第41段 * 数学パズル *
数学と言うとやたら面倒で極めて硬い世界と思われている。まあそう言わずに数学を使った”頭の体操”の世界にお付き合いをして頂きたい。
T) 相手の誕生日と年齢当て・・・次の手順で質問すれば求まる。(10月2日、25歳の場合で例示)
1) 生まれた月を100倍する。 10x100=1000
2) それに生まれた日を加える。 1000+2=1002
3) それを2倍する。 1002x2=2004
4) それに8を加える。 2004+8=2012
5) それに5を掛ける。 2012x5=10060
6) それに1を加える。 10060+1=10061
7) それに10を掛ける。 10061x10=100610
8) それに7を加える。 100610+7=100617
9) それに年齢を加える。 100617+25=100642
100642のどこにも10月2日、25歳なんぞ出てこないが、実はこれで既に解は求まっている。
ここで”魔法の数”417が突如出現する。9)の数から417を減じる。100624−417=100225
この数字を良く見て頂きたい。10、02、25・・・月、日、年齢となっているではないか!
試しに自分の誕生日と年齢で上記の手順で計算して頂きたい。ズバリ正解が得られる。
ところで8)の”+7”の意味は、魔法の数を”417(ヨイナ)”にする為の細工である。
上記の手順、それに謎の数”417”は何だろうか?それでは謎解きをしてみよう。
年齢をX、誕生月をY、日をZとして上記の手順に当てはめてみる。
1) Yx100=100Y
2) 100Y+Z
3) 2(100Y+Z)
4) 2(100Y+Z)+8
5) {2(100Y+Z)+8}x5
6) {2(100Y+Z)+8}x5+1
7) [{2(100Y+Z)+8}x5+1]x10=10000Y+100Z+410
8) (10000Y+100Z+410)+7
9) (10000Y+100Z+410)+7+X=10000Y+100Z+X+417
9)の式から417を減じると 10000Y+100Z+X が求まる。下2桁が年齢、中2桁が日、
上1桁又は2桁が誕生月となる。少々手順がややこしいが試してみて頂きたい。但し年齢100歳以上
の方にはこの方法は適用不可なのでご注意を。
U) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 の数字の順番を変えずに、数字の間に+又は−の演算記号
を入れて、その計算結果が100になる式を作る。尚、1の前にも+、−を使うものとする。
但し( )を使用してはいけない。
解答例) (+)123+45−67+8−9=100
これ以外にも解答はある。できるだけ演算記号が多く使って欲しい。この問題も考え始めると
けっこう面白い。これに飽き足らない方は次のもう少し難しい問題をどうぞ。
・1 2 3 4 5 6 7 8 9 の数字の順番を変えずに、数字の間に四則演算記号
+、−、x、÷を入れて、その計算結果が100になる式を作る。尚、1の前にも+、−を使う
ものとする。但し( )を使用してはいけない。
これでも物足らない?その様な方へはこれではいかが?これはかなり難しいと思うが・・・。
・○に1から9までの数字を1回づつ使い、○○ X ○○○=○○○○ が成り立つ様にせよ。
それでは最後に1つの数字を複数個使って最大の数を表現してみよう。
V) 9を3つ使い表現される最大数はいくつか?但し演算記号などの記号を使ってはいけない。
これがわかったら次に2を4つ使い表現される最大数を求めて欲しい。
それではもう一つ。「任意の整数において各桁の数の和が3の倍数の時、元の整数は3の倍数になる」と言うことを皆さんもご存知と思う。つまり”567”の場合、”5+6+7=18”で3の倍数なので”567”も3の倍数になる。たしかに567=3x189である。何故こうなるのか、証明してみよう。
(証明) 一般的にも証明できるが、ここでは簡単の為に3桁の場合を想定して証明する。
3桁の整数は一般的に 100a+10b+c (但しa,b,cは1桁の整数) と表わされる。
各桁の数の和が3の倍数であることより、a+b+c=3m (但しmは整数) と表わされる。
従って 100a+10b+c=99a+9b+(a+b+c)=9(11a+b)+(a+b+c)
=32(11a+b)+3m=3{3(11a+b)+m}
ここで 3(11a+b)+m=n とおけば 100a+10b+c=3n と表わされる。即ち3の倍数である。
とまあこんな具合に数学の世界にはパズルの様な問題がたくさんある。皆さんも数学なんてと敬遠ばかりせずにちょっとだけでも覗いて見てはどうだろうか?意外と面白い世界かもしれない。