2007.7.16

 7月11日大証はヘラクレス上場のアライヴコミュニティについて「既存株主の持ち分の著しい希釈化を招き流通市場に混乱をもたらす恐れあり」として投資家に注意を喚起した(こちら 参照)。アライヴは7月11日午前3時25分に8通の開示を行なった。その非常識さにも呆れ果てる。さて株式分割→第三者割当による新株予約権発行、これだけならばどこにでもある話だが・・・。とんでもない有利発行で既存株主が痛手を蒙る可能性が高いとして大証は投資家に向けて警告を発した。これに対し7月13日アライヴは反論のコメントを出した(こちら 参照)

 それではどの様なFinanceなのだろうか?まず10:1の株式併合を行ない発行済み株式が10万1180株→1万118株となる(こちら 参照)。同時にEARSTERN ALLIANCE ENTERPRISES LTD、バリューアップを割当先とする新株予約権を発行する(こちら 参照)。呆れた事に予約権行使後には何と発行済み株式が約30倍以上に膨れ上がる。これだけでもアライヴ経営陣の酷さが出ている。ところがこれだけではない。7月10日のアライヴの終値は3万5750円・・・10:1の株式併合後には理論上10倍になる筈。 ところが行使価格が2万円とは・・・?大量の新株式発行、しかも極めて安価となれば希薄化は必至、株価の大幅下落は免れない。どこから見ても
既存株主を足蹴にした極悪Finanaceでしかない。

 アライヴ経営陣に罪悪感があるかどうかは知らないが
既存株主を対象とした新株予約権を発行する(こちら 参照)。今年10月1日時点での株主を対象として保有する1株に対して最大5株を1円/株で取得出来る新株予約権を無償で割り当てる。しかも年2回の保有状況により見直しが行なわれる。株主1人あたりの最大割当数が決まっているのでどの位の新株式が発行されるのかは株主数(株式分布)に依存する。つまり現状では発行株式数不明となる。ところで権利行使出来るのが2010年11月1日と3年以上も先になる。「それ迄辛抱しなさい」とでも言いたいのだろうか?それにその頃にアライヴの株価がどうなっているのか分かったものではない。既存株主にも配慮しているとの姿勢を示したつもりだろうが・・・。いずれにせよいい加減な経営陣の言い分は信用出来ない。

 ところで予約権行使後には割当先2社で発行済み株式に対する保有比率が95%を超える。こんな酷い状況で上場維持して良いとは到底思えない。しかしながらヘラクレスの上場廃止基準には少数特定者持株数の規定は無くアライヴは上場廃止基準に抵触しない。流動性を考慮しないのは何やら可笑しい感じがする。
証券取引所間で基準の整合を図る必要があると考える。

 引受け先の
2社共に極めて胡散臭いペーパーカンパニー・・・何せバリューアップ:資本金300万円、EASTERN ALLIANCE ENTERPRISES LTDの資本金:1000香港$(約1万5000円)、2社共に従業員数:0となれば実態は何も無い。トンネル会社の背後に怪しい陰が見え隠れする。資金源は一体どこなのだろうか?「今年1月に破綻したアドテックスの様に”●●●”が絡んでいるのでは?」との疑念すら抱く。正体不明の輩が上場企業の経営権を握るのは疑問がある。何らかの規制が必要と考える。

 2007.7.17

 6月25日にドイツ銀行ロンドン支店を割当先としたFInanaceを発表した
グッドウイル・グループの株価は右肩下がりに下落を続けている。今日の終値は前日比2300円安の3万3400円で取引を終えている。6月25日の終値と比較して累積下げ幅は1万7300円・・・一体どこで下げ止まるのだろうか?何せグループを率いる折口氏は見るからに胡散臭い。果たしてどの程度の信用度があるのだろうか?グッドウイルは「データ装備費」問題で現時点で約37億円の特別損失を見込んでいる。この件に関しては最終的には約200億円に膨らむ可能性がある。また介護事業譲渡についてもこの先どうなるか予断を許さない。グッドウイルの信用失墜を鑑みればグループの前途が安泰とは言えない状況にある。

 さて7月10日に新株予約権と引換えに102億円を払い込んだドイツ銀行はどう考えているのだろか?このまま下がり続ければどうなるのだろうか?まさか10月11日の行使期限切れを黙って迎えることはしない。むざむざ102億円をどぶに捨てる様な愚挙は考えられない。さりとて安い価額で権利行使出来てもトライアイズ(旧ドリテク)、Yozanの如き超低水準に迄下落しては大きな損失を蒙る。金融機関が無策に損失を蒙るとは考え難いが・・・。何か次の一手があるのだろうか?何にせよどの様な手を打って来るのか興味深い。短期決戦だけに目が離せない。

 7月13日
Yozanは45億円のCB発行を発表した(こちら 参照)。調達資金の用途は「今後の事業運営資金、並びに社債、新株予約権償還に充当」とある。行使価額は937円・・・全て株式転換されれば新たに421万526株の新株式が発行される。7月13日時点の発行済み株式355万9686株を大きく上回る。「MSCBに比較して既存株式価値の希薄化懸念による株価に対する影響を緩和した設計」とは何と白々しい欺瞞に満ちた大嘘と呆れ果てる。発行済み株式を上回る大量の新株式が特定の第三者に発行される状況のどこに希薄化緩和を考慮したと言えるのだろうか?苦し紛れのFinanceで既存株主を足蹴にする最低の行為と断じる。ちなみにYozanの株価は先週の5営業日理由不明の上昇を続けていたが・・・。今日は流石に極悪Financeを受け終値は前日比156円安の1249円で取引を終えている。 明日以降CB行使価額の937円に向けて下落すると見ている。さて・・・?

