2007.2.12
先週末米ヘッジファンド運用会社「フォートレス・インベストメント・グループ」がニューヨーク証券取引所に新規上場して話題になっている。今までにアメリカでヘッジファンドが株式公開したことはない。公開価格18.50$に対し初値:35$、終値:31$で取引を終えている。ところでヘッジファンドは他者から資金を集めて運用するので通常は自前の資金調達の必要性はない筈だが・・・。今回のIPOの狙いはいったい何なのだろうか?創業者3名の保有比率は78%・・・IPOによる巨額の資産を保有することになる。狙いはその辺りか・・・?ところで株式公開に際しては情報開示の透明性が要求される。と言うことは今まで実情がよくわからないヘッジファンドの内情が見えて来る可能性がある。
東京都が中小企業への貸し渋り対策として設立した新銀行東京は巨額の赤字に苦しみ経営が悪化している。2005年4月に開業、3年後には黒字化を目標にしていた。石原都知事の肝煎りで中小企業支援の為に設立された新銀行東京・・・当初からRiskの大きい中小企業への融資が主となるとだけに危うい感じがした。危惧した通り昨年は開業当初に貸し出した中小企業の貸し倒れが相次いで108億円の不良債権処理損失を計上した。景気が回復傾向にあるとは言え依然として貸し倒れRiskは高い。赤字の垂れ流しで累積赤字が拡大しての撤退は許されるものではない。幾ら名目は立派であれ赤字を公金(税金)で賄うことには当然反発が出る。4月の東京都知事選では大きな争点の一つになることが予想される。再建計画作成に着手したとのことだが・・・内容次第では物議を醸すかもしれない。
2007.2.13
今朝の日本経済新聞朝刊にて「ソフトバンクが新しい周波数帯に応募する時WiMAXを採用する」と報じられたことを手掛かりにYozanの株価が急騰した。(目を見張る様な買い材料とは思えないが)今日の終値はストップ高(200円高)の1390円で取引を終えている。恐らくソフトバンクとの協業への期待に伴う思惑買いが先行したものと見られる。但しYozanにどれだけのMeritがあるかは定かでないだけに危うい香りが漂う。さて極端な株価下落に喘いでいるだけにちょっとした材料もどきに極端な反応を示すことがこの様な”★”株式にはよくあること。既に仕手株の様相を呈しているYozanには常識は通用しない。この先どこに行きつくのか冷ややかに見守って行くことにする。
日本郵政公社はLDの有価証券報告書虚偽記載により損害を蒙ったとして損害賠償請求訴訟を提起した(こちら 参照)。信託財産の管理、運用等の受託者の信託銀行を原告として10億4005万6447円の支払いを求めている。ところでフジテレビのLDへの損害賠償請求は訴訟には至っていない。未だに話し合いをしているのだろうか?LDに誠意がないのであれば司法の場に引き摺り出して然るべき・・・。フジテレビ側に何か躊躇する様な事情があると思えないが・・・。
東京スター銀行は『2007年3月期 第3四半期財務・業績の概要(連結)』を開示した。開示によると売上高:570億4700万円(前年同期:488億5700万円)、経常利益:213億4700万円(同:159億8100万円)、当期純利益:140億600万円(同:135億7500万円)と増収増益になっている。財務数値を見る限りでは比較的順調に推移している様にも思えるが・・・。果たして株価上昇の起爆剤になり得るのだろうか?ここは昨年10月25日新規上場して以降公開価格(43万円)を下回って推移している。 ちなみに今日の終値は前日比5000円安の35万2000円で取引を終えている。さて公開価格を上回るのは何時の日か・・・?
