GEヘルスケアはエフェクター製の簡易型細胞動態測定装置、細胞自動計測装置を独占販売する。また「関連製品の共同開発やソフトウエアの共同開発なども行なう方針」とある。GEヘルスケアが代理店的な立場でエフェクター製品を独占的に取り扱ったとしても飛躍的に売れるとの保証は何処にも無い。今更エフェクター社長金ヶ崎氏の元東大医学部教授の肩書きが拡販効果をもたらすとは思えない。さてエフェクター株価の不審な動きは今に始まったことではない。時折急激な上昇の後に下落に転じたことが何度もある。その度に材料とは言えない様な開示を巡って起きている。今回も恐らく同じに違いない。ちなみに今日の終値は前日比3400円安の3万7500円で取引を終えている。

 2007.1.26

 
ミサワホーム九州は今日の取引を最後に市場から退場する。最後の3営業日で46円の上昇・・・最終株価は180円となった。出来高は少ないままの”お祭り騒ぎ”にはほど遠い状況で推移した。恐らくミサワホームグループの1社として事業継続が為され直ちに業績が可笑しくなることはないと思われる。しかしながら一旦失った信用回復は難しい。再上場への道は容易ではない。

 昨日
不二家は『投資有価証券売却益に関するお知らせ』を開示した。保有株式2銘柄の売却により9億300万円が発生とある。売却理由は「資産の効率化とキャッシュフロー安定化の為」とあるが・・・。 営業停止に追い込まれている現状への資金面での対応の一環と考えられる。今後手持ちの株式、不動産などの資産売却の動きが加速するかもしれない。何せフランチャイズ店舗への休業補償は週1億円以上と伝えられる。営業停止が長引けば売上げが全く無い。それに休業補償の負担が不二家の経営に重く圧し掛かって来る。不二家株式を3.9%保有する森永製菓は全面支援を視野に入れて対応を検討中と伝えられる。1月22日不二家の桜井社長は「自主再建を目指す」と述べているが・・・。果たして可能なのだろうか?

 2007.1.27

 昨日
LDは『関連会社の異動に関するお知らせ』を開示した。LDは保有するメディアイノベーション(旧ライブドア・マーケティング)株式31.40%全てアルファグループに2月1日付で売却する。これでLDMは完全にLDグループ離脱となる。”LD事件”の主役の一つが消え去ることになった。昨日堀江氏の裁判(第一審)結審したが今となっては”LD事件”は随分と昔の出来事に思える。さてLDはこの先どうなるのだろうか?USENの支援も事実上立ち消え状態、それにカーチス、MEXの売却など事業規模の縮小となれば先細りは目に見えている。LD傘下の主力企業ターボ・リナックス、セシールはどうなるのだろうか?これらを手離せば実質的に何も無い状況に等しい。何にせよLDは存続するにしても極めて細々と夜露を凌ぐ程度と見ている。

 技術面での支援の意向を示している
山崎製パンが不二家への資本面の支援を検討していることが明らかになった。今回は更に一歩踏み込んで(不二家からの要請が前提としながらも)経営全般の支援を示唆した。再建の目処が立っていない不二家は同じ食品業界の支援に頼らざるを得ないと見られる。それにしても次から次と明らかになる不二家の杜撰な実態には呆れ果てるばかり・・・。こんなリ様では生半可な改革では再建の見込みは無い。奥の奥まで踏み込んでメスを入れ膿を出し尽くさなければ不二家に明るい未来は見えて来ない。

 2007.1.28

 1月26日
ナスダック・ストック・マーケットは「ロンドン証券取引所(LSE)への敵対的TOBの期間を2月10日午後1時(ロンドン時間)まで延長」と発表した。ナスダック・ストックはアメリカでNASDAQを運営している。そこがよその国の証券取引所にちょっかいを出すとは何とも凄まじい話に思える。(詳しい状況は分からないが)ナスダック・ストックは一体何を考えているのだろうか?突然よその国から土足で踏み込んで買収するぞ(乗っ取るぞ)と言われて誰も良い感じがする訳がない。(イギリス)国民感情を逆撫でする様なやり方が罷り通っては世も末と言わざるを得ない。現時点ではTOB失敗の見方が広がっている。かかる傍若無人な行為は許されるものではない。

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