 2007.7.18

 昨日
グッドウイル・グループは『新株予約権の大量行使に関するお知らせ』を開示した。開示によると昨日迄にドイツ銀行は4万3500株分について権利行使した。加重平均すると9638円86銭/株・・・最初に払い込んだ2万5500円/株と合算すると3万5138円86銭となる。ちなみに今日の終値は前日比1950円安の3万1450円で取引を終えている。ドイツ銀行の取得価格を大きく下回り今回の取得分だけで早くも約1億6000万円の含み損を出したことになる。権利未行使分が35万6500株もある。ドイツ銀行はどのタイミングで権利行使するのだろうか?またどのタイミングで売却するのだろうか?グッドウイルの株価上昇の見込みは極めて薄い。最終的にドイツ銀行の損益がどうなるのか興味深い。

 7月12日に極悪決算を発表した
エフェクターの株価は坂道を転げ落ちるかの如く下げ足を早めているとても上場企業の決算とは言えない醜態では当然と言えば当然・・・。今日の終値は前日比1930円安の1万5170円で取引を終えている。材料の欠片も皆無となれば株価上昇の目などどこにも見当たらない。来週中には1万円割れがあるかもしれない。そうなればかつて破綻したサンテクと同じ末路を歩む可能性がある。市場の名を汚す企業にはさっさと退場処分を下すべき・・・。

 2007.7.19

 東京地裁は村上ファンド元代表の村上氏に対し証券取引法違反(インサイダー取引)で懲役2年、罰金300万円、追徴金11億4900万円を言い渡した。同時にMACアセットマネジメントには罰金3億円を言い渡した。高麗裁判長は「一般投資家ではなり得ない特別な地位を利用したプロによる犯罪で買い付け額は類を見ないほど巨額。強い利欲性が認められ非難に値する」と述べた。追徴金額はインサイダー取引事件では最高額、また村上氏への実刑と悪質な経済事犯へ厳罰で望む司法の厳しい姿勢を示した。堀江氏への実刑判決と比較して村上氏を有罪と認定すれば実刑判決は予想出来た。さて村上氏は即日控訴、次の舞台は東京高裁へと移る。尚村上氏は今日夕刻保釈金7億円で保釈された。

 今日グッドウイル・グループは2度目の『新株予約権の大量行使に関するお知らせ』を開示した。開示によると昨日迄にドイツ銀行は4万4000株分について権利行使した。加重平均すると3568円27銭/株・・・最初に払い込んだ2万5500円/株と合算すると2万9068円27銭となる。ちなみに今日の終値は前日比3790円安の2万7760円で取引を終えている。今回の取得分だけで5760万円の含み損を出したことになる。最初の取得と合算して約3億7800万円ほどの含み損となるが・・・。

 さて今回のFinanceでの最低行使価額は1円に決められている。行使価額は2連続営業日の終値の単純平均の95%から予約権価額(2万5500円)を控除して算出される。つまりは平均値が2万6842円を下回ればその時点で1円となり株価が上昇しない限り行使価額は1円に据え置かれる。株価が更に下がり続ければドイツ銀行が権利行使しても含み損が拡大するだけ・・・。さて明日の株価下落幅によっては行使価額1円となる。現時点で権利未行使分が31万2500株もある。ドイツ銀行の対応は如何に・・・?

 2007.7.20

 グッドウイル・グループに対するドイツ銀行の対応について株式に詳しい方から次の様に教えて頂いた。

 
ドイツは既に勝てるだけの十分な手を打っていると推測しています。
 
個人的には、ドイツはMSSO発表前後に相当数の空売りを行なっており、後は予約権行使及び
貸し株返還を行なうだけの状態になっているのではないかと思うのですが・・・。


 なるほど空売りは充分にあり得る。空売りして株価下落のタイミングを見計らって新株予約権行使、加えて買い戻しを行なえば捌けるかもしれない。ドイツ銀行が黙って損するとは考え難い。いずれドイツ銀行から大量保有報告書が提出されれば状況は明らかになる。ちなみにドイツ銀行は今日も1318円/株で4万6000株分の権利を行使した(こちら 参照)。これで未行使分は26万6500株となった。

 読売新聞が今朝の朝刊で「
村上ファンドが買い集めたTBS株式の売却で2005年10月に200億円の利益を上げていたことが読売新聞が入手した同ファンドの内部資料で明らかになった」と報じている(こちら 参照)。売却先について「市場では村上ファンドが楽天にTBS株を売ったとの見方が多い」としている。この微妙な時期にこの様な情報が流れた意図は何なのだろうか?ところでTBS株式取得を巡り村上ファンドとの関与が指摘されたことを受けて楽天の株価は大きく下落して年初来最安値を更新した。今日の終値は前日比1650円安の3万6100円で取引を終えている。

 明日の高知競馬第3R『正勝芳子ラブラブ特別C(ダート:1400m)』に「
ホリエモン」が出走する。 前3走続けてドンジリではどうにもならない。明日もほとんど期待出来ない。果たして・・・?

 2007.7.21

 愈々
7月23日にダヴィンチ・アドバイザーズのTOCへのTOB締切期限を迎える。下馬評ではダヴィンチ優勢と伝えられる。成立すれば上場企業としては国内初の敵対的TOB成功となるが・・・。

 高知競馬第11Rに出走した「
ホリエモン」は勝った「バンブーウニオン」から2秒0離された6頭立ての5着と惨敗した。今回も行きっぷりがあまりにも悪く全く先行出来ない。以前は逃げ切りもあるのにいったいどうしたことか・・・?これでは当分勝ち目は無い。

 2007.7.22

 本日休載します。

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