2007.2.14
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するUSJが3月16日東証マザーズに新規上場する。将来は東証1部への移行を目指すと伝えられる。2001年春開業のUSJは2005年に財務体質改善を狙いとしてゴールドマン・サックス証券等を引受先とする250億円の第三者割当増資を実施している。その時の条件に早期上場がある。今回の上場により約95億円の資金調達を見込んでいる。約69億円は債務の圧縮、残りは新しいアトラクションへの投資に充当するとされる。TDLに次ぐ大型テーマパークだけに将来の発展の為には多大な経営努力が要求される。集客力を高める為の工夫、それに新たな事業分野の開拓等経営課題は山積している。当然上場の狙いには課題対応に向けての資金調達手段の確保がある。
予想通りYozanの”●●”騒ぎは今日も続いている。今日もまたストップ高(200円高)比例配分の1590円で取引を終えている。某掲示板では舞い上がった方々がすっかりのぼせ上がり浮かれている。”★”株式は時としてちょっとしたことで急上昇、その後熱が冷めて一気に急降下することがある。今のところWiMAX情報により火がついたばかりだが、どこかで馬脚を現わして期待外れとなって一気に消火となるかもしれない。果たして実態は如何なるものなのだろうか?とにもかくにも興味津々・・・。
サンライズ・テクノロジーは『ロータス投資事業組合が所有する当社株式に関するお知らせ』を開示した。ロータスが今日保有するサンテク株式を全て市場で売却したとのこと。これで取り敢えず”性悪”ロータスとの縁が切れたことになるが・・・。とは言ってもここには産業構造研究所なる得体の知れない存在が控えている。ここがロータスの替わりになったのでは意味が無い。ロータスが去った今、産業構造研究所がどの様な動きを示すのか興味深い。さて今日の終値23円・・・サンテクの株価は相変わらず超低位株式の代表格を物語っている。何かと曰くのあるサンテクに未来はあるのだろうか?
2007.2.15
昨日フジテレビの番組「トリビアの泉」にて犬の能力検証実権で過剰演出があったことが明らかになった。謂わばデータ捏造・・・「フジテレビ、お前もか!」と言いたい。系列の関西テレビに続き今度は本家フジテレビでの問題発覚とは・・・。次々とかかる事実が明らかになるとTV放送の信用の根幹にかかわってくる。マスコミに関わる方々は襟を正して職責を全うして頂きたい。
昨日サンスターは経営陣によるMBOを実施すると発表した(こちら 参照)。スイスの現地法人サンスターSAの子会社のSSAがTOBを実施する。TOB価格は過去6ヶ月の平均株価よりも18.6%高い650円に設定、1935万1000株を下限として最大3735万3945株買い付ける。TOB成立時には応募されなかった株式も金銭交付等で取得する予定としている。最終的にサンスター株式は上場廃止となる。この発表を受け大証はサンスター株を監理ポストに割り当てた。ちなみにサンスターの株価は前日比60円高の648円と(予想通り)TOB価格に鞘寄せする形で取引を終えている。
”★”株式の面目躍如、思ったよりも早くYozanは馬脚を現わした。結局はYozan経営陣への信頼が皆無に等しいことの表われと見る。前場寄り付きから売り一色・・・結局前日比283円安の
1307円で取引を終えている。「見事な?嵌め込み」と妙なところで感心?する。実態の無い単なる思惑のみで何時までも買い上がる訳がない。某掲示板には昨日迄「買いだ、買いだ!」と騒いでいた”●●”な輩の姿はどこにも見当たらない。舞い上がり危険極まりない株式に盲目的に手を出し損した方々は哀れ(惨め)と言うしかない。何度も同じことが繰り返されているが・・・学習効果の無い方が多いと言うことか。
2007.2.16
昨日SPJはサッポロホールディングスに対し66.6%の株式取得とのTOB提案を行なったことを発表した。TOB提案を事前に提示したのはサッポロHDの買収防衛策への対応による。サッポロHDが提案に応じる見込みは少なく(SPJが本気であれば)敵対的TOBに発展する可能性が高い。TOB価格はサッポロHDの賛同を前提に825円程度を提示した。昨日の終値791円より4.3%高い。ちなみにサッポロHDの株価は後述の読売新聞の報道も呼び水となり思惑買いを誘い急騰・・・終値はストップ高(100円高)比例配分の891円とTOB予定価格を大きく上回り取引を終えている。
