2007.7.9

 予想通り東京高裁は
SPJからのブルドックソースに対する買収防衛策差し止仮処分申請の即時抗告を棄却した(こちら 参照)。SPJを。「濫用的買収者と認めるのが相当」と認定した。一応最高裁への特別抗告が可能だが・・・。明日にもブルドックが新株予約権発行予定となればSPJの抵抗も最早これまで・・・完璧な敗北に終わった。TOB継続を宣言しているが成立は事実上無理・・・。次々と見事に打ちのめされては今後のSPJの対日本戦略は非常に難しい。さて今日のブルドックの株価は様々な思惑が絡み取引が成立しなかった。7月5日の終値に対し440円安の925円売り気配で終わった。今回の東京高裁の決定を受け明日はどの様に動くのだろうか?

 2007.7.10

 予想通り
SPJはブルドックソースの買収防衛策を巡り最高裁へ特別抗告した。濫用的買収者と断じられてはSPJも黙っている訳にはいかない。しかしながら最早時既に遅し・・・それに特別抗告も棄却される可能性が高い。ちなみにブルドックソースの株価は3営業日ぶりにストップ安(100円安)の825円で寄り付いた。その後は再び売りが殺到し比例配分されずに取引を終了した。明日以降どうなるのだろうか?

 2007.7.11

 昨日SPJは最高裁に特別抗告したがブルドックソースに対する新株予約権発行差し止めには間に合わない。そこでどうするのかと思っていたら・・・。
差し止め対象を「株主への普通株交付」に変更すると報じられている。一発逆転を狙ってのやむを得ぬ作戦変更だが・・・。ここ迄の流れからすると大逆転の可能性は極めて低い。リヒテンシュタイン代表は「投資先企業と利害を共有する長期的株主として活動してきたことは明白で、高裁で濫用的買収者とされたことも断固争いたい」とのコメントを出した。濫用的買収者とされては今後の日本での業務展開に大きな支障が出る。この件について最高裁がどの様な判断を下すのか注目される。ちなみにブルドックの株価は前場ストップ安(100円安)の725円、その後売り殺到→比例配分されずと昨日に同じ展開となった。

 2007.7.12

 
エフェクターは『2007年5月期 決算短信』を開示した。開示によると売上高(連結):1億6400万円(前年同期:6億9900万円)、経常損失:3億6900万円(同:12億8600万円)、当期純損失:9億2900万円(同:14億5500万円)と減収大赤字決算となっている。更に2008年5月期の業績予想もここに書くのもおぞましい程どうにもならない。これでは企業として存続しているのが不思議・・・何時”●●”しても可笑しくない。こんなところが上場企業とは・・・実に嘆かわしい。「上場益を得る為の上場」と避難されても当然・・・。いい加減な審査で上場を承認した名証の責任は大きい。

 
グッドウイルの株価は連日の下落で4万円を大きく割り込んでいる。今日の終値は前日比3750円安の3万6150円で取引を終えている。この状況を7月10日に既に102億円払い込んでいるドイツ銀行はどの様に捉えているのだろうか?3ヶ月の短期決戦で収益を出さなければならない。データ装備費問題も財務体質を大きく圧迫する可能性がある。介護事業売却の件も遅々として進まない状況が続けば更に苦しくなる。株価が下がり続ける様ではドイツ銀行の目算違いとなるが・・・。何もせずにむざむざ損失を蒙るとは考え難い。果たしてどうなるのだろうか?

 2007.7.13

 「
エフェクターが11月までに最低6億円の第三者割当増資を検討」と報じられている(こちら 参照)。昨日公表した決算短信にて「継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況」とある如く経営状況は非常に厳しい。資金繰り悪化で早急な資金調達が必要なことは容易に推察出来る。それにしてもこんな有様での苦し紛れの増資となれば先行きは見えている。かなり条件の悪い増資となることは間違いない。それよりもこんな醜悪企業の増資の引き受ける奇特なところがあるかどうか・・・。じたばたした挙句の果てに消滅したアドテックスの”二の舞”になれば大変だが・・・。さて酷い状況での発行済み株式の増加、将来の見込みも悲観的となれば株価への悪影響は避けられない。今日の終値は前日比1470円安の1万8530円で取引を終えている。

 2007.7.14

 
ダヴィンチ・アドバイザーズが実施中のTOCへの敵対的TOBは7月23日に締切を迎える。ダヴィンチはTOB価格の引上げ、締切日の延長、更には成立条件を50%→45%に引き下げとTOB成立への執念を見せている。ダヴィンチは手持ちのTOC株式と合わせて過半数近く迄見通しが立ったとしている。これに対し創業者一族は約37%、発行済み株式の1/3超保有している。この意味は大きい。ダヴィンチが経営権を取得しても完璧に支配出来る訳ではない。最終的にどの様な決着になるか予断を許さない。

 ダヴィンチが更に上積みして過半数超となれば経営権奪取、日本初の敵対的TOB成功となる。そこで鍵を握るのは約15%とされる個人株主の存在・・・。創業者一族が800円でMBOを仕掛けた時にはダヴィンチが1100円での買収を提案したこともあり不成立となった。その後1308円に引き上げたことで買取り価格の単純比較で個人株主もそちらへなびく可能性が高い。TOB成立となれば上場廃止の恐れがあり多くの株主が売却に応じるとの見方もある。ちなみにTOCの昨日の終値は1300円とTOB価格を若干下回っている。週明けにTOCの株価が思惑絡みでTOB価格を大きく上回れば波乱の目も残っているが・・・。

 2007.7.15 (株価推移表は こちら

 OHT株式の信用取引を巡り証券会社に巨額損失が出ている件に関して被害が更に拡大していることが明らかになった。東京在住の弁護士に名義を貸した知人は10数人・・・銀行口座と証券口座を貸して十数万円〜百数十万円の謝礼を受け取っていた。先刻のOHT株式の大暴落で追証が発生して名義を貸した哀れな方々は数億円〜15億円程度の債務を負うことになった。負債総額は何と100億円を超えると言う。大暴落直後に姿を消した弁護士の罪は重い。弁護士の肩書きを悪用した最低の行為と断じる。一方で気軽に名義を貸した方々は無知と言わざるを得ない。証券会社は知人の自宅の差し押さえ等で債権回収を図っているが・・・。到底回収出来る金額では無く焦げ付きになる可能性が高い。

 今回のOHT株式の一件は現在”逃亡中”の弁護士が他人名義の複数口座を使い取引が活発に装って株価吊り上げを図ったと見られる。さいたま地検は
証券取引法違反(相場操縦)の疑いで弁護士事務所の家宅捜索を行なっている。いったい弁護士はどこに隠れているのだろうか?もしかしたら既に海外逃亡しているかもしれない。近々強制捜査になることは間違いない。一刻も早く弁護士の身柄を拘束して不正を暴く必要がある。

 証券会社は名義借りによる不正防止の為に信用取引の契約の際の審査を厳しくする等の対策を打つ必要がある。銀行では架空名義の口座による問題が多発したことを受け、新規に口座を開設する場合には身分証明書の提示等厳密に本人確認が実施される様になった。同様に証券会社での新規の口座開設に際しては少なくとも本人確認が必要と考える。更には現行の口座についても架空名義、あるいは名義借りの有無のチェックが必要と考える。

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