18.64%保有するSPJは手を変え品を変えサッポロHDへの圧力を掛けている。(一応尤もらしいことを言ってはいるものの)結局は株価吊り上げ→高値売り抜けとの魂胆と見ている。明星食品の時には一応敵対的TOBを仕掛けたが、失敗に終わると日清食品のTOBに応じて高値売り抜けに成功している。 投資を始めてから約3年間で36億円の利益を上げて撤退している。さて今回はどの様な展開になるのだろうか?サッポロHDはどの様に対応するのか注目される。対応次第では明星食品の場合と類似した道を歩むことになる。
「ビール類出荷量首位のアサヒビールが3位のサッポロHDに対し経営統合を提案」と読売新聞が報じている。昨年末にアサヒビールは取引銀行を通じてサッポロHDに非公式に経営統合を打診したとされる。この話を耳にしたSPJが”渡りに舟”とばかりにここを好機と捉えて昨日の仕掛け(提案)となったものと推察される。SPJはサッポロHDの意思を無視して強引に突っ走ればアサヒビールが「ホワイトナイト」として登場する可能性ありと踏んでいるのに違いない。アサヒビールが友好的TOBに踏み切る状況になればまさにSPJの”思う壺”・・・。そこで高値売却となれば・・・つい最近目にしたストーリーと同じ展開になる。果たして”二匹目のドジョウ”となるかどうか・・・?一方でアサヒビールは「経営統合提案の事実は全くない」とのコメントを出している。果たして真相は如何に・・・?
SPJの策動が効を奏しているのかSPJが大株主となっている企業の株価が概ね上昇している(SPJ銘柄リスト 参照)。SPJは自らが動くことで保有株式への影響を充分に承知している。サッポロHDへの仕掛けは影響度大・・・株価吊り上げに貢献?している。浅ましい輩の思惑買いがSPJの如き”●●”ファンドの策動を助長させる。かかるファンドの動きには何時も不快感を覚える。
独立系投資ファンドいちごアセットマネジメントは『東京鋼鐵の臨時株主総会に向け議決権の20%超を確保』と発表した(こちら 参照)。昨日迄に自ら保有の10%に加え委任状にて10%超を受領した。いちごアセットは東京鋼鐵が大阪製鉄の完全子会社になる計画に対し反対の意を表明している。2月22日の臨時株主総会での否決を目指している。特別決議に該当する為承認には出席株主の2/3以上の賛成が必要。いちごアセットは出席株主の1/3以上の議決権を確保しなければならない。日本経済新聞によると「委任状(議決権は約14%)、機関投資家(同約7%)やファンド保有分(同約10%)と合わせて311%超の議決権確保」とある。まだ微妙な情勢だが・・・。経営陣同士が合意したM&Aが株主総会で否決される事態になれば日本で初めてとなる。さて如何なる結末になるのだろうか・・・?
2007.2.17
三木谷氏は昨日の楽天の2006年12月期決算説明会にて『みずほ信託銀行に信託しているTBS株式について「基本的には1年という話になっている。今後は信託しない」』と述べた。銀行法では金融機関は5%超の株式を1年を超えて保有出来ない。信託期限が2月末に迫り三木谷氏の対応が注目されていた。今後の対応について三木谷氏は「株価操縦に該当する恐れがある」として明らかにしていない。信託解除後もTBS株式を保有したまま交渉継続の意向と見られる三木谷氏は中長期保有の安定株主として膠着状態の打開を図る考えと思われる。しかしながらTBSとしては議決権凍結は提携交渉の大前提・・・この一線は決して譲れない。信託して1年、全く提携交渉が進んでいない現状からすればすんなり事態が好転するとは思えない。TBSの楽天への不信感は半端ではない。三木谷氏が大幅に妥協しない限り交渉前進はあり得ない。
三木谷氏が投入した約1100億円もの巨額資金は塩漬け状態になっている。取り敢えず昨今のTBS株価上昇により含み益が出ているが・・・。それはあくまでも高値で売却出来てのこと。保有株式の時価総額で約1500億円ともなればTBSの買戻し、あるいは他の引取り先への売却は容易ではない。まして市場での大量売却は需給バランスが崩れ株価暴落の懸念があり難しい。「押すに押せない、引くに引けない」状況に追い込まれている三木谷氏への株主からの追求に晒される恐れがある。何も成果が出ないままズルズルと時が経過すれば益々苦しくなる。どうする、三木谷氏?
2月15日楽天は『一連の決算開示情報の訂正について』を開示した。昨年9月29日から今年2月15日の間に呆れたことに4度も訂正している。流石に拙いと考えたのか「誠に遺憾であり事の重大さを厳粛に受け止める」とのコメントを出した。投資判断に大きな影響を与える決算情報を頻繁に訂正するとは由々しき問題・・・楽天の内部体制に欠陥があると考えざるを得ない。三木谷氏は信頼回復の向けて肝を据えて立直しを図る必要がある。
昨日ヤフーは2月28日付けのJASDAQへの上場を正式発表した(こちら 参照)。これでヤフーは東証1部、JASDAQへの重複上場となる。開示では「投資家の取引機会拡大」、「証券取引所一極集中によるRisk等分散」などと尤もらしい理由を付けている。しかしながら東証の上場廃止基準の一つ、少数特定者持ち株比率に抵触するRiskを回避するのが最大の狙い。何せ筆頭株主のソフトバンク、第2位の米ヤフーの2社だけで74.55%となれば何時上場廃止になっても可笑しくない。投資家の不安を和らげることを目的などと格好をつけてはいるが、結局は上場廃止基準の緩いJASDAQを利用しての買収防衛策にしか見えない。「孫正義氏のセコイ浅知恵?」と皮肉な見方が妥当なところか・・・。
2007.2.18
2月16日セシールは『2006年12月期業績予想修正のお知らせ』を開示した。開示によると売上高(連結):637億2900万円(前回予想:649億円)、経常利益:17億4200万円(同:14億万円)、当期純利益:12億8600万円(同:8億6000万円)と上方修正にしている。修正理由として販管費の削減、包括的長期為替予約契約にかかる時価評価処理でのデリバティブ評価益7億8600万円計上、繰延税金資産の増加を挙げている。修正理由に一部感心出来ない部分があるものの落日のLDグループの中では唯一奮闘している。さて週明けにセシールの株価がどの様な反応を示すのか興味がある。材料に飢えているだけに素早く反応するのか、あるいは冷ややかな反応に終わるのか?ちなみに先週末の終値は4営業日連続の上昇により383円で取引を終えている。
2月16日24.57%の株式を保有する筆頭株主SPJが三精輸送機に対し28%まで買い増すとの提案を行なった。三精輸送機は昨年5月に導入した事前警告型の買収防衛策に基づき2月中にSPJに保有目的などの開示を求める。その後遅くとも6月末迄には対応を決定する。三精輸によると「現時点ではSPJは28%超の買い増し計画無し、経営参画意思無し」とのことだが・・・。とするといったい何が狙いなのだろうか?ここもまたサッポロHDへの仕掛け同様株価吊り上げ→高値売り抜けとの魂胆しか見えて来ない。まさに”性悪”ファンドの毒牙剥き出し・・・。こんな”■■■■”が市場を我が物顔にのさばっているのを見るにつけ嫌悪感が増大する。
「ソフトバンクモバイルは携帯電話端末の販売価格を実質的に10〜15%値上げ」と日本経済新聞が報じている。既存のソフトバンク利用者が機種変更の際に7000〜1万円程度の負担増になる。ソフトバンクは盛んに廉価の料金プランをアピールしている。とするといったいどこで収益を上げるのだろうか?そこで利用者が何年に1度か機種変更するところに目をつけ稼ぎを増やそうと考えたのに違いない。利用者に美味しい話ばかりでは企業活動は成り立たない。美味しい話の陰には必ず何か裏があると見るべき・・・。今回も通話料収入の減少を機種変更時に利益を上乗せして補うとの目論みと見る。これもまた「孫正義氏のセコイ浅知恵?」と皮肉な見方が妥当なところか・・・。